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Re:ゼロから始める異世界生活のネタバレ【小説・アニメ・漫画】

【リゼロネタバレ】Arc1「王都での死と再生」完全解説 — スバルの転移・ループ構造・エルザ戦まとめ

コンビニから帰宅する途中、突然見知らぬ世界に放り込まれた17歳の高校生・ナツキ・スバル。彼を待ち受けていたのは、美しいハーフエルフの少女エミリアと、彼女が求める”バッジ(紋章)”を巡る危険な一夜だった。

『Re:ゼロから始める異世界生活』の第一章「怒涛の一日目」は、スバルが死に戻りの権能を授かり、最初の試練を乗り越えるまでの濃密な”一日”を描いた物語だ。三度の死を経て習得した情報と意志が、ようやくエミリアとの縁を守り抜く奇跡を生む。

本記事では、Arc1の全ループ構造・登場キャラクター・重要設定・Arc2以降への伏線を完全解説する。原作ネタバレを含むため、未読の方はご注意いただきたい。

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目次

Arc1基本情報

項目 内容
章タイトル(Web版) 第一章「怒涛の一日目」
対応書籍 原作ライトノベル 第1巻
アニメ対応話数 第1期 第1話〜第3話(第1話は60分スペシャル)
物語の舞台 王都ルグニカ(ルグニカ王国の首都)/ スラム街・盗品蔵
主要テーマ 死に戻り初体験・エミリアとの出会い・バッジ奪還
主な敵 エルザ・グランヒルテ(腸狩り)
ループ回数 3回死亡・4回目で決着
セーブポイント 王都の路地裏(転移直後の場所)
主要な出来事 エミリアとの出会い・バッジ捜索・エルザとの戦闘・ラインハルト初登場

Arc1あらすじ概要

ある平凡な夜、コンビニの帰り道でナツキ・スバルは突如として異世界に召喚される。言葉も文化も異なる見知らぬ王都の路地裏に投げ出されたスバルは、早々にチンピラに絡まれ窮地に立たされる。そこへ現れたのが、エミリア(自称”サテラ”)と彼女の精霊パックだった。

エミリアは王位継承選(王選)の候補者であり、証明として必要な”バッジ(紋章)”を何者かに盗まれていた。恩義を感じたスバルはその捜索に協力し、スラム街の情報屋であるロム爺のもとで、盗品を売り買いする少女フェルトにたどり着く。

しかし交渉の最中、依頼を受けた暗殺者エルザ・グランヒルテが現れる。圧倒的な戦闘力と再生能力を持つエルザの前に、スバルはエミリアもろとも命を落とす。そしてスバルが初めて体験するのが、”死に戻り“——時間が巻き戻り、転移直後の路地裏に帰還するという不思議な現象だった。

スバルはこの権能を武器に試行錯誤を繰り返す。一度目は全員が死亡。二度目は単独で乗り込み再び敗死。三度目はスラム街のチンピラに刺されて呆気なく散る。しかし4度目、スラムのチンピラに絡まれた際に偶然出会ったラインハルト・ヴァン・アストレアの助力を得て、スバルたちはついにエルザを退け、バッジをエミリアの手に取り戻すことに成功する。

こうしてスバルは「最初の一日」を生き延び、エミリアとの縁を守り抜く。Arc1は、後に続く数多の死と再生の物語の、最初の一歩だ。

ループ別詳細解説

Arc1はスバルが合計3回死亡し、4度目のルートでようやく決着する。各ループでスバルは何を学び、どう動いたのかを詳しく解説する。これが後に「死に戻り」という権能を使いこなす原点となる。

ループ1回目:初めての死(エルザによる惨殺)

異世界転移直後、右も左もわからないスバルはエミリアに助けられ、共にバッジを追って盗品蔵へ向かう。ロム爺とフェルトとの交渉が進む中、突如として部屋の扉が開き、黒衣の女——エルザ・グランヒルテが姿を現す。

エルザは「腸を鑑賞する趣味」を持つ暗殺者で、バッジの依頼主からフェルトとエミリアの始末を請け負っていた。曲刀を手に猛然と動くエルザの前に、ロム爺は斬り倒され、フェルトは傷を負い、エミリアも追い詰められる。スバルは懸命にエミリアを守ろうとするが、腹を切り裂かれ、エミリアもろとも命を落とした。

これがスバルにとって初めての「死」だった。異世界に来てから数時間、助けてもらったばかりの少女とともに命を落とすという衝撃的な結末は、後のループへの強烈な動機となる。

このループで得た情報:

  • エルザという圧倒的な脅威の存在
  • 盗品蔵の場所・構造・ロム爺・フェルトの関係性
  • バッジが存在すること(奪取できれば何かが解決する)
  • エミリアの精霊パックの力の一端

ループ2回目:単独行動の失敗

「死に戻り」を体験したスバルは、同じ場所・同じ時刻に戻る。前のループの記憶は残っているが、他の人間の記憶はリセットされている。スバルは「エルザが来る」という情報を活かし、今度は単独で盗品蔵へ向かおうとする。

しかし単独行動は裏目に出た。エミリアとの連携を欠いたことで状況がより悪化し、今回もエルザには届かず敗死した。前回とほぼ同じ結末に、スバルは「情報があっても力が足りない」ことを痛感する。また、この回で彼は「時間が巻き戻っている」という現象を意識し始める。

このループで得た教訓:

  • 情報だけでは勝てない
  • 自分の力の絶対的な限界(エルザには一切歯が立たない)
  • 「協力者の重要性」——エミリアやパックがいない状況がいかに不利か
  • 時間が繰り返していることへの疑念・確信

ループ3回目:エルザ以前の死(チンピラによる刺殺)

3度目のループ。今度は盗品蔵への道中、スラム街の路地裏でならず者たちに絡まれ、ナイフで腰と背中を刺されて死亡する。エルザとの対決すら起きない、最もあっけない死だった。

しかしこの「失敗」には意味があった。スバルはこのループで「王都のスラム街でのチンピラトラブル」というパターンを学習し、次のループで事前に対処する糸口をつかむ。また、この体験を経てスバルは「自分には死に戻りの能力がある」という確信を深めていく。

3度の死を経験したスバルにとって、もはや「恐怖で足がすくむ」段階を超えていた。死んでも戻れる——その確信は重い武器でもあり、同時に「死の痛みと恐怖を何度も経験しなければならない」という苦しみの始まりでもある。

このループで得た教訓:

  • スラム街の危険箇所の把握(どこで誰に絡まれるか)
  • 4度目でラインハルトと出会うための「前フリ」として機能
  • 「死に戻り」が確実に機能することの確認
  • どんな死に方をしても元の場所に帰還するという法則の習得

ループ4回目(最終決着):ラインハルトとの出会いと逆転

4度目、スバルはチンピラに絡まれる場面を予期していた。しかしあえて逃げずに立ち向かう形を選んだとき、偶然その場に通りかかったのがラインハルト・ヴァン・アストレアだった。後に「史上最強の剣聖」と呼ばれる青年が、ここで初めて物語に登場する。

ラインハルトの介入でチンピラを一蹴したスバルは、彼とともに盗品蔵へ向かう。エルザとの対峙では、スバルとエミリアが時間を稼ぎ、ラインハルトがエルザに正面から激突。「神様から加護を全部もらった」とも称されるラインハルトの圧倒的な力の前に、エルザはついに撃退された。

フェルトから奪われたバッジはエミリアの手に戻り、ロム爺の命も救われ、スバルはようやく「最初の一日」を無事に終わらせることができた。

この4度目のルートの成功が示したのは、「正しい情報」と「正しい協力者」と「諦めない意志」の三つが揃って初めて、死の連鎖から抜け出せるということだ。スバルにとって「死に戻り」が武器になりうると確信した最初の瞬間でもあった。

登場キャラクター解説

ナツキ・スバル

ナツキ・スバルは17歳の引きこもり高校生。コンビニ帰りに突然転移した異世界で、彼だけが持つ特殊能力”死に戻り”を使いながら絶望的な状況を乗り越える。

Arc1時点のスバルは「自分の力を過信しやすく、怖いもの知らず」という側面を持つが、三度の死を通じて急速に現実を学ぶ。普通の高校生でありながら異世界で生き残るために必死に考え行動する姿が、リゼロの主人公としての魅力の原点だ。スバルは魔法も剣術も持たないが、「死に戻りで得た情報」と「諦めない精神力」が武器となる。

Arc1で彼が示したのは、「何度倒れても立ち上がる」という姿勢だ。一度目の死後は呆然とし、二度目の死後は焦燥し、三度目の死後には恐怖を超えた何かが宿る——その変化が、リゼロという物語の主人公としてのスバルの出発点を鮮明に描く。

エミリア(サテラと名乗る)

エミリアはハーフエルフの銀髪美少女で、王選の候補者の一人。Arc1では「サテラ」という偽名を名乗っている。これは「半エルフは魔女サテラの化身」という偏見・差別から身を守るための方便だ。

精霊パックを連れ、温かく人懐こい性格でスバルに好意的に接する。バッジは彼女が王選に参加するために必要な証明の品であり、その奪還がArc1の物語の核心となる。

Arc1でのエミリアはまだ「守られる側」の印象が強いが、Arc3〜6にかけて自身の魔法力・意志の力を開花させていく。特にArc6での彼女の成長ぶりは圧巻であり、Arc1での「助けを借りながら微笑む少女」との対比が鮮烈だ。

  • 種族:ハーフエルフ(半精霊)
  • 精霊:パック(大精霊・氷の属性)
  • 王選での所属陣営:ロズワール陣営
  • Arc1での偽名:「サテラ」(魔女への偏見から身を守るため)

パック

パックはエミリアの精霊で、愛らしいネコの姿をしている。一見マスコット的存在だが、実際は氷の大精霊であり、戦闘時には巨大な氷の獣に変身して周囲を凍てつかせる圧倒的な力を持つ。

Arc1でのパックはエミリアの護衛役として機能し、エルザとの戦闘にも参加するが、エルザの戦闘能力は一対一では上回るほどだった。パックが本気を出せるのは「エミリアの命の危機」という条件下のみであり、その制約が物語に緊張感をもたらす。

  • 精霊の種別:大精霊(氷属性)
  • 契約者:エミリア
  • Arc1での役割:エミリア護衛・エルザ戦補佐
  • 真の姿:巨大な氷の獣(周囲を凍結させる威力)

エルザ・グランヒルテ(腸狩り)

Arc1の主要な敵。黒衣をまとった美しい暗殺者で、「腸狩り(はらわたがり)」という異名を持つ。その名の通り、相手の腸を手で触れることに強烈な喜びを感じるという歪んだ趣味を持つ。

Arc1時点では雇い主から「バッジとともにエミリアを始末する」依頼を受けて動いており、その圧倒的な戦闘力でスバルたちを何度も死に追いやった。

項目 内容
フルネーム エルザ・グランヒルテ
CV 能登麻美子
異名 腸狩り(はらわたがり)
年齢 23歳(Arc1時点)
身長 168cm
真の正体 「呪い人形」(Arc4で判明)
主要武器 曲刀(連続高速攻撃)
能力 超人的な再生能力・黒衣への術式(魔法一回無効化)・高速連続攻撃
関連人物 メィリィ・ポートルート(妹分・Arc4で一緒に登場)

エルザの強さの核心は「呪い人形」としての再生能力にある。Arc1時点ではこの正体は明かされていないが、ラインハルトの猛攻を受けながらも退場した(死んだとは断言できない)結末が、後の物語への強烈な伏線となっている。Arc4でロズワール邸に再来し、再びスバルたちを苦しめることになる。

また、黒衣には術式が織り込まれており、魔法を一度だけ無効化できる仕組みになっている。パックのような大精霊の攻撃魔法に対しても一定の対策がとられており、単なる「腕力の暗殺者」ではないことが示されている。

フェルト

フェルトはスラム街出身の俊足の少女で、物売りや窃盗で生計を立てている。エミリアのバッジを盗んだ張本人だが、悪意よりも生存本能で動いている。

Arc1では被害者的な立場で登場するが、Arc2〜Arc3にかけて、実はアストレア家との深い関係を持つ重要な存在であることが明かされていく。また王選候補者の一人としても選出され、以降の物語に深く関わる。

フェルトがバッジを盗んだことには偶然だけでない必然性があり、彼女自身が王選に関わる「資格を持つ者」だったことが、Arc3で明らかになる。Arc1の「バッジを巡る攻防」は、実は王選という大きな物語への入口でもあった。

ロム爺

ロム爺はスラム街で盗品蔵を経営する老人の大鬼人(ジャイアント)で、フェルトの後見人的存在。Arc1ではエルザに重傷を負わされるが、4度目のループでラインハルトの介入により一命を取り留める。

ロム爺はただの盗品屋ではなく、スラム街の情報通であり、フェルトを実質的に育ててきた人物だ。Arc3の「王都動乱編」でも再び登場し、フェルトとともに重要な場面を担う。

ラインハルト・ヴァン・アストレア

ラインハルト・ヴァン・アストレアは”剣聖”の加護を持つ、ルグニカ王国最強の騎士。Arc1では4度目のループで初登場し、スバルがチンピラに絡まれた場面で偶然遭遇する。

「神様から全ての加護をもらった」とも表現される圧倒的な力の持ち主で、エルザとの直接対決では一方的な優位に立ち、彼女を撃退した。Arc1において彼の存在なしに決着はなかったと言っていい。

項目 内容
称号 剣聖 / 王国随一の騎士
所属 王国近衛騎士団 / フェルト陣営(後に)
加護 剣聖の加護(代々アストレア家に継がれる)+ 多数の加護
Arc1での初登場 4度目のループ・チンピラ退治の場面
Arc1での役割 エルザ撃退・バッジ奪還の決定打
家族 祖母:テレシア(前剣聖) / 父:ハインケル / 養祖父:ウィルヘルム

ラインハルトの存在は、リゼロの世界における「戦力の天井」を示す指標でもある。Arc1でエルザを退けた彼の力は圧倒的だが、後のArcでも「ラインハルトが来ても勝てない敵」「ラインハルトの加護が通じない敵」が登場し、物語の脅威レベルが引き上げられていく。

また、Arc1でのラインハルトとフェルトの出会いは、後にフェルトが王選候補者として名乗りを上げる契機となる。彼がフェルトの資質を見抜いたからこそ、Arc3以降の展開が生まれた。

Arc1の重要設定解説

死に戻り(しにもどり)の仕組みと初期制約

スバルに与えられた特殊能力「死に戻り」。死亡した際に「セーブポイント」と呼ばれる特定の時点まで時間が巻き戻り、スバルの意識だけが記憶を持ったまま蘇る。Arc1では「異世界転移直後の王都の路地裏」がセーブポイントに設定されている。

この権能にはいくつかの重要な制約がある。

  • セーブポイントは固定ではない:Arc1のセーブポイントは転移地点だが、Arc2以降は物語の進展とともに更新される
  • 他者への告白は禁止(本能的制約):Arc1時点では明示されないが、後に「死に戻りを他者に話す」ことに強い苦痛の制約があると判明する
  • 死の痛みは記憶に残る:肉体は蘇るが、死の恐怖・苦痛の記憶はスバルに蓄積されていく。Arc1の3回の死は、後のスバルのトラウマの原点の一つ
  • 体験した時間は失われる:スバルだけが記憶を持つが、他の人物(エミリア・ラインハルト・ロム爺など)の記憶はリセットされる。それゆえの孤独感がリゼロ全体のテーマに直結する

死に戻りの詳しいメカニズムについては→「リゼロ」死に戻りの仕組みを徹底解説

バッジ(王位継承の紋章)と王選の仕組み

エミリアが探していた「バッジ」は、正式には”王位継承資格のある者を示す紋章”の一種。王選とはルグニカ王国の次期国王を選ぶ選定の儀であり、候補者はこの紋章を所持していることが資格の証明となる。

フェルトがバッジを盗んだことはエミリアにとって重大な問題であり、Arc1はその奪還が物語の主軸となる。しかし後に判明するのは、フェルト自身もまた王選候補者の資格を持つ人物だったという事実だ。Arc1の「バッジをめぐる攻防」は、実は王選という大きな物語への入口でもあった。

王選候補者は計5名:

王都ルグニカ(スバルの転移先)

Arc1の舞台となるルグニカ王国の首都。神龍ボルカニカとの盟約によって守られた「親龍王国」の中心地であり、騎士団・貴族・王族が集まる政治・軍事の要衝だ。

Arc1ではスラム街(裏通り)〜盗品蔵周辺が主な舞台となる。スラム街は王都の中でも治安の悪い地域であり、チンピラや盗品業者が活動する場所だ。後のArc3では王都全体が大規模な動乱の舞台となり、スバルがArc1で歩いた王都の路地は血みどろの戦場に変わる。

精霊(スピリット)とは何か

リゼロの世界では精霊(スピリット)は実体を持つ存在であり、人間と契約して力を貸す。パックのような「大精霊」は例外的な存在で、通常の精霊より遥かに強力だ。

精霊には属性(火・水・風・地・氷など)があり、契約者との相性によって力の発現が異なる。Arc1ではパックの氷属性の力の一端が示されるが、パックの本当の強さはArc3の「王都動乱編」で炸裂することになる。

禁書庫(フォービドゥン・ライブラリー)とベアトリスについて

ベアトリスが管理する禁書庫はArc1には直接登場しないが、Arc2以降でスバルたちの拠点となるロズワール邸の中に存在する。Arc1はロズワール邸に行く前の物語であり、ベアトリスの存在自体がArc2への重要な伏線となる。

ベアトリスはロズワール邸の地下に設けられた「禁書庫」を単独で管理している。彼女が持つ膨大な知識と魔法の力は、Arc4以降のスバルの命を幾度も救うことになる。

禁書庫の詳細については→ベアトリス完全解説

Arc1の見どころ・感情的ハイライト

「最初の死」の衝撃 ——リゼロが異色たる理由

リゼロが他の異世界転生作品と一線を画す理由の一つが、この「初回の死」の描写だ。普通の異世界転生ものでは主人公が無双するパターンが多い中、スバルは転移初日に三度も命を落とす。特に1回目の死——エミリアごと腹を切り裂かれる場面——の容赦なさは、読者・視聴者に強烈な印象を与えた。

スバルが死を繰り返す中で味わう絶望・恐怖・孤独感は、Arc1から始まるリゼロ全体の感情的テーマの原点だ。「また死ぬかもしれない」「しかし前進しなければ何も変わらない」という緊張感は、Arc1で早くも確立されている。

ラインハルト初登場のカタルシス ——「強さの天井」の提示

三度の死を経て、ようやくラインハルトとの出会いが訪れる場面は、Arc1最大のカタルシスだ。彼の初登場シーンは「いつもの無敵勇者の登場」ではなく、スバルが積み重ねてきた情報と選択が引き寄せた「必然」として描かれている点が秀逸だ。

ラインハルトがエルザを圧倒する場面は、それまでスバルが何度倒しても倒せなかった敵に「上位の存在」がいることを示すと同時に、この世界の戦力差の巨大さをも提示している。「スバルには勝てない相手をラインハルトなら倒せる」という構図は、後のArcでも繰り返し機能する重要な設定だ。

エミリアとの最初の絆——スバルの行動原理の確立

スバルがエミリアと初めて本当の意味でつながる瞬間——バッジを取り戻し、エミリアが「ありがとう」と言う場面——は、以降のスバルの行動原理の全てを決定づけたシーンとも言える。この瞬間にスバルは「この少女のために死に戻る」という誓いを意識的・無意識的に固めていく。

Arc2以降、スバルは何度も「エミリアを守るために死ぬ」選択を繰り返す。その原動力の全ては、Arc1でのこの瞬間に端を発している。

「死に戻り」の自覚と孤独——秘密の重さ

Arc1でスバルが経験した最も深刻なことの一つが、「自分だけが死の記憶を持っている」という孤独だ。誰にも話せない。他者には伝わらない。繰り返した死の痛みを一人で抱えたまま前進しなければならない。

この「秘密の重さ」は、リゼロ全体を貫く主題の一つとして、Arc2以降さらに深く掘り下げられていく。特にArc2の「俺を誰だと思ってやがる」シーンや、Arc3での「絶望の底」の場面は、Arc1で植え付けられた孤独感の延長線上にある。

Arc2との繋がり・伏線の総覧

Arc1はArc2「屋敷での記憶と毒」への導入として機能している。いくつかの重要な伏線が、Arc1にすでに埋め込まれている。

Arc1の要素 Arc2以降での展開
バッジ奪還→エミリアの王選参加 王選が物語の大テーマに。他の候補者(フェルト/アナスタシア/プリシラ/クルシュ)との争いが本格化
エルザの生存(撃退のみ) Arc4でロズワール邸に再来。ガーフィールとの激戦・エルザの真の正体(呪い人形)が判明
ラインハルトとフェルトの出会い フェルトがラインハルトに見込まれ、王選候補者として引き抜かれる。Arc3で重要に
スバルの「死に戻り」自覚 Arc2でセーブポイントが変わり、さらに深刻な「何度も死ぬ」体験が待っている
エミリアの「サテラ」という偽名 エミリアと”魔女サテラ”の関係性は物語全体の最大の謎の一つ。Arc6以降で核心に迫る
「誰かに頼む」という選択 ラインハルトに助けを求めたArc1の経験が、スバルが「一人で解決しようとする罠」と「他者を信頼する大切さ」を反復学習するテーマに繋がる

Arc2の詳しい内容は→Arc2「屋敷での記憶と毒」完全ガイドハブ

アニメ版Arc1の特徴と見どころ

アニメ版リゼロ第1期のArc1は第1話〜第3話に相当する。第1話は”1時間スペシャル”として放送されており、放映としては第1話(60分)+第2〜3話という構成だ。

話数 サブタイトル 主な内容
第1話(60分) 始まりの終わりと終わりの始まり 転移・エミリアとの出会い・盗品蔵・1〜2回目の死
第2話 (Arc1継続) 3回目の死・ラインハルト初登場・4度目ルートの開始
第3話 (Arc1〜Arc2導入) エルザ撃退・バッジ奪還・ロズワール邸への出発(Arc2導入)

アニメ版ではスバルの「死の描写」が視覚的に強調されており、原作小説の文章で読む以上の衝撃を与える演出となっている。特にエルザが動く場面のスピード感と残酷さは、アニメならではの表現だ。また第1話スペシャルは、後に「新編集版」として再編集されて再放送・配信されており、映像品質が向上した形でArc1を楽しめる。

アニメ版Arc1で注目すべき演出ポイント

  • パックの大精霊化:小さなネコ姿から巨大な氷の獣への変身シーンは原作読者も驚かせた。CGと手描きを組み合わせた迫力ある演出
  • エルザの戦闘シーン:曲刀を使った高速連続攻撃の流動的な動きが高く評価された。特に「腸を取り出す」場面の描写は強烈な印象を残す
  • ラインハルト登場シーン:「剣聖」としての威容が視覚的に示された重要シーン。颯爽とした登場が三度の死の苦しみからの解放感と重なる
  • スバルの表情演技:死の恐怖・絶望・諦めない意志が細かく描写された。声優・小林裕介のスバル演技は第1話から既に高水準
  • 王都ルグニカの美術:中世ヨーロッパ風の建物と石畳の路地が精巧に描かれ、ファンタジー世界のリアリティを高めている

Arc1関連記事・内部リンク一覧

メインキャラクター

敵・重要人物

設定・システム解説

Arc別ガイド

関連キャラクター(Arc2以降の繋がり)

まとめ:Arc1が示したリゼロの本質

Arc1「怒涛の一日目」は、わずか1巻・3話分の物語でありながら、『Re:ゼロから始める異世界生活』のすべての本質を凝縮している章だ。

  • 死に戻りの孤独と重さ:誰にも話せない、繰り返す死の記憶。スバルだけが知る真実
  • 「弱い主人公」の成長:無双ではなく、三度倒れて初めて勝つ。知恵と諦めない意志が武器
  • エミリアへの誓い:スバルの行動原理の全ての原点
  • リゼロ世界の残酷さ:異世界転生が「楽しい冒険」ではないという明確な提示
  • 協力の重要性:一人では解決できない問題を、正しい協力者を得て乗り越える原体験

Arc1を理解することは、Arc2〜Arc10以降のスバルの行動・選択・成長の根拠をすべて理解することにつながる。初回の死——腹を切り裂かれたあの瞬間——をスバルは、そして読者は、決して忘れることができない。

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