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Re:ゼロから始める異世界生活のネタバレ【小説・アニメ・漫画】

【リゼロ考察】ナツキ・シュバルツとは?スバルが第7章で名乗る偽名の意味と人格の違い

【ネタバレ注意】本記事は『Re:ゼロから始める異世界生活』第七章「殉情の神聖ヴォラキア帝国編」以降の内容に深く触れます。原作小説・Web版未読の方はご注意ください。

『Re:ゼロから始める異世界生活』の主人公・ナツキ・スバルは、第七章「殉情の神聖ヴォラキア帝国編」においてナツキ・シュバルツという偽名を名乗ることになります。

ヴォラキア帝国に転移し、九神将の一柱・「悪辣翁」オルバルト・ダンクルケンの忍術によって幼児化させられたスバル。本来の姿を失い、本来の名さえ堂々と名乗れなくなった彼は、共に旅をする「アベル」と呼ばれる謎の男――その正体は皇帝ヴィンセント・ヴォラキア――から、新たな名を与えられます。

本記事では、ナツキ・シュバルツという偽名の由来・運用の経緯・スバル本人の人格との違い・本名復帰までの心情の道のりを、原作小説のエピソードを踏まえて徹底考察します。「名前を奪われた主人公」という第七章のテーマが、なぜリゼロという物語にとってこれほど重要だったのかを読み解いていきましょう。

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ナツキ・シュバルツとは何か

ナツキ・シュバルツは、第七章ヴォラキア帝国編におけるナツキ・スバルの偽名です。単なる呼び名の交換ではなく、スバルが置かれた「身体的・社会的な異常事態」を象徴する、極めて重要な“もうひとつの名”として機能しています。

偽名としての位置づけ

ヴォラキア帝国に転移した直後、スバルは本来「カララギ商人」を装ったり、シュドラクの民の前では「黒髪の風変わりな旅人」として振る舞っていました。しかし、九神将のひとり「悪辣翁」オルバルトとの「かくれんぼ勝負」で幼児化の忍術をかけられたことで、状況は一変します。

本来17歳の青年であったスバルは、見た目10歳前後の少年に変えられてしまい、「ナツキ・スバル」と名乗ることが現実的に困難になりました。なぜなら、声も身体も別人と化した彼が「自分はナツキ・スバルだ」と主張しても誰にも信じてもらえないからです。

なぜ偽名が必要だったのか

ヴォラキア帝国は「強き者こそ正義」を国是とする苛烈な帝国であり、よそ者に対する警戒心が強い国です。ましてや幼児化したスバルは、皇帝の座を簒奪されたヴィンセント・ヴォラキア=「アベル」と行動を共にしている――つまり、帝国にとって最重要の反乱分子の一行です。

身分を偽る必要があり、ヴィンセントが「アベル」を名乗っているように、スバルもまた偽名を必要としていました。そこで、彼の幼児化した姿と黒髪の特徴を端的に示す「シュバルツ」という名がアベルの口から提示されることになります。

名前の由来――シュバルツとは「黒」を意味するドイツ語

「シュバルツ(Schwartz / Schwarz)」は、ドイツ語で「黒」を意味する形容詞です。ピクシブ百科事典やドイツ語辞典でも確認できる通り、最も基本的な色彩語のひとつであり、英語のblack・フランス語のnoirに対応します。

ナツキ・スバルの「黒」と結びつく要素

スバルがシュバルツと呼ばれる根拠は、何より彼のアイデンティティを最も強く特徴づける「黒髪」にあります。第七章において彼は奴隷剣闘島ギヌンハイブで反乱軍を率いる際、「黒髪の皇太子(黒髪のチェンマイ)」として畏怖されるようになるなど、「黒」はスバルを語る上で外せないモチーフです。

異世界において黒髪は珍しい部類であり、原作1巻の冒頭からスバルの「黒い瞳とボサボサの黒髪」は彼の身分を一目で判別させる強力な記号として機能してきました。アベルが偽名を「シュバルツ」と命名した瞬間、その黒髪を逆手に取った帝国流のセンス――特徴を堂々と前に出すことで、かえって正体に気づかれにくくする発想――が滲み出ています。

ナツキ・スバル=昴/ナツキ・シュバルツ=黒

本名「ナツキ・スバル」は、星座「昴(プレアデス)」に由来する明るく開かれた名です。第七章で彼が拠点とすることになる「プレアデス戦団」の名前にも通じる、「七つの星が集う希望の象徴」であります。

対して「ナツキ・シュバルツ」は、星の輝きが姿を消した夜空の闇――「光が見えない時期のスバル」を象徴する名です。ふたつの名前を並べると、「光(昴)」と「闇(シュバルツ)」という対比構造が浮かび上がる構造になっており、ここに長月達平先生の名づけのセンスが光ります。

偽名を名乗るに至った経緯――第七章の流れ

ヴォラキア帝国への転移

第六章「魔女の城」決戦終盤、聖域からプレアデス監視塔の戦いを経て、スバル・レム・ルイ・ベアトリスたちは「黒い影」に呑まれ、見覚えのない世界へと飛ばされます。目覚めた先は、ヴォラキア帝国バドハイム密林の深部。シュドラクの民との出会いから、第七章の物語は幕を開けます。

「アベル」との出会いと帝国編の旅

そこで出会ったのが、自らを「アベル」と名乗る黒髪・黒目の偉丈夫。彼の正体は、クーデターによって帝位を奪われた第77代神聖ヴォラキア皇帝ヴィンセント・ヴォラキアでした。スバルはアベル(ヴィンセント)の身分が皇帝であると突き止めながらも、彼の知略に圧倒されつつ協力関係を結びます。

→ ヴィンセント・ヴォラキアの正体・能力を詳しく見る

「悪辣翁」オルバルトとの幼児化勝負

反乱軍を率いるアベルは、剣奴孤島ギヌンハイブで九神将の一人「悪辣翁」オルバルト・ダンクルケンと相対します。スバルもこの戦いに巻き込まれ、オルバルトの忍術「シノビ六文・幼形忍法」によって幼児化させられてしまうのです。

この幼児化の最大の問題は、スバルの権能「死に戻り」までもが弱体化してしまうという点でした。本来は記憶を保持したまま“死亡時点から少し前”に戻れる権能ですが、幼児化した身体では「死ぬ十数秒前にしか戻れない」「愛のないループしか作れない」といった制限がかかります。後年「I know」のエピソードでトッドの呪則と組み合わさり、スバルを最も追い詰める要素となりました。

偽名「シュバルツ」の誕生

幼児化した姿のまま帝国を旅するには、対外的な呼び名が必要となります。アベルは合理主義者らしく、「お前のその髪と瞳を覆い隠せばいいだろう」とは考えず、むしろ「黒髪・黒瞳」をそのまま名前に転写します。それが「シュバルツ」――黒、を意味するドイツ語名でした。こうして、ヴォラキア帝国を旅する幼い少年「ナツキ・シュバルツ」が誕生するのです。

アベル(ヴィンセント)との偽名同士の旅

偽名で結ばれた共犯関係

第七章は、本来の名を奪われた皇帝ヴィンセント=「アベル」と、本来の名を奪われた異世界人ナツキ・スバル=「ナツキ・シュバルツ」という、ふたりの「偽名同士」が並走する物語です。これはリゼロという作品全体を見渡しても、極めて特異な構図といえます。

本名を呼び合えない二人だからこそ、互いの素性を踏み込んで暴かない暗黙の了解が成立します。アベルはスバルの「死に戻り」の謎を見抜きながらも問い詰めず、スバルもまたアベルが皇帝ヴィンセントであることを察しながらも、無闇に追及しません。「名乗らないことで成立する信頼」という、極めて帝国的な関係性です。

合理と感情のぶつかり合い

合理主義の権化たるアベルは、感情で動くスバル(シュバルツ)にしばしば苛立ちを見せます。一方、シュバルツの姿を借りたスバルは、幼児化したことで一時的にエミリアたちの記憶も曖昧になり、誰のために戦っているのかわからなくなる瞬間に襲われます。

偽名で旅することは、スバルにとって「ナツキ・スバルとして果たすべき使命」を一旦棚上げする猶予期間でもありました。シュバルツとして剣奴たちを率い、シュドラクの民を率い、ヨルナ・ミシグレを口説く――その経験のすべてが、最終的にスバル本人の精神的成長へと結実していきます。

ヨルナ・ミシグレとの邂逅

魔都カオスフレームでスバルは、九神将「淫蕩姫」ヨルナ・ミシグレと相対します。九神将の中で唯一「皇帝への愛」を心の在り方とし、その愛が裏切られたことを契機に反帝国へ転じうる存在です。シュバルツはここで、「皇后皇帝説」と呼ばれる秘策をアベルから提示され、女装してナツミ・シュバルツを名乗る場面も生まれます。

つまり「ナツキ・シュバルツ」と「ナツミ・シュバルツ」は連続した偽名運用であり、「シュバルツ」という姓を共有することで、スバルが帝国でまとう多層的な仮面が形成されていったわけです。

ナツキ・スバルとナツキ・シュバルツの人格・行動の違い

名前が変わると人格が変わる

面白いのは、シュバルツとして振る舞っているときのスバルの言動が、本来のナツキ・スバルとは微妙に異なるという点です。これは長月達平先生の「人物造形における名前と自我の連動」という、リゼロ全体を貫くテーマの一端を示しています。

具体的には、以下のような差異が読み取れます。

観点 ナツキ・スバル(本名) ナツキ・シュバルツ(偽名)
行動原理 「エミリアを王にする」騎士の使命 「目の前の人を救う」即興的な義侠心
声・話し方 青年らしい掠れ声、関西混じりのボケ 幼児らしい高い声、ややぶっきらぼう
権能の出力 通常の死に戻り(数時間〜数日前) 短いループ・愛なしループ
対人関係 エミリア陣営・ロズワール邸の家族 アベル・シュドラク・剣奴・ヨルナ
精神状態 自己肯定の上昇・落下を繰り返す 名を奪われた寄る辺なさ・暴走しがち

名を呼ばれることでしか定まらない自己

第七章のスバルは、レムが目覚めても「あなたを知らない」と拒絶される展開を経験しています。最も近しい人間に名を呼んでもらえない――この状況下で「ナツキ・シュバルツ」を名乗ることは、「ナツキ・スバル」というアイデンティティを一時的に冷凍保存する行為でもありました。

名前を奪われた者は、自分の輪郭を再構築するために他者からの呼び名を必要とします。シュバルツとしてシュドラクや剣奴やヨルナに呼ばれ続けることで、スバルはようやく「自分が誰のために戦うのか」を再確認する旅を始められたのです。

偽名から本名への回帰

第七章終盤――「ナツキ・スバル」を取り戻す

第七章の終盤、ヴォラキア帝都ルプガナでの大規模な決戦を経て、スバルはついにオルバルトの忍術を解かれ、本来の青年の姿を取り戻します。同時に、彼は仲間たちの前で胸を張って「俺はナツキ・スバルだ」と高らかに名乗り直す場面が描かれます。

これは異世界召喚以降、ずっと自己肯定感に欠けたままだったスバルが、自分の名を誇りとして発した最初の瞬間ともいえる、キャラクター成長における転換点です。「シュバルツ」という偽名を経由したからこそ得られた、名前への重みの理解でした。

第八章「大災編」へ――名を持つ者の責務

第八章「情愛の帝都ルプガナ決戦編/大災編」以降、スバルは原則としてナツキ・シュバルツを使わず、堂々とナツキ・スバルとして振る舞います。だが、ヴォラキア帝国に名を轟かせた「黒髪の皇太子」「シュバルツ様」という呼び名は、帝国内に伝説として残り続けることになります。

この“名前の記憶”は、ヨルナをはじめとする旧友・旧敵がスバルを認識する際の符牒として機能し続けます。シュバルツという偽名は単なる暫定措置ではなく、スバルが帝国に残した足跡そのものとして、リゼロの世界史に刻印されていくわけです。

「ナツキ」という姓の重み

本名でも偽名でも変わらないファミリーネーム

注目すべきは、スバルが偽名「シュバルツ」を名乗る際にも、姓「ナツキ」だけは決して捨てなかったという点です。「ナツキ・シュバルツ」という名は、ファーストネームこそ偽装していますが、ファミリーネームの「ナツキ」は本来のものを保持しています。

これは、スバルが日本の家族――父・菜月健一と母・菜月奈津美――との繋がりを、心の奥底で手放していないことの表れです。第六章で「サテラ」=エミリアとの関係に決着をつけ、第六章エピローグで現代日本の両親へ初めて電話する場面を経たスバルにとって、「ナツキ」という姓は異世界に持ち込んだ唯一の家族の証でした。

「シュバルツ」を背負う覚悟

逆にいえば、スバルが「シュバルツ」を名乗ったことは、異世界の一員として新たな家族や仲間を得る覚悟の表明でもあります。アベル、シュドラク、剣奴、プレアデス戦団――彼らに「シュバルツ」と呼ばれた経験のすべてが、スバルの中で「異世界に根を下ろした自分」を形作っていきました。

第七章は、リゼロという物語にとって「日本の少年スバル」から「異世界の英雄スバル」への完全な切り替えを象徴するアークでもあるのです。

ファン考察――嫉妬の魔女・名前の象徴性

サテラとの「呼び名」の対比

スバルにとって「名前」は単なる識別記号ではなく、運命と魂の鍵を握る要素です。第二章でラインハルトが「名前は魂を縛る」と語るシーンや、第六章でエミリアの「サテラ」という本名を巡る伏線が示すように、リゼロにおける固有名詞は呪いと祝福を同時に持ちます。

嫉妬の魔女サテラがスバルを「愛している」と告げる時、その対象は常に「ナツキ・スバル」です。シュバルツに対しては、サテラの呪縛がやや弱まる――そんな考察も一部のファンの間で囁かれています。偽名の下では魔女の影響が及びにくく、だからこそスバル自身も「シュバルツでいるあいだは、本来のスバルの呪いから一時的に解放されている」面がある、という見方です。

「死に戻り」と名前の連動

幼児化中のシュバルツは、死に戻りの精度が著しく低下していました。これを「権能の本来の対象がナツキ・スバルであり、シュバルツには出力が伝わりきっていない」と解釈する考察があります。死に戻りは「傲慢の魔女因子」によるものとされていますが、その対象指定が「名前」と結びついている可能性は否めません。

名前が変われば、権能の効きも変わる。これがもし真実なら、スバルがサテラに「私の愛しい人」と呼ばれ続けることがどれほど呪わしく、同時に強い守りでもあるかが浮かび上がります。シュバルツという偽名は、スバルが魔女の愛から束の間距離を取る、心理的な防御壁でもあったのかもしれません。

「黒」というモチーフの集積

リゼロにおける「黒」はスバル個人だけでなく、嫉妬の魔女サテラ、ヴォラキア皇族の黒髪・黒瞳の血筋、ヴィンセント、プリシラ、九神将の一部など、“鍵となるキャラクター”に共通するモチーフです。ナツキ・シュバルツという偽名は、この「黒」の系譜にスバルを正式にエントリーさせる名でもあります。

ヴィンセント=アベルもまた黒髪・黒瞳。プリシラもまた緋色の髪に黒の対比を背負う皇族。「シュバルツ」を名乗ったスバルは、ヴォラキア皇族と隣接する“もうひとつの皇族”の系譜に踏み込んでしまったともいえる――そんな読み方も成立する、奥の深い偽名なのです。

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まとめ

ナツキ・シュバルツは、第七章のヴォラキア帝国編という極限状況の中で、幼児化した主人公が新たに背負った“もう一つの自分”でした。ドイツ語で「黒」を意味するシュバルツの名は、スバルの黒髪というアイデンティティを記号化し、同時にプレアデス(昴)との対比で「光と闇」の物語構造を浮かび上がらせます。

偽名の「アベル」を名乗るヴィンセントとの旅、シュドラクや剣奴を率いた「黒髪の皇太子」としての伝説、ヨルナとの邂逅で生まれた「ナツミ・シュバルツ」――そのすべての経験が、第七章終盤で「俺はナツキ・スバルだ」と胸を張って名乗り直す瞬間へと収束していきます。

ナツキ・シュバルツとは、ナツキ・スバルが本当の名前を取り戻すために必要だった、仮初めの人格・仮初めの呪い・仮初めの希望。その仮初めの存在を経たからこそ、第八章以降のスバルは「異世界に根を下ろした英雄」として歩み始められたのです。リゼロという物語の名前論を読み解く上で、シュバルツは最も重要な鍵のひとつだといえるでしょう。

原作小説では第27巻から第33巻あたりにかけて、シュバルツとしてのスバルの活躍と苦悩が濃密に描かれています。ぜひAmazonで該当巻を手に取り、アニメ第3期以降で映像化されるであろう「シュバルツの旅」を、文字で先取りしてみてください。

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