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Re:ゼロから始める異世界生活のネタバレ【小説・アニメ・漫画】

「リゼロ」ベアトリスとスバルの契約|「俺を選べ」の名シーンと「お前を選ぶかしら」の真意を完全解説

『Re:ゼロから始める異世界生活』(リゼロ)のArc4「聖域編」のクライマックスで、シリーズ屈指の名場面が訪れる。ロズワール邸の禁書庫で400年間たったひとり、「あの人(あの方)」が現れるのを待ち続けた小さな精霊——ベアトリスと、ナツキ・スバルの契約が結ばれる瞬間だ。

このとき、スバルはベアトリスに「自分こそお前の待ち人だ」とは言わなかった。代わりに、誰かに指示されて待つのではなく、彼女自身の意志で選ぶことを求めた。「俺を選べ、ベアトリス!」——この一見遠回りな叫びこそが、長すぎる呪縛から少女を解き放った。本記事では、ベアトリスがなぜ400年も待っていたのか、待ち人「あの人」の正体、なぜスバルを選んだのか、名シーンの正確なセリフ、契約後に使える魔法(E・M・T/E・M・M/シャマク系/ミーニャ系)、そして二人の関係性の変化までを、原作小説をもとに完全解説する。


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目次

ベアトリスとは何者か──エキドナが作った人工精霊

契約の意味を理解するには、まずベアトリスの正体を知る必要がある。ベアトリスは自然発生した精霊ではない。強欲の魔女エキドナが自らの手で生み出した「人工精霊」だ。エキドナが精霊の生成という叡智を探究する過程で創り出した存在であり、同じくエキドナ作の大精霊・パックとは「兄妹精霊」とも称される関係にある。ベアトリスがエキドナを「母上(マザー)」と呼んで慕うのは、この出自ゆえだ。

属性は陰属性。その出力はリゼロ世界でも最高峰とされ、純粋な実力ではあのロズワール・L・メイザースに匹敵すると評価される。見た目は豪奢なフリルのドレスをまとい、金髪を縦ロールに結った少女だが、その内側には400年を生きた精霊の知識と力が宿っている。愛称は「ベア子」、自称は「ベティー」。

項目 内容
正体 強欲の魔女エキドナが作った人工精霊(大精霊)
属性 陰属性(リゼロ世界最高峰)
創造主 強欲の魔女エキドナ(ベアトリスは「母上」と呼ぶ)
関係する精霊 大精霊パック(兄妹精霊とされる)
愛称・自称 ベア子(愛称)/ベティー(自称)
居場所 ロズワール邸の禁書庫(どの扉も禁書庫に通じる)
使命 福音書に従い「あの人(あの方)」を待つこと
実力 ロズワールに匹敵すると評される
契約相手 ナツキ・スバル(Arc4聖域編で契約)

マナを自給できない精霊という弱点

ベアトリスが人工精霊であることは、契約の重みに直結する重要な設定だ。自然発生した精霊が大気中のマナを取り込んで存在を維持できるのに対し、エキドナに作られたベアトリスは大気からマナを自給できない。誰かと契約し、その契約者からマナの供給を受けなければ、いずれ存在を保てなくなる。禁書庫という閉じた空間に籠もり続けたのも、消耗を抑えるためという側面があった。だからこそ「誰と契約するか」は、ベアトリスにとって生死に直結する選択なのである。

口癖「〜かしら」と「I suppose(そう思うかしら)」

ベアトリスを語るうえで欠かせないのが、独特の語尾だ。彼女は文末に「〜かしら」を多用し、断定を避けるような物言いをする。原作の英訳でも「I suppose」と訳されるこの口癖は、単なるキャラ付けではない。自分の意志で何かを断言することを避け続けた400年——その受け身の生き方が、語尾そのものに刻み込まれている。後述する契約シーンで、この「かしら」が一転して決意の言葉に変わるところに、このキャラクターの核心がある。

禁書庫の主としての400年

ベアトリスはロズワール邸の禁書庫を守る精霊だ。この禁書庫は単なる書庫ではない。屋敷のどの扉を「正しく」開けても禁書庫に通じてしまう、空間そのものを歪めた「扉渡り(ドア次元)」の部屋であり、ベアトリスの力によって維持されている。スバルがArc1〜Arc4を通じて何度もこの部屋に迷い込み、ベアトリスと言葉を交わしてきたのは、読者にとっても馴染み深い。

その禁書庫で、ベアトリスはたったひとり、ある約束を守り続けてきた。それが「あの人」を待つという使命である。禁書庫の構造、蔵書、空間の仕組みについては、ベアトリスの禁書庫を解説した記事もあわせて参照してほしい。

「あの人」とは誰か──400年待ち続けた理由

ベアトリスの行動原理のすべては、創造主エキドナから託された「あの人(あの方)」が来るまで禁書庫で待ち続けよという命令にある。

福音書という呪縛

エキドナはベアトリスに一冊の福音書を与えた。福音書とは、持ち主の未来を断片的に示し、行動を導く魔導書である(魔女教の大罪司教やロズワールが持つものと同種の存在だ)。ベアトリスはこの福音書に記された指示に従い、「あの人」が現れるその日まで禁書庫を動かずに守り続けるよう命じられた。

残酷なのは、ベアトリスが「あの人」が具体的に誰なのかを知らされていなかったことだ。顔も名前も、いつ来るのかも分からない。ただ「いつか必ず来る」という福音書の言葉だけを頼りに、彼女は来る日も来る日も扉を見つめ続けた。禁書庫の扉を叩く者が現れるたびに「もしかしてこの人が」と淡い期待を抱いては、違うと知って失望する。その繰り返しが400年続いた。

400年という時間は、人間の一生をはるかに超える。出会いと別れを繰り返し、福音書のページが白紙へと変わっていくなかで、それでもベアトリスは「あの人」を待ち続けた。待つこと自体が、いつしか彼女の存在意義そのものになっていた。

衝撃の真実──「あの人」は最初からいなかった

そしてArc4で明かされる真実が、このキャラクターの悲劇を決定づける。ベアトリスが400年待ち続けた「あの人」は、最初から特定の誰かとして定められてなどいなかったのだ。

強欲の魔女エキドナは「知識」と「好奇心」の魔女である。彼女がベアトリスに「あの人を待て」と命じたのは、明確な後継者を指定したかったからではない。ベアトリスが誰を「あの人」と判断するのか、あるいは誰も認めずに待ち続けるのか——その選択を見届けたいという、純粋な好奇心からだったとされる。つまり、ベアトリスが自分の意志で「この人だ」と選べば、その時点でその人が「あの人」になるはずだった。誰でもよかったし、待つことをやめる選択すら許されていた。

この「教えない」という行為こそが、ベアトリスを400年縛りつけたもっとも残酷な罠だった。答えがないと知らないまま、彼女は存在しない正解を探し続けたのである。福音書と叡智の書をめぐるエキドナの思惑については、ベアトリスとエキドナの関係を掘り下げた記事で詳しく解説している。

契約に至るまで──Arc4聖域編のベアトリス

Arc4の舞台は、ロズワール邸とそれに隣接する聖域。スバルがエミリアの試練、ガーフィールとの対決、ロズワールの企み、そしてエキドナとの茶会といった激動に翻弄されるなかで、ベアトリスもまた自身の400年に決着をつけることを迫られる。Arc4全体におけるベアトリスの動きは、Arc4のベアトリス記事も参照されたい。

「あの人」を待つことへの疲弊

聖域編のベアトリスは、それまでの「気位の高い禁書庫の主」という顔の裏に、深い疲弊と諦観を抱えていた。何度スバルが手を差し伸べても、「お前は『あの人』なのかしら」と問いかけ、そして自ら否定する。彼女は誰かを自分の意志で選ぶことを自らに禁じていた。福音書がそう命じていない以上、勝手に動くことは許されない——そう自分を縛り続けていたのだ。

「滅びの欲求」──消えてしまいたいという願い

追い詰められたベアトリスは、ついに「もう待つことに疲れた、消えてしまいたい」という「滅びの欲求」を抱くまでになる。400年待っても「あの人」は来ない。ならばいっそ、この禁書庫もろとも消えてしまえばいい——。希望が呪いに反転し、自己消滅すら望むほどに、彼女の心は限界に達していた。スバルが向き合うことになるのは、この「死を望む少女」なのである。

ロズワールとの関係

ロズワール邸に禁書庫があるのは偶然ではない。ロズワール家は初代から続く長い因縁のなかでエキドナと深く関わっており、ベアトリスもまたその歴史の只中に置かれていた。聖域編では、ロズワール自身もまた福音書に従って動く者であることが明かされ、「与えられた書物に従って生きる」という生き方の是非が、ベアトリスとロズワール双方のテーマとして重なり合う。同じ「書物に縛られた者」でありながら、二人がたどり着く結論は対照的だ。


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名シーン徹底解説──「俺を選べ」と「お前を選ぶかしら」

そして訪れるのが、Arc4聖域編クライマックスの契約シーンだ。ここがこの記事の核心である。原作Web版では第四章129話「――俺を選べ」、テレビアニメでは第2期(2nd season)の終盤・第49話「俺を選べ」で描かれた、シリーズでも屈指の「神回」として知られる場面だ。

燃える禁書庫と、消えようとする少女

聖域とロズワール邸をめぐる一連の戦いのなかで、ロズワール邸は炎に包まれる。崩れゆく禁書庫で、ベアトリスはもはや自分を待っていた「あの人」は来ないのだと悟り、炎のなかに留まって消えることすら受け入れようとしていた。スバルが手を差し伸べても、彼女は涙ながらに拒む。今この手を取ったところで、人間であるスバルの一生など精霊の自分にとっては瞬きのようなもの。すぐに失う相手を選ぶ意味などない、と。

スバルは「あの人」を名乗らなかった

ここでスバルが取った行動が、彼という主人公を象徴している。彼は「自分こそが、お前が待っていた『あの人』だ」と嘘をついて手を取ることもできた。それが一番手っ取り早く、ベアトリスを動かす方法だったかもしれない。実際、それ以前のループでスバルは「俺がお前のその人だ」と口にしかけたこともあった。だが最終的に、スバルはあえて「あの人」を名乗らなかった。彼ははっきりと、自分はお前の待ち人などではない、と告げたうえで、こう叫ぶ。

「お前が誰の何を待ってきたのか、俺にはわからねえ。──でも、お前がいなくちゃ、俺は寂しくて生きていけねぇんだよ! 俺を選べ、ベアトリス!」

これは単なる契約の申し込みではない。400年間「選ばれる」のを待つだけだった少女に、初めて「自分から選ぶ」という主体性を差し出した瞬間だった。福音書に従うのでも、「あの人」を待つのでもなく、自分の意志で隣にいる相手を決める。スバルはベアトリスに、生き方そのものを変えることを求めたのだ。「お前がいなくちゃ寂しい」という、ただそれだけの、しかし何より真っ直ぐな理由とともに。

ベアトリスの応答──自らスバルを「選ぶ」

スバルの言葉を受けて、ベアトリスは長い逡巡の末に答えを返す。彼女は福音書も、エキドナとの古い約束も、400年守り続けた禁書庫もすべて捨て、自らの意志でスバルを契約相手として選ぶ。誰かに「あの人」だと指定されたからではない。スバルという一人の少年を、ベアトリス自身が選び取ったのだ。

本記事のタイトルに掲げた「お前を選ぶかしら」とは、この瞬間のベアトリスの心情を、彼女の口癖「かしら」とともに言い表したものである。普段は気位の高さや韜晦(とうかい)の響きを帯びるこの語尾が、この場面では一転して、ためらいながらも自らの足で踏み出す少女の、精一杯の決意としてはたらく。受け身の「待つ者」から、自ら「選ぶ者」へ。彼女の400年は、この選択で終わりを告げた。

こうしてスバルとベアトリスのあいだに精霊術師と精霊の契約が結ばれる。ベアトリスは禁書庫を出て、スバルとともに歩むことを選んだのである。

聖域解放後──「一番でなくていいのか」への答え

この契約の意味を補強する名場面がもう一つある。聖域の結界が解かれたあと、エキドナの棺の前でロズワールはベアトリスに問いかける。スバルにはエミリアという最優先の存在がいる。お前は彼の「一番」にはなれないが、それでもいいのか、と。かつてのベアトリスなら、「一番に想ってもらえないなら契約の意味がない」と考えていたかもしれない。だが、もはや彼女は迷わなかった。一番でなくとも、スバルの隣にいることを自分で選んだ——その晴れやかな表情こそが、彼女が本当の意味で呪縛から解放されたことの証だった。

呼び方の変化が示す関係性

契約は二人の関係を決定的に変えた。それは呼び方にも表れている。契約前、ベアトリスはスバルを突き放すように「お前」と呼んでいた。しかし契約を経て関係を深めるなかで、ベアトリスはやがてスバルを名前で——「スバル」と呼ぶようになる。たった一つの呼称の変化が、距離の縮まりと信頼の深まりを静かに物語っている。あの「かしら」という曖昧な語尾を残したまま、しかし呼ぶ名前だけは、はっきりと「スバル」へと変わっていくのだ。

契約後にベアトリスが使える魔法

スバルと契約したベアトリスは、その圧倒的な陰属性の力をスバルの戦いのために振るうようになる。ここでは契約後に登場する代表的な魔法を整理する。なお一部の名称はスバルとの「共同開発」によるベアトリス独自のもので、その由来がいかにもこの作品らしい。

魔法名 効果 分類
E・M・T 術者中心・半径十数mの球状フィールド内のマナ効果を完全に無効化する「絶対否定」 防御・無効化
E・M・M スバル周辺の時空間を静止させ外部干渉を遮断する「絶対防御」(発動中は動けない) 絶対防御
シャマク系 闇を生み出し視界・感覚を奪う。段階的に強化され最上位は別次元へ転送 陰属性・妨害
ミーニャ系 静止させたマナを物質化し、杭や矢の形で撃ち出す攻撃魔法 攻撃
ムラク 対象の重力を操作する陰属性魔法(軽くして浮かせる等) 補助・重力操作

E・M・T(絶対否定)

ベアトリスの代名詞ともいえる魔法がE・M・Tだ。発動すると、スバルとベアトリスを中心とした半径十数メートルの球状フィールド内に存在するマナの効果を根こそぎ無効化する。マナによって成立する魔法攻撃を打ち消す、まさに「絶対否定」と呼ぶにふさわしい防御魔法である。

この物々しい魔法名の正体が、リゼロらしい遊び心に満ちている。E・M・Tとは「エミリアたんマジ天使」の頭文字なのだ。スバルがエミリアへの想いを込めて唱える合言葉であり、ベアトリスはそれを承知のうえで詠唱に用いる。最強クラスの防御魔法に、こんな名前が付いている——そのギャップこそがこのコンビらしさである。

E・M・M(絶対防御)

E・M・Mはさらに上位の防御魔法で、スバルとベアトリスの周辺の時空間そのものを静止させ、外部からのあらゆる干渉を遮断する「絶対防御」だ。物理攻撃も魔法攻撃も、権能による干渉さえも、静止した空間の前では届かない。ただし発動中は自分たちも動けなくなるという明確な代償があり、ここぞという場面で切り札的に使われる。こちらの名称は「エミリアたんマジ女神」の頭文字である。E・M・TとE・M・Mの違いは「範囲内のマナ効果を無効化する(E・M・T)」か「存在ごと外界から切り離して干渉を遮断する(E・M・M)」かにあり、E・M・Mのほうがより強力かつリスクの大きい防御といえる。

シャマク系──陰属性の妨害魔法

シャマクは陰属性の基本魔法で、暗闇を生み出して相手の視覚や感覚を奪う。これには段階が存在し、威力に応じて接頭語が変化する。一貫したテーマは「距離(隔たり)」を生み出すことだ。

  • シャマク:基本。暗闇を発生させて視界・情報を遮断する
  • エル・シャマク:中級。相手の身体の自由すら奪う
  • ウル・シャマク:上級。空間そのものを呑み込むほどの力
  • アル・シャマク:最上位。対象を別次元へ転送してしまう空間転移

最上位のアル・シャマクは、もはや視界を奪うレベルを超え、対象を空間ごとどこかへ「飛ばす」次元干渉の領域に達する。Arc5の水門都市プリステラでは、ベアトリスがアル・シャマクを発動して大量の魔獣(ウサギの群れ)を一撃で別次元へ転送し、大精霊としての格を示した。陰属性最高峰と称されるベアトリスならではの魔法だ。

ミーニャ系・ムラク──攻撃と補助

ベアトリスは防御だけの精霊ではない。ミーニャ系は、静止させたマナを物質化し、杭や矢のような形状にして撃ち出す攻撃魔法である。着弾した部位は時間が止まったように凍りつき、やがて砕ける。さらにムラクは対象にかかる重力を操作する陰属性魔法で、味方を軽くして機動を補助するなど応用が利く。陰属性の制御に長けたベアトリスは、防御・妨害・攻撃・補助のすべてを高水準でこなし、契約者スバルの戦術の幅を大きく広げた。ベアトリスの魔法体系をさらに詳しく知りたい方は、ベアトリスの魔法・強さ徹底解説もどうぞ。

契約がもたらしたもの──スバルとベアトリスの関係性の変化

契約は二人それぞれに大きな意味をもたらした。

ベアトリスにとって──「待つ者」からの解放

ベアトリスにとって契約は、400年の呪縛からの解放だった。福音書に従い「あの人」を待ち続けるだけの存在から、自らの意志で選んだ相手とともに生きる存在へ。彼女はもう、与えられた使命のためではなく、スバルという「自分で選んだ理由」のために力を振るう。受け身の精霊が、能動的なパートナーへと生まれ変わったのだ。さらにスバルが見せる悲しみ——とりわけ失われたレムへの想い——に触れるなかで、ベアトリスは「もっと早く契約していれば」と悔いを抱き、これからはスバルがもう苦しまずに済むよう寄り添おうと決意していく。

スバルにとって──常時連れ歩ける最強の盾

スバルにとってベアトリスは、戦力的にも精神的にも計り知れない支えとなった。Arc3でゲートを損傷し自前の魔法をほぼ使えなくなっていたスバルにとって、契約精霊ベアトリスの陰属性魔法は欠かせない攻防の要だ。E・M・Tやアル・シャマクといった切り札を、契約者として引き出せるようになった意義は大きい。スバルの戦い方そのものの変遷については、ナツキ・スバル完全解説もあわせて読むと理解が深まる。

さらに、契約には前述のとおり精霊へのマナ供給という負担も伴う。マナを自給できないベアトリスを、スバルが「養い続ける」関係は、二人が文字どおり運命を共有していることの証でもある。Arc5以降、ベアトリスはスバルの隣に当たり前のように立ち、ともに死線をくぐり抜けていく。

その後のArcでの二人──Arc5・Arc6・Arc7

契約後のベアトリスは、Arc5「水の都と英雄の詩」、Arc6「プレアデス監視塔編」と、スバルの旅に欠かせない同行者となる。Arc5ではレグルス討伐にも加わり、Arc6ではスバルが記憶を失うという過酷な試練のなかで、契約という絆がどれほど深いものになっていたかが改めて問われた。400年待った精霊と、何度も死に戻る少年。互いに「選んだ」関係だからこそ、二人の絆は揺らがない。

そしてArc7「ヴォラキア帝国編」では、スバルとベアトリスは予期せぬ離別を強いられる。帝国への転移に際してベアトリスはスバルと引き離され、契約者を失った精霊として消耗の危機に直面しながらも、再会を信じて耐え抜く。離れてなお繋がり続ける契約の絆は、Arc7・Arc8を通じて二人の物語の重要な軸となっていく。各章ごとのベアトリスの活躍は、ベアトリスのArc別まとめ記事で通読できる。


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ベアトリスの名言で振り返る契約

契約をめぐる名場面は、印象的なセリフとともに記憶されている。代表的なものを振り返ろう。

  • 「お前は『あの人』なのかしら」──スバルとの初対面以来、繰り返された問い。期待と失望の400年が凝縮された一言。
  • 「お前がいなくちゃ、俺は寂しくて生きていけねぇんだよ! 俺を選べ、ベアトリス!」──スバルの叫び。「あの人」を名乗らず、ただ「お前が必要だ」と告げた契約の核心。
  • 呼び方が「お前」から「スバル」へ──セリフそのものではなく、呼称の変化という形で示された関係の到達点。

受け身の問いかけから始まり、スバルの真っ直ぐな叫びを受けて、自ら選び取る決意へ。ベアトリスのセリフの変遷をたどるだけで、彼女の400年の物語が見えてくる。

よくある質問(FAQ)

Q. ベアトリスはなぜ400年も待っていたの?

A. 創造主である魔女エキドナから福音書を与えられ、「あの人(あの方)」が現れるまで禁書庫で待ち続けるよう命じられていたためです。ベアトリスは「あの人」が誰なのかを知らされておらず、ただ福音書の指示だけを頼りに待ち続けました。

Q. 「あの人」とは結局誰だったの?

A. 特定の誰かとして定められてはいませんでした。エキドナはベアトリスが誰を「あの人」と選ぶのかを見届けたいという好奇心から命じたとされ、ベアトリスが自分の意志で選べばその相手が「あの人」になるはずでした。最終的にスバルが「自分はあの人ではない」としたうえで彼女自身の意志での選択を促し、ベアトリスはスバルを選んで呪縛から解放されました。

Q. 契約の名シーンのセリフは?

A. スバルは「あの人」を名乗らず、「お前がいなくちゃ、俺は寂しくて生きていけねぇんだよ! 俺を選べ、ベアトリス!」と彼女自身の意志での選択を求めました(原作Web版第四章129話/アニメ2期49話)。これに応えてベアトリスが自らスバルを選び、契約が成立します。タイトルの「お前を選ぶかしら」は、彼女の口癖「かしら」とともにこの選択の心情を表したフレーズです。

Q. E・M・TとE・M・Mの違いは?

A. E・M・T(エミリアたんマジ天使)は範囲内のマナ効果を無効化する「絶対否定」、E・M・M(エミリアたんマジ女神)は時空間を静止させて外部干渉を遮断する「絶対防御」です。E・M・Mのほうが強力ですが、発動中は自分たちも動けなくなる代償があります。

Q. ベアトリスとパックの違いは?どちらもエキドナ作なの?

A. どちらもエキドナが作った精霊で「兄妹精霊」とも呼ばれます。パックは四大精霊に数えられる火の大精霊でエミリアと契約、ベアトリスは陰属性最高峰の大精霊でスバルと契約しました。ベアトリスは大気からマナを自給できず契約者からの供給を必要とする点も特徴です。

Q. 契約後、ベアトリスのスバルの呼び方は変わる?

A. はい。契約前は突き放すように「お前」と呼んでいましたが、関係が深まるにつれて「スバル」と名前で呼ぶようになります。呼称の変化が信頼の深まりを表しています。

まとめ──「選ぶ」ことで始まった物語

ベアトリスとスバルの契約は、リゼロという作品が繰り返し描く「自分の意志で前へ進む」というテーマを、もっとも美しい形で結晶化させた名場面だ。本記事の要点を振り返る。

  • ベアトリスは魔女エキドナが作った人工精霊(陰属性最高峰・実力はロズワールに匹敵・マナを自給できない)
  • 福音書に従い400年間禁書庫で「あの人」を待ち続けたが、その「あの人」は最初から特定の誰かではなかった
  • スバルは「あの人」を名乗らず、「お前がいなくちゃ寂しい。俺を選べ」と彼女自身の意志での選択を促した
  • ベアトリスは福音書も約束も捨てて自らスバルを選び、契約が成立。タイトルの「お前を選ぶかしら」はその決意の表現
  • 契約後はE・M・T(絶対否定)・E・M・M(絶対防御)・シャマク系・ミーニャ系・ムラクを駆使
  • 呼び方は「お前」から「スバル」へ。受け身の精霊が能動的なパートナーへ生まれ変わった

誰かに選ばれるのを待つのではなく、自分から選ぶ。たった一度の「選択」が、400年の孤独を終わらせた。ベアトリスとスバルの契約は、その後の長い旅路を支える絆の出発点として、これからも多くの読者の胸を打ち続けるだろう。

アニメでこの名シーンを観たい方は、DMM TVでリゼロ全シーズンが視聴可能だ。Arc4聖域編はアニメ2期で描かれており、契約シーンは第49話「俺を選べ」にあたる。


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原作小説でベアトリスとスバルの契約の機微をじっくり味わいたい方は、MF文庫Jのリゼロシリーズ(聖域編は概ね11〜15巻)をどうぞ。

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