リゼロ第十章「獅子王の国」——Arc10はシリーズ最終章の第一幕にして、フェルト(本名:フィルオーレ・ルグニカ)がついに「王族」として表舞台に立ち始める章だ。
Arc9でフェルトの真名「フィルオーレ・ルグニカ」が公式に確定した直後、Arc10の44巻では「もう一人のフィルオーレ」が神龍教会の修道女として現れる。同じ名前、同じ金髪赤眼。クルシュ・カルステンの黒斑という「カペラ本人でさえ解呪できない呪い」をあっさりと浄化した謎の少女——これがArc10最大の謎となっている。
フェルトが「盗賊少女」から「王選候補4号」へ、そして「フィルオーレ王女」へと歩んできた軌跡。Arc10でフェルトはいかに動き、この謎にどう向き合うのか。本記事では原作小説・Web版をもとに徹底解説する。
フェルト(フィルオーレ・ルグニカ)のプロフィール(Arc10時点)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 通称 | フェルト(Felt) |
| 本名(真名) | フィルオーレ・ルグニカ(Arc9で判明) |
| CV(声優) | 赤﨑千夏 |
| 身分 | ルグニカ王国・王選候補4号 / 失われた王女(フォルド・ルグニカの娘) |
| 外見 | 金髪・紅眼・小柄な少女(ルグニカ王族と同じ特徴) |
| 加護 | 風の加護(俊敏性・速度大幅強化、壁・屋根の上を走ることが可能) |
| 育ての親 | ロムウォルト(ロム爺、巨人族の老人) |
| 守護者 | ラインハルト・ヴァン・アストレア(剣聖・現行最強) |
| Arc10での立場 | 王都へ帰還・神龍教会の「聖女フィルオーレ」問題に直面 |
Arc9での本名判明——「フィルオーレ・ルグニカ」の衝撃
長くフェルトは「スラム育ちの盗賊少女」として生きてきた。しかしその出自は、彼女が最も知られたくなかった秘密を内包していた。
Arc1の時点から「徽章(ミーティア)に触れると光る」という現象があり、ラインハルトはフェルトが失われたルグニカ王族の血を引くことを早期に察知していた。フォルド・ルグニカ——第41代国王ランダール・ルグニカの弟にあたるこの人物の娘として誕生したフェルトは、幼い頃に誘拐され、スラム街に流れ着いた。
Arc9の終盤で、この真実が「フィルオーレ・ルグニカ」という名前とともに公式に確定された。スラムで生まれ育ったと思っていた少女は、実はルグニカ王家の血脈の生き残りだった——この事実がArc10「獅子王の国」の幕開けとなる。
フェルト自身は「王族」という立場に複雑な感情を抱いている。彼女が求めているのはルグニカ王国の「変革」であり、堅苦しい王政への反感は一貫している。Arc9での本名確定は、フェルトにとって自由の喪失でも、王への道の確定でもなく、むしろ「変えなければならない理由の具体化」として受け取られているのかもしれない。
「フィルオーレ」という名前の重さ
ルグニカ王族の第三王女的立場
ルグニカ王国において、王族の直系は長くプリシラ候補(クリステル・アストレア)や各陣営の候補者が争う形をとってきた。フェルトがフォルド・ルグニカの娘であることが確定した時点で、彼女はルグニカ王族の正統な血筋を持つ、いわば「第三王女的立場」に相当する。
ルグニカ王家のシンボルは金髪と紅眼の組み合わせだ。フェルトの外見はその条件を完全に満たしており、それがArc1の段階から読者への伏線として機能していた。神龍ボルカニカとの「竜の盟約」に縛られたルグニカ王国において、王族の血統は単なる家系以上の意味——神龍との約束に連なる正統性——を持つ。
フェルトが「王」になるとは、単に権威を受け継ぐことではない。長月達平が描くフェルトの特異性は、「王族でありながら王族制度の最も外側にいた者が王になる」という逆説的な立場だ。スラム育ちの視点、搾取される側の経験、「支配されてたまるか」という反骨心——これらがフェルト固有の「王の資質」として機能する。
なぜフェルトは「盗賊」として育ったのか
フォルド・ルグニカの娘が誘拐されてスラムに流れ着いた——この経緯には、まだ原作で詳細が明かされていない部分がある。
確実なのは、幼いフェルトがスラム街でロムウォルト(ロム爺)に拾われ、生き延びるために盗賊として腕を磨いたことだ。「風の加護」は盗賊稼業に驚異的な適性をもたらした。壁を走り、屋根を駆け抜け、王都の路地を自在に飛び回る——この身体能力があったからこそ、フェルトはスラムの雑踏の中で生き抜けた。
「生まれを恨んでいたか?」と問われれば、フェルトの答えは「ノー」だろう。彼女はスラムで育ったことを恥じていない。むしろその経験が、「この国を変えたい」という動機の核心にある。Arc9で本名が確定してもフェルトの本質は変わらない——変わったのは、その反骨心を行使できる「立場」が与えられたことだ。
Arc9で本名が明かされた衝撃
Arc9の終盤でアルデバラン(ナツキ・リゲル)との決着が付いた後、フェルトの真名「フィルオーレ・ルグニカ」が正式に確定した。この瞬間を境に、Arc10の舞台が動き出す。
重要なのは「フィルオーレ・ルグニカ」という名前が、Arc10で即座に「別の文脈」で使われ始めることだ。フェルトが王選候補としての身分を世界に示したその直後に、神龍教会の「聖女フィルオーレ」が登場するという構造——これが「二重正体」のミステリーである。
Arc10「獅子王の国」での最大の謎——「聖女フィルオーレ」
神龍教会(新生竜教団)に現れた謎の修道女
Arc10の小説44巻『別離と鎮魂の四十四幕』で描かれる核心的な事件が、神龍教会(新生竜教団)における「聖女フィルオーレ」の出現だ。
この修道女は——
- 金髪・紅眼(ルグニカ王族と同じ外見特徴)
- 「フィルオーレ」という名前を名乗る
- 神龍教会の「秘蹟(サクラメント)」を行使できる
- カペラの「龍の血の呪い」でさえ浄化できる力を持つ
神龍教会とは、神龍ボルカニカが認知的に弱体化している(ある種の「痴呆」状態)現状において、「神龍の意志を代弁する」というロジックで台頭してきた新興宗教権力だ。ルグニカ王国における竜の盟約の空白を埋めようとする存在として、Arc10の政治的緊張の核心に位置する。
フェルトの本名「フィルオーレ・ルグニカ」と同名の謎
Arc9でフェルト=フィルオーレ・ルグニカが確定した直後に、「もう一人のフィルオーレ」が現れる——この構造そのものが、長月達平による周到な伏線だ。
読者(そして作中の王選参加者)が直面する問いは明確だ:「どちらが本物のフィルオーレ・ルグニカなのか?」
Arc9の時点ではフェルト=本物のフィルオーレが確定している。つまり神龍教会側の「聖女フィルオーレ」は、少なくとも「ルグニカ王族の正統血統という意味では」何らかの意図を持った存在ということになる。
「聖女フィルオーレ」正体の有力5説
Arc10開幕時点で、読者・ファン界隈では「聖女フィルオーレ」の正体について以下の5つの説が有力視されている。
第1説:カペラ・エメラダ・ルグニカ本人(またはカペラが変貌させた別人)
最も有力とされる説。カペラ・エメラダ・ルグニカは色欲の大罪司教であり、「変異」(自身の変形)と「変貌」(他者の変形)という2種の権能を持つ。彼女はルグニカ王族の血を引く存在(エメラダ・ルグニカの娘)でもある。
根拠:カペラは見た目も声も変えられる。「龍の血の呪い」を浄化できる——カペラ本人が施した呪いをカペラ本人(または血縁者)が解くのは理屈として通る。神龍教会を内側から掌握し、「神龍教会のフィルオーレ」として活動することで、王選をかき乱す工作活動の一環という解釈だ。
第2説:神龍教会が秘蹟でフィルオーレを「作った」
神龍教会が竜の盟約の空白を埋めるために、「聖女フィルオーレ」という役を演じる人物を擁立したという説。龍の血か、ボルカニカから直接引き出した何らかの力を使って「聖女の奇跡」を演出したと考える。
根拠:神龍教会は「神龍の意志の代弁者」という立場を維持するために、派手な「奇跡」を必要とする。クルシュの黒斑浄化という「誰も成し遂げられなかった奇跡」は教会の権威を劇的に高める事件だ。
第3説:フェルトとは無関係の同名存在
「フィルオーレ」という名がルグニカ王族に連なる複数の人物に付けられている(またはかつて付けられていた)という可能性。フォルド・ルグニカの子である本物のフィルオーレ(フェルト)とは全く別の出自を持つ人物が「聖女フィルオーレ」を名乗っているという説。
第4説:エキドナ(アナスタシア憑依)の介入
強欲の魔女エキドナがアナスタシアの肉体を使い、「聖女フィルオーレ」という存在を作り出した、あるいはその背後で糸を引いているという説。エキドナはArc6以降、ナエッダ(アナスタシアの精霊)との契約によりアナスタシアの身体を乗っ取る形で存在し続けている。情報収集と策謀において作中最高峰の知性を持つエキドナが、Arc10の政治的混乱を演出している可能性だ。
第5説:本物のフィルオーレ存在説(フェルトが別人)
Arc9でフェルト=フィルオーレと確定したが、それ自体が「フェルトをフィルオーレに仕立てる何者かの工作」だったという逆説的な説。神龍教会の「聖女フィルオーレ」こそが本物であり、フェルトは「利用されている」という可能性。ただしArc9の描写の強度から、現時点でこの説の支持者は少ない。
いずれにせよ、「聖女フィルオーレ」の謎はArc10「獅子王の国」の核心的謎として機能しており、フェルト陣営がこの問題にどう向き合うかが最終章の展開を左右する。
Arc10「獅子王の国」でフェルトに課される役割
王選候補として神龍教会問題にどう向き合うか
Arc10でフェルトが直面する最大の政治的課題が、神龍教会の「聖女フィルオーレ」問題だ。
「自分と同じ名前の存在が、神龍教会というルグニカ王国の政治的核心に関わる勢力と結びついている」——これはフェルトにとって単なる謎解き以上の意味を持つ。フィルオーレ・ルグニカという名はフェルトの「正統性」の証明でもある。その名を誰かが偽装しているとすれば、それはフェルトの王選参加資格そのものへの挑戦ともなりかねない。
フェルト陣営(フェルト+ラインハルト+ロムウォルト)は、44巻の段階でこの問題に真正面から向き合い始める。「聖女フィルオーレ」がクルシュの黒斑を浄化するという「奇跡」を見せた後、神龍教会の社会的影響力は急激に上昇する。王選候補者たちにとっても「神龍教会」という新しい政治的プレイヤーは無視できない存在だ。
「フィルオーレ王女」として公式に動き出す意味
Arc9までのフェルトは「王選候補4号」という曖昧な立場だった。Arc9でフィルオーレ・ルグニカという本名が確定したことで、Arc10ではより「王女」としての正統性を前面に出した行動が可能になる。
ラインハルト・ヴァン・アストレアという「あらゆる加護の塊」の守護を受けながら、フェルトは王都へ帰還する。王選参加の意思表示から始まった彼女の物語が、最終章でどう結実するか——Arc10はその答えに最も近い章だ。
フェルトが「変えたいこの国」に向き合うとき、彼女は自身の名前を使う何者かとも向き合わなければならない。王女であることを最も嫌っていた少女が、王女であることを最大限に活用しなければならないという皮肉——これが「獅子王の国」でフェルトに課されたテーマだ。
フェルトとラインハルト・ヴァン・アストレアの関係
「剣聖がフェルトを守る」という特異な関係
リゼロ作中で最強クラスの戦闘能力を持つラインハルト・ヴァン・アストレアが、なぜ「盗賊少女フェルト」の保護者になったのか——この関係はArc1から始まる。
ラインハルトはフェルトが徽章(ミーティア)に触れた際の反応から、フェルトが失われた王族の血を引くことを察知した。しかしラインハルトが単なる「王族を確保するため」にフェルトを保護したと考えるのは表面的な理解に過ぎない。
ラインハルトは40以上の加護を持つ「あらゆる加護の体現者」だが、その人物像は「最強」であることへの葛藤に満ちている。彼は加護によって「勝つことしかできない」存在として描かれており、その枷から解放されることをどこかで望んでいる。フェルトという「誰に縛られることも嫌う反骨の少女」は、ラインハルトにとって単純に守るべき対象以上の意味を持つ人物なのかもしれない。
ラインハルトがフェルト陣営にいる理由
王都騎士団や王国の機関はラインハルトを「守護騎士」「剣聖」として組み込もうとするが、ラインハルト自身は「フェルト個人」に仕えることを選んでいる。これは「剣聖」という役割が国家の所有物ではなく個人の誇りに属するという、ヴァン・アストレア家の思想と一致する。
Arc10でラインハルトは、「聖女フィルオーレ」という謎の存在に対して剣聖の直感で何かを感じ取っている。フェルトと聖女フィルオーレが沈黙の中で視線を交わす瞬間——その空気をラインハルトだけが敏感に察知するという描写が44巻にある。剣聖として培われた戦士の直感が、この謎に何らかの答えを示す可能性がある。
Arc10でのラインハルトの役割
神龍教会問題が表面化するArc10において、ラインハルトは「フェルトの剣」として機能する。神龍教会が「聖女フィルオーレ」を前面に出してくるならば、フェルトの正統性を守るための実力行使も辞さない——それがラインハルトのフェルトへの献身だ。
また、ラインハルトは「剣聖の加護」だけでなく「不死鳥の加護」(事実上の無限蘇生)なども持つため、Arc10における政治的・軍事的緊張においても最終的な抑止力として機能する。
フェルトと他の王選候補の関係(Arc10視点)
エミリア陣営との関係
エミリア(CV:高橋李依)とフェルトは、王選候補として対立する立場でありながら、「既存の王権への懐疑」という点で共鳴する部分を持つ。エミリアは「半エルフ」という差別を受けながら王を目指す存在であり、フェルトはスラム出身という「底辺」から王を目指す存在だ。二人とも「普通の王選候補者」ではない。
Arc10でエミリア陣営はスバル(ナツキ・スバル)を中心に独自の動きをしているが、「神龍教会問題」という共通課題においては各陣営が情報を持ち寄る局面も出てくる。フェルト陣営とエミリア陣営の協力・対立の構図がArc10の政治劇を彩る。
クルシュ(記憶回復後)との関係
クルシュ・カルステン(CV:村川梨衣)は、Arc5でライ・バテンカイトスに記憶と名前を喰われ、Arc6以降は記憶喪失状態が続いていた。さらにカペラの「龍の血の呪い」で黒斑に苦しんでいたが、Arc10の44巻で「聖女フィルオーレ」がこの黒斑を浄化する。
クルシュにとって「聖女フィルオーレ」は自分を救った存在だ。しかしその「フィルオーレ」という名を持つ存在が、王選候補フェルトと同じ名前だという事実——クルシュがこの矛盾にどう向き合うかはArc10の重要な伏線となる。
アナスタシア(エキドナ憑依)との関係
アナスタシアの肉体にはArc6以降、強欲の魔女エキドナが憑依している状態だ。「アナスタシアの意志」と「エキドナの策略」が複雑に絡み合うこの存在は、Arc10の「聖女フィルオーレ」謎について最も深い考察を持つ陣営かもしれない。エキドナは情報収集と策謀において作中最高峰の知性を誇る。
フェルト陣営とアナスタシア(エキドナ)陣営の関係は、「王選候補同士の競合」と「共通の謎への協力」が入り混じる複雑な様相を呈している。
プリシラ不在後の王選4候補体制
Arc8でプリシラ・バリエール(本名:プリスカ・ベネディクト)が死亡したことで、王選候補は5人から4人体制となった。Arc10における王選は——
- エミリア・ルーサー(CV:高橋李依)
- クルシュ・カルステン(CV:村川梨衣)
- アナスタシア・ホーシン(エキドナ憑依、CV:田中美海)
- フェルト=フィルオーレ・ルグニカ(CV:赤﨑千夏)
この4陣営が「神龍教会問題」「聖女フィルオーレ謎」「ルグニカ王国の行方」を巡って動く——それがArc10「獅子王の国」の政治的構図だ。
フェルトの能力・成長
「風の加護」が生み出すフェルト固有の戦闘スタイル
フェルトの戦闘能力は王選候補5人(のち4人)の中で最低水準だ。純粋な魔法攻撃力ではエミリア、近接戦闘ではクルシュ(記憶喪失前)に遠く及ばない。しかし「風の加護」が生み出す速度と身体能力は別格であり、フェルトが「戦闘に参加できる」水準を維持しているのはこの加護のおかげだ。
エルザ・グランヒルテ(腸狩りのエルザ)との戦いでは「風を纏い敵の攻撃を紙一重で回避し続ける」という戦い方を見せた。エルザがフェルトに「風の加護……美しい、世界に愛されているのね」と嫉妬とも感嘆とも取れる言葉を述べたシーンは、フェルトの加護の特別さを読者に印象付けた。
しかしフェルトの最大の武器は、実は戦闘能力ではない。「フェルト陣営の総合力はラインハルトによって最強クラス」という事実があるように、フェルト本人の判断力・統率力・人望が陣営を動かす核心だ。スラム育ちで権威に媚びることなく、本質を直感的に掴む——この「庶民感覚」こそがフェルトの真の武器だ。
Arc9で急成長したフェルトの「王の資質」
Arc1でフェルトが示した最初の「王の資質」のサインは、徽章(ミーティア)に触れたときに竜珠が光を帯びたことだ。以来、フェルトは王選候補として多くのArcを経験し、Arc9では「王の覚悟」ともいうべき精神的な成長を見せた。
フェルトが「王になる」動機は権力欲でも名誉欲でもない。「この腐った国を変えたい」——スラム育ちの少女が感じた社会への怒りと、変革への衝動だ。Arc9でフィルオーレ・ルグニカという名前が確定したとき、フェルトはその名前を「縛り」ではなく「変革を正統化するための名」として受け入れる方向に進んでいる。
「ロム爺」(ロムウォルト)との絆
ロムウォルト(ロム爺)は巨人族の老人で、スラム街でフェルトを育てた育ての親的存在だ。フェルトにとってロム爺は「世界で最初に自分を受け入れてくれた人」であり、その関係は純粋な家族愛に近い。
ロム爺はラインハルトのような戦闘力を持つわけではないが、フェルト陣営においては「精神的な錨」として機能する。フェルトが「王」という難しい役割を担おうとするとき、ロム爺の存在は彼女がスラムの自分——本来の自分——を忘れないための拠り所だ。
Arc10でフェルトが王都へ帰還するとき、ロム爺がともにいることの意味は大きい。それは単なる護衛ではなく、「盗賊フェルト」と「王女フィルオーレ」という二重の自己を統合していく旅路の証人だ。
ファンの評価と考察
「最も普通人に近い王選候補」の魅力
リゼロの王選候補5人を振り返ると、それぞれが特殊な属性を持っている。半エルフのエミリア、武人の覚悟を持つクルシュ、商業の天才で精霊アナスタシアの器となっているアナスタシア、帝国皇族の血を引く絶対的自信のプリシラ——これらに対してフェルトは「スラム育ちの盗賊少女」だ。
この「最も普通の人間に近い側からの視点」がフェルトの魅力の核心だ。王選というエリート同士の争いに、ストリートキッズが割り込んでいる。読者が「自分を重ねやすい」候補者は、実はフェルトかもしれない。
ファンからは「フェルトルートが見たい」「フェルトが王になったらルグニカはどうなるか」という声が継続して上がっている。Arc10でフェルトの活躍が増えることへの期待は特に高い。
「聖女フィルオーレ」謎への反響
Arc10開幕と同時に「聖女フィルオーレの正体」はリゼロファン界隈で最大の考察テーマになっている。
特に「カペラ関与説」は根強い支持を持つ。カペラ・エメラダ・ルグニカはルグニカ王族の血を引き、「変貌」権能で他者の外見を変えることができる。クルシュの黒斑をカペラ本人が解除できないとされていた理由——それは「カペラの意志」の問題であり、別の「フィルオーレ」(カペラが変貌させた誰か)が行使したとすれば、整合性が取れる可能性がある。
一方で「フェルトの名前を使った神龍教会の政治工作」説も有力だ。「奇跡」を見せることで信者を増やし、王選への影響力を増そうとする宗教的ポリティクスという解釈は、現実世界の宗教と権力の関係を彷彿とさせる長月達平らしい設定とも言える。
Arc10完結でフェルトはどうなるか
リゼロ最終章であるArc10の結末で、フェルト=フィルオーレがどう着地するかは現時点では未確定だ。しかし「王選候補の一人として最終的な決断を迫られる」ことは確実であり、その決断がどんな形をとるかが最終章の醍醐味となる。
「フェルトが王になる」「フェルトは王になることを拒否して別の形でルグニカを変える」「フェルトの立場が最終決着の鍵を握る」——どのルートであっても、フェルト=フィルオーレという二重の名前を持つキャラクターの結末は、リゼロという物語全体のテーマ「ゼロから始めること」と深く共鳴するはずだ。
Arc10「獅子王の国」という章タイトルの意味
「獅子王」とは何者か
Arc10のタイトル「獅子王の国」における「獅子王」とは誰か——これはArc10全体を貫く問いでもある。
ルグニカ王国の竜の盟約において、王国の正式名称は「龍の国」とも呼ばれる。神龍ボルカニカとの盟約を基礎とするこの国に「獅子王」という概念が対置されるとき、それは「龍に依存しない新しい権力の台頭」を示唆するかもしれない。
「獅子」のイメージはレグルス・コルニアス(強欲の大罪司教・既にArc5で敗北)とも重なる。あるいは「獅子王」がフェルト自身を指す可能性——スラムから這い上がった「野生の獅子」のような少女が「王」になる物語の象徴として機能するという読み方もある。
Arc10でフェルトがどんな形で「獅子王」というキーワードと結びつくか——これはArc10読解の重要な視点だ。
竜の盟約の行方とフェルトの立場
ルグニカ王国は神龍ボルカニカとの「竜の盟約」を国家の根幹としてきた。しかしArc10開幕時点で神龍の「意識的な活動」は著しく低下しており、神龍教会という「神龍の代弁者」を称する新勢力が台頭している。
フィルオーレ・ルグニカという本名を持つフェルトが、この「神龍の盟約」問題に深く関わることは避けられない。ルグニカ王族の正統血脈として、神龍教会が「自分の名前を使う」という事態を看過することはフェルトの性格上ありえない。
「龍の国」の行方を決める「獅子の少女」——これがArc10のフェルトに与えられた役割なのかもしれない。
フェルト関連の内部リンク:他Arcでの活躍
フェルト(フィルオーレ・ルグニカ)の活躍は各Arcで異なる文脈を持つ。関連記事でArc別の活躍を確認してほしい。
- Arc9:「リゼロ」フェルト Arc9解説|最終章で王選最年少候補が見せた王の覚悟(Post ID: 5716)
- フェルト基本情報:フェルト基本プロフィール(王選候補4号の正体とラインハルトとの関係)
- Arc10の44巻全体像:リゼロ44巻ネタバレ|聖女フィルオーレの正体5説
- ラインハルト解説:プレアデス監視塔解説
まとめ
フェルト(フィルオーレ・ルグニカ)のArc10での活躍を整理しよう。
- Arc9で「フィルオーレ・ルグニカ」という本名が確定し、Arc10は「王女フェルト」として本格始動する章
- 神龍教会に現れた「聖女フィルオーレ」は同じ名前・同じ外見を持ち、カペラの呪いすら浄化する謎の力を見せる——これがArc10最大のミステリー
- フェルトの「風の加護」と盗賊時代の身体能力は、王選候補の中で最低水準ながら「ラインハルト+ロム爺」という陣営の総合力でカバーされている
- ラインハルト・ヴァン・アストレアはフェルトの「正統性の守護者」として機能し、神龍教会問題にも剣聖の直感で向き合う
- 王選4候補体制(プリシラ死亡後)の中でフェルト陣営は独自の役割を担い、「聖女フィルオーレ」問題が最終章の政治構図を動かす
- 「聖女フィルオーレ」の正体5説(カペラ本人・カペラ変貌・神龍教会工作・エキドナ介入・別の本物)はファン界隈で最大の考察テーマ
Arc10「獅子王の国」は、フェルトが「盗賊少女」から「王女フィルオーレ」へと変容を遂げる最終章の幕開けだ。スラムから始まった反骨の少女が、自らの名前を巡る謎と向き合いながら王国の未来を掴みにいく——その物語の行方を、原作小説でぜひ確かめてほしい。
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