「Re:ゼロから始める異世界生活」Arc7(ヴォラキア帝国編)において、スバルたちの前に突如として現れた老将がいる。腰の曲がった小柄な老人、オルバルト・ダンクルケン。彼が九神将の参(三番目)——帝国最強の九人に名を連ねる「悪辣翁(あくらつおう)」であることを知ったとき、読者は驚きを禁じ得ない。
九十余年を生きた老爺が、なぜ帝国最高戦力の三位を占めているのか。その答えは彼の「シノビ」としての生き様と、触れた者を強制的に幼児化させる異能の術式にある。スバルとの「かくれんぼ」対決は、Arc7屈指の名場面として多くのファンの記憶に刻まれている。本記事では、オルバルト・ダンクルケンの全てを徹底解説する。
オルバルト・ダンクルケンのプロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| フルネーム | オルバルト・ダンクルケン |
| 二つ名 | 悪辣翁(あくらつおう) |
| 地位 | 神聖ヴォラキア帝国 九神将 参(三番目) |
| 年齢 | 90歳超 |
| 性別 | 男性 |
| 種族 | 人間(九神将中、珍しい純人間) |
| 職能 | シノビ(忍び)の里の頭領 |
| 外見 | 腰の曲がった小柄な老人。きれいな歯が特徴 |
| 特技 | 忍術・諜報・暗殺・オド干渉(幼児化術) |
| 所属 | ヴォラキア帝国(九神将) |
外見と第一印象
オルバルトは九十余歳という高齢で、腰の曲がった小柄な老人として描かれる。一般的な老人と比べてもきれいな歯を持つことが印象的で、長年の鍛錬が身体の隅々にまで行き届いていることを感じさせる。見た目だけ見れば、どこにでもいる穏やかな老翁だ。
しかし、その内側には「悪辣翁」の異名にふさわしい漆黒の本性が潜んでいる。普段は冗談交じりに話し、お茶目な性格を演じているが、いざという場面では冷酷かつ老獪な判断を下す。九神将の参という地位が伊達ではないことを、スバルたちは身をもって知ることになる。
穏やかに話をしながらもその内側にはどす黒い感情を秘めている——「悪辣翁というネガティブな印象を与える異名とは裏腹に、基本的に冗談ばかりを言っているお茶目な性格」というギャップが、オルバルトというキャラクターの面白さだ。冷静で知恵もあり、本質的な部分は外さない老獪さこそが、悪辣翁の異名に最も相応しい。
九神将における立ち位置
ヴォラキア帝国の九神将は、皇帝直属の九人の最強戦力だ。数字が小さいほど序列が高く、「参(三番目)」に位置するオルバルトは、九神将中でも壱のセシルス・セグメントン、弐のアラキアに次ぐ第三位の実力者となる。
九神将の中には竜人や亜人など異種族も多いが、オルバルトは純粋な人間だ。種族的なアドバンテージなしに帝国最強三指に入るという事実が、彼の実力の本質を物語っている。人間の身体能力の限界を超えた忍術の鍛錬と、長年の経験によって磨かれた判断力こそが、オルバルトを九神将参たらしめているのだ。
ヴォラキア帝国の九神将一覧については、以下の記事でも詳しく解説している。
→「リゼロ」九神将一覧を完全解説|全9人のメンバー・二つ名・能力・Arc7での活躍
シノビの里の頭領として
オルバルトはヴォラキア帝国のシノビ(忍び)の里を率いる頭領でもある。正面からの戦闘力もさることながら、死角からの闇討ちや搦め手、諜報活動などを主戦場とする。「考えられる限りのあらゆるあくどい方法で特別任務を行う」という評価が、彼の任務内容を端的に示している。
帝国にとって、公の場での戦闘力だけでなく「裏での工作」を担う人材は不可欠だ。オルバルトはその頂点に立つ存在として、長年にわたり帝国の影の部分を支えてきた。
「幼児化」術式の詳細解説
オルバルトの最大の武器は、その異能の術式「幼児化」にある。これは「シノビの秘術」と呼ばれ、相手のオド(体内魔力・生命力)に直接干渉することで、対象者の身体を幼児の状態へと強制的に退行させる。
術式の仕組み
幼児化の術式は以下のメカニズムで機能する。
- オドへの直接干渉:オルバルトが対象に触れる、もしくは術式を込めた接触を行うことで、相手のオド(体内に流れる魔力・生命力)を乱し、身体の年齢を退行させる。
- 幼児への強制退行:術式を受けた者は意識を持ったまま、身体だけが幼い子供の状態へと変化する。精神年齢はそのままで、記憶も保持しているが、身体能力は幼児のそれとなる。
- 権能や能力への影響:幼児化の状態では、後天的に獲得した能力も喪失する可能性がある。アルが幼児化中に権能を使えなくなったのは、「スバルをコピーした年齢よりもさらに前」の身体年齢に退行したため、権能を手にする以前の状態に戻ったからだと考察されている。
- 死に戻りへの影響:スバルの「死に戻り」も幼児化中は通常とは異なる挙動を示した。幼児化した身体では、権能の発動に制限が生じる可能性が示唆されており、「愛のないループ」しかできないという状態に陥ったとされている。
術式の射程と発動条件
術式は対象との接触、もしくは近距離での術式発動が必要とされる。広範囲に一斉に幼児化させるのではなく、個別に対象へと施す方式のため、スバル・アル・ミディアムはそれぞれ個別に幼児化させられた。
また、術式は一度かかると相手が自力で解除することは困難で、オルバルト自身が解除を行う必要がある。これがスバルとの「かくれんぼ」交渉の前提条件となった。術者にしか解除できないという制約が、オルバルトとの交渉を不可避にした理由だ。
術式の弱点と解除条件
幼児化を解除できるのはオルバルト本人のみ、あるいはオルバルトが解除を認めた条件の達成による。Arc7では、スバルがオルバルトとの「かくれんぼ」に勝利することが解除条件として提示された。
なお、スバルの幼児化を解除しようとした際に特殊な事態が発生している。オルバルトの手が消失し、紅瑠璃城を覆う暗い闇が広がるという異常現象だ。これはスバルの内部に潜む何らかの権能——嫉妬の魔女やその力の介入とも推測される——が発動したことを示しており、通常の解除とは異なる特殊な状況となった。この現象が後の展開にどう繋がるかは、リゼロの長期的な伏線の一つとして注目されている。
幼児化が物語に与えたインパクト
「大人の意識と記憶を持つが、幼い身体しか動かせない」という状況は、スバルにとって特殊な苦境だ。通常の戦闘・逃走はできない。しかしスバルが本質的に持つ「頭脳での問題解決」「死に戻りによるループ学習」という強みは活かせる。
オルバルトが「かくれんぼ」という条件を提示したのも、幼児化した相手の「身体的限界」を前提とした遊戯だ。しかしスバルはその前提を逆手に取り、死に戻りとルイの能力を組み合わせることで逆転した。この対決構造は、リゼロが一貫して描く「知恵と権能による逆転劇」の典型例と言える。
Arc7「かくれんぼ」シーン完全解説
Arc7は「ヴォラキア帝国編」とも呼ばれ、スバルたちが神聖ヴォラキア帝国の内紛に巻き込まれる章だ。その中でも特に印象的な場面が、魔都カオスフレームでのオルバルトとの「かくれんぼ」対決である。
Arc7の背景——ヴォラキア帝国とカオスフレーム
神聖ヴォラキア帝国は、強さを至上の価値とする軍事大国だ。77代皇帝ヴィンセント・ヴォラキアは稀代の傑物として知られるが、宰相ベルステツ・フォンダルフォンがクーデターを起こしてヴィンセントを追放したことで、帝国は内乱状態に陥る。
魔都カオスフレームは帝国内の特殊な都市で、様々な勢力が入り乱れる複雑な場所だ。スバルとアル、ミディアムはこの都市で行動中にオルバルトと遭遇し、幼児化という事態に直面した。
幼児化の発生——突然の変身
Arc7の中盤、スバルはミディアム・オコーネル(プリシラの侍女)、そしてアルデバラン(アル)と共に、帝都カオスフレームを移動していた。そこへオルバルトが現れ、スバルたちのオドに術式を施す。
目が覚めると、身体が縮んでいた——幼児化の衝撃。スバルとアル、そしてミディアムの三人がそれぞれ幼い子供の姿へと変えられてしまう。大人の知識と記憶を持ちながら、動かない幼い身体。この状況がいかに絶望的であるか、想像するだけで伝わってくるだろう。
かくれんぼの条件提示
オルバルトはスバルたちに対し、奇妙な取引を持ちかける。「かくれんぼ」で自分に勝てば幼児化を解除してやろうというのだ。「この宿の近く、『瞼の裏』に隠れるとする」——オルバルトはそう告げて姿を消した。
幼いスバルには身体能力がない。隠れているオルバルトを探し出すことも、見つけた後に捕捉することも困難だ。だが逆を言えば、オルバルトとの「かくれんぼ」勝負という条件は、スバルの頭脳と権能「死に戻り」を活かせる土俵でもあった。
オルバルトはスバルたちを「幼児化した状態で評価する」目的もあったとされる。戦闘力や身体能力ではなく、頭の回転や発想力を見たかったのだ。これはシノビの里の頭領として、単純な武力ではない「生き残る知恵」を持つ者を評価しようとする視点だ。
繰り返される死と死に戻り
スバルはオルバルトとの「かくれんぼ」において、幾度も瞬殺を食らう。シノビの頭領であるオルバルトは、気配を消し、死角から現れ、スバルを文字通り一瞬で屠ることができる。
一ループ、また一ループ——スバルは死に戻りを繰り返しながら、オルバルトのパターンを学習していく。老将の隠れ方、動き方、攻撃の癖。死という代償を払いながら、スバルは着実にオルバルトの全体像を把握していった。
このシーンはリゼロにおける「死に戻りを使った知恵比べ」の典型例だ。Arc1のエキドナ戦や、Arc4のダフネ・ミネルヴァとの対決と同様に、単純な戦闘力の差を越えた逆転が描かれる。しかし幼児化という状況下での「死に戻り制限」が加わることで、スバルには通常以上の精神的プレッシャーがかかっていた。
ルイの能力とスバルの奇策
この対決において重要な役割を果たしたのが、当時スバルに同行していたルイ・アルネブの存在だ。ルイの能力を使ってオルバルトの背後へとワープし、背後からしがみつくことでスバルは勝利を掴む。
「追いかけっこは一回のみで勝利」——スバルが最初に提示したルールに従えば、背後に回り込んでしがみついた時点でスバルの勝利が確定する。オルバルトはこれを理解し、自らの負けを認めた。九神将参が、幼児化した少年に敗北する——その異常事態がArc7の面白さを象徴している。
かくれんぼ対決の意味——スバルの成長
この対決はスバルにとって単なる幼児化解除のための勝負ではなかった。九神将参という圧倒的格上の相手に、「ルールの解釈」と「権能の活用」で勝利したことは、スバルの交渉力と戦略思考の成長を示している。
リゼロにおいてスバルは常に、力ではなく「知恵と権能」で困難を乗り越える。この「かくれんぼ」シーンはその典型例であり、Arc7の重要な転換点でもある。
協力関係の成立
かくれんぼでの敗北を認めたオルバルトは、スバルたちへの協力を約束する。九神将参という強力な戦力がスバル陣営に加わることで、Arc7後半の展開に大きな影響を与えることになった。
幼児化の解除については、アルはカオスフレーム内でオルバルトと再会した際に元に戻してもらった。ミディアムはゾンビ騒ぎの後、全員が合流したタイミングでオルバルトに解除してもらったとされている。なお、スバル自身の幼児化解除は前述の通り特殊な経緯を辿った。
オルバルトの戦闘能力
九十歳を超える老体でありながら、オルバルトが九神将参の地位に就いているのは伊達ではない。彼の戦闘能力は「シノビ」という在り方に集約されている。
忍術の全貌
オルバルトの忍術は、正面戦闘ではなく搦め手・奇襲・情報戦を主軸とする。具体的な技術としては以下が確認されている。
- 気配消し・存在感の希薄化:敵の視界から突然消えたり、気配を完全に消すことができる。忍者の最基本にして最重要の技術。スバルとのかくれんぼでも、この能力によってスバルは何度もオルバルトを見失った。
- 衝撃の地面逃がし:攻撃を受けた際の衝撃を体術で地面に逃がし、ダメージを最小化する防御術。老体でありながら攻撃への耐性を持つ要因の一つ。
- 影分身術:自らの分身を作り出すことで、敵の注意を分散させたり、攻撃を囮に当てさせる。シノビの代表的な技術の一つ。
- 袖への武器隠し:袖の中に暗器を隠し、死角から放つ。正面戦闘を避けるオルバルトの基本スタイルを象徴する技術。
- 罠設置・毒の使用:戦場の事前準備として罠を張り、毒を使用する。情報戦・先手戦略の一環として機能する。
- オド干渉・幼児化術式:最も特殊な能力。相手のオドに干渉して幼児化させる秘術。対策が困難で、強者を一瞬で無力化できる。
超越者との差——ヨルナとの対決
Arc7では、オルバルトとヨルナ・ミシグレ(魔都の女帝)の衝突が描かれる。超越者同士の戦いは、ルイですら割り込めないほどの熾烈なものだった。しかし、オルバルトの全ての忍術がヨルナには通用しなかった。
「ヨルナには何一つ通りませんでした」——この記述は、オルバルトの限界を示すと同時に、ヨルナの超越性を際立たせる。いかに洗練されたシノビの技術も、規格外の存在には届かない場合がある。しかしこれはオルバルトの弱さではなく、ヨルナの異常性を示すものだ。この対決でオルバルトが生き延びていることも、彼の老獪さを示している。
野望——「誰よりも長生きする」という執念
オルバルトはスバルとの対決中、自らの野望を語っている。「九神将の誰よりも長生きするつもりだ」——これがオルバルトの根本的な動機だ。
帝国随一の危険人物たちが集う九神将にあって、九十余年を生き抜いてきた老将が更なる長命を望む。それはある意味で、彼のシノビとしての在り方そのものだ。死を避け、影に徹し、搦め手で生き残る。そのための技術を九十年かけて磨き上げてきたのが、オルバルト・ダンクルケンという人物だ。
ヴィンセント復位戦におけるオルバルトの立場
Arc7の核心は、ヴォラキア帝国の77代皇帝ヴィンセント・ヴォラキアの復位を巡る内紛だ。宰相ベルステツ・フォンダルフォンが九神将のチシャ・ゴールドを味方に引き込み、「星詠み」のウビルクと共謀してヴィンセントを玉座から追放したことから、帝国の内戦が始まった。
ベルステツ陣営への加担
オルバルトはこのクーデターにおいて、ベルステツ側に加担した。具体的には、ヨルナへの勧誘など陰謀的な動きに関与している。シノビの頭領として、水面下での工作活動を担ったのだ。
しかし、オルバルトの行動は単純な忠誠心からではない。「悪辣翁」の名が示す通り、彼は自らの利益と生存のために行動する人物だ。ベルステツ陣営への加担も、その時点での最適解を計算した結果に過ぎない。
スバルとの協力関係への転換
かくれんぼでスバルに敗北した後、オルバルトはスバルへの協力へと立場を転換する。これもまた、オルバルトの老獪さを示す場面だ。敗北を認め、勝者に従う——義理や感情ではなく、生存と実利を優先する判断だ。
九神将参がスバル陣営に加わったことで、ヴィンセント復位戦の戦局は変化した。オルバルトの諜報能力と戦闘技術が、スバルたちの生存に貢献することになる。
九神将参としての役割と評価
九神将という組織における、オルバルトの役割は独特だ。
情報戦・諜報活動の主軸
セシルスのような圧倒的な正面戦闘力や、アラキアのような圧倒的な魔法攻撃力とは異なり、オルバルトの価値は「見えない戦い」にある。シノビの里の頭領として、帝国の諜報ネットワークを掌握し、皇帝の命じる特別任務を秘密裏に遂行する。
「考えられる限りのあらゆるあくどい方法で特別任務を行う」——これがオルバルトへの公式評価だ。正々堂々の戦いではなく、結果のためなら手段を選ばない。それが九神将参・悪辣翁の在り方だ。
年齢と実力の乖離が持つ意味
九十余歳という年齢で三位の座を維持し続けていることは、驚異的だ。九神将は皇帝の戦力評価によって座位が決まるが、長年にわたりオルバルトが三位に留まり続けているという事実は、彼の実力が継続的に認められていることを示す。
「老いても衰えぬ忍者の技術」という要素が、オルバルトのキャラクター性の核心だ。身体能力が衰えても、技術と知恵で補う——その極致が九十歳の三位だ。長月達平はオルバルトを通じて、「年齢による衰えを技術と経験で補う老将の強さ」という普遍的なテーマを描いている。
九神将の中でのユニークな存在感
九神将の他のメンバーを見ると、セシルスは壊滅的な破壊力、アラキアは竜化による圧倒的戦力、チシャは皇帝の影武者として特殊な役割と、それぞれ突出した特徴を持つ。その中でオルバルトは「忍術・諜報・幼児化」という複合的な能力で存在感を発揮している。
特に幼児化という術式は、九神将の中でも他に例のない異能だ。いかなる強者でも幼児化させれば戦力を喪失する——この「対策不能の手段」が、オルバルトを九神将参として不可欠な存在にしている理由の一つだろう。
帝国クーデター時の選択
ベルステツによるクーデターは、九神将にとっても選択を迫るものだった。チシャがベルステツ側につき、セシルスは中立的な立場を保ち、アラキアはヴィンセント復位へと複雑な経緯を辿った。オルバルトはベルステツ陣営への加担を選んだが、この選択にはオルバルトらしい計算が見て取れる。
なぜベルステツ陣営を選んだのか
オルバルトがベルステツ側に付いた理由は明確に語られていないが、いくつかの要因が考えられる。
一つは、クーデター時点での「勝ち馬」を見極める老獪さだ。宰相・チシャ・ウビルクという強力な三者が組んだ陣営は、当初は圧倒的優位に見えた。生存を最優先とするオルバルトが勝ち馬に乗ろうとしたことは自然な判断だ。
もう一つは、シノビの里の頭領として、権力者からの命令に従うという立場だ。宰相は帝国の実質的な行政権力者であり、その命に従うことはある意味で合理的な判断となる。また、スバルたちとの関係変化を含む全体的な流れを見ると、オルバルトは常に「最終的な勝者」を見極めながら動いていることが分かる。
スバルへの敗北後の柔軟な転換
スバルとのかくれんぼで敗北した後、オルバルトは迷いなくスバル陣営への協力へと転じる。この転換は「敗北した相手に従う」というシンプルな論理に基づいているが、見方を変えれば極めて合理的な行動だ。
クーデター陣営の形勢が不利になりつつある中、新たな実力者(スバルおよびヴィンセント復位を目指す陣営)への転換は、オルバルトの生存戦略として整合性がある。義理や誇りより実利を取る——これが悪辣翁の本質だ。
Arc8「大災編」での動向
Arc7でのクーデター収束後、帝国はArc8「大災編」という新たな脅威に直面する。スフィンクス(人造魔女)がもたらす大厄災が帝国を揺るがす中、九神将たちはそれぞれの立場で対応を迫られた。
剣奴孤島制圧任務
Arc8において、オルバルトはヴィンセントの命令を受けて二千の帝国兵を率い、剣奴孤島の制圧に向かった。アラキアとの協力のもと、この任務を攻略した。
クーデターではベルステツ側だったオルバルトが、ヴィンセント復位後にヴィンセントの命令で動いているという事実は重要だ。クーデター後の帝国再建において、オルバルトは引き続き九神将参として機能し、帝国の戦力として貢献していることを示している。
Arc8後の九神将の再編
Arc8終盤では、九神将の構成に変化が生じる。マデリン・エッシャートが九神将の座に留まり、モグロは死亡せずに九神将のままでいる一方、アラキアとオルバルトが引退したのではないかという考察が存在する。
オルバルトが九神将を退いた可能性については、Arc8の展開と彼の「誰よりも長生きする」という野望との関係で考察できる。九神将であることへの執着よりも、長命を優先した結果として引退を選んだとすれば、それはオルバルトらしい終着点かもしれない。これからの連載でさらに描かれることが期待される。
オルバルト考察——なぜ九神将参なのか・老人キャラクターの意味
「老人」という記号性
ファンタジー作品における老人の強者は、往々にして「過去の遺産」として描かれる。かつては最強だったが今は隠居——そうした類型が多い中、オルバルトは現役最強として機能している点が特異だ。
九十歳を超えながら九神将参という現役ポジションを保ち、スバルたちを幼児化させ、ヨルナとも渡り合える——これは「老人の強者」という描写の中でも特別な位置にある。長月達平がオルバルトに込めたメッセージは「老いは必ずしも衰えを意味しない」というものだろう。
なぜ九神将参になれたのか
オルバルトが三位という高い序列を持つ理由は、単純な戦闘力ではない。シノビの里の頭領として持つ諜報ネットワーク、幼児化という対策困難な特殊術式、そして九十年の経験から生まれる判断力——これら全ての総合評価が、三位を支えている。
帝国にとって、純粋な戦闘力だけでなく「いかなる任務も実行する悪辣な諜報員」の価値は絶大だ。表の戦争には正面戦力が必要だが、裏の工作には悪辣翁が必要なのだ。この「組織における役割」という視点が、オルバルトの序列を考える上で重要だ。
「幼児化」という権能の象徴性
オルバルトの幼児化術式は、単なる戦闘手段を超えた象徴性を持つ。「大人を子供に戻す」という効果は、「経験や知識を無力化する」という意味でもある。いかに賢くとも、いかに権能を持とうとも、幼い身体では発揮できない——そうした「力の相対化」がこの術式の本質だ。
スバルが死に戻りという強大な権能を持ちながら幼児化状態で苦しんだのは、この「力の相対化」の典型例だ。どんな強者も、オルバルトの術式の前では子供に還る。そのコンセプトが、九十歳の老人が三位に座る理由を補強している。
生き続けることへの執念——老獪さの本質
「九神将の誰よりも長生きする」という野望は、一見奇妙に見える。しかしオルバルトにとって、それは単なる欲望ではなく、シノビとしての存在証明だ。
忍者は死を避け、影に徹し、結果を出す。その極致が「長命」であり、生き続けることこそが最大の勝利だという哲学だ。スバルとのかくれんぼでの敗北を潔く認め、協力関係に転じたのも、この哲学の延長線上にある。己の誇りより生存を選ぶ——それが悪辣翁の真の強さだ。
そして、九十歳を超えてなお現役の九神将参として活躍するオルバルトは、まさにその哲学を体現している。長生きすることは単なる結果ではなく、彼の戦略と技術の証明なのだ。
まとめ——オルバルト・ダンクルケンの魅力
オルバルト・ダンクルケンは、「老人の強者」という類型を超えた独特の存在感を持つキャラクターだ。
- 九十余年の長命を持ちながら九神将参として現役で活躍する
- 幼児化という対策困難な術式で相手の戦力を根本から無効化する
- かくれんぼという奇妙な対決でスバルに敗北し、協力関係に転じる柔軟さを持つ
- 「誰よりも長生きする」という哲学のもと、義理より生存を優先する合理性がある
- シノビの里の頭領として帝国の諜報活動を担う不可欠な存在だ
- ベルステツ陣営からスバル陣営へと状況に応じて立場を転換する老獪さを持つ
- Arc8では剣奴孤島制圧という重要任務を担い、帝国の再建に貢献した
Arc7の名場面「かくれんぼ」は、死に戻りという権能とシノビの術式の対決という意味で、リゼロならではの知恵比べだった。スバルが幼い身体でありながら、繰り返す死から学び、最終的にオルバルトを打ち破る過程は、Arc7の感動的な場面の一つだ。
リゼロの原作を未読の方は、ぜひ小説版でオルバルトの活躍を確認してほしい。
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