リゼロ原作小説28巻のあらすじネタバレです。
城郭都市グァラルの無血開城を目論んだスバル達は、見事な動きで都市庁舎を制圧した。しかし、そこに想定外の乱入者、九神将の「弐」アラキアが現れる。
「精霊喰らい」の力に制圧した盤面をひっくり返される中、窮地に陥ったスバル達の前に現れたのは、そこにいるはずのないルグニカ王国の王候補の一人、プリシラ・バーリエルだった。
28巻第一章「再会は燃える血潮の如く」ネタバレ

プリシア、アルが城郭都市グァラルに登場
アラキアの一撃からスバル達を守って見せたのは、紅蓮の瞳を宿すルグニカ王国の王候補の一人、プリシラ・バーリエルその人物だった。
当然ながらスバルもプリシラの登場に動揺を見せるが、それ以上に対峙していた帝国九神将の『弐』・アラキアの様子が変わり、まるで懐かしき愛しい人にそうするかのように胸に飛び込もうとする。しかし、アラキアの想いに反して、プリシラはその抱擁を拒絶し隔絶を見せた。
プリシラに行動の真意を問われたアラキアは、自らの決意をプリシラ、いやプリスカに応える。
そして矛先は狙いであるヴィンセント・ヴォラキア閣下、アベルへと向けられたが、アラキアのアベルへの攻撃をまたも想定外の人物、フルメットのスバルの兄弟・アルが防いだのだった。
アラキア戦、決着
奇跡的なアルの奮闘によりアラキアの攻撃を一時的に止めるが、実力差は如何ともし難く、アルの武器である青龍刀は弾き飛ばされ、趨勢は決した。かに見えた。
直後にアラキアが苦しみ動きを止めると、その場にいた二人、プリシラとアベルだけがそのことを予見しており、アベルはこの機を逃すまいと一気に畳みかけることを指示する。
アルの追撃はアラキアにダメージを与えるが、峰打ちの一撃は致命傷には至らず、アラキアの反撃によってアルはバルコニーの外へと押し出されてしまった。そこに、瀕死状態のミゼルダが猛攻を仕掛け、それさえもアラキアが防いだ時にレムの願いを聞き届け、プリシラが一足で距離を詰めてアラキアに向けて陽剣ヴォラキアの一撃を放つ。
アラキアは攻撃の気配を察するも、自分に向けて攻撃を放った人物の気配を察すると、攻撃を防ぐことなく受け入れ倒れることとなった。
レムは瀕死状態のミゼルダを救うべく治癒魔法を行使し、スバルは目論んだ無血開城に少しでも近づけるように怪我人の手当てを始める。
ルグニカ王国への帰還の道
ミディアムの力を借り、バルコニーの外にある結晶灯に引っかかっていたアルを救出する。
ミディアムはアラキア登場時の大嵐の発生の際、フロップとウタカタ、ルイを庇って気を失っており、そのため肝心な時に役立つことができなかったと謝罪しっぱなしだった。スバルは、巻き込まれただけのミディアムの考えに感謝し、いつか恩を返せる時が来るだろうかと思案する。
アルと二人きりになったスバルは、プリシラとアルが帝国にいる理由を問い詰めるが、アルはスバルの聞きたいことはルグニカ王国への帰り方だろうと話し、ヴィンセント・ヴォラキアが行方不明である現状から、入国はできても出国は難しくなっていることを打ち明けた。
円卓会議
負傷者と治療を行う者を除き、各陣営の主要メンバーが一堂に集まり円卓を囲む。
会議は状況共有からプリシラ&アルがヴォラキアにいる理由、九神将の壱へと進み、アラキアの処遇へと到着した。
族長であるミゼルダを傷つけられたシュドラクの民を代表して、クーナは断固処刑を主張する。プリシラにも異論はな買ったが、スバルの「プリシラでも間違えることはある」という言葉が、プリシラの態度を変化させ、アラキアが目覚め次第敵陣営の情報を聞き出すことで決まる。
しかし、その結論が出た直後、アラキアの監視をしていたホーリィが部屋に駆け込んできて、二人の帝国兵によってアラキアを奪われてしまったことが発覚した。
28巻幕間「持つモノと持たざるモノ」ネタバレ
トッドとジャマルの動静
都市庁舎がナツミ・シュバルツによって陥落させられたと判断したトッドは、他の帝国兵が投稿するのに反して、ジャマルと共に城郭都市を脱しようとしていた。
しかし、見捨てようとした城郭都市に九神将『弐』アラキアが入っていくのを見ると、そこに勝算を見て援軍として参加するかを考慮するべく状況を観察することとなった。
興奮するジャマルに対して、トッドは都市庁舎を蹂躙するアラキアが戦争の申し子であるナツミの命をここで確実に奪うことを切に願っていた。そしてその時が訪れたかと思いきや、空から飛龍と共に紅い剣を携えた少女が現れ、状況は一変。トッドとジャマルが抱いた希望は打ち砕け、アラキアは倒れることとなった。
ジャマルの考え
目論見が外れた以上、トッドは早急に城郭都市を脱することが懸命な判断だと考えていたが、ジャマルをその判断に従わせることはできなかった。
将来の義兄となる相手を喪うことをトッドは心底残念がったが、それでも自らの判断を覆すことはせず、ここで別れる判断をする。しかし、ジャマルの口から出た言葉は意外なもので、攻撃目標は敵戦力の殲滅ではなく、負傷して気絶したアラキアの救出だという。
意外なジャマルの考えに驚きつつも、トッドは自らの判断を覆して作戦を変更、ジャマルと共に気の緩んだ相手の意表を突き、アラキアと共に都市を脱出する算段を立て始める。
アラキアを救出するが・・・
トッドとジャマルは、アラキアが運び込まれた地下牢へと向かう。見張りをしていたグァラルの自衛団の命を奪い、牢屋の前で番をしていたホーリィさえも撃破し、気絶するアラキアを回収したトッドとジャマルは闇夜に紛れる。
しかし、狭い路地に出たところで、数日前にトッドに正確な矢を射った使い手の攻撃が降り注ぐ。既にシュドラクの民に捕捉されており、打つ手は残されていなかった。
トッドは、最後の手段として、ジャマルが剣で矢を打ち払い、自分がアラキアを背負ってその背後をついていくと正面突破の案を出す。最後の最後でヴォラキア帝国の軍人らしい考えだとジャマルは気に入り、降り注ぐ大量の矢雨の中を突進していった。
出口も間近に迫った通路に、大量に待ち構えていた兵士達と遭遇する。ジャマルは、最後まで徹底抗戦を唱えて誇り高く突進する。その頃、トッドはアラキアと共に城郭都市を脱出したが、その時には既にジャマルが眼帯をつけていた目が左右どちらかさえ不確かになるほど、トッドの頭の中からジャマルは消えていた。
28巻第二章「自称英雄ナツキ・スバル」ネタバレ
プリシラの目的とアベルの目標
ホーリィからの一報を受けた一同は、即座にアラキアを連れた帝国兵二名の追撃にかかったが、闇夜の中で陽動役と二手に分かれた敵の行動により、クーナとホーリィのコンビの長距離狙撃でも対応できず、アラキアを逃してしまう結果となった。
敵の手練れた行動により城郭都市外での捜索は困難と判断し、円卓を囲んだ一同は会議へと戻る。
議題はプリシラ・アルのヴォラキア帝国来訪の目的へと移り、それはヴィンセントを王座へと戻すことであったが、無血開城という剣狼に背く甘い考えを支持したアベルを、プリシラは皇帝の座に相応しいとは思えないと考えるようになってしまっていた。
プリシラには強力な強力者がいたが、その強力を得るためには改めてアベルの資質を示す必要が出てくる。それ以前に、敵陣営とアベル陣営の戦いの決着は、最終的に九神将の支持をどちらが多く集めるかで決まることが判明、アベル達の次の行動目標が決まった。
フロップが会議に登場
帝国の九神将は帝都に集中しているのではなく、広大な帝国領土の防衛のために各拠点に陣取っている。常識的に考えて最も位の高く、ラインハルトと並び称される「ヴォラキアの青き雷光」、九神将の壱「セシルス・セグムンド」を仲間に入れることが定石かに思えたが、アベルはそうではないと話す。
セシルスは間違いなくヴォラキアの象徴であり最強の人物ではあるが、性格的な問題があるため将校の信頼を得ておらず、セシルスを仲間に取り入れてもアベルの目標の達成には効果が薄かった。しかし、同時に一人で戦局を変えられる人物でもあるため、完全に放置するわけにもいかない。
会議が混乱を迎える中、会議場に元気なフロップが登場、手当てが一段落したことを報告し、同時に死傷者が出なかったことも明らかになった。しかし、フロップは浮かない顔をしており、スバルにアベル、そしてシュドラクの民をある場所へと連れていった。
シュドラクの民の族長が交代
フロップが一同を連れて行った先にはミゼルダがいて、イケメン万能説を唱えるいつもの雰囲気を纏っていたが、膝から下の右足を失っており、族長としての務めをこれ以上果たすことが難しくなっていた。
治療にあたっていたレムは自分の力不足に悔悟を抱くが、ミゼルダは自分の命があるのはレムのお陰だと、感謝以外の言葉はないと伝える。
盟約を交わしたアベルに対して、ミゼルダは族長をタリッタに譲ると話し、アベルはミゼルダに敬意を込めてその判断を受け入れた。タリッタは不安を抱えたままだったが、シュドラクの民の族長の継承の儀式が行われ、タリッタは敬愛する姉の後を継ぐこととなった。
言わせてはいけなかったレムの言葉
アベルとプリシラが話し合いの場を改めて持つ中、スバルは自らの力不足を痛感させられたレムの元へと向かう。
レムは記憶があった時の自分の治癒魔法であればミゼルダの足を残すことができたのではないかと後悔していたが、スバルは喪われたものの全ての責任はむしろ自分にあるのだと、咎を自分一人で背負おうとする。
レムは、見事な献策と戦略で都市庁舎の制圧を成し遂げたスバルがその後の事態まで一人で責任を取ろうとすることに憤慨する。スバルはレムの言葉を止めようとするが、口がパクパクと開くだけで、言葉が出てこない。
そして、レムに「あなたは英雄ではない」という言葉を言わせてしまった。
茫然自失となったスバルは、自分がどこにいるかも分からないままに都市庁舎を彷徨い、ぶつかった壁に頭を打ち付ける。それを繰り返すスバルを止めたのはアルだった。
28巻第三章「進むべき道筋」ネタバレ
アルがスバルへの肩入れを約束
プリシラの言いつけで、会議場にスバルを呼びに行ったアルだったが、レムとの会話後に周囲から見ても明らかな絶望をしていたスバルを発見して追いかけてきたのだった。
アルに自らの奇行を止められたスバルは、それでも絶望のうちに沈んでいたが、水門都市プリステラで「英雄幻想」を掲げたスバルを、アルは決してその運命から逃すことはしないと強い口調で叱咤する。これまでのスバルの道を支えてきたレムの言葉を失った現状、スバルは何を支えに進めば良いのかと悩むが、アルは失った信頼はそれ以上の評価でしか覆せないと、もう一度レムからの信頼を取り戻せばいいと明確に答えを出した。
レムの素性についてもアルに共有すると、アルは特別にスバルの復活に肩入れをすると主張する。そして、二人はアベルとプリシラの待つ会議場へと向かった。
プリシラの協力の条件
会議場での議題は、プリシラ陣営がアベルへ協力をするにあたっての条件であり、それは「九神将を一人陣営の仲間にすること」であった。
しかし、問題は、現状の状況下では劣勢に立たされているアベルに協力しようとするのは、真っ当な考えの持ち主であるほどに考えずらいことにある。
無条件にアベルに忠誠を誓うゴズは行方不明、セシルスは普段帝都に住んでいるため接触ができず、残りは魔都カオス・フレームに拠点を置く九神将の「漆」、極彩色の二つ名を持つヨルナ・ミシグレだったが、ズィクルは過去何度も謀反を起こしてヴォラキアを混乱させた張本人であるとヨルナを紹介する。
魔都カオスフレームへの同行メンバーが決定
九神将ヨルナ・ミシグレを味方に引き入れればプリシラ陣営も協力することが約束され、誰が向かうかの話し合いへと議題は移行する。
ヨルナと交渉をする上でアベルの存在は不可欠であり、その護衛に族長としての自信を得るため成功体験を求めてタリッタ、さらにはフロップの頼れる妹・ミディアムがつく。
ここにアベルによって「軍師」に仕立てられたスバルが加わり、アベル陣営から4人が向かうこととなった。
アルの同行も決定
ここでアルが会議に口を挟み、スバルを手助けするためにカオスフレームに同行すると発言する。
これを意外に思ったプリシラが自分の側から離れることを咎めたが、アルが何かしらの考えを持って動いていることを知るとその行動を許容した。
そしてプリシラが許容したからにはスバル達に拒否できる訳がなく、アベルが認めたこともありアルの同行も決定した。
城郭都市グァラルを出発
同行メンバーが決まり、急ぎ出立の準備を進める中、スバルは一番大切な準備であるレムとの時間を過ごす。
ヴォラキアに転移させられてから初めて自発的に別行動を取ることとなり、スバルはレムにジト目をされながら過保護にあれこれと心配していく。
レムの態度は相変わらず冷たいが、話を聞いてくれない訳ではなく、スバルのレムを想う気持ちは十二分に伝わっていた。アルが準備が完了したことをスバルに伝えると、二人は別れと再会を約束する言葉を交わして離れる。
レムとプリシラの関係に変化、そしてルイの行方は
スバルを見送ったレムの側にプリシラが近づき、二人は言葉を交わす。記憶を失い、自分を失ったはずのレムの心を気に入ったプリシラは、拠点に戻ることを取りやめ、グァラルに滞在しレムに治癒魔法を指導することを決断した。
シュルトを呼び寄せるまでの間はプリシラの側仕えとなることとなり、レムは急いでプリシラの滞在用の部屋を用意しようと動き出す。
都市庁舎の中で偶然ウタカタに出会うが、そこでルイが魔都カオスフレームへと向かう馬車に隠れて乗り込んでいたことを教えられ、レムの頭の中は真っ白になった。
28巻第四章「混沌たる魔都」ネタバレ

検閲に遭遇
魔都カオスフレームへと旅立ったスバル達一向は、主にスバルとアルによる軽口の軽妙な会話をしながら街道を進んでいた。
ルグニカ王国の竜歴石の話題から、ヴォラキアにも「星詠み」という存在がいることが明かされた頃、ミディアムとタリッタによって前方に帝国兵による検閲が敷かれているのを発見する。
スバルは迂回を考えたが、アラキアの動きとしては余りに早すぎるため、アベルの判断で帝国兵の検閲の目的を探るため、あえて直進して帝国兵が受けている指示を探る方針をとることとなった。
ルイが馬車に登場
アベルが馬車の底部に隠れる中、下級貴族の令嬢という設定のナツミ・シュバルツが巧みな会話で帝国兵と検閲のやりとりをする。帝国兵の目的はバドハイム密林の戦いでの脱走兵の調査と、帝都で指名手配となっている五十前後の青い髪の男の捜索だった。
無事に検閲を通り抜けた後は、アベルを底部から出そうとするが、先に出てきたのはウタカタの協力を得て先に底部に潜んでいたルイだった。
当然、ルイをグァラルに送り返す手立てはなく、ルイも加えて一堂は魔都カオスフレームへと向かっていく。
アベルの信条
夜になり、一堂は馬車を街道の側に置いて焚き火を起こす。タリッタとアルが周囲の見回りに出る中、話はミディアムとフロップの幼少期の極悪な環境に至った。
ミディアムの話を聞いた直後、相槌も打たなかったアベルが二人の生まれ故郷の街を確認する。スバルはそれを民の声を聞いて国政に即座に活かす行動かと考えたが、アベルは皇帝としての在り方として「信賞必罰」を信条としており、そのための行動だと説明した。
持たざる状態で生を受けた人間が、何を手に入れ、何を抱き死ぬかが人生であると考えるアベルには、その生を侮辱する行為は許すことができなかったのだった。
タリッタの後悔
見張り番が交代となり、今度はスバルとタリッタが焚き火を囲む。スバルの堂々としたナツミ・シュバルツを演じる態度に、タリッタが羨ましいと言葉をかけたことが始まりだった。
タリッタには新しい族長となる自信と覚悟がなく、それをこの度を通じて得たいと考えていた。姉と比較して足りない自分を嘆くタリッタの様は、かつて父の背中を追いかけ挫折したスバルには痛いほど共感できるものであり、結局は自分は自分以外の何者にもなれないのだと、スバルが異世界に来てから学んだことを伝える。
しかし、タリッタにはスバルが抱えていた以上の語りきれない過去があり、それは過ちと償いに関するものであったが、まだその物語をタリッタは明かすことはできなかった。
魔都カオスフレームに到着
ついに一向は魔都カオスフレームに到着、門番の単眼族の審査も容易に通り抜け、都市内部へと入った。
街は多種多様な種族の坩堝となっており、都市の造りには規則性が一切なく、無秩序という名の秩序が敷かれていた。
アベルは、秩序の本質は同じであることだと解する。そして、無秩序という秩序の中で都市が崩壊に至らない理由として、九神将「ヨルナ・ミシグレ」がいる居城を指差した。
紅瑠璃城へ使者として赴く
宿を確保した一堂は、アベル・ルイ・タリッタを宿に残し、スバル・アル・ミディアムの三人がアベルからの手紙を携え、使者としてヨルナ・ミシグレの居城である紅瑠璃城へ登った。
スバルの機転で入城を許可されると、天守閣とも言える最上の階層に通される。しかし、そこにはスバル達以外にもう一組、ヨルナとの面談を求めた集団がおり、ヨルナの気まぐれで同時に話を聞くことになったようだった。
しかし、スバルは喉を詰まらせ顔を引き攣らせる。その集団の一人の中に、アベルと瓜二つの顔をした人物がいたのだ。
28巻第五章「八年越しの褒美」ネタバレ
ヨルナ・ミシグレが登場
紅瑠璃城の天守閣に花魁としか形容できない妖艶な九尾の美女、ヨルナ・ミシグレが現れる。
九神将が化けていると思われるヴィンセント・ヴォラキア皇帝閣下がようやく魔都カオスフレームに来てくれたことに対して、ヨルナは熱を持って喜びを表すが、その態度は皇帝閣下にとる態度としてはいささか不敬であり、護衛として同行していた男が憤慨し始める。
偽皇帝がヨルナの行動の目的を問うと、話題は同席させられているスバル達の存在へと向き、スバル達がヴォラキア皇帝に敵対する仲間としてヨルナ・ミシグレを勧誘しに来たのだと、ヴィンセントに扮している敵陣営の前で暴露されてしまった。
八年越しの褒美と親書
偽ヴィンセントの護衛の一人であるカフマが騒ぎ立てていると、もう一人の護衛である爺さんが初めて口を開き、皇帝の言葉を遮るように話すカフマを厳しく諌めた。カフマが零したその爺さんの名前は「オルバルト」、それは九神将の一人である「悪辣翁」の二つ名を持つ人物であった。
相手がオルバルト・ダンクルケンであると判明すると、アルがヴォラキア帝国の剣奴孤島ギヌンハイブでの一件を持ち出す。オルバルトもアルの存在を思い出すと、偽ヴィンセントも興味を持ち、アルは8年前の剣奴孤島の反乱鎮圧の褒美を今欲しいと求める。
「信賞必罰」を信条とするヴィンセントの偽物はこれを許容、ヨルナ・ミシグレに自分達の主人からの恋文を渡したいと親書を渡すことを求めた。スバルはヨルナに親書を渡し、翻って堂々と偽ヴィンセントに宣戦布告をする。
紅瑠璃城からの脱出
スバルの宣戦布告を受け、偽ヴィンセントの護衛カフマの攻撃が展開される。虫籠族であるカフマは体内に飼っている蟲を用いて多種多様な攻撃を仕掛けることができ、逃げ場のない面攻撃にスバルは敗北を悟った。
しかし、アルの機転によってミディアムと共にスバルも無事を確保、紅瑠璃城から脱出するべく走り出す。途中、オルバルト・ダンクルケンも目の前に現れ、スバルとミディアムを貫手で撃破したかに見えたが、二人には何ら影響なく、城から外へと大ジャンプを見せた。
空中でアルも合流すると、スバルはミディアムとアルに抱きつかれた状態で手持ちの鞭を用いて引っかかりにかける。しかし、鞭をかけた足場が崩壊、三人は二十メートル下の小屋へと落下、馬小屋の藁に落ち、本当にギリギリのところで生存を果たした。
星詠みの同行も発覚
スバル達が見事に逃げおおせた天守閣では、偽ヴィンセントとヨルナの会話が続き、一晩の時間を設けることとなった。
魔都カオスフレームにおいてヨルナの力は絶対であり、例えセシルス・セグムントでさえもこの都市の中ではヨルナに刃を届かせることはできないという。
会談はここで終了し、偽ヴィンセントはもう一人の無言を貫いた同行者に声を欠ける。その男は「星詠み」ウビルク。かつて剣奴孤島でアルとも関わりを持っていた人物であり、魔都では貝になっていることを星が望んでいると話した。
スバル達の元にタンザが現れる
馬小屋の干草に突っ込んだ三人は、奇跡的に重傷を負わずに生還を果たした。それでもスバルとミディアムに比べてアルの負った傷は多く、アルがスバルのために本当に命を懸けて戦ってくれたことを表していた。
スバルはアルへの軽薄な印象を改め、この恩は絶対に忘れないと誓う。同時に、追手の可能性を考えすぐにこの場を去る必要があったが、ヨルナの従者であるタンザが現れ、その必要はないと説明した。ヨルナは三人を従者と認めた以上、たとえヴィンセント達でもスバルに手出しすることは叶わず、安心していいと伝えられる。
タンザは用件を伝えるとすぐに帰ろうとしたが、スバルにヨルナという人物について問われると、初めて表情に熱を込め、愛情深い方だと言葉にした。
宿に帰還
這う這うの状態でアベル・タリッタ・ルイのいる宿屋へ戻った三人は、アベルに状況を共有する。偽ヴィンセントは九神将の肆、チシャ・ゴールドで間違いがないことが判明、その目的はアベルがヨルナと会談を持つ前に、ヴィンセント皇帝とヨルナの関係性を破綻させることだった。
情報共有を終えたスバルは、泥のように疲れた体を自覚し、深い眠りへと誘われていく。眠る前に何度もルイが飛びついてくるが、スバルはそれを軽くあしらってミディアムに任し、エミリアやレム達のことを想いながら深い眠りについた。
幼児化が始まる
深い眠りに落ちたスバルは、扉の外の騒々しさによって目を覚ます。トラブルを予感したものの、自分を起こしに来る者がいなかったであろうことから、緊急事態ではないだろうと判断する。
しかし、寝台から起きようとしたスバルは地面との距離を誤り転倒する。そこから違和感を感じ、手持ちの鏡で自分を見やる。そこに映っていたのは、10歳ほど若返っていた幼いスバル少年の姿だった。
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