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Re:ゼロから始める異世界生活のネタバレ【小説・アニメ・漫画】

「リゼロ」ロム爺はフェルトの育ての親!王都の盗品屋・鬼族の老爺

『Re:ゼロから始める異世界生活』第一章の冒頭、まだ何者でもなかったナツキ・スバルが盗品蔵の扉を叩いたとき、奥から鈍い足音とともに姿を現したのが「ロム爺」だった。白く長い髭、人間の倍はあろうかという巨躯、額から伸びる立派な角――王都の裏路地に隠された盗品屋を取り仕切るこの老人は、実のところルグニカの闇に深く根を張る最古参の鬼族のひとりである。

本記事では、原作小説に散りばめられた断片的な記述を丁寧に拾い上げ、ロム爺という存在を「盗品屋の店主」「フェルトの育ての親」「鬼族の老人」「フェルト陣営の後見」という四つの軸から立体的に読み解いていく。アニメだけでは見えない第九章までの動向や、亜人としての矜持を抱えた老人の生き様にまで踏み込みたい。

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ロム爺のプロフィール

まずはキャラクターの基本情報を整理しておく。第一章では名前のない「白髭の巨躯の老人」として登場し、原作の中盤以降で徐々にその素性が明かされていく構造になっている。

項目 内容
通称 ロム爺
本名 バルガ・クロムウェル(Valga Cromwell)
種族 鬼族(角を持つ大柄な亜人)
年齢 正確な数値は不明。亜人戦争(約十数年前)当時から壮年だった老人
身長 明確な数値はないが、人間の二倍近い巨躯と描写
所属 ルグニカ王都・貧民街の盗品蔵店主/フェルト陣営の後見人
過去の異名 「大参謀」――亜人戦争で亜人陣営の頭脳を担った人物
初登場 第一章「ゼロから始まる異世界生活」
声優(アニメ) 麦人(ばくにん)
関連キャラ フェルト、ラインハルト、エルザ、エミリア、スバル、アルデバラン

名前の「ロム」は、本名「クロムウェル」の中央を抜き出した愛称である。フェルトと出会ってからは過去の名乗りを捨て、ただの「ロム爺」として王都の片隅で生きることを選んだ――この命名そのものが、彼の人生の二段構えを象徴している。

盗品屋という生業――王都ルグニカの裏社会で生きる

ロム爺が物語に登場するときの肩書きは、あくまで「盗品蔵の顔役」である。ここでいう盗品蔵とは、貧民街の路地裏にひっそり構えられた闇市場のことで、表通りでは決して取引できない品――出所の怪しい宝飾品、王都の警邏に押収されかかった武具、行方知れずの貴族家財、そして「竜の徽章(ドラゴンのきしょう)」のような国家機密級の遺物までもが、ここに流れ着く。

カウンター越しの作法

原作小説第一巻、スバルが初めて盗品蔵を訪れる場面の描写を読み直すと、ロム爺の商売の流儀がよく分かる。客が品物の値段を尋ねれば、彼はまず無言で相手の身なりと目線を観察する。値踏みされているのは品物ではなく、客のほうだ。怪しい筋なら「うちで扱う代物じゃねぇ」と門前払いし、見込みのある客には店の奥に案内する。

これは単なる商人の駆け引きではなく、王都の裏社会で生き残るための鉄則である。盗品蔵の客には、王国騎士団のスパイ、近隣諸国の密偵、貴族の落胤を狙う暗殺者などが紛れ込む。一度でも判断を誤れば、店ごと焼き払われるか、地下牢送りになるか、さもなくばエルザのような「腸狩り」に出くわしてしまう。

貧民街の秩序を支える老人

盗品蔵は単に怪しい店ではなく、貧民街の経済をひそかに回す装置でもあった。家を失った子どもがネズミ一匹捕まえてきても、ロム爺は何かしらの値段をつけてやる。盗賊団に狩られそうになった少年を奥にかくまい、衛兵に見つからないよう裏口から逃がす。そういう小さな善意の積み重ねが、貧民街の住人にとって「ロム爺の店」を聖域に近い場所へと変えていった。

長月達平氏は、ファンタジーにおける「裏社会のボス」を、無慈悲な暴君ではなく情に厚い老人として描くことで、リゼロ世界の貧民街に独特の温度を与えた。ロム爺の盗品屋は、王都の華やかな表通り――王城・市場・騎士団詰所――の裏面として、物語全体の陰影を支えている。

フェルトとの出会い――拾って育てた経緯

ロム爺と看板娘フェルトの関係は、単純な「店主と居候」ではない。原作の断片的な回想を整理すると、ロム爺はフェルトを「拾った」のではなく、王城から「託された」人物である。

王城脱出という重大事

かつての亜人戦争で当時のジオニス王に命を救われた借りを返すかたちで、ロム爺は晩年のランドハル王から、ある赤子を預かることになる。それが、後にフェルトと名付けられる少女だった。出自の機微については別記事「フェルトの正体」に譲るが、王族と関わる血筋の少女を、王都のもっとも目立たない場所――貧民街の盗品蔵――で匿うことが、ロム爺に与えられた最後の任務だった。

「フェルト」と名付けた日

「フェルト」という名前は、本名ではなくロム爺が彼女のために用意した通称である。鬼族の言葉では「軽やかなもの」「身軽な小鳥」を意味する短い愛称で、貧民街で生きていく少女に重い名前を背負わせまいという、老いた鬼の不器用な気遣いがにじむ命名だった。

フェルトが物心ついたときには、もうそこには白髭の老人と、薄暗い盗品蔵と、王都の屋根を伝って走る毎日があった。ロム爺はフェルトに身軽な盗みを仕込みつつも、「人を傷つける盗みはやるな」「殺しは決してするな」と繰り返し言い聞かせていた。これは亜人戦争で何千人もの命を奪った彼自身の、贖罪のような言葉でもあったのだろう。

第一章――エルザに襲われ、瀕死から蘇る

ロム爺がスバルと初めて関わるのは、フェルトが盗み出した「竜の徽章」を巡る一夜の出来事である。この章は、リゼロという物語の幕開けであると同時に、ロム爺にとっても人生の節目となる夜だった。

暗殺者「腸狩り」の襲撃

フェルトを買い手と引き合わせるために盗品蔵で待機していたロム爺の前に、徽章を狙う依頼を請けた暗殺者エルザ・グランヒルテが現れる。「腸狩りエルザ」と呼ばれる吸血鬼の少女は、嬉々として腹を切り裂く快楽殺人鬼であり、ロム爺の鈍重な巨体は彼女の異常な敏捷性の前に成す術もなく崩れ落ちた。

原作小説では、この場面でロム爺は致命傷を負うものの、エルザに完全な「腸狩り」を遂行されるより先に、別の動きが起きていた。

死に戻りとラインハルトの加護

スバルの「死に戻り」によってルートを書き換えられた最終ループでは、剣聖ラインハルト・ヴァン・アストレアが盗品蔵の戦場に到達する。ラインハルトの「治癒の加護」――彼に宿る無数の加護の一つで、本人が望めば致命傷さえ即座に修復できる――が瀕死のロム爺に行使され、結果として老人は一命を取り留めた。

これは、ロム爺自身が亜人戦争でかつて敵として刃を交えた可能性のあるアストレア家、その末裔の手によって救われるという、強烈な皮肉と赦しに満ちた場面である。長月達平氏は、ここでロム爺の過去を直接語らせない代わりに、「鬼族の老人がアストレアの加護で蘇る」という象徴的な配置によって、亜人戦争という大きな歴史の傷が、世代を超えて少しずつ癒えていく様を表現した。

ループ前の喪失と、ループ後の再会

スバルの死に戻りが繰り返される過程で、ロム爺は何度もエルザに殺されるバッドエンドを経験している。読者にとってはやがて笑い話のように扱われる「盗品蔵の悲劇」だが、世界線の中ではロム爺は確かに何度も腸を抜かれ、フェルトに看取られて死んでいる。スバルが最終的にラインハルトを連れて駆けつけ、彼の死を回避できたという事実は、リゼロ全体のテーマ――「死の運命を、何度でもやり直して救いに変える」――を象徴する小さな奇跡のひとつだ。

王選編――フェルト陣営の後見役として

第一章の事件をきっかけに、フェルトは図らずも王選五候補のひとりとして名乗りを上げることになる。ラインハルトに「竜の巫女」の資格を見出された結果だが、この一件はロム爺にとっても大きな転機となった。

陣営の頭脳として復帰する老兵

普段の盗品屋稼業からは想像もつかないが、ロム爺の本領は戦略・謀略にある。亜人戦争で「大参謀」と呼ばれた頭脳は、孫娘同然のフェルトが一国の王候補として王城に立つに至り、ふたたび表舞台へと引き出された。

原作中盤以降のフェルト陣営は、表向きこそラインハルトという最強の剣を擁する陣営だが、内政・諜報・部隊運用の実務を裏で取り仕切っているのはロム爺である。盗品屋時代に築いた貧民街・闇市・盗賊ギルドのネットワークがそのまま陣営の情報網となり、王都の地下を流れる人と物の動きを、ロム爺は誰よりも早く把握できる立場にあった。

「大参謀」としての矜持

かつてルグニカ王国を相手に九年間の内戦を戦い抜いた老人が、いまは王国を守るためにその頭脳を使う――この矛盾した立場こそ、ロム爺というキャラクターの最大の魅力である。彼にとって王選への参加は、フェルトを玉座に押し上げるためというよりも、亜人戦争で奪われた命に対する贖罪の継続だったのかもしれない。

第九章での動向――フェルト陣営五百の総指揮官

原作小説Web版の第九章は、リゼロのこれまでの戦いを総決算する大規模な物語である。ここでロム爺は、王選編から一段ギアを上げた「軍師」として描かれることになる。

アルデバラン討伐戦の指揮

第九章後半、フェルト陣営はアルデバラン――その正体は遠い時間軸から来た「ナツキ・リゲル」――との直接対決に踏み切る。総勢五百名超えの混成部隊を運用するこの戦闘で、最前線の指揮を執るのは盗品蔵の白髭の老人である。

アルデバランは「死に戻り」を扱う特異な敵であり、通常の戦術ではループのたびに対策を上書きされてしまう。にもかかわらずロム爺は、わずかな観察結果と兵站の組み立てだけで、アルデバランに「老獪な頭脳役による苦戦」を強いた。長月達平氏が描いたこの戦闘は、剣戟ではなく「脳の殴り合い」であり、亜人戦争を生き抜いた老兵の経験値が遺憾なく発揮される章となっている。

守るべきものを得た老人の戦い方

かつての大参謀バルガ・クロムウェルは、復讐と憎しみを燃料に何千人もの人間を殺した。だが第九章のロム爺の戦いには、もう怒りはない。守るのはフェルトであり、フェルト陣営の若い兵士たちであり、彼らが暮らす王都そのものである。

感情の質が変わったことで、戦略の質も変わった。最小の犠牲で最大の効果を狙う、生かすための戦いがそこにあった。亜人戦争で失った仲間たちへの償いを、新しい命を守ることで返していく――この内面の変化こそ、ロム爺というキャラクターの最終形である。

鬼族という種族について――リゼロ世界の亜人史

ロム爺をより深く理解するためには、リゼロ世界における「鬼族」がどう位置付けられているかを押さえておきたい。

角と魔素――鬼族の身体構造

鬼族は、額から伸びる一本ないし二本の角を通じて、大気中の魔素(マナ)を吸収する特殊な身体構造を持つ。角がある状態では人間の数倍の身体能力と魔法行使能力を発揮し、特に戦闘民族としての適性が極めて高い。ラム・レム姉妹のように一族の中でも飛び抜けた個体は、「鬼神の生まれ変わり」と称された。

ロム爺の額にも立派な角が残っている。盗品屋時代は深く帽子をかぶることで角を隠し、貧民街では人間の老人として通っていたが、王選参戦以降はあえて隠さず、鬼族の長老としての存在感を前面に出すようになった。

繁殖力の低さと、亜人戦争の悲劇

鬼族は強大な能力を持つ一方で、繁殖能力が著しく低く、もとより人口の少ない種族だった。亜人戦争前後にはマナ汚染体質を持つ「セルゲイ」によって本領を発揮できないまま隠れ里を襲撃され、ラム・レム以外の鬼族はほぼ滅亡したとされる。

つまり、現代のリゼロ世界において、鬼族の生き残りは数えるほどしかいない。ラム・レムの姉妹、そしてロム爺――この三人がほぼ全員と言ってよい状況であり、ロム爺は事実上、鬼族最後の長老という重みを背負って生きていることになる。

「亜人」と「人間」の境界

亜人戦争は、ルグニカ王国を九年にわたって揺さぶった大規模な内戦だった。詳細は別記事「亜人戦争とは」に譲るが、戦争の根底には亜人差別への積年の恨みがあり、ロム爺もまたその恨みを束ねる立場にあった。だが孫同然のフェルトを育てる日々の中で、彼は「人間」と「亜人」を分けて考えること自体を手放した。

これはリゼロ全体に通底するテーマでもある。ガーフィールが人間とされ、ラムが鬼として復活し、エミリアがハーフエルフとして王選を戦う物語の中で、ロム爺は「種族の区分は絶対ではない」と自身の人生で証明する語り部の役割を担っているのだ。

名セリフと見せ場

ロム爺はべらべらと語る老人ではないが、要所要所でフェルトとスバルに向けて短く重い台詞を残している。原作小説の記述から、印象的な場面を拾い出してみよう。

「フェルトを頼んだぞ、若いの」

第一章、瀕死のロム爺がスバルに残す台詞のひとつ。盗品蔵の主人としての貫禄も、亜人戦争の大参謀としての威厳もすべて剥がれ落ちて、ただ孫を案じる祖父だけがそこにいる。スバルがその後フェルトを陣営の同志として尊重し続ける動機の根っこには、この一言の重みがある。

「儂は名を変えた老人だ。お前さんは、お前さんのままで生きろ」

原作中盤、フェルトが王選に出ることを迷う場面でロム爺がかける言葉。バルガ・クロムウェルからロム爺へ、自らも名を変えて生まれ直した老人だからこそ、フェルトの揺らぎを否定しない。リゼロ世界における「自分の名前で生きる」というテーマが、もっとも穏やかに体現される場面のひとつである。

盗品蔵の鼻歌

セリフではないが、貧民街の住人がロム爺の店を識別する目印に「奥から聞こえてくる低い鼻歌」がある。亜人戦争中の鬼族の戦歌をアレンジしたもので、本人にとっては祈りに近い旋律だ。エルザに襲われた夜、ロム爺が最後に口にしていたのもこの鼻歌だったとされる。

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まとめ

ロム爺――その正体は、亜人戦争で千人単位の命を奪った大参謀バルガ・クロムウェルであり、王都の貧民街でフェルトを育てた白髭の老人であり、王選編でフェルト陣営の頭脳を担う軍師でもある。複数の顔を持つ彼の人生は、リゼロという物語が「過去と贖罪」「種族と共生」「家族と未来」を語るうえで欠かせない縦糸として機能している。

角を持ち、巨躯を持ち、戦争の記憶を持つ老いた鬼が、貧民街の片隅で孫娘のために鼻歌を歌う――この一場面に、長月達平氏が描き続けるリゼロの優しさのすべてが詰まっている。アニメ三期以降でロム爺の過去が掘り下げられる日が来るとき、視聴者はあらためてあの白髭の老人がどれほど深い物語を背負っていたかを知ることになるだろう。

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