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Re:ゼロから始める異世界生活のネタバレ【小説・アニメ・漫画】

【リゼロ】OP・ED主題歌一覧まとめ|1期〜4期+OVAの全テーマ曲とアーティスト・歌詞の意味を解説

『Re:ゼロから始める異世界生活』ほど、主題歌が物語の「もうひとつの語り部」として機能している作品は珍しい。死に戻りという過酷なループ構造を抱えるこの物語では、OP・EDの歌詞そのものが、ナツキ・スバルの絶望と再起をなぞるように書かれている。鈴木このみの『Redo』が放つ前のめりの疾走感、MYTH & ROID『STYX HELIX』が湛える喪失の冷たさ。それらは単なる「アニメの曲」ではなく、作品テーマの翻訳装置として配置されてきた。

この記事では、TVアニメ1期(2016年)から4期(2026年)、さらに劇場版・OVAまでを含めたリゼロの主題歌をすべて一覧でまとめ、曲名・歌手・各クールの担当範囲を整理する。そのうえで、歌詞と作品テーマがどう接続しているのかを、原作の構造に照らして読み解いていく。「リゼロ 主題歌」「リゼロ OP 一覧」「リゼロ 4期 主題歌」を一気に確認したい人に向けた、決定版の一本だ。

結論を先に言えば、リゼロの主題歌は鈴木このみ・MYTH & ROID・高橋李依(エミリア役)の三本柱を軸に、期ごとにアーティストを入れ替えながらも「死に戻り」「再起」「喪失」というモチーフを一貫して歌い継いできた。象徴的なのは、MYTH & ROIDの初代ボーカルだったMayuが後に前島麻由へと改名し、2期のOPで再びリゼロに帰ってくるという、楽曲史そのものが「やり直し」の物語になっている点である。


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この記事でわかること

  • リゼロTVアニメ1期〜4期のOP・ED主題歌を、クール別に曲名・歌手まで網羅した一覧
  • 劇場版『氷結の絆』・OVA『Memory Snow』など映像作品の主題歌
  • 鈴木このみ・MYTH & ROID・高橋李依という「リゼロを象徴する歌い手」が複数期で起用された理由
  • 『Redo』『STYX HELIX』『Stay Alive』などの歌詞が、死に戻りや喪失という作品テーマとどう響き合うのか
  • 挿入歌『Wishing』(レム)など、本編を彩った楽曲の位置づけ

リゼロ主題歌 全期一覧表(OP・ED)

まずは全体像を把握できるよう、TVアニメ各期のOP・EDを一覧表にまとめる。リゼロは1クールごとに楽曲を切り替える作品で、特に3期は3種類のEDをエピソードごとに使い分けるという凝った構成を採った。表内の「担当クール」は、原作のどのアーク(章)に相当するかも併記している。

期・クール 区分 曲名 歌手
1期 前半(1クール) OP Redo 鈴木このみ
1期 前半(1クール) ED STYX HELIX MYTH & ROID
1期 後半(2クール) OP Paradisus-Paradoxum MYTH & ROID
1期 後半(2クール) ED Stay Alive エミリア(高橋李依)
2期 前半 OP Realize 鈴木このみ
2期 前半 ED Memento nonoc
2期 後半 OP Long shot 前島麻由
2期 後半 ED Believe in you nonoc
3期 OP Reweave 鈴木このみ
3期 ED1 NOX LUX MYTH & ROID
3期 ED2 I Trust You エミリア(高橋李依)
3期 ED3 プリステラの君よ 山根綺
4期 OP Recollect 鈴木このみ feat. Ashnikko
4期 ED Ender Ember MYTH & ROID feat. TK(凛として時雨)

この一覧を眺めるだけでも、リゼロの音楽戦略の輪郭が見えてくる。OPは鈴木このみが1期・2期前半・3期と三度にわたって務め、EDは初期のMYTH & ROIDと、ヒロイン本人である高橋李依が交互に物語の余韻を引き受けている。以下、各期を順に掘り下げていく。

1期(2016年)の主題歌 ― 死に戻りの原風景

リゼロという作品の音楽的な「顔」が決定づけられたのが、2016年放送の1期である。異世界に召喚された少年ナツキ・スバルが、死んでは時間を巻き戻す「死に戻り」の力に翻弄されながら、何度も絶望と再起を繰り返す——その骨格を、OP・EDがそれぞれ別の角度から照らし出した。

1期前半OP『Redo』/鈴木このみ

『Redo』(歌:鈴木このみ)は、タイトルからして「やり直し」を意味する、死に戻りそのものをテーマにした楽曲だ。突き抜けるようなハイトーンと前のめりのバンドサウンドは、まだ自分の境遇を理解しきれないまま、それでも前へ進もうとする序盤のスバルの衝動と重なる。「何度でもやり直す」という決意が、悲壮さよりも疾走感として表現されているのが『Redo』の特徴で、これがシリーズ全体の基調を決めた。鈴木このみはこの後も2期前半『Realize』、3期『Reweave』とOPを担当し、「リゼロのOPといえば鈴木このみ」という図式を作り上げていくことになる。

1期前半ED『STYX HELIX』/MYTH & ROID

OPの疾走感と対をなすのが、1クール目のED『STYX HELIX』(歌:MYTH & ROID)である。曲名の「STYX」はギリシャ神話で生者と死者の世界を隔てる三途の川(ステュクス)、「HELIX」は螺旋を指す。つまり「死と生のあいだを螺旋状に巡る」という、死に戻りの構造そのものを冠した楽曲だ。当時のボーカルMayuの透明で物悲しい歌声が、スバルの孤独とループの果てしなさを静かに包み込む。リゼロのEDとして1000万回超の再生を記録するほど象徴的な一曲となり、「リゼロ ED」で検索する人の多くが真っ先に思い浮かべるのがこの『STYX HELIX』だろう。歌詞の「もう一度」という反復は、まさにスバルが繰り返す再挑戦の比喩として機能している。

死に戻りとは、希望であると同時に呪いでもある。何度でもやり直せるという事実が、何度でも喪わなければならないという宿命と表裏一体になっている——『STYX HELIX』の冷たい旋律は、その二重性をそのまま音にしたような楽曲だ。

1期後半OP『Paradisus-Paradoxum』/MYTH & ROID

2クール目に入ると、OPもMYTH & ROIDが担当する『Paradisus-Paradoxum』へと切り替わる。タイトルはラテン語で「楽園(Paradisus)」と「逆説(Paradoxum)」を並べたもの。屋敷編から白鯨・魔女教との決戦へと突き進む後半の、加速する緊張感を激しいビートで描き出す。前半をED担当だったMYTH & ROIDがOPへ回るという配置転換も、物語のフェーズが切り替わったことを音楽面で印象づけた。

1期後半ED『Stay Alive』/エミリア(高橋李依)

そして1期を締めくくるED『Stay Alive』を歌うのは、なんとヒロイン・エミリア役の高橋李依本人である。声優が役名義でEDを歌うという演出は、視聴者にとって衝撃的だった。スバルがエミリアを救うために命を賭す物語の終盤に、当のエミリアが「生きて(Stay Alive)」と歌いかける——この構図は、楽曲が単なる挿入物ではなく、物語の登場人物が観客へ語りかける「劇中からの声」として設計されていることを示している。高橋李依はこの後3期EDの『I Trust You』でも歌唱を担い、「エミリアの歌声」がリゼロEDのもうひとつの軸になっていく。エミリアというキャラクターの全体像はエミリア完全解説の記事で詳しく追える。

なお1期には、レム(CV:水瀬いのり)が歌う挿入歌『Wishing』も存在する。レムがスバルに想いを寄せる場面に重ねられたこの曲は、OP・EDとは別軸で「キャラクターの内面を歌で代弁する」というリゼロの手法を象徴している。スバル自身の歩みはナツキ・スバルの解説記事にまとめている。

2期(2020年)の主題歌 ― 過去と聖域、そして「帰還」

4年の時を経て2020年に放送された2期は、原作4章「永遠の契約」を中心に、聖域編とロズワール邸での過酷な攻防を描く。物語が一段とシリアスかつ内省的になるのに合わせ、主題歌もまた「過去」と「記憶」に深く沈み込むものへと変化した。聖域編の全体像は4章(聖域編)の完全ガイドで確認できる。

2期前半OP『Realize』/鈴木このみ

2期前半のOP『Realize』(歌:鈴木このみ)は、『Redo』の系譜にありながらも、より重厚でシリアスなサウンドへと進化している。「どんな事が起きても、必ず思い描いた未来へたどり着く」という決意を込めた歌詞は、ループの絶望に慣れ、それでも前進を選び続けるスバルの成長を映す。鈴木このみが二期連続でOPを務めたことで、彼女の声がリゼロの「変わらない芯」として機能していることが改めて浮き彫りになった。

2期前半ED『Memento』/nonoc

EDの『Memento』(歌:nonoc)は、ラテン語で「忘れるな」を意味するタイトルが示す通り、死に戻りで失われていく記憶や、繰り返される別れの悲しみを繊細に歌い上げる。nonocはこの2期から起用された歌い手で、その儚いボーカルが聖域編の陰鬱な空気と見事に呼応した。

2期後半OP『Long shot』/前島麻由

2期後半のOP『Long shot』を歌うのが前島麻由であり、ここにリゼロ楽曲史でもっとも美しい「再会」が隠れている。前島麻由は、1期で『STYX HELIX』『Paradisus-Paradoxum』を歌っていたMYTH & ROIDの初代ボーカルMayu、その人だ。彼女はMYTH & ROIDを「卒業」したのち、前島麻由としてソロ活動を始め、2期後半OPで再びリゼロのマイクの前に立った。死と再生を繰り返すこの作品で、楽曲を担う歌い手自身が一度「リゼロを去り」、名を変えて「帰ってくる」——アーティストの歩みそのものが死に戻りの物語をなぞるという、偶然とは思えない符合がここにある。R・O・Nが手がけたEDMロックの硬質なサウンドは、復活と決戦へ向かう後半の推進力をよく表している。

2期後半ED『Believe in you』/nonoc

後半EDは引き続きnonocが歌う『Believe in you』。「信じる」という感情を丁寧に紡いだこの曲は、レムを巡る記憶の喪失という残酷な展開のなかで、それでも誰かを信じ続けるスバルやエミリア陣営の祈りに寄り添う。前半『Memento』の喪失感から、後半『Believe in you』の信頼へという感情の流れは、聖域編の物語的なカタルシスと完全に同期している。

3期(2024年)の主題歌 ― 水門都市プリステラの群像

2024年に放送された3期は、原作5章「水の都と英雄の詩」、すなわち水門都市プリステラを舞台に魔女教大罪司教たちと激突するアーク(章)を中心に据えた。多数の陣営とキャラクターが入り乱れるこの群像劇に合わせ、3期はEDを3種類用意し、エピソードごとに使い分けるという、シリーズ屈指の凝った音楽演出を採用した。3期の見どころは3期アニメの解説記事に、舞台となるプリステラの設定はプレアデス監視塔の記事(関連する作中地理)も合わせて読むと立体的に理解できる。

3期OP『Reweave』/鈴木このみ

OPは三たび鈴木このみが担当する『Reweave』。タイトルは「織り直す(re-weave)」の意で、糸と糸が重なり合うように人が出会い、その縁を手繰り寄せて新しい可能性を切り開く決意を歌う。『Redo』(やり直す)→『Realize』(実現する)→『Reweave』(織り直す)という、いずれも「Re-」で始まる鈴木このみのOP三部作は、作品タイトル『Re:ゼロ』そのものへの呼応であり、巧妙に設計された連作と言える。ギターロックを基調とした疾走感は健在だ。

3期ED『NOX LUX』/MYTH & ROID

ED1の『NOX LUX』(歌:MYTH & ROID)は、ラテン語で「夜(NOX)」と「光(LUX)」を並べた、対比を主題にした楽曲。現ボーカルKIHOWの力強い歌声が、絶望の夜の中に差し込む一筋の光というプリステラ編のテーマを鮮烈に描く。1期の『STYX HELIX』以来、MYTH & ROIDが再びEDの本線に戻ってきたことで、シリーズの音楽的な円環が意識される構成になっている。

3期ED2『I Trust You』/エミリア(高橋李依)・ED3『プリステラの君よ』/山根綺

さらに3期では、特定のエピソードでED2『I Trust You』(歌:エミリア/高橋李依)と、ED3『プリステラの君よ』(歌:山根綺)が差し込まれる。『I Trust You』は1期『Stay Alive』に続くエミリア名義の歌唱で、スバルへの信頼を歌い上げる。山根綺は劇中で歌姫リリアナを演じる声優であり、『プリステラの君よ』はキャラクターの設定と歌い手をリンクさせた、3期ならではの仕掛けだ。誰がどのEDを歌うかが、その回の物語の視点人物と緩やかに連動しているのがこの期の妙味と言える。なお、各EDが正確に何話で使用されたかの詳細な割り当ては、放送時の演出意図に委ねられた部分も大きい。

4期(2026年)の主題歌 ― 帝国編、過去最大のコラボ

2026年4月から放送が始まった4期は、原作7章にあたるヴォラキア帝国編を描く。スバルが記憶を失ったレムと共に帝国へ飛ばされ、皇帝ヴィンセントや九神将といった新勢力と渡り合う、シリーズでも屈指のスケールを誇るアークだ。帝国編の概要は続きのアニメ展開を見据えた記事あらすじ総まとめで補完できる。4期の主題歌は、その規模に見合った過去最大級の豪華コラボレーションで固められた。

4期OP『Recollect』/鈴木このみ feat. Ashnikko

OPは『Recollect』で、鈴木このみがアメリカのラッパーAshnikkoを迎えた異色のコラボとなった。「Recollect(思い出す・回想する)」というタイトルは、記憶を失ったレムと、それを取り戻そうとするスバルの帝国編の核心を突く。『Redo』『Realize』『Reweave』に続く鈴木このみの「Re-」OPは、ついに四作目に到達した。プロデュースをGiga & TeddyLoidが手がけ、海外アーティストとの共演で、リゼロの音楽が国際的なスケールへ拡張したことを象徴する一曲だ。

4期ED『Ender Ember』/MYTH & ROID feat. TK(凛として時雨)

EDは『Ender Ember』、MYTH & ROIDが凛として時雨のTKを初めて迎えたコラボである。「Ember(燃え残る火・残り火)」というタイトルは、絶望のなかでも消えない希望の残り火を思わせ、帝国編の苛烈な状況下で灯り続けるスバルの意志に重なる。TK特有の張り詰めたボーカルとMYTH & ROIDの世界観が融合したこの楽曲は、シリーズの音楽史における一つの到達点と言ってよい。1期から数えて『STYX HELIX』『NOX LUX』『Ender Ember』とMYTH & ROIDがリゼロのEDを象徴し続けてきた軌跡が、ここに結実している。

劇場版・OVAの主題歌 ― 本編の「外側」を彩る歌

TVシリーズ本編とは別に、リゼロには劇場・OVAの映像作品があり、それぞれに専用の主題歌が用意されている。これらの楽曲を歌うのは、いずれもnonocだ。劇場・OVAを含めた映像作品の全体像は劇場版まとめの記事で確認できる。

作品 区分 曲名 歌手
OVA『Memory Snow』(2018年) ED主題歌 White White Snow nonoc
OVA『Memory Snow』 イメージソング Relive nonoc
劇場版『氷結の絆』(2019年) 主題歌 雪の果てに君の名を nonoc

OVA『Memory Snow』主題歌『White White Snow』

2018年公開のOVA『Memory Snow』は、本編の合間の穏やかな日常を描いた番外編で、ED主題歌『White White Snow』(歌:nonoc)がその柔らかな空気を包む。シリアス一辺倒のTV本編に対し、雪景色の温かさを歌うこの曲は、リゼロのもう一つの顔——キャラクターたちのささやかな幸福——を音楽で象徴している。nonocはこのOVAを起点に、後の2期EDへと起用されていくことになる。

劇場版『氷結の絆』主題歌『雪の果てに君の名を』

2019年公開の劇場版『氷結の絆』は、エミリアと精霊パックの出会いという過去のエピソードを描いた感動作だ。主題歌『雪の果てに君の名を』(歌:nonoc、作曲:ヒゲドライバー)は、名前を奪われ忘れられていく悲劇と、それでも誰かと結んだ絆を歌い上げ、作品の核心と完全に響き合う。エミリアの過去と精霊契約の深層は、本編キャラ解説でも重要な鍵になる。リゼロにおける「名前」「記憶」「絆」というモチーフが、TV本編・劇場版を貫いて主題歌に通底していることが、ここでもよくわかる。

リゼロを象徴する三人の歌い手

ここまでの一覧を俯瞰すると、リゼロの主題歌が三人(組)のアーティストを軸に編まれてきたことが見えてくる。彼らがなぜ複数期にわたって起用され続けたのか、その意味を整理しておきたい。

アーティスト 担当した主な楽曲 リゼロにおける役割
鈴木このみ Redo / Realize / Reweave / Recollect 「Re-」で始まるOPを4期連続で担当。シリーズの疾走感と再起の象徴
MYTH & ROID STYX HELIX / Paradisus-Paradoxum / NOX LUX / Ender Ember EDの幻想的・退廃的な世界観を担う。死と喪失の表現者
高橋李依(エミリア) Stay Alive / I Trust You ヒロイン本人による歌唱。物語の登場人物が観客へ語りかける「劇中の声」
nonoc Memento / Believe in you / White White Snow / 雪の果てに君の名を 2期EDと映像作品を支える。記憶・喪失・日常の繊細な代弁者
前島麻由(旧Mayu) STYX HELIX 等(MYTH & ROID時代)→ Long shot 「卒業」と「帰還」によって、楽曲史そのものに死に戻りの物語を刻んだ

鈴木このみのOP連投は、めまぐるしくアーティストが入れ替わるアニメ業界では異例で、彼女の声がそのまま「リゼロの主旋律」として機能していることを物語る。MYTH & ROIDはEDを通じて死の冷たさと幻想性を一貫して担い、初代Mayuから現ボーカルKIHOWへと歌い手を替えながらもブランドを保ち続けた。そして高橋李依がエミリア名義でEDを歌うという仕掛けは、リゼロが「キャラクターと楽曲を不可分に結びつける」作品であることの最も鮮烈な証明だ。原作小説でこの物語の続きを追いたい人は、ぜひ書籍でも世界観に浸ってほしい。

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歌詞と作品テーマの接続 ― なぜリゼロの主題歌は刺さるのか

リゼロの主題歌がこれほど強く記憶に残るのは、歌詞が作品テーマと密接に縫い合わされているからだ。死に戻りという設定は、抽象化すれば「やり直し」「喪失」「それでも前へ」という三つの感情の往復運動である。各楽曲のタイトルを並べてみると、この往復がそのまま音楽に翻訳されていることがわかる。

  • やり直し系:『Redo』(やり直す)、『Reweave』(織り直す)、『Recollect』(思い出す) ― OP群が担う前進の意志
  • 喪失・記憶系:『STYX HELIX』(三途の螺旋)、『Memento』(忘れるな)、『雪の果てに君の名を』(名前と絆) ― 死に戻りの代償としての喪失
  • 信頼・再起系:『Stay Alive』(生きて)、『Believe in you』(信じる)、『I Trust You』(あなたを信じる)、『Ender Ember』(消えない残り火) ― 絶望の先で灯る希望

OPで「前へ進む意志」を、EDで「喪失と再生の余韻」を歌い分けるという役割分担が、リゼロでは徹底されている。アニメと原作で描写が異なる箇所については原作とアニメの違いの記事に整理しているが、主題歌に関しては、むしろアニメだからこそ可能になった「歌による物語の補助線」と言える。原作小説には当然OP・EDは存在せず、音楽はアニメ版が物語に与えた固有の付加価値なのだ。

とりわけ象徴的なのが、ヒロイン・エミリア役の高橋李依が『Stay Alive』『I Trust You』を歌うことの意味である。物語の中で、スバルはエミリアのために何度も死に、何度も立ち上がる。その当のエミリアが「生きて」「あなたを信じる」と歌いかけるとき、楽曲は物語の外側からの応援ではなく、物語の内側からスバルへ差し出された返答になる。死に戻りを誰にも打ち明けられないスバルの孤独に、エミリアの歌声が初めて応えるのだ。リゼロの主題歌が単なる「良い曲」を超えて聴き手の胸を打つのは、こうした物語と音楽の二重写しが随所に仕込まれているからにほかならない。

関連記事 ― リゼロをもっと深く知る

主題歌から作品世界へ踏み込みたくなったら、以下の解説記事も併せてどうぞ。

まとめ ― 主題歌が語るもうひとつのリゼロ

リゼロのOP・EDは、1期『Redo』『STYX HELIX』から4期『Recollect』『Ender Ember』に至るまで、約10年にわたって「死に戻り」「喪失」「再起」という作品の核を歌い継いできた。鈴木このみの「Re-」OP四部作、MYTH & ROIDが担うEDの幻想と死、高橋李依=エミリアによる劇中からの語りかけ、そしてnonocや前島麻由が紡ぐ余白の物語——それぞれが独立した名曲でありながら、シリーズ全体で一つの大きな円環を描いている。

主題歌を順に聴き直すことは、スバルの旅をもう一度なぞる行為にほかならない。曲名一覧を片手に、ぜひお気に入りの一曲を見つけ、その歌詞が物語のどの瞬間に対応しているのかを確かめてほしい。そしてアニメ本編を改めて見返せば、聴き慣れたはずのOP・EDが、まったく違う重みを帯びて響いてくるはずだ。

リゼロのアニメ全シリーズは、DMM TVで配信中だ。主題歌の余韻とともに、ぜひ映像で物語を体感してほしい。


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  • リゼロアニメ 1st season
  • リゼロアニメ 2nd season
  • リゼロOVA「Memory Snow」
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