「リゼロ」のプリシラ陣営に仕える隻腕の剣士・アルデバラン(通称アル)は、物語の初期から謎めいた存在感を放ち続けてきた。半面を覆う黒い鉄兜、失われた左腕、随所に漂う「過去を知っている者」の匂い——Arc9「黄金縫綴」において、ついにその正体が白日のもとに晒された。
真名は「ナツキ・リゲル」。主人公ナツキ・スバルと同じ「ナツキ」姓を持つ存在は、リゼロ世界に彼をおいて他には存在しない。リゲルとはオリオン座の最輝星(β星)——スバルが名乗るプレアデス星団と同じ冬の夜空に輝く、プレアデスを「追う星」の名だ。
本記事では、アルデバランのプロフィールから全Arc(Arc3〜Arc9)の活躍、権能「領域」の詳細、そしてArc9で解明された衝撃の真名と「並行世界のスバル」説まで、一本の記事で完全解説する。Arc9特化の解説記事(rezero-al-arc9)とは異なり、アルというキャラクター全体を俯瞰した総合完全ガイドとして位置づけている。
アルデバランのプロフィール一覧
まずはアルデバランの基本情報を整理する。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 通称 | アル(アルデバラン) |
| 真名 | ナツキ・リゲル(Arc9・小説43巻で判明) |
| 所属 | プリシラ・バリエール陣営(一の騎士) |
| 外見 | 半面を覆う黒い鉄兜、左腕が欠損(隻腕)、黒髪、推定40代前後 |
| 身長・体重 | 約173cm・70kg前後 |
| 権能 | 「領域(りょういき)」——セーブポイント設定型死に戻り+思考実験+封印の三要素 |
| 隻腕の理由 | 400年前のサテラ討伐戦で左腕を奪われたとされる |
| 声優 | 藤原啓治(アニメ1期)→ 関智一(2期以降・ゲーム版) |
| 出身 | 日本(異世界転生者または転移者) |
| 主な登場Arc | Arc3(初登場)・Arc5・Arc7(主要)・Arc8・Arc9(クライマックス) |
アルデバランとはどんな人物か——外見・性格・謎の源泉
外見の特徴
アルデバランの外見で最も目を引くのは、顔の右半分を覆う黒い鉄兜だ。素顔は長らく明かされておらず、「傷を隠している」とも「異世界人であるため素顔を晒せない」とも言われてきた。実際に彼が日本出身の異世界人である以上、スバルと同様に「現代人の顔立ち」であることは容易に推測できるが、作中での兜の着用にはそれ以上の意味が込められている可能性がある。
左腕の欠損(隻腕)は、400年前のサテラ討伐戦で奪われたものとされる。腕一本を代償に支払ってでも達成しなければならない使命を400年間背負い続けてきた男——そのシルエットはリゼロ本編を通じて最も謎めいたキャラクターの一人として機能している。
身長は約173cm、体重70kg前後、年齢は推定40代前後とされるが、異世界で400年生きてきたアルが「見た目の年齢」と「実年齢」が一致するかどうかは不明だ。体格は騎士として申し分なく、片腕にもかかわらず剣奴孤島の武闘大会で活躍できるだけの戦闘能力を保っている。
性格と語り口——軽口の裏にある400年の孤独
アルの最大の特徴は、その軽口と飄々とした態度だ。プリシラに対してさえ敬語ではなくくだけた言葉遣いをし、主君を「姫さん」と呼ぶ。初見では軽薄な印象を与えるが、その実、鋭い観察眼と状況判断力を持つ。
Arc5プリステラ防衛戦での水門操作、Arc7での「同郷の語らい」でスバルの心情を的確に読んだ発言、そしてArc9での封印実行という冷徹な決断——これらはすべて「軽薄さ」とは正反対の側面だ。アルは軽口という鎧をまとうことで、400年分の孤独と使命の重さを隠してきた人物と解釈できる。
スバルに対しては、Arc7「同郷の語らい」で感情を剥き出しにした。「レムが暴食司教の権能で名前と記憶を奪われている」という話を聞いて深く共感し、「二人(スバルとレム)を再会させたい」と口にした。これはアルが単なる実行者・騎士ではなく、個人としての感情を持つ人間であることの証明だ。
「ナツキ・リゲル」という真名の意味——スバルとの深い繋がり
リゲルとはどんな星か
「リゲル(Rigel)」はオリオン座のβ星に当たる青白色超巨星だ。アラビア語で「巨人の足(Rijl Jauzah al-Yusra)」を意味し、冬の夜空に輝く一等星として知られる。実際の明るさはオリオン座のα星(ベテルギウス)より明るいことが多く、β星の分類ながら実質的にオリオン座で最も輝く星だ。
「スバル」がプレアデス星団(おうし座)を意味する日本語の固有名詞であるのに対し、「リゲル」はオリオン座に属する。冬の星空においてオリオン座とプレアデス星団は隣接しており、ギリシャ神話では「プレイアデスの七姉妹を追いかけるオリオン」の物語として対になる存在とされている。
つまり、「リゲル(オリオン)はスバル(プレアデス)を追う存在」という構造が、アルデバランというキャラクターの本質を星の名で表現している。これは作者・長月達平によって意図的に設計された命名だと考えられる。
「アルデバラン」という通称の意味
通称「アルデバラン」はおうし座のα星(赤色巨星)の名前だ。アラビア語の「アル・ダバラーン(al-Dabarān)」に由来し、意味は「追う者(The Follower)」——プレアデス星団を追いかける星という意味を持つ。
つまりアルは通称も真名もどちらも「プレアデス(スバル)を追う者」を意味する星の名を持っている。これは偶然ではなく、アルデバラン(ナツキ・リゲル)という存在が「ナツキ・スバルと深く繋がり、スバルを追うために存在する」という設定を星名で体現している。
「ナツキ」姓の異質性
「ナツキ」という姓は、リゼロ本編世界において主人公ナツキ・スバル以外に使用例がほぼ存在しない。現代日本から異世界に召喚されたスバルが持ち込んだ姓であり、リゼロ世界においては「ナツキ」=スバルを識別する固有記号として機能している。
その「ナツキ」姓を400年前から持つアルの存在は、以下の可能性を示唆する:
- スバルの子孫(血縁による「ナツキ」継承)
- 別の世界線でスバルとして生きた人物(並行世界からの転移)
- エキドナがスバルの因子を元に創造した人工存在
- スバル自身が未来に辿り着いた姿(タイムループ説)
どの仮説が正しいかはArc9時点でも確定していないが、「ナツキ」姓がスバルとアルを結ぶ物証であることは間違いない。
プリシラとの出会い——剣奴孤島から一の騎士へ
剣奴孤島での武闘大会
アルがプリシラ陣営に加わった経緯は、剣奴孤島の武闘大会にある。剣奴孤島は剣奴(剣の奴隷)たちが武闘を競い合うことで知られる島で、アルはその島の闘士として活動していた。
プリシラの従者であるシュルトがアルをプリシラに推薦したことで、プリシラ自身がアルの戦いに目を向けた。プリシラは武闘大会の準決勝以降を開催させることなく、その場でアルを「一の騎士」として引き抜いた。
プリシラは「太陽の加護」によって世界の美しさを直感的に認識する能力を持つ人物だ。彼女がアルを即座に騎士として抜擢したのは、その加護によってアルに何か特別なものを感じ取ったからだという解釈が自然だ。異世界人であること、あるいは400年前から続く使命の重さが、プリシラの加護に「美しい何か」として映ったのかもしれない。
プリシラとアルの関係性
プリシラとアルの関係は、通常の主従関係とは大きく異なる。プリシラは王候補として傲岸不遜な態度で知られているが、アルに対してはどこか柔軟な面を見せることがある。アルの方もプリシラを「姫さん」と呼びながら、深い敬意と情愛を持っている。
Arc8終盤、プリシラが陽剣「ヴォラキア」で自らを焼き尽くし屍人化してスフィンクスを討伐、夜明けと共に完全消滅する場面を、アルは見届けた。その直前、プリシラはアルに向けて感情的な言葉を投げかけ、アルは「ああ、なってくれ、姫さん。オレの、姫さん」と応じた。
この言葉は、400年間の孤独な旅でアルが最も深く情を移した存在との別れを示している。プリシラの消滅がアルのArc9での最終決断に与えた影響は計り知れない。
権能「領域」の完全解説——スバルの死に戻りとの決定的な違い
アルの権能は正式名称「領域(りょういき)」。スバルの「死に戻り」と同系統の時間操作能力だが、その機構と制約は根本的に異なる。以下では三つの構成要素に分けて解説する。
①領域展開——セーブポイントを手動設定する巻き戻し
アルが「領域展開」を宣言した瞬間にセーブポイントが設定される。その後アルが死亡した場合、時間がセーブポイント時点まで巻き戻る。これはスバルの「死に戻り」に構造的に似ているが、以下の点で本質的に異なる。
スバルの死に戻りは死亡によって自動的に発動し、セーブポイントは過去のある時点(本人がコントロールできない)に自動設定される。これに対してアルの領域は任意のタイミングで手動セーブできる。「ここからやり直せる」という状況を自分で決めてからループに入れる点が、スバルの能力より戦略的だ。
ただし重大な制約がある。セーブポイントを更新すると以前のポイントには二度と戻れない。つまり不利な状況でセーブポイントを設定してしまうと「詰みセーブ」になり、挽回不可能になる。また領域を使っての巻き戻しは、スバルのように「死ぬたびに覚え直す」という学習型でなく、瞬間的な状況改善に特化している。
②思考実験——Arc9で顕現した未来視的能力
Arc9「黄金縫綴」で本格的に描かれた「思考実験」は、領域の第二の機能だ。これは未来の可能性を先取りして「見る」未来視に近い知覚能力で、領域を繰り返し使用することで蓄積された情報を活用して「このルートでは失敗する」という予測を可能にする。
Arc9でアルがエミリア陣営と互角以上に渡り合えたのは、この思考実験によって相手の行動パターンを事前に把握し、最適解のみを実行できる状態で戦ったからだ。スバルが「死んで覚える」のに対し、アルは「ループして先読みする」という戦法が可能になっている。
③封印——Arc9で初使用・エキドナの約束
Arc9でアルはスバルとベアトリスを黒球(魔女の施した封印と同型の結界)に閉じ込める「封印」能力を使用した。これは領域の第三要素であり、Arc9以前には使用されていない(あるいは使用の機会がなかった)能力だ。
この封印はエキドナ(強欲の魔女)との約束に基づくものとされる。エキドナはアルに「嫉妬の魔女サテラが引き起こす世界の滅亡を防ぐために、ナツキ・スバルを世界から一時的に取り除く」という使命を与えていた。封印はその使命を実行するための最終手段として設計された能力だったと考えられる。
スバルの「死に戻り」との根本的な違い
スバルとアルの能力を比較すると、以下の表のようになる。
| 比較項目 | スバルの死に戻り | アルの領域 |
|---|---|---|
| 発動条件 | 死亡(自動) | 宣言(手動) |
| セーブポイント | 自動設定(過去ある時点) | 手動設定(任意タイミング) |
| 記憶保持 | スバルのみ完全保持 | 加害者・被害者で非対称 |
| 未来先読み | 死を重ねた経験値として蓄積 | 思考実験として事前先取り |
| 封印能力 | なし | あり(Arc9初使用) |
| 制約 | 精神的消耗・痛みの記憶 | 詰みセーブのリスク・左腕の代償 |
| 付与者 | 嫉妬の魔女サテラ | エキドナ(強欲の魔女)または別の存在 |
注目すべきは「記憶保持の非対称性」だ。スバルの死に戻りはスバル自身が記憶を保持して巻き戻るが、アルの領域では「加害者(領域を展開した側)」と「被害者(巻き込まれた側)」の記憶保持のあり方が異なる。これが戦術的な複雑さを生み出し、Arc9でのアルの動きを難解にしている。
Arc3(初登場)——謎の剣士として
アルデバランの初登場はArc3「白鯨退治・魔女教殲滅編」(アニメ2期相当)だ。この時点ではプリシラ陣営の騎士として登場し、存在感こそあるものの詳細な掘り下げはまだ行われていない。
しかしArc3でもアルの「何か先を知っているような」発言や態度は読者の注目を集め、「この人物は何者か」という疑問を植え付けることに成功した。プリシラという強烈なキャラクターの影に隠れながらも、アルデバランという謎の剣士の存在感は消えることなく、Arc5以降の伏線として機能し続けた。
Arc5プリステラ防衛での活躍
Arc5「水の都と英雄の詩」において、アルはプリシラと共に水門都市プリステラの防衛に参加した。このArcでのアルは「未来を知っている者」の雰囲気を一層強く漂わせた。
水門操作の謎
プリステラでの戦闘中、アルは水門の「絶妙なタイミングでの開閉」を行う。この操作のタイミングは、まるで先の展開を予測しているかのように見えた。Arc9で「思考実験(未来視的能力)」が確認されたことで、Arc5の時点でもアルがこの能力を部分的に使用していた可能性が浮上している。
「テュフォンは水の底に沈んだ、か」という発言
アルがプリステラで発したとされる「テュフォンは水の底に沈んだ、か」というセリフは考察上の名言だ。テュフォン(傲慢の大罪司教・Arc2の出来事に絡む存在)が溺れ死んだとされる場所と、プリステラの水門都市という舞台が重なる。
このセリフは「アルが400年前のテュフォンとの出来事を実際に見ていた」という証左と解釈されている。400年前から生きているアルが現代のプリステラでその記憶を漏らした瞬間、とも読める。
Arc5での他の活躍
Arc5ではクルシュ・カルステン、ラムとレム、ロイ・アルファルドなど多くの主要キャラが激突する中、アルはプリシラの補佐として動く。プリシラとシリウス(憤怒の大罪司教・感情共有権能使い)との対決では、陽剣ヴォラキアとリリアナ(歌姫)の「伝心の加護」との連携でシリウスを突破するという複雑な戦術が展開され、アルはその中で補佐役を担った。
Arc7「ヴォラキア帝国編」での動向——スバルとの「同郷の語らい」
Arc7「殉情の神聖ヴォラキア帝国編」(小説26〜33巻)は、アルデバランが初めて深く掘り下げられる主要Arcだ。プリシラと共にヴォラキア帝国に渡ったアルは、九神将や帝国政治という複雑な背景の中で、スバルとの「同郷の語らい」という極めて重要な場面を迎える。
「同郷の語らい」——アルがスバルに心を開いた瞬間
Arc7でスバルとアルは二人きりになる機会を得る。そこでアルは、「お前(スバル)も異世界から来た人間だろう」という前提で感情的な会話を展開した。明言こそしないが、アルが「俺も日本から来た」ということを暗示する発言をするシーンは、Arc7の重要な転換点だ。
この対話でアルが示した感情の中で特に印象的なのが、レムの状況(暴食司教ライ・バテンカイトスに名前と記憶を喰われた状態)への深い共感だ。アルは「二人(スバルとレム)を再会させたい」とまで言いかけた。
Arc9でアルがスバル陣営に敵対し封印を実行する展開は、Arc7のこの感情的な交流があるからこそ一層の重みを持つ。友情に近いものを感じた相手を「封印しなければならない」——その矛盾こそがArc9のアルを悲劇的なキャラクターたらしめる要素だ。
Arc7での帝国政治への関与
Arc7では帝国内のアベル(ヴィンセント・ヴォラキア皇帝の変名)とスバルの連携、バルロイ・テメグリフら九神将との戦いが展開されるが、アルはその中で主にプリシラの護衛として行動した。ヴォラキア帝国という異国の地での活動を通じて、アルの「400年間の生存者」としての側面がより明確になるArcでもある。
Arc8「大災編」——プリシラとの別れ
Arc8「情愛の帝都ルプガナ決戦編」は、プリシラにとっての終焉のArcだ。帝都での最終決戦においてプリシラはスフィンクスと対峙し、陽剣「ヴォラキア」で自らを焼き尽くして屍人化、スフィンクスを討伐した後に夜明けと共に完全消滅する。
プリシラの最期をアルが見届ける意味
プリシラの最期の言葉「かくも世界は美しい」は、アルに直接向けられた言葉ではなかった。しかしアルが傍らでその消滅を見届けたことは間違いない。プリシラという「太陽」を失ったアルは、Arc9を迎えるにあたって「もう失うものはない」という解放感と絶望感の両方を抱えることになる。
400年間の孤独の旅で最も深く情が移った存在を失った後、エキドナとの約束(「スバルを世界から取り除く」使命)だけが残された——Arc9のアルの行動原理はここに集約される。
Arc8でのアルとプリシラの「プロポーズ」シーン
Arc8終盤、プリシラが決死の覚悟で最終決戦に向かう際、感情的なやりとりがアルとの間に展開された。アルが「ああ、なってくれ、姫さん。オレの、姫さん」と言葉を絞り出すシーンは、軽口ばかりだった男の素の感情が初めて露わになる瞬間として読者に強い印象を与えた。
このシーンの感情的な重みがあるからこそ、Arc9でアルがスバルを封印し「お前が憎い、この——親父」と言う言葉の奥底に、プリシラへの感情の代償として使命を遂行する男の悲哀が透けて見える。
Arc9での真名解明シーン詳解——「リゲル。——ナツキ・リゲルだ」
Arc9「黄金縫綴」の概要
第九章(Arc9)の物語は「黄金縫綴」と呼ばれる。小説43巻(2025年12月発売)を中心に展開し、アルデバランがスバル陣営に対する最終的な「封印実行」という役割を担う。Arc9の段階でアルはエミリア陣営の前に立ちはだかる存在として描かれており、表面上は「敵」に回っている。
しかしその背景にあるのは、400年前にエキドナと交わした約束——「嫉妬の魔女サテラが世界を滅ぼすのを防ぐために、ナツキ・スバルを世界から取り除く」という使命の遂行だ。
思考実験覚醒——Arc9でのアルの戦い方
Arc9のWeb版第九章において、アルの「思考実験」が本格的に描かれる。エミリアとの戦闘場面でアルは、領域を繰り返すことで未来の可能性を先読みし、実戦前に相手の動きを把握した状態で戦う。これにより、通常では互角以上の相手であるはずのエミリア陣営に対して、アルは一人で圧倒的な情報優位を持って戦えた。
真名告知——「リゲル。——ナツキ・リゲルだ」
Arc9のクライマックスで、アルは暴食の大罪司教ロイ・アルファルドに自分の名前を「喰わせる」という奇策に出る。名前を喰われれば世界中の人間の記憶からその人物の存在が消える——それはArc5でユリウス・ユークリウスが経験した絶対的な孤立だ。
それでもアルは意図的にこの選択をした。世界の記憶から「ナツキ・リゲル」を消してでも達成しなければならない目的があったからだ。そしてその宣言の瞬間に、400年間誰にも告げなかった真名が初めて世界に向けて叫ばれた。
「オレを喰え、オレの『名前』はーー」
「リゲル。ーーナツキ・リゲルだ」
この一文は、リゼロというシリーズの中でも最大級の衝撃シーンのひとつとして語り継がれている。
「お前が憎い、この——親父」——最も重いセリフ
封印実行後(またはその過程で)、アルはスバルに向けて「お前が憎い、この——親父」という言葉を発する。この「親父」という呼びかけが持つ意味は多層的だ。
- 文字通りの意味(息子説): アルがスバルとレムの未来の息子「ナツキ・リゲル」であるならば、「親父」は父スバルへの呼びかけそのものになる。400年間父と戦わなければならなかった悲劇。
- 比喩的な意味(原型説): アルがエキドナに創造された存在でスバルが「原型」であるならば、「親父」は「自分の存在の起源」への呼びかけとなる。
- 「憎い」と「親父」の矛盾: 憎しみと愛着・尊敬が同居する複雑な感情表現。400年間スバルの系譜を追い続けてきた存在が、ついにスバル本人を封印する瞬間に漏らした本音。
「並行世界のスバル」説——考察の全体像
有力仮説1: スバルとレムの息子説
「ナツキ・リゲル」という名前と「親父」という呼びかけから、アルがスバルとレムの未来の息子であるという説は最も広い支持を集める。根拠として以下が挙げられる。
- 「ナツキ・リゲル」という名前:「ナツキ」はスバルの姓、「リゲル」はレムの「レム」に関連づけられる説(リゲルはオリオン座の水瓶星座寄りの位置にある)
- Arc9でレムの記憶が完全回復(Web版9章35話)したことで、スバルとレムの将来に「子が生まれる可能性」が生じた
- 「親父」という呼びかけが文字通りの父子関係を意味する場合、スバルとレムの息子が過去(400年前)に転移して今の状況が生まれたというタイムループ構造になる
有力仮説2: 別ルートのスバル(IFルートからの転移)
アルが「異世界人」であり「死に戻り類似能力」を持つことから、別の「IF」世界線でスバルとして生きた人物という説もある。「IFルート・ナツキ・レム」(スバルとレムが共に生きる世界線)の存在が示唆されており、そのルートで「ナツキ・リゲル」と名乗る人物が時空を超えてこちらの世界線に転移してきたとも読める。
有力仮説3: エキドナの創造物
強欲の魔女エキドナがスバルの因子を元に「サテラ討伐のための兵器」として創造した人工存在——という説も根強い。この場合「親父」はスバルが「自分の原型」であることへの呼びかけで、「ナツキ」姓はエキドナがスバルの姓を「リゲル」に継がせる形で命名したことになる。
Arc9時点での確定情報
- 「ナツキ・リゲル」という真名:Arc9・小説43巻で確定
- 「親父」という呼びかけ:Arc9のWeb版で描かれている(※Arc9以降の最新展開は随時更新)
- アルの左腕:400年前のサテラ討伐戦で失われたとされる
- エキドナとの約束:「スバルを世界から取り除く」使命を帯びている
- リゲルの星名:オリオン座のβ星(プレアデス・スバルを追う存在)
ファン評価・アルデバランの名言
ファンが選ぶ名言トップ3
「オレを喰え。オレの名前は——リゲル。ナツキ・リゲルだ」(Arc9)
400年の沈黙を破った瞬間。リゼロ全体でも屈指のインパクトを持つセリフ。世界中の人間の記憶から消えることを承知の上で、使命のために真名を叫ぶという自己犠牲の決断が込められている。
「お前が憎い、この——親父」(Arc9)
憎しみと愛着が混在する、スバルへの複雑な感情の吐露。「親父」という呼びかけがアルとスバルの関係の核心を一言で示している。
「ああ、なってくれ、姫さん。オレの、姫さん」(Arc8)
軽口ばかりのアルが、プリシラへの感情を素直に吐露した珍しい言葉。軽薄に見えていたアルの内側を初めて見た読者が多い。
声優交代について
アルデバランの声優はアニメ1期で藤原啓治が担当していたが、藤原啓治は2020年4月に逝去。その後のゲーム「DEATH OR KISS」では関智一が代役を務め、アニメ2期以降も関智一が続投している。ファンの間では藤原啓治版アルへの追悼と、関智一版アルの新たな魅力の両方が語られている。
まとめ——アルデバランはArc9で何をしたのか
アルデバランというキャラクターを一言で表すならば、「400年間スバルの系譜を追い続けてきた、孤独な使命の星」だ。「アルデバラン」も「リゲル」も、どちらも「プレアデス(スバル)を追う者」を意味する星の名。その命名はアルデバランという存在の本質を正確に言い表している。
Arc9での彼の行動は4点に集約される:
- 思考実験の活用——未来を先取りしてエミリア陣営に対処
- 封印の実行——スバルとベアトリスを黒球に閉じ込める
- 真名の告知——「ナツキ・リゲルだ」とロイに向けて叫び、名前を世界から消させる
- 感情の吐露——「お前が憎い、この——親父」という言葉でスバルへの複雑な感情を表現
Arc9は「ナツキ・リゲル」という真名解明によってアルデバランの謎が一段階解消された一方で、「なぜナツキを名乗るのか」「親父とはどういう意味か」という新たな謎を生んだ。リゼロがArc9以降の展開でこれらを解明するとき、アルデバランという存在はさらに深い意味を帯びるだろう。
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