ラム——双子の妹レムと並び「鬼族最後の生き残り」と称される少女は、Arc9(大災編・最終決着編)で長年積み上げてきた物語の核心へとたどり着いた。Arc9第35話「目覚めの星」で妹レムの記憶が完全に戻り、4年越しの涙とともに姉妹が再び繋がった瞬間——その感動の先に、Arc10「獅子王の国」が始まる。
本記事では、Arc9のレム記憶回復とラムの「号泣」場面から、Arc10でラムが担う役割・ロズワールとの新たな関係・姉妹の絆の再構築・スバルへの複雑な感情まで、ラム・バウマンというキャラクターを徹底的に掘り下げる。Arc9記事(「リゼロ」ラムのArc9解説)と合わせてお読みいただくと、物語の流れがより鮮明に見えてくる。
リゼロ全シーズンのアニメをまとめて楽しむならDMM TVが充実。ラムとレムの姉妹の絆を映像で振り返ろう。
ラムのプロフィール(Arc10時点)
| 名前 | ラム(Ram) |
|---|---|
| CV(声優) | 村川梨衣(アニメ版) |
| 種族 | 鬼族(右角なし) |
| 所属 | エミリア陣営 / ロズワール邸 |
| 職業 | 参謀メイド・エミリア王選サポート |
| 主な能力 | 風魔法(フーラ・エル・フーラ)・千里眼・共感覚・鬼化(鬼神返し) |
| 肉親 | レム(双子の妹) |
| 愛する者 | ロズワール・L・メイザース |
| Arc9時点の年齢 | 18歳(レムと同い年) |
Arc9終了後、Arc10「獅子王の国」に突入した時点でのラムは、「4年間ずっとそこにいた姉」から「妹の記憶が完全に戻った後の姉」へと変わった。レムの記憶喪失期間(Arc5後半〜Arc9前半)にラムが担ってきた重みは計り知れない。Arc10以降のラムを理解するには、Arc9でのレム記憶回復場面の意味を正確に押さえておく必要がある。
Arc4で叡智の書を燃やしてロズワールを解放したこと、Arc6で「鬼神返し」を発動してライ・バテンカイトスを撃破したこと、Arc9でレムの記憶回復に立ち会って号泣したこと——これらの積み重ねがArc10のラムを形作っている。
レムの記憶回復とラムの「号泣」シーン
リゼロのファンが長年待ち続けた瞬間が訪れたのは、Arc9第35話「目覚めの星」だった。
Arc9第35話「目覚めの星」の全貌
この話でレムは、自分の武器であるモーニングスター(鉄球)に手を触れた瞬間に記憶が怒涛のように押し寄せた。暴食の大罪司教ロイ・アルファルドの権能「暴食」が逆流し、奪われていた名前と記憶が返還されるという事態が発生したのだ。権能の逆流とモーニングスターへの接触——この二つが重なったことで、Arc5以降奪われ続けていたレムの名前と記憶が完全に回復した。
この瞬間にラムがどう反応したか。答えは「号泣」だった。クールビューティとして名高いラムが、涙をこぼしながら妹を抱き締める——作品史上でも特に感動的な場面として、ファンの間で語り継がれている。
「4年間レムの名前を呼び続けたラム」の伏線回収
Arc5でレムが暴食の権能で名前と記憶を奪われた後、ラムはスバルを除く全員と同様に「レムを記憶できない」状態に置かれた。しかし作中の描写では、ラムは「誰かを探している」ような素振りを見せ続け、自分でも理由の分からない喪失感を抱えていた。
この喪失感こそが伏線だった。ラムは「レム」という名前を意識的に覚えているわけではないが、魂の深いところで「誰かが欠けている」と感じ続けていた。鬼族は元来、双子を特別な存在として捉える文化がある——その感覚がラムに「名もなき妹」への執着を与え続けた。
だからこそ、Arc9第35話でレムの記憶が戻り、ラムも「妹の名前」を取り戻した瞬間の号泣は、単なる感動演出ではない。それは4年間無意識のうちに抱えていた空洞が、一瞬で埋まった体験の爆発だった。
Arc10での姉妹関係の変化
記憶が戻ったレムは「完全に元通り」ではない。Arc5以降のヴォラキア帝国での経験——スバルと行動を共にし、死の淵を何度も乗り越えてきた経験——が積み重なっており、「記憶喪失期間に培われた人格」と「元のレムの人格」が重なった状態で戻ってきた。
この「少し違うレム」と向き合うことが、Arc10でのラムの内面的な課題の一つとなる。ラムが知っているレムは、純粋にスバルを愛し、姉を慕い、ロズワール邸のメイドとして生きていた少女だ。だが今のレムは、それだけではない。ヴォラキアで自分の意志で戦い、幾つもの選択をしてきた女性でもある。
それでもラムはレムを受け入れる。「私の妹」という事実は変わらない。Arc10でのラムとレムの関係は、過去の依存的な姉妹関係とは異なる、対等な形へと再構築されていく可能性が高い。
Arc10「獅子王の国」でラムが担う役割
Arc10「獅子王の国」は、2026年3月に原作Web版でスタートした最新章だ。「獅子王」とはクルシュに深く関わる王族の象徴であり、物語は王選の最終局面へと向かう中で、各陣営が「個人的な物語」の決着をつける段階に差し掛かっている。
エミリア陣営のサポーターとして
Arc10のラムは、エミリア陣営の「参謀メイド」としての役割を引き続き担う。Arc5以降に定着した「ロズワールがエミリア陣営に本格協力する体制」の中で、ラムはロズワールとエミリア陣営をつなぐ重要な橋渡し役でもある。
注目すべきは、作者・長月達平先生がArc10開幕トークイベント(2026年4月)で明かした一言だ。「アニメ第2章のようにラムがロズワールの後ろで控えるのではなく、アットホームな陣営になったので、ラムも座って食事をするようになった」という変化がある、という。
この変化は小さいようで大きい。Arc1・Arc2でのラムは、常に「ロズワールの背後に立つ従者」として描かれていた。それが今や、陣営の仲間として対等に食卓を囲む関係になった。ラムがエミリア陣営に「属している」という帰属意識が芽生えたことを示している。
ロズワールとの関係——叡智の書なき後の二人
Arc4でラムが叡智の書を燃やした後、ロズワールとラムの関係には質的な変化が生まれた。叡智の書(エキドナの意志を継いだ書物)に縛られていたロズワールが、その呪縛から解放されたことで、二人の関係はより「人間同士」に近い形になった。
Arc9では、ロズワールが「スバルたちを巻き込まない」選択をする場面がある。これはArc4以前のロズワール——スバルの「死に戻り」権能を利用しようとした謀略家——とは大きく異なる姿勢だ。エキドナへの執着から解放され、ラムの愛を受け止めたロズワールは、「自分自身の意志で生きること」を選び始めている。
Arc10でロズワールとラムが再び同じ方向を向けるかどうかは、物語の感情的な核心の一つだ。ロズワールがエミリアの王選を本気で支持し、ラムがそのロズワールを愛する——この関係が「本物の信頼」として成立したとき、二人は真の意味でパートナーになれる。
ラムとロズワールの「愛」の形(Arc10視点)
ラムがロズワールを愛するようになった経緯は、単純な恋愛感情ではない。その根には、幼少期のラムとロズワールの出会いがある。
「神童」と呼ばれたラムとロズワールの出会い
ラムは幼い頃から「鬼族の神童」と称された。右の角から発揮される風魔法の力は凄まじく、「角さえあれば作中最強クラス」という評価さえある。だが9歳の時、魔女教の大規模な鬼族集落襲撃で右角を失い、以後は本来の力のほとんどを封じられた状態が続いている。
その壊滅した集落からラムとレムを拾ったのがロズワールだった。孤児となった双子を引き取り、邸のメイドとして教育を施した。この恩義がラムのロズワールへの感情の原点にある。だがそれだけではなく、ロズワールの「400年以上エキドナへの愛を貫いた」という執念の純粋さも、ラムには惚れ込む要素として映っている節がある。
Arc4でラムが叡智の書を燃やした決断の意味
Arc4「聖域」編のクライマックスで、ラムはロズワールから叡智の書を奪い取り、燃やした。この行動の意味は二重になっている。
一つは「ロズワールを解放するため」。叡智の書はエキドナの意志を宿した書物であり、ロズワールを400年間縛り続けてきた道標だった。その書を失くすことで、ロズワールは初めてエキドナの意志から独立した選択ができるようになる。ラムはそれを、愛する者への「解放の行為」として行った。
もう一つは「ラム自身の覚悟の表明」。書を燃やすことはロズワールを怒らせるリスクがある。それでも行動したラムは、暗に「私はあなたのことを、エキドナへの執着ごと愛しているが、その執着から自由にしてあげたい」という意志を示した。これが本当の意味での「ラムの告白」だった。
Arc9でのロズワールの方針変化
Arc9でロズワールは「スバルたちを積極的に巻き込まない」選択をする場面がある。これはArc1〜4のロズワールが「スバルの権能を計算に組み込んだ謀略」で動いていたのとは対照的だ。
この方針変化の背景には、ラムへの感情の変化がある。ラムが「あなたを愛している」と示した後、ロズワールは徐々に「誰かのために生きること」の意味を理解し始めた。叡智の書を失い、エキドナへの執着という「生きる目的」を失ったロズワールが、新たな目的を見つけ始めている——その兆候がArc9以降の行動に滲んでいる。
Arc10でロズワールとラムが向かう先
Arc10の「獅子王の国」では、王選の最終局面として各候補者陣営の「決着」が描かれる可能性が高い。エミリア陣営にとってのロズワールは、最強の魔法師として戦力面でも、政治的な知恵でも欠かせない存在だ。
ラムはロズワールを支えながら、同時に「エミリアの王選勝利」という大きな目標のために動く。この二つの目標が矛盾しない形で統合できたとき、ラムは本当の意味で「ロズワール邸のメイド」から「エミリア陣営の一員」へと脱皮できる。Arc10はそのプロセスを描く章になるとみられる。
ラムの能力——鬼族の風魔法と共感覚
ラムの戦闘力を正確に理解することは、Arc10での彼女の役割を把握するうえで不可欠だ。
角なし状態の制限と実力
9歳の時に右角を失ったラムは、本来の力の大部分を封じられている。作者・長月達平先生は「角ありのラムはラインハルト・ヴァン・アストレアに近いレベルの強さ」と示唆しており、単体で白鯨を討伐できる可能性さえ言及されている。それほどのポテンシャルを持ちながら、角なしの状態が続いている。
しかし角なしのラムも、決して弱くはない。風魔法「フーラ」「エル・フーラ」を自在に操り、一撃で魔獣を両断できる威力を持つ。また千里眼で遠方の敵の動きを察知し、味方をサポートする能力も持っている。
共感覚——レムとの特殊な感覚共有
鬼族の双子として生まれたラムとレムは「共感覚」を持つ。これはレムと感覚を共有し、互いの危機を察知できる能力だ。Arc5以降のレム記憶喪失期間中も、この共感覚が「誰かが欠けている」という喪失感として現れていた可能性がある。
Arc9でレムの記憶が回復した後、この共感覚がどのように変化するかは注目点の一つだ。元通りの「双子の繋がり」が復活するのか、それとも記憶喪失期間の変化によって別の形になるのか——Arc10での描写が待たれる。
鬼化(鬼神返し)——Arc6での覚醒
Arc6「プレアデス監視塔」編のクライマックスで、ラムは「鬼神返し」を発動した。これは角を失ったにもかかわらず、スバルの「死に戻り」の権能エコーと共鳴することで、一時的に鬼神に近い力を取り戻す奥の手だ。この発動によってライ・バテンカイトス(暴食の大罪司教)を撃破した。
Arc9では鬼族としての誇りを持って最終決戦に臨んでいる。角なしの制限を抱えながらも、鬼神返しという「切り札」を備えたラムは、Arc10でもエミリア陣営の重要な戦力として機能する。
Arc10での戦力としてのラム
Arc10では「獅子王の国」という舞台で、ルグニカ王国の政治的・武力的な最終局面が描かれる。エミリア陣営にとってラムは:
- 風魔法による遠距離・広域攻撃手
- 千里眼による情報収集・偵察
- ロズワールとの連携による魔法コンビネーション
- 共感覚でレムとの連携
これらを担える多才なサポーターだ。Arc10の戦闘面でのラムの見せ場は、「ロズワールとの協力戦」になる可能性が高い。エキドナの呪縛から解放されたロズワールと、愛を貫いたラムが並んで戦う場面は、物語のカタルシスの一つになりうる。
ラムとレムの姉妹関係(Arc10視点)
Arc9第35話で記憶が戻ったレムと、号泣しながら妹を抱き締めたラム——この二人が「本当の姉妹として」どう歩んでいくかが、Arc10の感情的な核心の一つだ。
「記憶が戻ったレム」と向き合うラム
前述した通り、記憶回復後のレムは「Arc5以前のレム」と「記憶喪失期間を生きたレム」が重なった状態だ。スバルとの関係も、ヴォラキアで積み上げた絆と、Arc5以前の「私の英雄」という感情が混在している。
ラムにとってのレムは、常に「守るべき妹」だった。Arc1・2でラムがスバルに冷たく接したのも、「妹レムが好きになりすぎないように」という保護本能が一因だという解釈がある。それほどラムはレムを大切にしている。
だが記憶が戻ったレムは、もはや「ラムが全力で守ればいい弱い妹」ではない。Arc7・8のヴォラキア帝国で、スバルと共に過酷な戦場を生き延びてきた戦士でもある。Arc10ではこの「対等な姉妹」という新しい関係性の形が描かれるはずだ。
「ラムがいちばん大切なのはレム」という核心
ラムのキャラクターを一言で表すなら「全ての行動の根底にレムへの愛がある」だ。ロズワールへの愛でさえ、レムへの愛と同じ重さでは語れない——原作の随所にその描写がある。
Arc4でロズワールに「一番大切なのは誰か」と問われたとき、ラムはためらいなく「レム」と答えている(あるいはそれに近い感情を示している)。このことは、ラムがロズワールを愛しながらも「レムが安全でいること」を最優先していることを示す。
Arc10でのラムにとって、記憶の戻ったレムが「元気でいること」「自分の意志で生きていること」こそが最大の喜びだ。その喜びを胸に抱きながらArc10の戦いに臨む——それがArc10のラムの内面の柱になる。
Arc10でレムとラムがどう行動するか
Arc10「獅子王の国」では、王選の最終局面としてスバル・エミリア陣営が王都ルグニカへ向かう展開が想定される。この動きの中で、レムはスバルの傍で戦い、ラムはロズワールのサポートと陣営全体の参謀として動くという役割分担が考えられる。
一方で「ラムとレムが共同戦線を張る場面」は、読者・視聴者の期待が最も高いシーンの一つだ。記憶回復後に初めて姉妹で共闘する瞬間——Arc10がその舞台になる可能性は十分にある。
ラムとスバルの複雑な関係
ラムとナツキ・スバルの関係は、一貫して「表面上の拒絶と深層の信頼」という構造を持っている。
「バルスのことは嫌いよ」という言葉の意味
ラムはスバルを「バルス」と呼び、度々「嫌いよ」「バルスに頼るつもりはない」という言葉を口にする。しかし物語を通じて見ると、ラムはスバルの本質——諦めない粘り強さ・仲間への献身・どんな失敗からでも立ち上がる精神——を深く認めている。
Arc4でスバルがロズワールの謀略を暴いたとき、ラムはスバルを信頼した。Arc6でスバルの「死に戻り」の権能エコーを借りて鬼神返しを発動したとき、ラムは言葉なくスバルに依存した。言葉では否定しながら、行動では信頼する——それがラムとスバルの関係性だ。
Arc9後のスバルをラムはどう見ているか
Arc9でスバルは「全てを賭けてレムの記憶回復に関わった」存在だ。レムの記憶が戻った事実を、ラムは誰よりも重く受け止めている。その記憶回復に貢献したスバルへの感情が、Arc9後のラムの中でどう変化しているか。
表面上は「バルスはバルス、感謝なんてしない」という態度を保ちながら、内心では「あなたが妹を助けてくれた」という事実を静かに刻んでいる——そういうラムの描写がArc10以降で描かれる可能性がある。
Arc10での関係変化
Arc10「獅子王の国」は王選の最終決戦に向かう章だ。その中でスバル(エミリアを全力で支持する青年)とラム(ロズワールを愛しながらエミリア陣営に属するメイド)は、同じ目標——「エミリアの王選勝利」——に向けて動く。
同じ方向を向いて戦うことで、ラムはスバルへの感情を「信頼している、でも口には出さない」という形で固定していくだろう。Arc10でのラムとスバルの関係は「戦友」に近い形で描かれると予想される。
ファンの評価と考察
「クールビューティお姉さん」としての人気
ラムは「クールビューティなお姉さんキャラ」として、リゼロファンから高い人気を誇る。言葉は辛辣でも行動は誠実、弱みを見せない強さの裏に深い愛情を秘めている——このギャップがファンを惹きつける。
村川梨衣のボイスも大きな要素だ。クールな声音でありながら、感情が爆発する瞬間(Arc9の号泣シーンなど)に極限まで温度が上がる演技は、ラムというキャラクターの魅力を最大限に引き出している。
Arc9号泣シーンへの反響
Arc9第35話「目覚めの星」でラムが号泣した場面は、X(旧Twitter)でトレンド入りするほどの反響を呼んだ。「4年間待っていた」「ラムが泣くところは反則」というコメントが相次ぎ、Arc5以降の長い伏線回収として感動が爆発した。
この場面の重要性は、ラムファンだけでなくリゼロ全体のファンに届いた点にある。「ラムとレムの姉妹」というリゼロの原点のテーマが、最新章でしっかりと報われた——そのカタルシスがArc9の最も重要な感動ポイントの一つになっている。
Arc10以降での活躍期待
Arc10「獅子王の国」に向けてファンが最も期待しているのは以下の3点だ。
- ラムとレムが並んで戦う「姉妹共闘シーン」
- ロズワールとラムが「対等なパートナー」として動く場面
- スバルへの感謝を、言葉ではなく行動で示すラムの描写
この3点が叶った場合、Arc10はラムの物語としても屈指の名章になりうる。作者・長月達平先生がArc10を「各キャラの個人的な物語の決着」と位置づけているだけに、ラムにとっても大きな転機となる章になるはずだ。
原作小説でラムの物語をさらに深く。Amazonでリゼロシリーズを見る
ラムとレムの幼少期——「神童」と「落ちこぼれ」の真実
Arc10でのラムとレムの姉妹関係を深く理解するには、二人の幼少期に遡る必要がある。ラムとレムは同じ鬼族の双子として生まれたが、その境遇は当初から残酷なほど非対称だった。
「神童」として生まれたラムの宿命
幼少期のラムは、鬼族の集落で「鬼神の転生者」とも呼ばれるほどの神童だった。右の角から溢れ出る風魔法の力は他の追随を許さず、集落の全員がラムの未来に期待を寄せていた。この「神童」という称号は、幼いラムにとって誇りであり、同時に重荷でもあった。
一方でレムは「神童の妹」として、常にラムの影に隠れていた。幼少期のレムは自分がラムの足を引っ張る存在だと感じており、姉のことを羨みながらも愛し、その陰で自分を責め続けていた。この心理的なねじれが、レムというキャラクターの複雑さの原点だ。
魔女教の大規模襲撃——全てが変わった夜
ラムが9歳のとき、魔女教徒による大規模な鬼族集落への襲撃が起きた。この夜、ラムは右の角を折られた。角を失うことは鬼族にとって単なる負傷ではない——本来の力の源を永久に奪われることを意味する。「神童」と呼ばれたラムは、この一夜でその称号の実体を失った。
集落は壊滅し、生き残った者はほとんどいなかった。双子の姉妹——ラムとレム——だけが辛うじて生き延び、廃墟の中で途方に暮れていたところを、ロズワール・L・メイザースに拾われた。この出会いが、二人の運命を決定した。
「落ちこぼれ」が最強になった逆説
集落を失い角も失ったラムは、本来の実力をほぼ発揮できなくなった。だがこのとき、長年「神童の妹」として劣等感を抱いていたレムに変化が起きた。ラムを守れる自分になるために、レムは猛烈に努力を始めた。その結果、記憶を失う以前のレムはラムを上回る戦闘力を持つ鬼族として成長した。
この逆説——「神童が落ちこぼれになり、落ちこぼれが最強になる」——は、リゼロにおけるラム・レムの物語の構造的な核心だ。Arc10でも、この逆説の影響が二人の関係に滲み出ることになる。ラムがレムに頼れるようになるとき、それは長年の重荷が降りる瞬間でもある。
ラムのArc1〜Arc9全体軌跡——Arc10を理解するための俯瞰
Arc10での活躍を最大限に理解するため、ラムのArc1からArc9までの軌跡を章ごとに整理しておく。
Arc1・2「ロズワール邸編」——「参謀メイド」として登場
Arc1・2でのラムは、ロズワール邸の首席メイドとして登場する。スバルに対して冷淡で、「バルス」と蔑称で呼び、基本的に信用していない態度をとっている。この時点のラムは「ロズワールの意志を忠実に実行する従者」であり、エミリア陣営への帰属意識は薄い。
Arc4「聖域編」——叡智の書を燃やした決断
Arc4が、ラムという人間のターニングポイントだ。ロズワールとの間に「叡智の書の燃焼」という最大の選択をし、自分の愛を行動で示した。この章でラムは単なる「従者」から「愛する者のために全てをかけられる人物」へと変貌した。
Arc6「プレアデス監視塔編」——鬼神返しの覚醒
Arc6のクライマックスで鬼神返しを発動し、ライ・バテンカイトスを討伐した。スバルの権能エコーと共鳴するという形ではあったが、角なしのラムが鬼族本来の力に近い状態を取り戻した瞬間は、ラムの戦士としての側面を鮮烈に印象付けた。
Arc7・8「ヴォラキア帝国編」——後方支援と情報戦
Arc7・8ではレムがヴォラキア帝国でスバルと行動しているため、ラムとレムは離れ離れの状態が続いた。ラムはルグニカ側でエミリア陣営の後方支援を担い、ロズワールとともに王選の政治的な動きを支えた。この時期、ラムにとって「レムがどこかで生きているはず」という希望が、彼女の精神的な支柱になっていたとみられる。
Arc9「大災編・最終決着」——レム記憶回復と号泣
Arc9は、Arc1から続くラムの物語の「第一の完成」だ。第35話「目覚めの星」でのレム記憶回復とラムの号泣——これはArc9の感動の頂点の一つであり、「4年以上待ち続けたファンへの回答」でもある。Arc9を経たラムは、ある意味で最も「軽やかな状態」でArc10に入る。重荷を降ろした後の、新しいスタートだ。
まとめ
Arc10「獅子王の国」に臨むラムを振り返ると、彼女が歩んできた道の重みが改めて際立つ。
- Arc4で叡智の書を燃やし、ロズワールをエキドナの呪縛から解放した
- Arc6で鬼神返しを発動し、ライ・バテンカイトスを打倒した
- Arc9第35話「目覚めの星」でレムの記憶回復に立ち会い、4年越しの号泣をした
- そして今、Arc10「獅子王の国」でエミリア陣営の一員として、レムとともに新たな戦いに臨む
ラムというキャラクターの本質は「愛する者のために全てをかける」点にある。レムのためなら自分を犠牲にし、ロズワールのためなら暴力的な選択もいとわない。その愛の深さと、表面上のクールさのギャップが、ラム・バウマンをリゼロ屈指の魅力的なキャラクターたらしめている。
Arc10で「記憶の戻ったレムと対等な姉妹として再出発するラム」「エキドナの呪縛から解放されたロズワールと新しい関係を築くラム」「スバルへの感謝を行動で示すラム」——これらの展開が描かれるとき、ラムの物語はひとつの完成形を迎えるだろう。
幼少期に「神童」と呼ばれながら角を失い、長年レムを守り続け、愛するロズワールを解放するために叡智の書を燃やした——ラム・バウマンという少女の物語は、Arc10「獅子王の国」で新しい章へと進む。クールな言動の裏に宿る深い愛情と誇り高き鬼族の矜持——それがラムをリゼロ屈指の魅力的なキャラクターたらしめている核心だ。Arc10での彼女の「次の一手」に注目したい。
Arc9解説は 「リゼロ」ラムのArc9解説 へ。レム視点のArc9は レムArc9 記憶完全回復解説(※掲載予定)で詳しく解説する。ロズワールについては ロズワールArc9解説 もあわせてどうぞ。
リゼロのアニメ全シーズンをまとめて視聴するならDMM TVが充実。ラムとレムの活躍を映像で楽しもう。
下記のリゼロのアニメ・OVAの映像作品は動画配信サービスを利用することで視聴できます。
- リゼロアニメ 1st season
- リゼロアニメ 2nd season
- リゼロOVA「Memory Snow」
- リゼロ劇場版「氷結の絆」
動画配信サービスには初回登録時に無料で利用できるトライアル期間があり、無料期間を活用することで、リゼロの映像作品を無料で楽しむことができます。
リゼロ作品の取り扱いがあり、かつ無料トライアルの提供がある動画配信サービスを調査しましたので参考にしてください。
