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Re:ゼロから始める異世界生活のネタバレ【小説・アニメ・漫画】

「リゼロ」アナスタシア Arc7解説|エキドナが宿る王選候補のヴォラキア行き

「リゼロ」第7章(Arc7)──舞台は神聖ヴォラキア帝国。皇帝ヴィンセント・ヴォラキアが追放され、剣狼スバルたちが帝国内戦に巻き込まれていくこの章で、王選候補アナスタシア・ホーシンはどこにいて、何をしているのか。Arc5水門都市プリステラ以降「アナスタシア」として行動しているのは、本人ではなく襟巻きの人工精霊・襟ドナ(エキドナ)である──この入れ替わりの構造を踏まえないと、Arc7のアナスタシア陣営の動きはまるで理解できない。

本記事では、Arc7のアナスタシア・ホーシン陣営の動向、襟ドナ(人工精霊エキドナ)がアナスタシアの体に宿った経緯、そしてカララギからヴォラキア帝国への潜入というArc7後半の重要展開について、原作小説(28巻〜31巻)の事実に基づいて掘り下げる。

リゼロのアニメはDMM TVで配信中!アナスタシアと襟ドナの活躍はArc5水門都市編・3rd seasonで要チェック


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目次

Arc7におけるアナスタシア・ホーシン陣営の立ち位置

Arc7「神聖ヴォラキア帝国編」は、スバル・エミリア・ベアトリスらエミリア陣営が主戦力としてヴォラキア帝国内戦に巻き込まれる物語である。一方、5人の王選候補のうち、エミリア陣営以外がどう動いているかは章の前半ではほとんど触れられない。アナスタシア・ホーシン陣営も例外ではなく、Arc7冒頭ではルグニカ王国に残り、王選候補としての通常業務(カララギ都市国家との外交調整、商会経営)を続けている。

しかしArc7中盤以降、ヴォラキア帝国内戦が「大災(だいさい)」と呼ばれる規模の危機に発展すると、ルグニカ王国は隣国カララギ都市国家との連携を強化せざるを得なくなる。そこでカララギの代表的商人にしてルグニカ王選候補──つまり「両国に橋渡しできる唯一の人物」であるアナスタシアの政治的価値が一気に跳ね上がる。Arc7のクライマックスに向けて、アナスタシア陣営は「カララギの外交使者」としてヴォラキア帝国に潜入する重要任務を担うことになる。

アナスタシア・ホーシン×襟ドナ プロフィール(Arc7時点)

Arc7時点のアナスタシアと襟ドナの基本情報を整理する。Arc5プリステラ戦以降の「魂宿り」状態のまま、Arc7全編を通じて表に出ているのは襟ドナ(人工精霊エキドナ)である点に注意。

項目 アナスタシア本人 襟ドナ(人工精霊エキドナ)
本名 アナスタシア・ホーシン エキドナ(自称)/通称「襟ドナ」
状態(Arc7時点) オドの奥で眠っている アナスタシアの肉体を主導
声優(アニメ) 植田佳奈(うえだ かな)
外見(共通) 紫の長髪・155cm・22歳の女性体
一人称 うち うち(本物エキドナは「ワタシ」)
口調 カララギ弁 カララギ弁を模倣(本物エキドナの落ち着いた話し方と混ざる)
性格 「強欲」を信条とした商人気質 知識欲は薄く、アナスタシアの幸せ第一の人格者寄り
魔法 使えない(ゲート異常) 本来は単独で魔法を行使できない欠陥精霊
陣営の主力 騎士ユリウス・ユークリウス/武人ハリベル/私兵団「鉄の牙」リカード
所属国 ルグニカ王国(王選候補)/カララギ都市国家(ホーシン商会会長)

外見は普段のアナスタシアと変わらない。声・話し方も意識して合わせているため、初対面の人物にはまずバレない。だが旧知の人物──ユリウス、リカード、ヨシュアらは、瞳の奥に宿る人格の違いに気づいている。彼らはアナスタシア本人の「目覚め」を信じ、襟ドナと協力しながらArc7を駆け抜けることになる。

「魂宿り」の経緯──アナスタシアがオドに引きこもった理由

Arc7の動きを理解するためには、Arc5「水門都市プリステラ」(小説16〜21巻)で起きた「魂宿り」の経緯を押さえなければならない。Arc7時点の「アナスタシア」はあくまで襟ドナが代理として動いている状態であり、本人はオド(魂の領域)の奥で眠り続けている。

Arc5プリステラで起きた決定的事件

水門都市プリステラでは、4人の大罪司教が同時襲撃を仕掛けた。一番街の「色欲」カペラ、二番街の「暴食」ライ・バテンカイトス、三番街の「強欲」レグルス、四番街の「憤怒」シリウス──このうちユリウスを直接襲ったのは「暴食」ライ・バテンカイトスである。

ライ・バテンカイトスの権能「蝕」によって、ユリウス・ユークリウスは「名前」を喰われた。世界中の人間の記憶からユリウスという存在が消され、唯一スバルだけが彼を覚えているという絶望的な状況に陥った。

アナスタシアの「強欲」が選んだ道

このとき、アナスタシア本人もまた、ユリウスの記憶を失う寸前にあった。表に出ていれば、彼女もユリウスを忘れる──家族同然に過ごし、最強の騎士として迎えた相手を、暴食の権能で奪われたくない。この「強欲」がアナスタシアに決定的な選択をさせる。

アナスタシアは襟ドナに肉体の主導権を譲り、自らはオドの深奥に「引きこもる」道を選んだ。オドの奥で眠ったまま、ユリウスの記憶を抱き続ければ、表の世界がユリウスを忘れても、自分の中ではユリウスは存在し続ける。これが「失いたくないものを失わないための強欲」──アナスタシア・ホーシンらしい解決策だった。

以後、表の世界に立つのは襟ドナ。本人の意識はオドで眠ったまま。この構造はArc5プリステラ戦のラストから一貫して続いており、Arc7はもちろん、Arc8(後述)に至るまで変わっていない。

襟ドナの「自由意思」獲得

魂宿り以前の襟ドナは、人工精霊として「アナスタシアに従属する精霊」だった。しかしアナスタシアがオドに引きこもったことで、襟ドナはアナスタシアの肉体を「借りる」ことに加え、彼女の代理として外交・経営判断を下す立場となった。これは襟ドナにとって、初めての「自由意思」の獲得である。

とはいえ襟ドナは知識欲を最優先する本物のエキドナとは異なり、アナスタシアの幸せを第一に考えて行動する人格者寄りの存在だ。Arc7で見せるカララギ商会の運営判断・ヴォラキア潜入の戦略決定も、すべて「アナスタシア本人が目覚めたときに後悔しない選択」を基準にしている。

襟ドナ=人工精霊エキドナの正体──強欲の魔女との関係

襟ドナの正体を整理しておく。襟ドナは「強欲の魔女エキドナ」が400年前に作り出した人工精霊である。エキドナが行っていた不老不死実験の産物のひとつで、本来は精霊術師との契約を結ぶための「実験体」として設計されていた。

人工精霊としての欠陥

しかし襟ドナには致命的な欠陥があった──「正規の精霊契約を結べない」のだ。人工精霊として作られたものの、人間との間に精霊契約を成立させることができず、エキドナの実験は失敗に終わった。エキドナ本人が死去(魔女教の聖域封印事件)した後、行き場を失った襟ドナは、自我を保ったまま長い年月を流浪することになる。

そんな襟ドナを拾ったのが、ハイエナ階層出身の少女アナスタシアだった。アナスタシアはマナを大気から吸収できないゲート異常を抱えており、魔法を一切使えない。互いに「欠陥」を抱えた二人が、契約という形ではなく「家族」として共生する道を選んだ。アナスタシアが首に巻いている白狐の襟巻きこそが、人工精霊エキドナ──通称「襟ドナ」だ。

本物のエキドナとの3つの違い

襟ドナと「強欲の魔女エキドナ」本人は、口調こそ似ているが本質的に別人格だ。Arc4聖域編で登場した本物のエキドナと比較すると、以下の違いがある。

項目 強欲の魔女エキドナ 襟ドナ(人工精霊)
一人称 ワタシ うち
行動原理 知識欲・探究心 アナスタシアの幸せ最優先
戦闘力 非常に強力な魔法戦闘力 単独では魔法を行使できない欠陥精霊
性格 研究のためなら他者を犠牲にする冷酷さ 人格者寄り・他者への思いやり
名前の由来 本人が名乗る本名 スバルが「エキドナ」と区別するためにつけたあだ名

「襟ドナ」というあだ名は、スバルが本物のエキドナと混同しないようにつけた呼称だ。襟巻きに擬態している人工精霊だから「襟ドナ」──ストレートだが分かりやすい命名である。本物のエキドナとの差異については 「リゼロ」アナスタシアとエキドナ精霊の関係|「強欲」が宿る謎を完全解説 も参照されたい。

Arc7前半──ルグニカ残留期と「カララギの使者」就任

Arc7前半でアナスタシア(実体は襟ドナ)はルグニカ王国に残っている。スバル・エミリア・ベアトリスらがバドハイム密林で帝国軍に襲撃された頃、アナスタシア陣営はまだ事態の全容を把握していない。

ルグニカ王選候補としての通常業務

Arc7冒頭時点のアナスタシア陣営の動きは、ルグニカ王城での王選会議参加、カララギ商人としてのホーシン商会経営判断、そして自陣営の戦力配置──といった通常業務が中心だ。表立った戦闘シーンはない。

陣営構成は以下の通りで、Arc5以降ほぼ変動していない。

  • 騎士:ユリウス・ユークリウス(最優の称号を持つ精霊騎士/Arc5暴食事件で名前を喰われたが、Arc6プレアデス監視塔編で復活)
  • 武人:ハリベル(カララギの伝説の獣人剣士/Arc6終盤で陣営参入)
  • 文官・補佐:ヨシュア・ユークリウス(ユリウスの義弟)
  • 私兵団:「鉄の牙」リカード(アナスタシアをハイエナ階級から救った恩人)/ミミ・ヘータロ・ティビィの三兄妹

この陣営構成は、ルグニカ王国の王選候補陣営の中でも「商業経済」「外交ネットワーク」「武力(特にハリベル)」のバランスが取れた強力なものだ。Arc7でカララギを経由してヴォラキア帝国に外交ルートを開く際、この陣営構成が決定的に効いてくる。

カララギ都市国家からの「使者」要請

ヴォラキア帝国の内戦が「大災」レベルにエスカレートすると、カララギ都市国家はルグニカ王国に対し、共同で対応する必要性を訴える。ルグニカ王国側もエミリア陣営の主力がヴォラキアに送り込まれている以上、放置できない。

そこで浮上したのが、「カララギの代表的商人にしてルグニカ王選候補」というアナスタシアの二重立場の活用だ。アナスタシアならばカララギ・ルグニカ双方の代理として、ヴォラキア帝国の関係者と交渉できる。襟ドナはこの要請を受け、自陣営の主力を率いてヴォラキア帝国への潜入を決断する。

Arc7後半──ヴォラキア帝国潜入とハリベル仲介の戦略

Arc7のクライマックスに向けて、アナスタシア陣営はカララギ経由でヴォラキア帝国に潜入する。これがArc7後半におけるアナスタシア陣営最大の動きである。

ヴォラキア帝国への潜入経路

ルグニカ王国とヴォラキア帝国は地続きで国境を接しているが、両国の関係は「友好」ではなく「互いに手が出せない均衡」に過ぎない。ルグニカ側から大規模な戦力をヴォラキア国境を越えて送り込むことは、即座に「侵略」と見なされる可能性が高い。

そこで採られたのが、第三国カララギ都市国家を経由した「外交使者」としての潜入だ。アナスタシアはカララギの代表的商人だから、カララギの正式な使者として帝国入りすれば、表向きの大義名分が立つ。襟ドナはユリウス・ハリベル・リカードらを伴ってカララギに戻り、そこから帝国行きの船を仕立てる。

ハリベルというカードの威力

ヴォラキア帝国潜入で最も重要な戦力がハリベルだ。ハリベルはカララギ・狼人族の伝説的剣士で、その戦闘力は「賢者シャウラの一撃に匹敵」するとも噂される。Arc6プレアデス監視塔編でアナスタシア陣営に参入した経緯は独特で、本来はリカードを暗殺するために来たという背景がある。

ハリベルはリカードの古い友人だが、狼人族の聖域から「リカード抹殺」の任務を受けて派遣された刺客だった。しかしアナスタシアがハリベルの来訪に気づき、商人らしい交渉術でハリベルを説得。リカードの正体と狼人族の秘密を保護することを条件に、ハリベルを陣営に組み込んだ。この「暗殺者を交渉で味方にする」エピソードは、アナスタシアの「強欲」と商才を最も象徴するシーンの一つである。

ヴォラキア帝国には九神将と呼ばれる九人の超人級戦士がおり、その個々の戦力は王国側の上位騎士を凌ぐ。アナスタシア陣営が帝国に潜入する以上、九神将と接触する可能性は高い。そこでハリベルという「対九神将級の最終戦力」がいることは、襟ドナの戦略判断に決定的な安心感を与えた。

スバル陣営との合流

ヴォラキア帝国に潜入したアナスタシア陣営は、スバルたちの作戦に協力する立場で動く。ヴォラキア帝都奪還、九神将との交渉、ヨルナ・ミシグレやアラキアといった帝国側キャラクターとの折衝──これらの局面でアナスタシア陣営の「商業ネットワーク」「外交スキル」「ハリベルの武力」は不可欠だった。

ユリウスはこの帝国編で、Arc5以来の「名前を取り戻した最優の騎士」としての真価を発揮する。襟ドナのそばで戦うユリウスの姿は、オドの奥で眠るアナスタシア本人にとっても「待つ価値のあった日々」だったはずだ。

ホーシン商会とArc7の政治的影響

アナスタシア・ホーシンが率いるホーシン商会は、カララギ都市国家全土に支店を持つ大陸有数の商会だ。Arc7におけるアナスタシア陣営の「ヴォラキア潜入」を可能にしたインフラそのものでもある。

商会ネットワークの戦略的価値

ホーシン商会の支店網は、ルグニカ・カララギ・ヴォラキアの三国を跨いだ商取引を支えている。物資の流通、情報の収集、現地協力者の確保──戦時下のヴォラキア帝国で活動するために必要なリソースは、すべてホーシン商会の既存ネットワークから調達できる。

この「商人陣営の機動力」こそが、アナスタシア陣営を他の王選候補陣営と差別化する最大の強みだ。エミリア陣営は魔法戦力で、フェルト陣営はラインハルトという最強の単騎で、プリシラ陣営はヴォラキア皇族のコネで戦う。クルシュ陣営は軍事力。アナスタシア陣営の武器は「商業ネットワークを通じた経済力と情報力」なのだ。

カララギ商人としての「強欲」の真価

アナスタシアの行動原理である「強欲」は、Arc7の文脈で再評価される。彼女の強欲は単なる金銭欲ではなく、「欲しいものは全部手に入れる」という生き様そのものだ。王選で勝つこと、ユリウスを失わないこと、カララギの民を守ること、襟ドナと共に在ること──これら全てを同時に手に入れようとする姿勢が、襟ドナを通じてArc7のヴォラキア潜入という形で具現化している。

アナスタシア本人のキャラクター詳細は 「リゼロ」アナスタシア・ホーシンの正体とプロフィール解説 を参照されたい。

Arc8以降への伏線──アナスタシア本人は目覚めるのか

Arc7終盤以降、ファンの最大の関心は「アナスタシア本人はいつ目覚めるのか」「魂宿りはどうやって解消されるのか」に集中している。Arc8(小説32巻以降)でも、アナスタシアの本人覚醒は最重要伏線のひとつだ。

本人覚醒の条件

アナスタシアがオドから「出てくる」ためには、彼女自身が「もう引きこもる必要はない」と判断する状況が整わなければならない。具体的には:

  • ユリウスの存在が「世界に取り戻された」ことを実感できる状態(Arc6プレアデス監視塔編で達成済み)
  • 暴食の権能による「名前喰い」の脅威が完全に去ったと確信できる状態
  • 襟ドナとの「共存形態」を改めて選び直す覚悟

Arc6でユリウスが名前を取り戻したことで、第1の条件は満たされた。Arc7でヴォラキア帝国の大災を乗り越えれば、第2の条件にも近づく。Arc8以降、暴食大罪司教の完全討伐とともに、アナスタシア本人の覚醒が描かれる可能性が高いと考察されている。

覚醒後の襟ドナの行方

アナスタシア本人が覚醒した場合、襟ドナはどうなるのか──これもArc8以降の重要伏線だ。襟ドナはArc5以降、初めて「自由意思」を持って外の世界で行動してきた。本人が戻ってきた瞬間、その自由を返上するのか、それとも形を変えて共存するのか。襟ドナのキャラクターアークの完結は、リゼロ全体の重要テーマである「人工精霊と人間の関係性」に関わる。

Arc8でアナスタシア陣営がどう動くかについては 「リゼロ」アナスタシア Arc8の動向解説(執筆予定)も合わせて追っていきたい。

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まとめ──Arc7の「アナスタシア」を理解する5つのポイント

Arc7におけるアナスタシア・ホーシン陣営の動向を整理する。

  1. 表に出ている「アナスタシア」は襟ドナ(人工精霊エキドナ):Arc5プリステラ戦でアナスタシア本人はオドに引きこもり、襟ドナが代理として行動している
  2. 本人がオドに引きこもった理由は「強欲」:ユリウスの記憶を暴食の権能で失いたくないという、アナスタシアらしい愛情表現
  3. 襟ドナは本物エキドナとは別人格:一人称「うち」、アナスタシアの幸せ最優先の人格者寄りの存在
  4. Arc7前半はルグニカ残留、後半でヴォラキア潜入:カララギ使者としての立場を使い、ハリベル・ユリウス・リカードを率いて帝国入り
  5. Arc8以降の最大伏線は「本人覚醒」:暴食大罪司教完全討伐とともに、アナスタシア本人がいつ目覚めるか

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アナスタシア陣営の主要メンバー詳細──Arc7で動く面々

Arc7でヴォラキア帝国に潜入するアナスタシア陣営のメンバーを、改めて詳しく見ていく。誰がどんな役割を担い、どのような関係性で陣営を支えているのかを把握すると、Arc7の物語がより立体的に見えてくる。

ユリウス・ユークリウス──最優の騎士、Arc6で帰還した男

ユリウス・ユークリウスはルグニカ王国近衛騎士団・第三隊隊長で、「最優の騎士」の称号を持つ精霊騎士だ。六大精霊(イア・イル・ウル・エル・アル・オル)と契約しており、属性の異なる精霊たちを使い分けた多彩な戦闘スタイルを持つ。アナスタシアにとっては王選候補の騎士であると同時に、家族同然の信頼関係を築いた存在である。

Arc5プリステラ戦で「暴食」ライ・バテンカイトスに名前を喰われ、世界中の記憶から消えた──このときアナスタシアがオドに引きこもることを選んだのは、ユリウスの存在を「自分の中でだけは絶対に消さない」という強欲ゆえだった。Arc6プレアデス監視塔編で、ユリウスはスバルたちと共に名前を取り戻し、世界に「ユリウス・ユークリウス」として復活する。Arc7で襟ドナと共に行動するユリウスは、Arc5以来の「失われたものを取り戻した最優の騎士」として真価を発揮する。

ハリベル──カララギの伝説の獣人剣士

ハリベルはカララギ・狼人族の長身の獣人剣士で、その戦闘力は伝説級。「賢者シャウラの一撃に匹敵」とも噂され、ヴォラキア帝国の九神将と単独で渡り合える数少ない陣営戦力である。煙草を吸いながら戦う独特のスタイルで知られる。

陣営加入の経緯が異色で、元々はリカードを抹殺する刺客として狼人族の聖域から派遣された。リカードと旧友という関係だったが、組織の命令で殺害任務を負っていた。これに気づいたアナスタシアは、ハリベルと直接交渉。リカードと狼人族の秘密を保護することと引き換えに、ハリベルを陣営に組み込んだ。商人としての交渉力を最も劇的に発揮したエピソードのひとつだ。Arc7のヴォラキア潜入における「対九神将最終戦力」として、ハリベルの存在は襟ドナの戦略判断の前提となっている。

リカード・ヴェルケン──「鉄の牙」団長、アナスタシアの恩人

リカードは私兵団「鉄の牙」の団長で、犬獣人の屈強な男だ。アナスタシアがカララギの最底辺「ハイエナ」階級から這い上がる際、彼女を救って育てた恩人にあたる。アナスタシア陣営の中で最も古い付き合いであり、絶対的な信頼関係を築いている。

戦闘では大斧を振るうパワータイプで、団員のミミ・ヘータロ・ティビィの三兄妹(猫獣人の小柄な子どもたち)と組んで前衛を担う。Arc7ではヴォラキア潜入チームの実働部隊として活動する。リカード自身が狼人族の暗殺対象だった過去(ハリベル加入の経緯)も、Arc7では帝国諜報網との折衝で活きてくる伏線だ。

ヨシュア・ユークリウス──ユリウスの義弟、文官として活躍

ヨシュア・ユークリウスはユリウスの義弟で、ユークリウス家を実質的に切り盛りする文官タイプの青年だ。Arc5暴食事件でユリウスの名前が世界から消えた間も、「義兄ユリウス」の存在を信じ続けた数少ない人物の一人である(暴食の権能は記憶を曖昧にする形で消すため、ヨシュアは違和感だけは持ち続けていた)。

Arc7では陣営の文官として、ヴォラキア潜入のための後方支援・情報整理・カララギ商会との連絡調整を担う。前線には出ないが、商業ネットワークを活用した陣営運営には欠かせない頭脳だ。

「アナスタシア」を演じる襟ドナの内面──Arc7で見せる成長

Arc7で表に立つ襟ドナの内面描写は、原作小説の中でも特に細やかに描かれている。本人ではない「代理」として行動する彼女の葛藤と成長は、Arc7のアナスタシア陣営パートの大きな読みどころだ。

「アナスタシアらしさ」を演じる重圧

襟ドナはアナスタシアの肉体と声を借りているが、人格は別だ。Arc7前半、襟ドナはカララギ商人としての判断・王選候補としての発言・陣営メンバーへの指示──全てを「アナスタシア本人ならどう振る舞うか」を意識しながら演じている。商人としての強欲な交渉、相手の本音を見抜く眼力、カララギ弁の自然な抑揚──これら全てを再現することは容易ではない。

しかしArc7のヴォラキア潜入が本格化すると、襟ドナは徐々に「アナスタシアの真似ではなく、自分自身の判断」で動く場面が増えていく。これは襟ドナにとって、人工精霊として初めての「自我の獲得」プロセスだ。

ユリウスへの感情

襟ドナのユリウスへの感情も、Arc7で繊細に描かれる。アナスタシア本人がユリウスを「失いたくない家族」として認識しているのに対し、襟ドナはユリウスを「アナスタシアが大切に思う相手」として接していた。だがArc6で復活したユリウスと共に行動を重ねるうち、襟ドナ自身もユリウスへの個人的な感情を芽生えさせる。

これは襟ドナにとって複雑な葛藤だ。自分が抱く感情は、本人が目覚めたときに「アナスタシアの感情」として吸収されるべきものか、それとも襟ドナ独自の感情として残るのか──Arc7で襟ドナはこの問いと向き合いながら、ヴォラキア潜入の戦略を立てていく。

カララギ都市国家の地政学──ホーシン商会の真の重要性

Arc7のアナスタシア陣営を理解するには、彼女らの本拠地カララギ都市国家の地政学的位置づけを押さえる必要がある。

カララギの政治体制

カララギ都市国家はルグニカ王国の南西に位置する商業国家連合だ。複数の独立した都市が緩やかな連邦体制を組み、共通の通貨・商業ルールで結ばれている。ルグニカ王国のような中央集権的な王政ではなく、都市ごとの代表(多くは大商会の会長)が議会で意思決定を行う商人民主制に近い。

アナスタシアの本拠地は第二都市バナンで、ホーシン商会はバナンを拠点にカララギ全土に支店網を持つ。ホーシン商会の発言力は、事実上カララギ全体の意思決定の一翼を担うほどに大きい。これがアナスタシアを「ルグニカ王選候補」かつ「カララギ代表商人」という二重立場で動かせる根拠だ。

ヴォラキアとの商業関係

カララギは地理的にヴォラキア帝国とも接しており、両国間には古くからの商業ルートが存在する。ホーシン商会はヴォラキア帝国内にも支店を持ち、平時から物資・情報を流通させてきた。Arc7のヴォラキア潜入で、襟ドナがヴォラキア帝都・要塞都市・地方の各所に動ける機動力は、ホーシン商会の既存ネットワークが基盤になっている。

ルグニカ王選候補の中で、ヴォラキア帝国に対して「即座に動ける現地インフラ」を持っているのはアナスタシア陣営だけだ。エミリア陣営が魔法戦力で潜入できても、現地での情報収集・物資調達・協力者確保は商人ネットワークなしでは難しい。この意味でArc7におけるアナスタシア陣営は、エミリア陣営の活動を陰で支える「不可欠なインフラ提供者」でもある。

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