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Re:ゼロから始める異世界生活のネタバレ【小説・アニメ・漫画】

「リゼロ」アラキア解説|九神将弐番・精霊喰らいの秘術とプリスカへの執着

神聖ヴォラキア帝国・九神将「弐(に)」――その地位は、帝国最強の戦士集団における序列第二位を意味する。壱の天剣セシルス・セグムントに次ぐその座に就くのが、犬人族・半獣の少女アラキアだ。褐色肌に銀髪、左目を花型の眼帯で覆う小柄な姿からは想像もできないほどの戦闘力を秘めた彼女は、ヴォラキア辺境の絶滅部族が伝えた秘術「精霊喰らい」を駆使し、四大精霊「石塊」ムスペルすら内包する規格外の異能を持つ。

そしてアラキアの行動原理を貫くのは、ただ一人――幼馴染であり乳兄弟であった「プリスカ」(プリシラ・バーリエルの幼名)への激しい執着だ。選定の儀で毒杯を共に飲み、その後遺症で左目を失ってもなお、彼女はプリスカを慕い続けてきた。Arc7「ヴォラキア帝国編」でアラキアが叛徒軍(スバル・アベル陣営)と対峙したのも、皇帝ヴィンセントの命と、誤情報によって歪められた「プリスカへの忠誠」が衝突した結果だった。

本稿ではアラキアのプロフィール・能力・出自から、Arc7における具体的な動向(グアラル奇襲・スバル一行との戦闘・プリシラとの再会と決裂)、Arc8以降の展開予想までを徹底解説する。九神将弐番にして「精霊喰らい」の少女、アラキアという存在の本質に迫ろう。

※本稿はリゼロWeb版第七章・第八章までの重大ネタバレを含みます。文庫派の方は閲覧にご注意ください。

DMM TV
アニメ版『Re:ゼロから始める異世界生活』はDMM TVで配信中。第3期ではアラキアら九神将の登場するヴォラキア帝国編の前夜まで描かれる。映像で振り返るならまずはDMM TVから。

アラキアのプロフィール

項目 内容
名前 アラキア(Arakiya)
肩書・序列 神聖ヴォラキア帝国 九神将「弐(に)」
二つ名 精霊喰らい(Spirit Eater)
種族 犬人族・半獣の少女(ヴォラキア辺境出身)
外見 褐色肌・銀髪・小柄/左目を花型の眼帯で覆う(左目視力喪失)
右目の色 赤(プリシラの瞳と同系統)
能力 精霊喰らい:精霊を捕食し、その力を行使する/四大精霊「石塊」ムスペルを内包
所属 神聖ヴォラキア帝国 九神将
主君(公式) 第77代皇帝 ヴィンセント・ヴォラキア
主君(心情) プリスカ・ベネディクト=プリシラ・バーリエル(乳兄弟)
登場章 第六章(情報のみ)/第七章「ヴォラキア帝国編」本格登場/第八章「大災編」
初出 Web版第七章 序盤(九神将紹介)

九神将弐番としての立場

ヴォラキア帝国の「九神将」とは

九神将は、神聖ヴォラキア帝国を支える帝国最強の九人で構成された戦士集団である。「強さこそが正義」を国是とするヴォラキアにおいて、九神将の地位は名誉であると同時に、純粋な戦闘力を以て勝ち取らねばならない座だ。番号(壱・弐・参・肆・伍・陸・漆・捌・玖)が割り振られ、序数が小さいほど戦闘序列が高い――というのが基本だが、実際には個々の能力特性も加味された総合評価でもある。

Arc7時点で確認されている九神将のメンバーは以下の通り:

序列 名前 二つ名・特徴
壱(いち) セシルス・セグムント 「青き雷光」「青き天剣」剣の極北・人間離れの戦闘力
弐(に) アラキア 「精霊喰らい」四大精霊ムスペルを内包する稀代の異能者
参(さん) オルバルト・ダンクルケン 「悪辣翁」シノビ・幼児化の秘術/搦め手の達人
肆(し) チシャ・ゴールド 「白蜘蛛」ヴィンセント皇帝の偽装役・諜報と政治の頭脳
漆(しち) ヨルナ・ミシグレ 「極彩色」愛の魔女・魂婚術/カオスフレーム支配者
玖(きゅう) マデリン・エッシャルト 「飛竜将」竜人族・雲竜メゾレイア使い

※「伍・陸・捌」については、Arc7開始時に欠員または交代があったとされ、グルービー・ガムレットらが新参の九神将として加わる流れがWeb版で示されている。

弐番の意味する戦闘力

弐番に位置するアラキアは、序列上は「壱のセシルスを除けば、帝国に並ぶ者なし」と言える地位にある。実際、九神将の中でも参のオルバルトや漆のヨルナといった強者たちですら、純粋な戦闘力ではアラキアに敵わないと評される。九神将壱のセシルスその人ですら、アラキアを「最も手強い相手のひとり」と認めており、Arc7・Arc8における彼女の戦闘描写は常に「圧倒的」という言葉で形容される。

その戦闘力を支えるのは、犬人族としての半獣の身体能力(優れた嗅覚・反射速度・治癒力)と、「精霊喰らい」によって内包する四大精霊ムスペルの力――風・炎・大地・水を自在に操る多属性の精霊魔法だ。本人の戦闘技能はもとより、精霊力をパッシブに発動する形式の戦闘スタイルは、純粋な剣士であるセシルスとはまた異なるタイプの脅威となっている。

「精霊喰らい」の秘術

ヴォラキア辺境の絶滅部族の秘術

「精霊喰らい」は、ヴォラキア帝国の辺境に存在した絶滅部族が伝えていた秘術である。通常、人間と精霊の関係は「契約」を媒介する。精霊術師は契約精霊からマナを借りて魔法を行使するか、自然界の微精霊を一時的に使役する形で術を組み立てる。エミリアの大精霊パック、スバルのベアトリス――いずれも契約という関係性が前提だ。

しかし精霊喰らいは、その契約形式を完全に飛び越えた異端の術だ。精霊そのものを「食べる」ことで、精霊が内包する力を術者の体内に取り込み、自らの一部として行使する。精霊側の同意は前提とせず、いわば「捕食」の形で力を奪う秘術である。

この術を伝えていた部族はすでに絶滅しており、アラキアはおそらく最後の継承者だ。なぜ部族が絶滅したのか、彼女がどのようにしてこの秘術を学んだのか――その詳細はWeb版でも完全には明かされていない。だが、ヴォラキア辺境という過酷な土地で生まれ、犬人族として帝国主流の人族からも疎外されていたアラキアにとって、この秘術は「生き延びるための唯一の武器」であったことは想像に難くない。

精霊を喰らうことで得る力

精霊喰らいの効果は、捕食した精霊の属性・規模に応じて変化する。Web版本編で描かれた具体的な作用は以下の通り:

  • 火の精霊を喰らえば:体が火と同化し、周囲に消えない炎を放つ。物理攻撃でも炎を以て応戦できる
  • 風の精霊を喰らえば:不可視の存在となり、姿を消して敵の死角を取る
  • 水の精霊を喰らえば:水流操作・水分子の凝結/瞬間蒸発が可能となる
  • 大地の精霊を喰らえば:地形を操作・岩石を武器化/結界の構築が可能となる

そしてアラキアの最大の切り札が、四大精霊の一柱「石塊(いしくれ)ムスペル」の内包である。四大精霊はこの世界に四つしか存在しない最高位の精霊であり、その一体を体内に取り込んでいるという事実が、彼女の規格外性を物語る。ムスペルから引き出せる力は単一属性に留まらず、四大の名にふさわしい複合的な精霊力の発露を可能にする。

ただし精霊喰らいには「消化」というプロセスが存在する。喰らった精霊は時間経過とともに体内で消化され、その間だけ力を行使できる。消化が完了すれば力は失われ、新たな精霊を喰らう必要がある。大精霊ムスペルについては、その膨大な存在ゆえに完全に消化することは難しく、Arc7時点ではムスペルの「神域」と呼ばれる部分のみを取り込んでいる、という解釈が有力だ。

アラキアが秘術を持つ理由

では、なぜ犬人族の半獣の少女アラキアが、絶滅部族の秘術である精霊喰らいを身につけているのか。これはアラキア自身の出自と直結している。ヴォラキア辺境出身という背景、そして「他の犬人族とは違う何か」を持って生まれた少女が、選定の儀という地獄を生き延びるために本能的にこの秘術を顕現させた――という解釈が物語上でも示唆されている。

また、プリスカ(プリシラ)と乳兄弟として育てられた経緯から推測すると、皇族プリスカに仕える従者として、何らかの形で精霊喰らいの素養を見出されて引き取られた可能性も高い。ヴォラキア皇家の中で「皇女プリスカを守る兵器」として育てられたとすれば、アラキアの戦闘的な人格と、プリスカへの過剰な執着の説明もつく。

プリスカ(プリシラの幼名)との因縁

乳兄弟として育った幼少期

アラキアとプリシラ・バーリエルの関係を語るとき、最も重要なキーワードが「乳兄弟(ちきょうだい)」である。プリシラの本名はプリスカ・ベネディクト――神聖ヴォラキア帝国の皇女として生まれた人物だ。皇族の子は、産みの母とは別に「乳母」によって育てられる風習があり、その乳母の家庭で同時に育てられた他の子供たちは、血縁を超えた絆を持つ存在として認識される。アラキアはこのプリスカの乳兄弟として、幼少期を共に過ごした。

犬人族の半獣として生まれたアラキアと、皇族の血を引くプリスカ。本来であれば交わることのない二人の人生が、乳母という共通項によって深く結ばれた。アラキアにとってプリスカは、ただ仕えるべき主君ではなく、共に育ち、共に遊び、共に飯を食らった「姉のような存在」――いや、それ以上に「世界の中心」であった。プリスカもまた、傲岸な皇女の素顔の奥で、アラキアという乳兄弟だけには本音を覗かせていた。

幼少期のアラキアはプリスカに「ぷりすかしゃま」と舌足らずに呼びかけ、プリスカは「アラ」と短く呼び返した。この関係性は、後にプリスカが「プリシラ」と名を変えてからも、アラキアの中では一貫して「ぷりすかしゃま」のまま続いている。プリシラと呼ぶ時すら、彼女の心の中にはあの幼い日の「プリスカ」がいるのだ。

選定の儀で左目を失った経緯

ヴォラキア帝国の皇位継承は、「選定の儀」と呼ばれる過酷なシステムを通じて行われる。皇帝の血を引く子供たちが互いに殺し合い、最後に生き残った一人が次代の皇帝となる――言葉にすれば残酷だが、これがヴォラキアの伝統である。プリスカもこの選定の儀に巻き込まれた一人だった。

選定の儀の過程で、プリスカに毒を盛る暗殺計画が実行された。差し出された毒杯――それを察知したアラキアは、プリスカに代わって自ら毒を口に含んだ。涙を流しながら謝罪し、それでも毒の入った酒を飲んだアラキアの姿を見て、プリスカは取った行動が衝撃的だ。プリスカはアラキアを救うため、毒を吸い出すように口移しでその毒を自身の体内に取り込んだのだ。

結果として二人は共に深刻な中毒症状を呈し、命の危機に瀕した。アラキアはこの毒の後遺症として左目の視力を失った。プリスカは仮死状態に近い昏睡に陥り、皇族「プリスカ・ベネディクト」としては表舞台から消える。後にヴィンセント・ヴォラキアが選定の儀を制し皇帝に即位した際、彼はプリスカを「死亡したこと」にして救出し、別人「プリシラ・バーリエル」として国外(ルグニカ王国)に逃がした。

アラキアはこの褒章として、九神将の弐番という地位に引き立てられた。表向きは「プリスカ亡き後、皇帝ヴィンセントに仕える九神将」――だが、彼女の心の中ではプリスカは死んでいなかった。プリスカが別人として生きていることをアラキアが知っていたのか否か、Web版での明確な描写はないが、Arc7でプリシラと再会した時の動揺ぶりからは、少なくとも「直接の再会」は予期していなかったことが窺える。

※左目喪失については「ムスペル喰らいの代償」という説も並立しており、毒の後遺症と精霊喰らいの代償が複合的に作用している可能性も高い。いずれにせよ核心は「プリスカを救うために体を張った結果」という一点に変わりはない。

「プリスカへの執着」がアラキアを動かす核

アラキアの行動原理を一言で表すなら、「プリスカ最優先」である。九神将としての職務、皇帝ヴィンセントへの忠誠、ヴォラキア帝国の国益――これらは全て二次的な動機に過ぎず、彼女の中で最上位にあるのは常にプリスカ(プリシラ)への愛慕と執着だ。

この執着は、単なる仲の良い幼馴染への友情を遥かに超えている。アラキアにとってプリスカは「世界そのもの」であり、プリスカのためなら自分の命も視力も、九神将の地位も惜しまない。Arc7でアラキアがベルステツ宰相の謀略に利用されたのも、「プリスカが帝国の敵だ」という偽情報が彼女の最も鋭敏な部分を刺激し、判断を狂わせたからに他ならない。

プリスカに対するこの執着は、健全な愛情というより、自分の存在意義をプリスカに完全に依存する、ある種の偏執に近い。プリスカが生きていれば自分も生きる、プリスカが望めば何でも叶える、プリスカに敵対する者はたとえ皇帝であろうと――そういう純粋で危険な感情を、アラキアは持っている。Arc8でプリシラと再共闘する展開に至るまで、この執着はずっとアラキアの中心にあり続ける。

Arc7での動向

スバル一行との戦闘:グアラル奇襲

Arc7「ヴォラキア帝国編」におけるアラキアの本格登場は、城郭都市グアラルでの奇襲場面である。アベル(ヴィンセント・ヴォラキア)率いる叛徒軍がグアラルを無血開城させ、その駐屯地として活動を始めた直後、アラキアが単身で襲来した。

このときアラキアは「グアラルに潜伏する叛徒(皇帝を僭称するチシャ・ゴールド側の駒)を一掃せよ」という偽の命令を、宰相ベルステツ・フォニケリカ経由で受けていた。表向きは九神将の弐番が単独で叛乱軍を制圧するという、帝国の威信を示す作戦――だが、アラキアの心情としては「プリスカに敵対する反乱を鎮める」という認識で動いていた可能性が高い。

グアラルでのアラキアは圧倒的だった。シュドラクの民、駐屯帝国兵、レム、スバルといった面々が連携しても、彼女の精霊喰らい――風と火の精霊力を組み合わせた攻撃――に対抗できる者はほとんどいない。スバルは死に戻りを駆使して幾度かの試行錯誤を重ねるも、アラキア単体を戦闘で打倒する手立てが見えない状況に追い込まれる。

このとき頼みの綱として登場するのが、もう一人の九神将――「魂婚術」の使い手ヨルナ・ミシグレや、剣奴孤島で頭角を現したアル一行の援護だ。それでもアラキアの戦闘力は突き抜けており、最終的にスバル一行を救ったのは、戦闘そのものではない別の介入だった――プリシラの登場である。

プリシラとの再会と決裂

グアラルでアラキアが圧倒的優勢を保ち、叛徒軍とヴィンセントを追い詰めていたまさにその時、戦場に現れたのが王選候補プリシラ・バーリエルである。プリシラは騎士アルとともにヴォラキア帝国を訪れており、王選候補としてヴィンセントの帝位奪還戦を間接的に支援していた。

プリシラの姿を見たアラキアは、激しく動揺する。「ぷりすかしゃま」――彼女の心の中で死んでいないはずの姉のような存在が、目の前に現れたのだ。アラキアは戦闘中であることを忘れ、思わずプリシラに駆け寄り、感激のあまり涙を浮かべた。乳兄弟との数年ぶりの再会は、彼女にとって戦場の喧騒すら忘れさせる衝撃だった。

しかしプリシラの応答は冷酷だった。プリシラは陽剣ヴォラキアを抜き、感激に飛び込んできたアラキアに対して一撃を見舞った。「お前は妾の前から退け」――その意は、ベルステツによって駒として動かされているアラキアの現状を、プリシラなりの方法で断ち切るためのものだったと解釈できる。アラキアは陽剣の一撃を受けて気を失い、その場に倒れ込んだ。

傍目には「プリシラがアラキアを切り捨てた」ように映るこの場面も、プリシラの内心にはアラキアへの情があったことが、Arc8の展開で明らかになる。プリシラは表面上の冷淡さの奥で、アラキアを「ベルステツの駒」という状態から救い出すために、あえて手荒な方法を選んだのだ。プリシラ流の不器用な愛情表現――それを受け取る側のアラキアにとっては、ただただ「ぷりすかしゃまに拒絶された」という事実だけが心に刻まれることになる。

トッドの介入とアラキアの脱出

気絶したアラキアはグアラルの地下牢に拘束された。九神将弐番という危険分子を生かしたまま捕らえるという、叛徒軍にとっては「人質としても切り札としても使える」状態である。だが、この状況をひっくり返したのが、Arc7屈指の異常者・トッド・ファングの介入だった。

トッドは凡人ながら異常な観察眼と冷徹な判断力を持つ帝国兵で、スバルの死に戻りを経験則だけで察知してしまうほどの脅威。彼はジャマルとともにアラキアを地下牢から救出し、帝都へと連れ去る。気絶したままのアラキアを担架で運び、トッドは帝国側の戦力としてアラキアを再投入する道を開いた。

このトッドの介入により、Arc7後半でアラキアは再び帝国側の戦力として戦場に復帰する。プリシラとの決裂を引きずったまま、しかし状況だけは「叛徒軍と敵対する九神将」というポジションを維持したアラキアの内面は、深い混乱と痛みに満ちていた。

ヴィンセント(アベル)との関係

アラキアと第77代皇帝ヴィンセント・ヴォラキア(叛徒軍ではアベル名義)の関係は、表向きは「主君と忠臣」だが、内実はかなり複雑だ。ヴィンセントは選定の儀でプリスカを救った張本人であり、プリスカの生存を知っているただ一人の皇族でもある。アラキアにとってヴィンセントは「プリスカの命の恩人」であり、同時に「プリスカの代わりに自分を九神将に引き立てた者」でもある。

本来であれば、アラキアがヴィンセントに忠誠を尽くす理由は十分にある。だがArc7では、宰相ベルステツが「真の皇帝チシャ・ゴールド」を立てて偽装し、ヴィンセントを「叛徒の首魁」として扱う構図が成立してしまった。アラキアはこの偽の情報を信じ込まされ、本来の主君を敵として認識してしまう。

Arc7終盤になり、ヴィンセントが真の皇帝として動き始め、チシャ・ゴールドの偽装が明らかになる中で、アラキアの認識も少しずつ整理されていく。だがArc7の段階では、まだ完全な和解には至らない。アラキアの「主君は誰か」という問いの答えが定まるのは、Arc8の和解と再共闘を経てからである。

アラキアが示したArc7の転換点

Arc7におけるアラキアの存在は、物語の転換点を幾度も生み出した。グアラル奇襲はスバル一行に「圧倒的な九神将の脅威」を突きつけ、ヨルナ参戦の必然性を浮き彫りにした。プリシラとの再会と決裂は、王選候補と帝国九神将という「敵対する立場の二人が、実は深い絆で結ばれていた」という衝撃の事実を読者に提示した。そしてトッドの介入によるアラキア脱出は、Arc7における「人間の悪意」と「九神将の戦力」が結びついた時の脅威度を示した。

アラキアという一人のキャラクターを通じて、Arc7は「個人の愛情と国家の意志」「忠誠と裏切り」「乳兄弟の絆と政治的対立」といった多層的なテーマを織り上げていく。彼女が登場するたびに物語は動き、彼女の存在が叛徒軍と帝国軍の戦況を左右する――そんな質量を持ったキャラクターとして、アラキアはArc7に深く食い込んでいる。

Arc8以降のアラキア

帝都決戦でのアラキアの役割

Arc8「大災編」では、ヴォラキア帝都ルプガナを舞台にした「大災」――魔女スピンクスが操る屍人軍団とパラディオによる帝都包囲――が物語の中心となる。アラキアもこの帝都決戦に九神将弐番として参戦するが、Arc7とは状況が大きく異なる。

Arc8では、プリシラがスバルの助言を経て、アラキアに対してより素直に向き合う決断をする。Arc7では「冷淡な突き放し」で表現されたプリシラの愛情が、Arc8では明確な言葉と行動でアラキアに伝えられる。Soul Marriage Technique(心身婚姻術、ヨルナの魂婚術と関連する概念)を通じて、プリシラの感情がアラキアの内面に直接届く展開も描かれる。

そして帝都決戦のクライマックスで、アラキアは決定的な選択を行う。これまでムスペルの「神域」しか取り込んでいなかった彼女が、ムスペルの本体ごと完全に喰らうという極限の選択だ。四大精霊を完全に体内に取り込むことは通常では不可能に近く、アラキアの体がもたない可能性も大きい――だが、それでも彼女はプリシラを守るために、その選択を取った。

セシルス(九神将壱)との戦闘も帝都決戦の見どころのひとつだ。完全にムスペルを取り込んで暴走状態に近いアラキアと、青き天剣セシルスとの激戦は、九神将同士の頂上対決と呼ぶにふさわしい。最終的にセシルスは、アラキアを殺さずに制圧する選択を取る――これは彼女の目に「死を望んでいるのは本物のアラキアではない」という後悔を読み取った結果だ。

Arc9への伏線

Arc9「名も無き星の光」では、スバルとベアトリスがアルデバランによって封印され、世界の中心から退場する展開となる。残された王選候補・帝国陣営・各勢力がそれぞれの戦線を維持する中で、アラキアもまた「ムスペルを完全に喰らった後の九神将弐番」として、新たな立場で物語に関わっていく。

ムスペル完全捕食後のアラキアがどのような存在になっているのか――精霊喰らいの能力がさらに進化するのか、それとも体への負荷が致命的な影響を残すのか――これはArc9以降の重要な観察ポイントだ。そしてプリシラとの和解を果たしたアラキアが、王選最終局面でどう動くのかも見逃せない。プリシラ陣営の影の戦力として、アラキアは引き続きヴォラキア帝国と王選の両方に深く関与する立場にある。

九神将としての職務、皇帝ヴィンセントへの忠誠、そしてプリシラへの愛情――この三つが矛盾なく結ばれる地点に、アラキアの最終的な居場所がある。Arc9・Arc10と物語が進むにつれ、彼女の役割はさらに明確化していくはずだ。

アラキアの権能・戦闘力まとめ

能力カテゴリ 詳細
精霊喰らい(基本) 精霊を捕食し、消化中はその力を行使可能。属性は喰らった精霊に依存
火属性 体が炎と同化し、消えない炎を生成・物理攻撃も炎を以て応戦
風属性 不可視化・高速移動・遠距離砲撃
水属性 水流操作・凝結/瞬間蒸発
大地属性 地形操作・岩石武器化・結界構築
四大精霊ムスペル(神域) 四大の名にふさわしい複合的精霊力を行使(Arc7時点)
四大精霊ムスペル(完全捕食) 暴走状態に近い力の解放/セシルスすら苦戦させる規模(Arc8)
犬人族の身体能力 優れた嗅覚・反射速度・治癒力/半獣としての肉弾戦能力
戦闘スタイル 精霊力のパッシブ運用+肉弾戦の融合/多属性の同時展開
弱点 消化期間の制限/精霊不在の状況/プリシラに関わる場面での心情的揺らぎ

アラキアの名場面・名セリフ

Arc7・Arc8を通じて、アラキアの名場面は以下のようなシーンが特に印象的だ:

  • グアラル奇襲:単身で叛徒軍の駐屯地を圧倒し、スバル一行を死の縁まで追い詰める九神将弐番の威容
  • プリシラとの再会:「ぷりすかしゃま……!」と感激の涙を浮かべるアラキアと、それを陽剣で打ち据えるプリシラの対比
  • トッドによる救出:気絶したアラキアを担架で運ぶトッドの姿が、Arc7後半の不穏な空気を象徴する
  • Arc8 ムスペル完全喰らい:プリシラを守るために自らの体を犠牲にしてムスペル本体を取り込む決断
  • セシルスとの最終戦:九神将弐番と壱番の頂上対決。死を望むアラキアと、それを許さないセシルスの対峙
  • プリシラとの再共闘:Arc7で決裂した二人が、Arc8で本当の意味で和解し、大災に立ち向かう姿

アラキアという少女が抱える「弐番の戦闘力」と「プリスカへの執着」が交錯する瞬間こそ、彼女の名場面の核心である。九神将としての強さも、乳兄弟としての愛情も、どちらも欠かせない彼女の本質だ。

まとめ

神聖ヴォラキア帝国 九神将「弐」――アラキア。犬人族・半獣の少女として生まれ、ヴォラキア辺境の絶滅部族の秘術「精霊喰らい」を継承し、四大精霊ムスペルを内包する稀代の異能者。その圧倒的な戦闘力は、九神将壱のセシルスを除けば帝国に並ぶ者なしと評される。

しかしアラキアの本質は、戦闘力だけでは語れない。彼女の心の中心には常に、乳兄弟であった「プリスカ」(プリシラ・バーリエル)への激しい執着と愛情がある。選定の儀で毒杯を共にし、左目を失ってもなおプリスカを慕い続けたアラキアは、Arc7でベルステツの謀略に翻弄されながらも、その本心では「ぷりすかしゃまを守る」という一点を貫き続けてきた。

Arc7での圧倒的なグアラル奇襲、プリシラとの再会と決裂、トッドによる救出と再投入――そしてArc8でのムスペル完全捕食、セシルスとの頂上対決、プリシラとの真の和解。アラキアの物語は、リゼロのヴォラキア帝国編における最も濃密なサブストーリーのひとつだ。

九神将弐番という地位、精霊喰らいという秘術、そしてプリスカへの執着――この三つが交錯する場所にアラキアの本質がある。Arc9以降、ムスペルを完全に取り込んだ彼女が物語にどう関わっていくのか、王選最終局面でプリシラ陣営の戦力としてどう動くのか――その全てが今後のリゼロを大きく動かしていくはずだ。

アラキアという少女を通じて、リゼロは「個人の愛情と国家の意志」「忠誠と裏切り」「乳兄弟の絆と政治的対立」といった重層的なテーマを描き続ける。九神将弐番にして「精霊喰らい」の少女、アラキア――彼女の物語はまだ終わっていない。

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