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Re:ゼロから始める異世界生活のネタバレ【小説・アニメ・漫画】

【リゼロ】四大国を完全比較|ルグニカ王国・ヴォラキア帝国・カララギ都市国家・グステコ聖王国の違いを徹底解説

『Re:ゼロから始める異世界生活』の物語は、ひとつの大陸の上に広がる「四大国(四大大国)」を舞台に進んでいく。スバルとエミリアが暮らす親竜王国ルグニカ、剣狼たちが覇を競う神聖ヴォラキア帝国、商人の知略がうごめくカララギ都市国家、そして永久凍土に閉ざされたグステコ聖王国。この四つの国は、政治体制も、地理も、文化も、そこに生きる人々の価値観も、まったく異なっている。

本記事は、個別の国解説記事(各国の単独ページ)とは別に、四つの国を横並びで比較する「総覧ハブ」として書いた。「結局どの国がどう違うのか」「王選とは何で、なぜルグニカだけが王を選挙で決めるのか」「ヴォラキアの皇帝はどうやって決まるのか」――そうした疑問に、政治体制・地理・文化・代表人物・物語での役割という五つの軸からまとめて答えていく。各国をさらに深掘りしたい方のために、ルグニカはルグニカ王国の完全解説、ヴォラキアは神聖ヴォラキア帝国の完全解説へと送客する導線も各章に用意した。

物語全体の流れをまだ把握していない方は、先にリゼロ全体のあらすじまとめ用語集・基本設定に目を通しておくと、四大国の位置づけがより立体的に見えてくるはずだ。

目次

四大国 早見比較表——5つの軸で一望する

まずは全体像を掴むために、四大国の「型」を一枚の表に落とし込んだ。細部はこのあと各国の章で掘り下げるが、ここを押さえておけば「どの国がどんな性格か」が一目でわかる。

項目 ルグニカ王国 ヴォラキア帝国 カララギ都市国家 グステコ聖王国
正式名称 親竜王国ルグニカ 神聖ヴォラキア帝国 カララギ都市国家 グステコ聖王国
統治の型 王政(現在は王選で次代の王を選出中) 皇帝専制(実力主義) 商人による合議・経済主導 宗教(精霊信仰)と聖王による統治
頂点を決める方法 王選(竜の巫女5人の争い) 選帝の儀(資格者による生き残り) 商会の実力・資本力 精霊オドグラスが「聖王」を選定
地理・気候 大陸東側/温暖で過ごしやすい 南方/乾いた苛烈な気候 西方/雨が多く農地は乏しい 北方/永久凍土・極寒
作者が挙げたイメージ オーストラリア的 スペインあたり 雨の多い「大阪国」 吹雪の北欧
象徴・守護 神龍ボルカニカ(竜の盟約) 陽剣ヴォラキア・剣狼 初代建国者・荒地のホーシン 精霊オドグラス・グステコ聖教
価値観のキーワード 盟約・伝統・血統 強さこそ正義・弱者は淘汰 富・契約・信用 信仰・試練・忍従
物語での主な役割 第1〜6章・第9章以降の本拠地 第7章(帝国編)の主戦場 王選候補アナスタシアの出身地 暗殺者エルザらの故郷・背景国

この表が示す通り、四大国は「頂点をどう決めるか」という一点だけ見ても四者四様だ。ルグニカが巫女による選挙、ヴォラキアが殺し合いを含む生き残り、カララギが資本の力、グステコが精霊のお告げ。この違いこそが、各国の国柄をそのまま映し出している。

興味深いのは、この「頂点の決め方」が、それぞれの国が何を最も恐れ、何を最も信頼しているかを裏返しに語っている点だ。ルグニカは王家の血が絶えても国が割れないよう、神龍との盟約という超越的な後ろ盾に正統性を委ねた。ヴォラキアは弱い君主が国を傾けることを恐れ、最強の一人だけを残す苛烈な選別を選んだ。カララギは生まれや武力という「持って生まれたもの」を信じず、誰もが裸一貫から成り上がれる富の実力主義を据えた。そしてグステコは、人智の及ばぬ自然の前で、人間の判断そのものを手放し精霊の選定に委ねた。四つの国を並べると、それは単なる制度の違いではなく、「人は何を頼りに国を束ねるのか」という四つの答えとして読めてくる。リゼロの世界観が単なる舞台装置にとどまらない厚みを持つのは、こうした設計の妙によるところが大きい。

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そもそも「四大国」とは? リゼロ世界の地理を押さえる

個別の国に入る前に、四大国が乗っている「世界そのもの」の構造を確認しておきたい。ここを理解しておくと、各国の位置関係や、なぜ国同士が容易に攻め込めないのかが腑に落ちる。

世界は「平面」で、果てには大瀑布がある

リゼロの世界は、地球のような球体ではなく平面(一枚の大陸)として描かれている。大陸の四方は「大瀑布(だいばくふ)」と呼ばれる巨大な滝に囲まれており、世界の水はその縁から際限なく下へと落ち続けている。滝の向こうがどうなっているのかは、精霊ですら知らないとされ、ただ「龍の楽園」が広がっていると伝えられるのみだ。怠惰の魔女セクメトはこの大瀑布の下へと落ちて命を絶ったという逸話も残る。

この「閉じた一枚の大陸」を四つに分け合うように存在しているのが、ルグニカ・ヴォラキア・カララギ・グステコの四大国である。大陸の大部分はこの四国が占めており、それ以外は人の手の及ばぬ危険地帯――たとえばルグニカ東端に広がり、濃い瘴気と魔獣がひしめくアウグリア砂丘(プレアデス監視塔)のような場所が点在している。

作者が語った「四大国=現実の国のイメージ」

原作者・長月達平氏は、読者からの質問に答える形で、四大国それぞれの気候イメージを現実の地域になぞらえて語っている。曰く、ルグニカはオーストラリアのような過ごしやすいイメージ、北のグステコは吹雪が降り続く北欧、西のカララギは雨の多い「大阪国」、南のヴォラキアはスペインあたり――というものだ。あくまで作者個人の「イメージ」であって作中の正式設定ではないが、各国の空気感を掴むうえで非常に分かりやすい指針になる。

ここから、いよいよ四大国を一国ずつ見ていく。各国の解説は「①政治体制 ②地理 ③文化 ④代表人物 ⑤物語での役割」の順で統一しているので、気になる国だけ拾い読みしても比較しやすいはずだ。

① 親竜王国ルグニカ——竜の盟約と「王選」の国

主人公ナツキ・スバルが召喚され、ヒロイン・エミリアが暮らす、物語の中心となる国。第1章から第6章、そして第9章以降の主要な舞台でもある。国名の「親竜(しんりゅう)」が示す通り、神龍ボルカニカとの関係を国家の根幹に据えた特殊な国だ。

政治体制:王家の断絶と「王選」

ルグニカは本来、王家による王政で統治されてきた国だった。しかし王族が病によって一斉に世を去り、王家の血統が断絶するという事態に陥る。残された手がかりは、神龍が遺したとされる「竜歴石(りゅうれきせき)」に刻まれた文言――次代の王にふさわしい5人の「竜の巫女」を選び、神龍との盟約を更新するまでに新王を決めよ、というものだった。

こうして始まったのが「王選(おうせん)」である。ヴォラキアの殺し合いとも、グステコの神託とも違い、複数の候補者がそれぞれの理念を掲げて支持を競うこの方式は、長らく王族によって平和に統治されてきたルグニカの穏当な国柄をよく表している。王選の候補者と陣営の力学については、ルグニカ王国の政治体制・王選の仕組み・五大候補者の完全解説で詳しくまとめている。

地理:大陸東側の温暖な大地、五芒星の五大都市

ルグニカは大陸の東側に広がる広大な国土を持ち、王都ルグニカを中心に、五つの大都市が五芒星(ペンタグラム)を描くように配置されている。西端にはカララギと国境を接する水門都市プリステラがあり、ヴォラキア寄りには商業都市ピックタットが置かれるなど、隣国との接点が都市の性格にも表れている。気候は温暖で過ごしやすく、エルフの里があったエリオール大森林のような豊かな自然も抱える。「魔獣王国」とも呼ばれる側面を含め、ルグニカの地理はルグニカ王国の地理・五大都市の解説記事に譲る。

文化と価値観:盟約・伝統・血統

ルグニカを貫く価値観は「盟約」「伝統」「血統」だ。守護神たる神龍ボルカニカは、四百年前に賢者フリューゲル・剣聖レイドと共に嫉妬の魔女サテラを封じた「三英傑」の一柱とされ、その存在は国民の精神的支柱になっている。盟約とは、ルグニカが窮地に陥った際に神龍が救いをもたらし、代わりに王族が何らかの約束を果たすという契約であり、ルグニカという国の在り方そのものを縛っている。神龍をめぐる謎については神龍ボルカニカとは何者か、三英傑の伝説は賢者フリューゲル剣聖レイドの各記事で深掘りしている。

代表人物:王選候補とその騎士たち

ルグニカを語るうえで欠かせないのが、王選に名乗りを上げた候補者たちだ。半妖精でスバルが支えるエミリア、貧民街出身の少女フェルト、公爵家の女傑クルシュ・カルステン、太陽のごときプリシラ・バーリエル、そしてカララギ出身の大商人アナスタシア・ホーシン。さらに「剣聖」の名を継ぐラインハルト・ヴァン・アストレアや、最優の騎士ユリウス・ユークリウス、辺境伯ロズワール・L・メイザースなど、ルグニカは多彩な人材を擁する。主要人物の関係は登場人物・相関図で俯瞰できる。

物語での役割:すべての始まりの地

ルグニカは、スバルが異世界へ召喚されてから王選に巻き込まれ、死に戻りを繰り返しながら成長していく、物語の出発点にして帰る場所だ。第7章でいったん舞台はヴォラキアへ移るが、第9章以降は再びルグニカ周辺が主戦場となっていく。まさに「リゼロの中心」と呼ぶにふさわしい国である。

② 神聖ヴォラキア帝国——「剣狼の国」と九神将

大陸南方に位置する、を国是とする超大国。第7章「殉情の神聖ヴォラキア帝国編」の主戦場であり、スバルがレム・ベアトリスらと共に放り込まれ、生死を賭けた戦いを繰り広げる国だ。その荒々しい気風から「剣狼(けんろう)の国」とも称される。帝国全体の見取り図は神聖ヴォラキア帝国の完全解説に集約している。

政治体制:皇帝専制と「選帝の儀」

ヴォラキアは皇帝による専制国家であり、その頂点を決めるのが「選帝の儀(選定の儀)」だ。これは前皇帝の子どもたちが互いに殺し合い、最後に生き残った者が皇帝となるという、苛烈きわまる継承制度である。資格の有無を試すのが魔剣「陽剣ヴォラキア」で、皇帝の資格を持つ者だけがこれを抜くことができ、資格なき者は陽剣の炎に焼かれてその場で灰に変わるとされる。「強さこそ正義、弱者は淘汰される」というヴォラキアの思想が、継承制度そのものに刻み込まれているのだ。

地理と文化:苛烈な気候、淘汰の倫理

ヴォラキアは南方の乾いた苛烈な土地に広がり、ルグニカとの間にはガードン山脈という天然の要塞が横たわる。歴史的に両国は幾度も戦火を交えてきた間柄で、現在の「平和」も友好ではなく互いに手を出せない均衡にすぎない。文化的にも、強者を尊び弱者の脱落を当然とする独特の倫理観が社会の隅々まで浸透しており、四大国の中でもとりわけ生き馬の目を抜く厳しさを持つ国として描かれる。

代表人物:皇帝ヴィンセントと「九神将」

ヴォラキアの現皇帝は、第77代ヴィンセント・ヴォラキア。冷徹な知略で帝国を統べる傑物で、前皇帝ドライゼン・ヴォラキアの子らの中でも際立った存在だった。そして帝国の武を象徴するのが、皇帝直属の精鋭「九神将(きゅうしんしょう)」である。名の通り9人で構成され、数字が小さいほど強いと見なされる序列を持つが、番号と実際の実力が必ずしも一致しない点は注意したい。

九神将の代表格としては、「青き雷光」と呼ばれる壱のセシルス・セグムント、弐のアラキア、参の老獪な忍びオルバルト・ダンクルケン、肆の知将チシャ・ゴールド、魔都を治める漆のヨルナ・ミシグレ、玖のマデリン・エッシャルトなどが挙げられる。九神将それぞれの強さを格付けした九神将 強さ序列ランキングもあわせて読むと、帝国の戦力構造がよく見えてくる。

物語での役割:第7章の主戦場、そして史上初の同盟へ

第7章でスバルたちはこのヴォラキアに飛ばされ、皇帝の座をめぐる帝国の内乱に巻き込まれていく。詳細な展開は第7章(ヴォラキア帝国編)ネタバレまとめArc7 帝国編の概要に譲るが、帝都での決戦を経て、長年いがみ合ってきたルグニカとヴォラキアの間に「史上初の同盟」が成立する。この同盟は、続く第8章以降に迫る「大災」に立ち向かうための土台となり、リゼロ世界の今後を大きく左右していく。帝国編の先を見据えるなら第8章(大災編)のガイドも参照したい。

③ カララギ都市国家——商人が築いた「富と契約」の国

大陸西方に位置する、商業を中心に据えた都市国家連合。王も皇帝も持たず、商会と資本の力が国を動かすという、四大国の中でも異色の存在だ。王選候補のひとりアナスタシア・ホーシンの出身地としても知られる。

政治体制:武力ではなく「資本と契約」で立つ国

カララギは王政でも皇帝専制でもなく、商人たちの実力・資本力が物を言う経済主導の国家である。建国そのものが、武力ではなく「対話と謀略」によって成し遂げられた点が、この国の本質を端的に物語っている。契約と信用取引の概念が社会の基盤に据えられており、富こそが力であるという価値観が国全体を貫いている。

地理と文化:乏しい農地と、独特の「ワフー文化」

カララギは雨こそ多いものの干ばつ地帯が広がり、農作に適した土地は乏しい。その厳しい条件を、農業ではなく商業で乗り越えてきたのがこの国だ。そして最大の特徴が、建国者がもたらしたとされる「ワフー(和風)文化」である。着物・温泉・和食といった現代日本を思わせる文化が根づき、お好み焼きが「ダイスキヤキ」として残るなど、随所にその影響が見られる。作者が「雨の多い大阪国」とイメージを語ったのも、この関西的・商人的な気風と無縁ではないだろう。

代表人物:建国者ホーシンと大商人アナスタシア

カララギを語るうえで欠かせないのが、約四百年前にこの国を建てたとされる荒地のホーシンだ。一切の武力を用いず、対話と謀略のみで小国をまとめ上げ、ルグニカ・ヴォラキア・グステコと並ぶ四大国の一角にまで押し上げた伝説の人物である。日本人ではないかという説も根強い。

そのホーシンに憧れて勝手に苗字を名乗ったのが、現代の大商人アナスタシア・ホーシンである(両者に血縁関係はない)。彼女はホーシン商会を一代で築き上げ、王選にも参戦する野心家だ。アナスタシアの騎士であり最優の騎士でもあるユリウス・ユークリウス、傭兵団「鉄の牙」のリカード・ウェルキンミミ・パールバトンといった面々も、カララギの空気をまとった人物たちだ。

物語での役割:王選を通じて物語に絡む経済大国

カララギ自体が主戦場になる場面は今のところ少ないものの、アナスタシア陣営を通じて王選に深く関与し、リゼロ世界の経済という側面を担っている。武の帝国ヴォラキア、信仰のグステコと対比すると、「富と知略で立つ国」というカララギの個性がいっそう際立つ。建国者ホーシンの詳しい人物像はカララギ都市国家の建国史・ワフー文化・主な登場人物でさらに掘り下げている。

④ グステコ聖王国——永久凍土と精霊信仰の国

大陸北方に位置する、国土の大半が永久凍土に覆われた極寒の大国。四大国の中でも最も過酷な自然環境で知られ、その厳しさが独特の宗教国家としての性格を生み出している。詳細はグステコ聖王国の解説記事にまとめている。

政治体制:精霊が「聖王」を選ぶ宗教国家

グステコは、王選でも選帝の儀でもなく、精霊オドグラスが国家と聖教団のトップである「聖王」を選定するという、信仰に根ざした統治形態を持つ。国民のほとんどが「グステコ聖教」に入信しており、過酷な環境は精霊がもたらす「試練」であるという教義を疑わない。精霊の加護なしには生存すら難しい土地ゆえ、精霊信仰が国民の生活そのものと一体化しているのだ。

地理と文化:吹雪の北方、忍従の倫理

国土の大半が永久凍土に覆われ、吹雪が降り続く――作者が「北欧イメージ」と語った通りの、極寒の北方国家である。霊峰パルドキアの山頂に座す精霊オドグラスが国民に「祝福」をもたらし、人が生きられる「聖地」を作り出していると信じられている。こうした環境が、信仰・試練・忍従という、四大国の中でも特に内省的で禁欲的な価値観を育んだ。豊かさのカララギ、強さのヴォラキアとは対照的な国柄だ。

代表人物:暗殺者エルザ、巡回聖教師ライサ

グステコは作中で正面から描かれる機会こそ多くないが、この国を故郷とする人物が物語の影で重要な役割を果たしている。第1章でスバルを幾度も死に至らしめた「腸狩り」の異名を持つ暗殺者エルザ・グランヒルテ、そして彼女と行動を共にする魔獣使いの少女メィリィ・ポートルートは、いずれもグステコの出身とされる。また、グステコ聖王国の巡回聖教師ライサのように、信仰を背負った人物も登場し、この国の宗教的色彩を物語に持ち込んでいる。

物語での役割:背景に潜む「もうひとつの大国」

グステコは、ルグニカやヴォラキアのように主要な舞台として全面展開する場面は現時点では限られる。しかし、暗殺者や聖教師といった登場人物の背景として、また精霊信仰という独自の世界観の象徴として、リゼロ世界に確かな奥行きを与えている。今後、物語が大陸全体を巻き込む規模へと拡大していけば、この極寒の宗教国家がより前面に出てくる可能性は十分にある。

四大国の関係と対立——均衡・戦争・そして同盟

四つの国を個別に見てきたところで、最後に国と国との関係性を整理しておきたい。四大国は決して仲良く並び立っているわけではなく、長い歴史の中で戦争と緊張を繰り返してきた。

ルグニカ対ヴォラキア——長き宿敵関係

最も根深いのが、ルグニカとヴォラキアの宿敵関係だ。両国は大陸の東と南で長大な国境を接し、間に横たわるガードン山脈を挟んで幾度となく戦火を交えてきた。現在の両国は表向き平和を保っているが、それは友好というより「互いに手が出せない均衡」――どちらも相手を一気に呑み込むだけの決定力を欠いた、緊張をはらんだ膠着状態にすぎない。武を尊ぶ帝国と、盟約と伝統を重んじる王国。価値観の根本的な違いも、両国を隔ててきた一因だろう。

第7章で生まれた「史上初の同盟」

その長年の対立に、物語上の大きな転機が訪れる。第7章の帝都決戦を経て、知将チシャ・ゴールドの犠牲などを代償としながら、ルグニカとヴォラキアの史上初の同盟が結ばれるのだ。長く血で血を洗ってきた二大国が手を取り合うという、リゼロ世界の地政学を根底から塗り替える出来事である。そしてこの同盟は、続く「大災」――世界規模の脅威――に立ち向かうための礎となっていく。

四大国を貫く共通の影——四百年前の「嫉妬の魔女」

政治体制も文化も異なる四大国だが、その歴史の根には共通の影が横たわっている。四百年前、世界の半分を滅ぼしかけたとされる嫉妬の魔女サテラの大厄災だ。三英傑がサテラを大瀑布近くの洞窟に封じたという伝承はルグニカの建国神話そのものだが、魔女と魔女教の脅威は国境を選ばない。第1章でスバルを苦しめた魔女教大罪司教たちのように、魔女教・大罪司教は四大国のいずれにも牙を剥き得る、国家の枠を超えた災いとして描かれている。ルグニカは三英傑によるサテラ封印を建国神話に据え、各国の文化や信仰も、多かれ少なかれこの「魔女の時代」の記憶を引きずっている。七大罪の魔女をはじめとする魔女たちの存在は、四大国という枠組みを超えて、リゼロ世界全体に影を落とす根源的なテーマなのである。物語がこの先どこへ向かい、四大国の関係がどう動いていくのかは、原作の現在地・結末予想もあわせて追いかけたい。

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四大国にまつわる、よくある疑問

四大国はどこが一番強いの?

軍事力という一点だけで見れば、武を国是とする神聖ヴォラキア帝国がしばしば最強格に挙げられる。皇帝直属の九神将を筆頭に、国全体が戦いに最適化された「剣狼の国」だからだ。ただしルグニカには「最強の存在」とも称される剣聖ラインハルトが在り、彼一人の存在が国力の単純比較を覆しかねない。国家の格としては四大国はおおむね拮抗しており、「総合力で明確に一国が突出している」という描かれ方はされていない点に注意したい。キャラ単位の強さ比較は別途、強さ格付け系の記事で深掘りしている。

スバルたちはどの国にいるの?

主人公スバルとエミリアの本拠地は親竜王国ルグニカ。第1章から第6章まではこのルグニカ国内(王都や辺境のロズワール邸周辺)が舞台だ。第7章でのみ舞台が神聖ヴォラキア帝国へ移り、スバルたちは帝国の内乱に巻き込まれる。第8章以降は再びルグニカ側へと物語の軸が戻っていく。どの章がどの国の話なのかを整理したい場合は、あらすじまとめを時系列で追うのが分かりやすい。

「王選」と「選帝の儀」は何が違うの?

どちらも国のトップを決める制度だが、思想が正反対だ。ルグニカの「王選」は5人の候補者が理念と支持を競う選挙的な争いで、原則として殺し合いではない。一方ヴォラキアの「選帝の儀」は皇帝の子らが文字通り殺し合い、最後の一人が皇帝になる苛烈な制度である。平和的な王国と、淘汰の帝国――両国の国柄の違いが、頂点の決め方にそのまま表れている好例だ。

まとめ:四大国を知れば、リゼロの世界はもっと面白い

『Re:ゼロから始める異世界生活』の四大国を、5つの軸から比較してきた。最後に要点を振り返っておこう。

  • 親竜王国ルグニカ=神龍ボルカニカとの盟約を根幹に置く温暖な国。王家断絶後、5人の竜の巫女による「王選」で次代の王を選ぶ。物語の中心舞台。
  • 神聖ヴォラキア帝国「剣狼の国」。皇帝は子ら同士の殺し合い「選帝の儀」で決まり、陽剣ヴォラキアが資格を試す。皇帝直属の九神将が武を象徴。第7章の主戦場。
  • カララギ都市国家=武力ではなく富と契約で立つ商人の国。建国者・荒地のホーシンが残したワフー文化が特徴。王選候補アナスタシアの故郷。
  • グステコ聖王国=永久凍土の極寒の国。精霊オドグラスが「聖王」を選ぶ精霊信仰の宗教国家。暗殺者エルザらの背景国。

盟約のルグニカ、力のヴォラキア、富のカララギ、信仰のグステコ。頂点をどう決めるかという一点だけでも、四大国の個性はくっきりと分かれている。そして第7章で生まれたルグニカ・ヴォラキアの史上初同盟は、迫りくる「大災」に向けて、この四大国の勢力図を大きく動かしつつある。

四大国という「器」を理解しておくと、登場人物一人ひとりの背負った文化や価値観、国同士の駆け引きが立体的に見えてくる。各国をさらに深掘りしたい方は、ルグニカ王国ヴォラキア帝国カララギ都市国家グステコ聖王国の個別記事へ。世界観の全体像は用語集相関図、物語の流れはあらすじまとめ名場面ランキングで、それぞれ補完していただきたい。

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