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Re:ゼロから始める異世界生活のネタバレ【小説・アニメ・漫画】

「リゼロ」王選候補者5人を完全解説!エミリア・アナスタシア・クルシュ・プリシラ・フェルトの陣営・強さ・勝算比較

「Re:ゼロから始める異世界生活」(リゼロ)の物語を根底から動かす仕組みが王選(おうせん)だ。ルグニカ王家の血筋が途絶えたとき、竜珠(りゅうじゅ)に選ばれた5人の候補者が新たな王を競い合う——。それぞれに異なる出自、異なる哲学、異なる戦力を持つ5人の候補者は、なぜ王を目指し、何を守ろうとしているのか。

本記事ではエミリア・アナスタシア・クルシュ・プリシラ・フェルトの全5人を横断的に解説する。陣営構成・強み・弱み・Arc別の王選への影響・最終的な勝算まで、原作小説(Arc3〜Arc9)の情報をもとに徹底的に比較する。「王選候補者を一気に把握したい」という読者に特化した記事だ。

なお、本記事は原作小説のネタバレを含む。アニメ未放映部分も含まれるため、閲覧には注意してほしい。


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目次

王選とは何か——竜との契約が生んだ特殊な王位継承制度

ルグニカ王国の政治制度を理解するには、建国神話にまで遡る必要がある。千年以上前、初代国王ドーレアスは竜ヴォルカニカと契約を結び、「ヴォルカニカが認めた者が王位に就く」という特殊な継承原則を確立した。この契約こそが現代の王選という形式につながっている。

王選が発動する条件は「王族が途絶えること」。作中ではルグニカ王家の四王子が全員、謎の黒斑病によって没し、王家の血が絶えた。賢人会はこの事態に対処するため、竜歴石に刻まれた「竜珠に選ばれた五人の巫女」という古い預言を根拠として、5人の候補者に竜珠の徽章を授けた。徽章が輝いた者こそが候補者として認められ、かくして王選が始まった。

この制度の特殊性は「明確な勝敗条件がない」点にある。武力で他の候補者を倒せばいいわけでも、民の票を集めれば終わりでもない。最終的には竜ヴォルカニカの「承認」が必要とされており、何をもって承認を得るかが作中の大きなミステリーの一つだ。

項目 内容
候補者の数 5人(竜歴石の預言による)
選出方法 竜珠(徽章)の輝きによる神意判定
審査基準 明示されていないが「人格・実力・民への思い」が候補とされる
最終判定 竜ヴォルカニカの承認が必要とされる
期間 原則として候補者が出揃ってから開始(未決・長期戦)
管理機関 賢人会(セラフォーウ・ティベリウス・ミケラ・マデリン)
禁止事項 候補者の直接的な殺害は禁忌(ただし実態は曖昧)

王選は単なる人気投票でも武力試合でもない。候補者たちは水面下での政治工作・軍事力増強・民心掌握・他陣営との外交など、複合的な「ゲーム」を戦い続ける。その中で物語の各Arcが展開していく構造になっている。

第一候補者:エミリア——禁忌の血筋を背負った銀髪の半精霊

基本プロフィール

項目 内容
名前 エミリア
種族 ハーフエルフ(人間と精霊の血)
外見 銀髪・紫紺の瞳・白い肌
加護・能力 氷系魔法(高度な精霊魔法)・偉大な精霊パックとの契約
出身 エルフの里(ロズワール領近郊の封印地域)
騎士 ナツキ・スバル(非公式)
主要後援者 ロズワール・L・メザース(王国最強格の魔法使い)

エミリアが背負う「禁忌」——魔女の似姿という呪い

エミリアの最大のハンデは、その外見にある。銀髪紫眼のハーフエルフという風貌は、400年前にルグニカを壊滅寸前まで追い込んだ「大厄災の魔女」サテラと酷似している。多くの民はエミリアを見て恐れ、憎み、あるいは排除しようとする。王選候補者として名乗りを上げた際には「魔女の生まれ変わり」「不吉の象徴」として激しい反発を受けた。

しかし、この偏見の壁こそがエミリアを真の意味で成長させる。Arc4「聖域と封印された巫女」では、自分自身の過去と正面から向き合い、凍りついた記憶を解放することで大きな精神的成熟を遂げた。「誰もが偏見なく生きられる世界を作りたい」という彼女の政治思想は、ハーフエルフとして差別を受け続けた経験から生まれた切実な願いだ。

Arc5以降のエミリアは、精霊魔法の熟練度が急速に上がる。最初はパックに頼っていた部分が大きかったが、Arc6の「封印の塔」での経験を経て、自力での高難度魔法行使が可能になった。この成長曲線は5候補の中でも最も急峻であり、終盤に向けてさらなる強化が見込まれる。

エミリア陣営のメンバーと戦力分析

  • ナツキ・スバル:死に戻りという不死性に近い能力と、並外れた観察眼・戦略立案力を持つ実質的な軍師。感情で動くが、その感情が奇跡を呼ぶ
  • ロズワール・L・メザース:六属性魔法を使いこなす王国最強格の魔法使い。ただし彼自身の目的は複雑で、エミリアへの忠誠は条件付き
  • ベアトリス:大精霊。陰魔法・次元の扉・時間凍結など圧倒的な魔法戦力。Arc4以降はスバルと真の契約を結び、陣営の要となった
  • ガーフィール・ティンゼル:獣人の血を持つクォーター。虎化形態での戦闘力は王国上位クラス。鋼の加護による防御も高い
  • エミリア自身:精霊魔法の熟練度が上がり続けており、Arc6以降は独力での高難度戦闘も可能に
  • オットー・スーウェン:言霊の加護を持つ商人兼参謀。情報収集・調整役として欠かせない存在
  • ペトラ・レイテフレデリカ・バウマン:内政・情報支援

エミリアの強みと弱み

強み:魔法戦力の厚さ(ベアトリス+ロズワール+エミリア本人の三枚看板)、スバルの死に戻りによる情報アドバンテージ、民の共感を呼ぶ「弱者の味方」という政治的ポジション、Arc4以降の著しい成長。

弱み:「魔女の似姿」という偏見による支持者獲得の難しさ、経済力・諜報力での他陣営への劣勢、ロズワールの真の忠誠心が不透明な点、スバルの死に戻りは本人に大きな精神的負荷を与える諸刃の剣でもある。

第二候補者:アナスタシア・ホーシン——商都が生んだ知略の女王

基本プロフィール

項目 内容
名前 アナスタシア・ホーシン
種族 人間
外見 小柄・長い青みがかった黒髪・青みがかった目
特徴的な話し方 カララギ弁(関西弁風のなまり)
加護・能力 魔法が使えない(技術的に不可能)。替わりに経済力・情報戦・人心掌握で圧倒
出身 カララギ都市国家群(奴隷から成り上がった商人)
騎士 ユリウス・ユークリウス(「最優の騎士」)
私兵団 鉄牙傭兵団(リカード・ウェルキン団長)

奴隷から商業王国を築いた女——知略と実利主義の化身

アナスタシアの出自は王選候補者の中でも最も過酷な部類に入る。カララギの奴隷として生まれた彼女は、その卓越した商才と人を動かす能力だけで身を起こし、カララギ最大の商会「ホーシン商会」を率いるまでに成り上がった。その過程で養った「利益の計算」「人間の欲望の読み方」「最小コストでの最大効果」という実利主義的センスが、王選戦略の核になっている。

重要な点として、アナスタシアは魔法が一切使えない。これは当初大きなハンデに見えるが、彼女はそのぶん他の分野——経済力・諜報・外交・戦力の外注——を徹底的に磨いた。王選において「カネと情報と人脈」がどれほど強力な武器になるかを体現するキャラクターだ。

Arc5プリステラ後、アナスタシアの身体には魔女エキドナ(「知識の魔女」「襟ドナ」)が憑依している。これにより「アナスタシア本人の意思」と「エキドナの目的」がどこまで一致しているか不明になった。エキドナが王選を利用しようとしている可能性も否定できない。

アナスタシア陣営の戦力分析

  • ユリウス・ユークリウス:「最優の騎士」と呼ばれる王国最高峰の剣士。誘精の加護により全属性の精霊を使役し、虹色の精霊魔法「ヴィタ」を発動できる。Arc5での記憶喰いで名前を失ったが、Arc8でのロイ・アルファルドとの決戦で名前を取り戻した
  • リカード・ウェルキン:鉄牙傭兵団団長。単純な戦闘力では王国上位クラスの獣人
  • ミミ・ポルタ、ヘータロー・ポルタ、ティビー・ポルタ:三つ子の副長。それぞれ特殊な戦闘能力を持つ精鋭

アナスタシアの強みと弱み

強み:圧倒的な資金力・情報収集力・交渉力。ユリウスという切り札級の戦力。商業ネットワークを通じた広域情報掌握。他陣営との協力関係を維持しつつ自陣営の利益を最大化する柔軟な外交センス。

弱み:Arc6以降、アナスタシア本人が「エキドナ(襟ドナ)」に憑依されており、本人がどこまで自律的に動けているか不明。魔法戦力が自身にはなく、陣営戦力に依存する点。ユリウスが記憶喰いで名前を失った期間の戦力低下。「本人の意思」と「エキドナの意思」の分離が今後の大きな変数となる。

第三候補者:クルシュ・カルステン——王国の盾にして、運命の犠牲者

基本プロフィール

項目 内容
名前 クルシュ・カルステン
種族 人間
外見 緑の短髪・勇ましい顔立ち・甲冑姿が似合う凛々しい女性
加護 風見の加護(嘘を「見る」ことができる。嘘は黒い霧として視認される)
肩書き カルステン公爵家当主・外務卿
騎士 フェリックス・アーガイル(フェリス)・王国最高峰の癒し手
陣営のベテラン 剣鬼ヴィルヘルム・ヴァン・アストレア(白鯨討伐後に加入)

嘘を見抜く加護と外交の実績

クルシュが持つ「風見の加護」は政治の世界で絶大な効果を発揮する。交渉相手の嘘が黒い霧として「見える」ため、外交においては彼女に欺くことが極めて難しい。外務卿として王国の外交を束ねてきた実績もあり、他の候補者と比べて「政治家としての実績」が最も豊富なのがクルシュだ。

Arc3では、スバルの情報を元にした白鯨討伐作戦を立案・実行。王国に200年の恐怖をもたらした白鯨を討伐したことで、民からの支持と軍事的実績を一気に獲得した。王選の文脈では「最も王に近い候補者」と評されることも多かった。フェリスという親友にして王国最高の癒し手、ヴィルヘルムという「剣鬼」を陣営に持ち、戦力も他陣営と比べて劣らない。

Arc5:運命の転換点——記憶喰い

しかしArc5「水門都市プリステラ」で、クルシュは最も残酷な形で王選の外縁に置かれることになる。大罪司教「暴食」のライ・バテンカイトスとの接触により、記憶と名前の両方を喰われた。これにより彼女は自分が何者か・誰を知っているか・これまでの人生の記憶すら持てない「空白の器」となってしまった。

フェリスを含む陣営はクルシュを守り続けたが、記憶のないクルシュが王選に積極的に参加することは事実上不可能になった。この悲劇は物語の読者・視聴者に最も強烈なインパクトを与えたシーンの一つとして語り継がれている。

Arc7以降の回復と王選復帰の兆し

Arc7(ヴォラキア帝国編)を経て、クルシュの記憶は段階的に回復しつつある。完全ではないが「自分がクルシュ・カルステンである」という自己認識は取り戻しており、王選への復帰を模索する動きが描かれた。Arc9時点での彼女がどこまで回復しているかが、王選終盤の大きな変数の一つだ。

クルシュの強みと弱み

強み:風見の加護による情報戦の絶対的優位、外交・政治経験の豊富さ、白鯨討伐による民からの信頼、フェリスという王国最高峰の癒し手・ヴィルヘルムという剣鬼の存在、公爵家当主としての政治基盤。

弱み:Arc5以降の記憶喪失・回復期間における政治的空白、「王選において戦える状態か」という継続的な不確実性、記憶が完全に戻らなければ政治家としての本来の力を発揮できない。

第四候補者:プリシラ・バーリエル——世界は自分のために回っている

基本プロフィール

項目 内容
名前 プリシラ・バーリエル
種族 人間(ヴォラキア帝国皇族の血筋)
外見 金色の長髪・赤みがかった瞳・豪奢な衣装
加護 太陽の加護(行動全てに「うまくいく傾き」が生じる。昼間は特に強力)
武器 陽剣ヴォラキア(「焼きたいモノを焼き、斬りたいモノを斬る」神聖帝国の皇帝の証)
従者 アル(異世界転移者・謎の権能を持つ剣士)
出自 神聖ヴォラキア帝国皇族。亡命後バーリエル候との婚姻でルグニカに定着

傲慢さの裏にある真の実力と帝国の血

プリシラの第一印象は「傲岸不遜」の一言に尽きる。「この世界は私のためにある」「万物はプリシラの引き立て役」という思想を公言してはばからない。しかしこの傲慢さは、実際の実力と「太陽の加護」の存在によって完全に裏打ちされている。

太陽の加護は「なんとなく物事が自分に有利に転ぶ」という単純な加護ではない。昼間の行動全てに正の補正がかかり、危機においても偶然のような形で生還の道が開ける。これは確率論的な加護であり、長期的・大局的な戦略においても「プリシラに賭けると勝つ」という歪んだ均衡を生み出す。

陽剣ヴォラキアは神聖帝国の「皇帝の証」。後にArc7で明らかになる通り、プリシラの正体は現帝アベル(ヴィンセント・ヴォラキア)の異母妹であり、帝位争い「選定の儀」を生き抜いた過去を持つ。帝国で鍛えられた政治感覚・武力・生存本能は、王選においても十分に発揮されている。

Arc5でのプリシラ——強欲のレグルスとの対峙

プリステラでの大罪司教たちとの戦いでも、プリシラはその強さを見せる。強欲のレグルス・コーニアスとの対峙では、太陽の加護と陽剣ヴォラキアの組み合わせで互角以上の戦いを演じた。最終的にはスバルとの連携によってレグルスを倒すことになるが、単体での戦闘力の高さは候補者中トップクラスだ。

プリシラの強みと弱み

強み:太陽の加護による「運の操作」に近い絶大な加護、帝国仕込みの政治感覚・武力・生存本能、陽剣という強力な固有武器、アルという謎めいた切り札(「特殊な権能」保持が示唆)、孤高のポジションゆえの予測不能性と交渉力。

弱み:単独行動志向が強く、他陣営との継続的な連携が取りにくい。太陽の加護は夜間に弱まる可能性がある。傲慢さゆえに民心を掴むのが困難で、「王として民に慕われるか」という点では疑問が残る。陣営規模が他候補と比べて小さい。

第五候補者:フェルト——王国の闇から生まれた本物の王

基本プロフィール

項目 内容
名前 フェルト(本来の身分:ルグニカ王族の血を引く姫)
種族 人間(ルグニカ王族の血筋)
外見 金色の短髪・赤みがかった瞳(王族の証)
出自 首都の貧民街(盗っ人として育つ)
加護 詳細は不明だが、身体能力の大幅強化が確認されている
騎士 ラインハルト・ヴァン・アストレア(「剣聖」・史上最強クラスの騎士)
師・後援者 ロム爺(元・巨人族の老人・貧民街の保護者)

ルグニカ王家最後の血——14年間の秘密

フェルトの最大の秘密は、その出自だ。14年前に誘拐されたルグニカ王族の姫君の娘であり、王家最後の血を引く存在。金髪赤眼という王族の特徴を持つ彼女に、ラインハルトが王族の可能性を見出して王選に引き込んだ。

フェルト自身は当初、王選への参加を強く拒んでいた。貧民街で生き延びてきた彼女にとって「王族」や「王選」は縁遠い上流の話だ。ロム爺が衛兵に捕まったことが参加の直接的なきっかけとなった。その後も「王になんてなりたくない」という態度を崩さなかったが、物語が進むにつれて「守りたい者たちのために戦う」という意志が芽生えていく。

ラインハルトという最強の盾——剣聖の加護

フェルト陣営の戦力は、何よりラインハルト・ヴァン・アストレアという存在に尽きる。「剣聖」の加護を持つラインハルトは、原作においても「現時点で最強の存在の一人」と描写されており、単体戦闘力では全候補者の騎士の中で頭一つ抜けている。「剣聖」の加護は代々アストレア家に受け継がれる力だが、ラインハルトの代では特別な強化が行われており、ほぼすべての加護をその場で「獲得できる」という逸話まである。

ただし、ラインハルトの強大さはフェルトの弱点でもある。「ラインハルトがいなければフェルト陣営は脆弱」という構造的問題があり、ラインハルトを封じられると陣営全体の戦力が激減する。

Arc8でのフェルトの覚醒——「王とは何か」への答え

Arc8(帝都大崩壊)において、フェルトとラインハルトは帝国の激戦に巻き込まれた。この経験を通じてフェルトは「王とは何か」という問いへの自分なりの答えを見つけていく。「知識や経験や血筋ではなく、目の前の人を守りたいという感情とそれを実行する意志」——この価値観は、Arc9での王選最終局面での重要な意味を持つことが示唆されている。

フェルトの強みと弱み

強み:ラインハルトという作中最強クラスの戦力、唯一の「真の王族血統」という正統性、「民の代表」としての政治的ポジション(貧しい者たちの共感を呼ぶ出自)、予測不能な行動力と純粋さ。

弱み:政治経験・知識の圧倒的な不足、陣営の人数・組織力が他と比べて小さい、王になること自体に積極的でない時期が長かった、ラインハルト依存の戦力構造。

5人を横断比較——陣営・強み・弱み・勝算一覧

候補者 主な戦力 最大の強み 最大の弱み 政治スタイル 勝算
エミリア ベアトリス・ロズワール・ガーフィール・スバル 魔法戦力の厚さ・民の共感 魔女の似姿への偏見 理想主義・民主的 ★★★★☆
アナスタシア ユリウス・鉄牙傭兵団 経済力・情報戦・外交 本人の魔法ゼロ・Arc6以降の憑依問題 実利主義・柔軟 ★★★☆☆
クルシュ フェリス・ヴィルヘルム 外交実績・風見の加護 記憶喪失による空白期間 実力主義・正統派 ★★★★☆
プリシラ アル 太陽の加護・陽剣・帝国仕込みの実力 単独志向・民心掌握の困難 覇道・孤高 ★★★★☆
フェルト ラインハルト(最強クラス) 王族の正統性・最強の騎士 政治経験の皆無・陣営の薄さ 直情型・民衆寄り ★★★☆☆

Arc3〜Arc4:王選の幕開けと候補者たちの動き

Arc3「白鯨討伐・剣聖の騎士」では、スバルの呼びかけでクルシュとアナスタシアの両陣営が連携し、200年の脅威だった白鯨を討伐するという歴史的事件が起きる。この作戦の成功はクルシュの名声を一気に高め、王選において彼女が「最も現実的な王候補」として見られる契機となった。同時にアナスタシア陣営も共闘実績を積み、両陣営の関係は協調と競争が混在するものとなった。

Arc4「聖域と封印された巫女」では、エミリア陣営が魔女の禁書庫(封印の聖域)問題に対処する。エミリア自身が「過去と向き合う試練」を乗り越えることで精神的・魔力的な成長を遂げた。この期間、他陣営は直接的に動かなかったが、水面下での政治工作は続いていたと推測される。

Arc5:水門都市プリステラ——候補者たちが並んだ歴史的邂逅

Arc5「水門都市プリステラ」は、王選の文脈で最も重要なArcだ。アナスタシア主催のもと、5人の候補者全員(と各陣営の主要人物)が一同に集結し、候補者間の直接対話が初めて実現した。このプリステラでの会合は、候補者たちが互いを「敵」だけでなく「同じ時代を生きる人間」として認識する転機となった。

しかしそこに残存する大罪司教たちが来襲。強欲のレグルス・コーニアス、憤怒のシリウス・ロマネコンティ、暴食のライ・バテンカイトス・ロイ・アルファルド・ルイ・アルネブが都市全体を人質に取った。

この危機において、本来なら競合する候補者たちが一時的な共同戦線を形成する。各候補者と騎士たちが連携して大罪司教に対抗し、都市を救う。しかしその戦いの中でクルシュが記憶喰いの被害者となり、ユリウスが名前喰いの被害者となる。プリステラは「王選の可能性を広げた場所」であると同時に「最大の悲劇が生まれた場所」でもある。

Arc6以降:帝国編での王選の「一時停止」と各陣営の動向

Arc6「ループ」でスバルとベアトリスが封印の塔に閉じ込められている間、王選はほぼ停滞した。Arc7「ヴォラキア帝国」ではスバル・エミリア・ベアトリスらが帝国に渡り、帝国内での事件解決に注力した。この期間、各陣営は独自の動きを続けたが、王選そのものの進展は限定的だった。

Arc7でプリシラの正体(ヴォラキア帝族の血)が明らかになったことは、王選に別の複雑さを加えた。帝国と王国の関係性が変化する中で、プリシラのポジションは単純な「王選候補」を超えた意味を持つようになっていく。またこの期間にクルシュの記憶が回復しつつあり、王選終盤への布石が打たれた。

Arc9以降:王選の最終章へ——伏線と展望

Arc9では、帝国編を経て帰還したエミリア陣営を軸に、王選の最終決着に向けた動きが始まる。各候補者がArc3〜Arc8で積み重ねてきた経験・成長・陣営の変化が、最終的な「誰が王に選ばれるか」という問いへの答えを形成していく。

現時点では王選の最終結果は原作でも未決定の部分が多い。しかしいくつかの伏線が示唆することを整理すると——エミリアの成長曲線は著しく、Arc9時点での彼女は「候補者の中で最も王に相応しい人格」へと近づいている。クルシュの記憶回復が完了すれば、再び最有力候補の一人に返り咲く可能性がある。プリシラは「太陽の加護」の性質上、最終局面でも予想外の形で力を発揮するだろう。フェルトの「覚醒」は、ラインハルトとの絆とともに「最後の変数」として機能する可能性が高い。アナスタシア(とその内部にいるエキドナ)の真の目的がどこにあるかが、王選の帰結を大きく左右する。

ファン考察:誰が最終的に王になるか

ファンの間では「エミリア女王説」が最も支持されているが、長月達平の過去作品を見ると「予想を裏切る展開」が得意な作家であることは注目すべき点だ。

各候補者が王になる場合の「世界観」は大きく異なる。エミリアが王になれば「差別のない包括的な社会」が目標になる。アナスタシアなら「経済力で回る実利主義の王国」。クルシュなら「法と外交を重んじる安定した王国」。プリシラなら「覇道の強者が民を護る帝国的な王国」。フェルトなら「民の目線から政治を変える革命的な王国」。

リゼロという作品が一貫して描いてきた「本物の強さとは、人を守ることへの意志だ」というテーマを考えると、最終的に王選を勝ち抜く候補者は「最強の戦力」でも「最高の政治技術」でもなく、「守りたいという感情」を最も純粋に持つ人物かもしれない。その意味では、エミリアとフェルトという「感情で動く二人」が最終局面でのダークホースになりうる。


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まとめ:王選は5人のドラマが交差する物語の核心

5人の王選候補者は、それぞれがリゼロという作品の異なるテーマを体現している。

  • エミリア:偏見を乗り越える成長の物語——差別を受けた者が「誰もが生きやすい世界」を目指す
  • アナスタシア:知略と経済力で世界を動かす合理主義の物語——奴隷から王選候補まで昇りつめた強さ
  • クルシュ:実力と誇りを持ちながらも運命に翻弄される悲劇の物語——最も「正統的な王」が記憶を失った皮肉
  • プリシラ:圧倒的な個の力と自己中心的哲学の物語——「世界が自分のために回る」という確信と加護の一致
  • フェルト:最下層から最高位を目指す草の根的正当性の物語——血筋と民の共感という二重の正統性

王選という制度が面白いのは、「誰が正しいか」という答えがない点だ。5人全員に正当な「王を目指す理由」があり、5人全員に「王には向かない弱点」がある。そのアンバランスな均衡が、Arc3から続く壮大な物語の緊張感を生み出している。

原作小説では現在Arc9まで進行中。王選の最終決着を見届けるためにも、ぜひ原作を手に取ってほしい。

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