カララギ都市国家の若き商売人・アナスタシア・ホーシンの首には、いつも真っ白な狐の襟巻きが巻きついている。一見ただの可愛らしい装飾品にしか見えないこの襟巻きの正体は、四百年前の「強欲の魔女」エキドナが自らをモデルに生み出した人工精霊だ。スバルが付けた愛称は「襟ドナ(エリドナ)」、アナスタシアは「ナーちゃん」と呼ぶ。
結論から先に言うと――この襟巻き(人工精霊エキドナ=襟ドナ)は、Arc5「水門都市プリステラ」の死闘でアナスタシアの肉体の主導権を握り、本人の意識を魂の奥へ眠らせてしまう「入れ替わり(魂の侵食)」を引き起こす。これがArc6「プレアデス監視塔編」全体を貫く重大事で、アナスタシアが意識を取り戻す(解放される)のは第六章の最終盤・剣聖レイドとの戦いにおいてである。
さらに混同されがちなのが、聖域編で復活した魔女エキドナの転生体「オメガ(リューズ・オメガ)」の存在だ。じつは「襟ドナ」と「オメガ」は同じエキドナの名を持ちながら、まったくの別個体である。本記事では、アナスタシアの襟巻きの正体・襟ドナとオメガと魔女エキドナという「三人のエキドナ」の違い・魂の侵食と解放のドラマまでを、原作小説の描写をもとに完全解説する。
結論:アナスタシアの襟巻きの正体は「人工精霊エキドナ(襟ドナ)」
アナスタシア・ホーシンといえば、「ほしいものはほしい」を信条とするカララギの少女商人であり、ルグニカ王国の王選候補者の一人として登場する。彼女の最大の特徴である首の白い狐の襟巻きこそが、人工精霊エキドナ――通称「襟ドナ」だ。精霊の一種でありながら、リゼロ世界でも他に類を見ない特異な出自と能力を持つ。
| 正式名 | エキドナ(人工精霊・狐型) |
|---|---|
| 愛称 | 襟ドナ(エリドナ)/ナーちゃん(アナスタシアの呼び方) |
| 形態 | 白い狐の襟巻き(マフラー型) |
| 創造主 | 強欲の魔女エキドナ |
| 由来 | 魔女エキドナの不老不死実験で生まれた人工精霊 |
| 契約者 | アナスタシア・ホーシン(正式契約はなく「家族」) |
| 出会い | アナスタシア11歳・ミーティア回収任務の最中 |
| 初登場 | 原作9巻(Arc4)/アニメは2期 |
| オメガとの関係 | 同じ「エキドナ」の名だが別個体(後述) |
「狐の襟巻き」が人工精霊である理由
白い狐の襟巻きという形態は、創造主である魔女エキドナの趣味の名残とされる。パックがエミリアの体外に常駐するのと同じく、襟ドナはアナスタシアの首に巻きつくことで実体を維持している。人工精霊は実体を保つために外的な「依代」を必要とする設計で、襟巻きの中にマナを蓄えながら自我を保ち、アナスタシアの体に寄り添うことで安定して存在しているのだ。
「ナーちゃん」と呼ぶ家族としての絆
アナスタシアは襟ドナを「ナーちゃん」と呼ぶ。これはエキドナの「ナ」から取った愛称で、二人が契約者と契約精霊という冷たい主従関係ではなく、「家族」として共に生きてきた間柄であることを表している。事実、襟ドナとアナスタシアは正式な精霊契約を結んでいない。それでも互いを誰より信頼し合う――この関係性こそ、アナスタシア陣営の核心だ。アナスタシアというキャラクター全般の解説は「リゼロ」アナスタシアはカララギの王候補|寿命が短い理由を参照してほしい。
出会いの物語──11歳のアナスタシアが「死を覚悟した精霊」を買った日
襟ドナとアナスタシアの出会いは、アナスタシアが商会を立ち上げるよりずっと前、彼女が11歳の頃に遡る。きっかけはミーティア(魔法の道具)の回収任務だった。任務の最中、誰にも引き取られず死を覚悟していた人工精霊エキドナと、幼いアナスタシアは出会う。
普通の商人なら「使えない失敗作」と切り捨てるところを、アナスタシアは違った。商売の天才である彼女は襟ドナに「価値がある」と見抜き、彼女を買い取り、「家族になろう」と提案したのである。捨てられる運命だった人工精霊にとって、これは救いそのものだった。以降、二人は片時も離れず共に生きてきた。襟ドナがアナスタシアに深い愛情を抱くのは、この出会いに原点がある。
アナスタシアの「ゲートの欠陥」と襟ドナの「契約不能」
この二人の関係を理解するうえで欠かせないのが、互いに重大な「欠陥」を抱えているという事実だ。
- アナスタシア側の欠陥──生まれつきゲートに障害があり、大気中のマナを体内に取り込めない。慢性的なマナ不足状態にある
- 襟ドナ側の欠陥──人と正式な精霊契約を結べず、自力では魔法を行使できない(マナを操れない)
マナを取り込めないアナスタシアと、自力でマナを操れない襟ドナ。互いの欠陥を埋め合う形で、襟ドナが魔法を使うときはアナスタシアの「オド(生命力)」を借りる。これが後の悲劇の伏線となる。マナと魔法の仕組みを踏まえると、二人の「共生」がいかに綱渡りかが分かる。
人工精霊「エキドナ」の正体──不老不死実験の産物
襟ドナは、四百年前の強欲の魔女エキドナによって生み出された存在だ。魔女エキドナは「知識欲の権化」を自称し、世界の真理を知るためなら自分自身さえ研究対象とする狂気の探求者だった。彼女は不老不死を実現する手段として、自我のコピーを別の器へ移植する実験を繰り返しており、襟ドナはその過程で作られた一体である。
聖域の「リューズ複製体」と同じ系譜
魔女エキドナの不老不死実験は、聖域で行われた「リューズ・ビルマ」の複製体(リューズ・メイエル、シーマ、アルマ、デルマ、ベータら)の創造とも繋がる、彼女の「知識欲」を象徴する研究であった。襟ドナはその系譜の中で「精霊型のコピー」として作られた存在であり、口調や思考パターンは魔女エキドナにそっくりだとされる。
実際、襟ドナがアナスタシアの体を借りて顕現した際の語り口は、Arc4「聖域編」で描かれた魔女エキドナと酷似している。皮肉混じりの言い回し、知識を披露する楽しげな態度――どれも本物の「強欲の魔女」の面影をなぞっている。聖域の真実についてはベアトリス(エキドナが生んだ大精霊)の記事も併せて読むと理解が深まる。
本物のエキドナとの違い──なぜ「失敗作」と呼ばれたか
ただし襟ドナは魔女エキドナそのものではない。あくまで魔女が「自分の一部」を切り出して精霊化した存在であり、本物ほどの全能感や知識量を持たない。さらに以下のような「欠陥」を抱えている。
- 魔法を自力で行使できない──単体ではマナを操れず、アナスタシアのオドを借りる必要がある
- 人間と通常の精霊契約を結べない──契約に必要な手順や互換性が欠けている
- 「強欲」の権能を継承していない──魔女因子を持たないため、魔女としての力は使えない
- 本物の記憶をほぼ持たない──エキドナの知識は宿すが、「エキドナ本人」の記憶や経験は持っていない
これらの欠陥ゆえに、襟ドナは「失敗作」とみなされ、長く誰にも引き取られず孤独に存在していた。その襟ドナを救ったのがアナスタシアだった、というのが前述の出会いの物語である。
【最重要】襟ドナ・オメガ・魔女エキドナ──「三人のエキドナ」の違い
リゼロを観進めると、多くの読者が必ずぶつかる疑問がある。「アナスタシアの襟巻きと、聖域で復活した『オメガ』と、強欲の魔女エキドナ――なぜ全部『エキドナ』なのか?同一人物なのか?」結論を先に言えば、襟ドナとオメガは別個体であり、混同は禁物だ。三者の関係を表で整理する。
| 呼称 | 正体 | 登場 | 関係 |
|---|---|---|---|
| 魔女エキドナ | 四百年前の強欲の魔女・本体(霊体) | Arc4 茶会 | すべての大本。400年前にサテラに殺された |
| オメガ(リューズ・オメガ) | 魔女エキドナがリューズの肉体に魂を移して復活した転生体=ほぼ本人 | Arc4ラスト〜Arc6監視塔 | 「最後のリューズ」を名乗る。魔女本人の知識・記憶を持つ |
| 襟ドナ(人工精霊エキドナ) | 魔女エキドナが実験で生んだ人工精霊。アナスタシアの襟巻き | Arc4〜(アナスタシア陣営) | 魔女本人ではない。記憶もほぼ持たない別個体 |
オメガ=魔女エキドナ「本人」の復活体
オメガとは、聖域編のラストで魔女エキドナが復活を遂げた姿である。エキドナはリューズ・シーマの肉体を奪い、さらに魂の形が同じ本物のリューズ・メイエルの肉体へ魂を移すことで完全な転生を果たした。「オメガ」という名は、スバルから聞いたギリシャ文字の最後の文字に由来し、「最後のリューズ」を意味する。つまりオメガは魔女エキドナの知識も記憶も引き継いだほぼ本人であり、聖域を出て世界に再臨し、五人の魔女の魂を回収して暗躍する。詳細は「リゼロ」オメガとは?聖域を出て世界に再臨した少女の目的を参照。
襟ドナ=魔女の「コピー」だが本人ではない別個体
一方、アナスタシアの襟巻きである襟ドナは、魔女エキドナが実験で作り出した人工精霊にすぎない。エキドナの知識の断片は宿すものの、本人の記憶や経験はほぼ持たず、性格も本物より穏やかだ。オメガ(=魔女本人)と襟ドナ(=人工精霊)は、同じ「エキドナ」の名を持つだけの完全な別個体である。この区別を押さえておくと、聖域編・監視塔編の物語が一気にクリアになる。
魂の侵食──Arc5プリステラで始まった「入れ替わり」
襟ドナとアナスタシアの関係が物語上の重大な転換点を迎えるのが、Arc5「水門都市プリステラ編」だ。ここで二人は「ひとつの肉体に二つの意識」という究極の関係に至り、それがArc6「プレアデス監視塔編」全体に重くのしかかる。
カペラとの死闘で襟ドナに体を委ねた
Arc5プリステラ編にて、色欲の大罪司教カペラ・エメラダ・ルグニカが現れた際、アナスタシアは強敵に対抗する手段として、襟ドナに自らの肉体を委ねて戦う決断をした。マナを操れない襟ドナがアナスタシアのオド(生命力)を使って魔法を振るう――一体化こそが、二人が強敵に立ち向かう唯一の方法だったのだ。
しかしこの戦いで、騎士ユリウスは暴食の大罪司教ライ・バテンカイトスに「名前」と「記憶」を喰われ、人々の記憶から消えてしまう。事態は混乱を極め、戦闘の終結後もアナスタシアは元の意識を取り戻せず、肉体には襟ドナが居座ったままになってしまった。
オドを削り続ける──「事実上の死」と呼ばれた状態
問題は、襟ドナがアナスタシアの肉体を保持し続ける限り、アナスタシアのオド(=寿命そのもの。一度消費すると二度と戻らない生命の核)が削られ続けることだった。プリステラから監視塔での出来事まで、実に20日以上にわたって襟ドナが意識を保持し続けたことで、アナスタシアの寿命は相当に削られたとされる。
原作読者の間では「アナスタシアは死亡したのか?」という議論が長く続いた。本来のアナスタシアの意識が表に出られない期間が続いたため、これを事実上の「アナスタシアの死」と表現する読者もいたほどだ。プレアデス監視塔への旅は、まさにこの異常な状態を解消する手がかりを求めての旅でもあった。
Arc6プレアデス監視塔──魂の侵食からの「解放」
記憶を失ったユリウスと、中身が襟ドナのアナスタシアの肉体は、スバル一行とともに賢者シャウラが守るプレアデス監視塔へと向かう。ここから監視塔編の主要人物の一人として、襟ドナはストーリーの中心に座ることになる。
監視塔への旅──ユリウス・スバル・襟ドナの道行き
監視塔編で描かれる襟ドナの姿は印象的だ。アナスタシアの肉体を借りつつ、本人とは違う言動・物言いをするため、知らない者には完全に「別人」に見える。スバルが「襟ドナ」と呼んで区別する場面は、アニメ4期での見どころの一つになるだろう。なお、この監視塔ではもう一人の「エキドナ」――復活体オメガも重要な役割で関わってくるため、視聴者は「二人のエキドナ」を混同しないよう注意したい。
アナスタシアの帰還は第六章の最終盤・レイド戦
では、アナスタシアはいつ解放されるのか。結論は第六章の最終盤、剣聖レイド・アストレアとの戦闘中である。スバルの最終周回において、ユリウスへの想いが引き金となり、アナスタシアは自らの意思で意識を取り戻す。Web版でいえば第六章85話「グッドルーザー」前後にあたり、本人の意識が完全に回復する。
そしてアナスタシアが表に出てこなかった真の理由が、ここで明かされる。それは――暴食の権能の影響でユリウスの記憶を失うことが嫌だったから。愛ゆえの自己防衛だったのだ。襟ドナに体を委ね続けたのは、ユリウスを忘れたくないという一心からだった。この真相は多くの読者の涙を誘う、Arc6屈指の名場面となっている。
ユリウスとの関係──精霊使い同士としての襟ドナ
アナスタシア陣営における精霊使いは、騎士のユリウス・ユークリウスである。彼は「誘精の加護」を持ち、六種の準精霊(イア・クア・アロ・イク・イン・ネス)と契約する「最優の騎士」として知られる。襟ドナとユリウスの関係は、同じ「精霊」を扱う者同士という共鳴と、アナスタシアという主君を共に守る同志という二重構造で描かれる。
ユリウスから見た襟ドナ──尊重と警戒
ユリウスは襟ドナの存在を当初から知っており、アナスタシアの「相棒」として尊重してきた。一方で、襟ドナがアナスタシアの肉体を借りる行為がオドを削ることも理解しており、頻繁な使用には警戒的だった。Arc5プリステラでの戦闘以降、襟ドナがアナスタシアの体に居座り続ける状況に対し、ユリウスは騎士としての無力さを噛み締めることになる。ユリウスの精霊術と六精霊の詳細は「リゼロ」ユリウスはルグニカ王国の最優の騎士|虹色の精霊騎士となった実力を参照。Arc10での活躍はこちら。
弟ヨシュアとアナスタシア陣営
アナスタシア陣営にはもう一人、ユリウスの弟ヨシュアが文官として仕えている。記憶を失った兄を支えるヨシュアの心境は、監視塔編の余韻として読者の胸を打つ。襟ドナ・アナスタシア・ユリウス・ヨシュアという陣営の絆は、王選を勝ち抜くための強固な土台でもある。
「強欲」属性とアナスタシアの繋がり
アナスタシアの王選における立ち位置を象徴するのが、「欲しいものは欲しい」という有名なフレーズだ。これは彼女自身の人生哲学であり、王選候補者としての所信表明でもある。
「ほしいものはほしい」という王選キャッチフレーズ
アナスタシアは王選の場で、「自分は王国そのものが欲しい。だから王になる」と堂々と宣言した。これは他の候補者――エミリアの「皆が幸せに暮らせる国」、フェルトの「貴族特権の打破」、プリシラの「強き者が頂点に立つ世界」、クルシュの「武の道」――とは決定的に異なる、純粋な「所有欲」に基づく姿勢である。
この「強欲」と呼ぶに相応しい姿勢が、強欲の魔女エキドナの人工精霊である襟ドナと共に在ることと、見事に噛み合っている。アナスタシアが商売人として「もっと欲しい、もっと得たい」と渇望する姿は、まさに「知識欲の権化」エキドナの「もっと知りたい」と本質において同じ衝動なのだ。王選の全体像は別記事で詳説している。
王選における精霊の重要性
リゼロの王選という枠組みを「精霊使い陣営」という観点で見ると、5陣営のうち実に3陣営が「精霊と深く結びついた候補者・騎士」を擁していることが分かる。
| 候補者 | 陣営内の精霊使い | 関わる精霊 |
|---|---|---|
| エミリア | エミリア本人 | パック(氷の大精霊・離脱期間あり) |
| アナスタシア | アナスタシア+ユリウス | 襟ドナ+六精霊 |
| クルシュ | フェリス(治癒術師) | ― |
| プリシラ | シュルト | ― |
| フェルト | ラインハルト(精霊使いではない) | ― |
このように、リゼロの王選は「精霊と魔女の因縁」を抜きには語れない構図になっている。エミリアにパックが、ベアトリスがエキドナの娘として、そしてアナスタシアに襟ドナが――王選候補者の周囲には魔女と縁の深い精霊が点在している。襟ドナの存在は、アナスタシア陣営をエミリア陣営と並ぶ「魔女側との因縁を持つ陣営」として位置づける、極めて重要な設定なのだ。精霊とは何かの基礎も押さえておきたい。
Arc7以降の襟ドナとアナスタシア
Arc6でアナスタシアの意識が戻ったあと、襟ドナはどうなったのか。Arc7「ヴォラキア帝国編」以降、アナスタシアと襟ドナはルグニカに残り、カララギとの外交や王選参加者としての交渉に従事しているとされ、物語の表舞台には頻繁には現れない。Arc7はスバル・レム・アベル(ヴィンセント)たちのヴォラキア帝国脱出劇が主軸であるため、アナスタシア陣営はサブ的な動きに留まっている。
そして物語はArc10「獅子王の国」へ。アナスタシアと襟ドナがArc10でどう動いたかは「リゼロ」アナスタシアはArc10でどう活躍した?で詳しく解説している。なお原作は2025年12月25日刊行の43巻で第九章が終幕し、2026年3月発売の44巻からArc10「獅子王の国」へと突入した。襟ドナの本格再登場の行方も、今後の見どころだ。
名言・印象的シーン3選
1. プリステラでの「ナーちゃん、後はお願いね」
大罪司教カペラとの戦闘前、アナスタシアが襟ドナに体を預ける際の台詞。このやり取りには、二人の長年の信頼と、命を懸けて互いを守る覚悟が凝縮されている。この瞬間が、後の長い「入れ替わり」の始まりだったと思うと、より一層胸に迫る。
2. 監視塔での襟ドナの皮肉
Arc6でスバルや仲間と監視塔の謎に挑む際、襟ドナはたびたび魔女エキドナを彷彿とさせる皮肉な物言いを見せる。本物の魔女との連続性を読者に強く印象付ける一方、襟ドナならではの穏やかさも垣間見える、味わい深い描写だ。
3. アナスタシアの帰還──ユリウスへの想いが呼び起こした覚醒
剣聖レイドとの戦いで、ユリウスへの想いを契機にアナスタシアが意識を取り戻す瞬間。襟ドナとアナスタシアの「役割交代」が完了し、アナスタシアらしいカララギ訛りで放たれる帰還の一言は、Arc6屈指の感動シーンとして読者の記憶に深く刻まれている。
よくある質問(FAQ)
Q. アナスタシアの襟巻きの正体は何ですか?
A. 四百年前の強欲の魔女エキドナが自分をモデルに生み出した人工精霊「エキドナ」です。スバルが付けた愛称が「襟ドナ(エリドナ)」、アナスタシアは「ナーちゃん」と呼びます。白い狐の形をしたマフラー型の精霊で、アナスタシアの首に巻きついて実体を保っています。
Q. 襟ドナと「オメガ」は同じ存在ですか?
A. いいえ、別個体です。オメガ(リューズ・オメガ)は魔女エキドナがリューズの肉体に転生して復活した「ほぼ本人」。一方、襟ドナは魔女が実験で作った人工精霊で、本人の記憶はほぼ持ちません。同じ「エキドナ」の名を持つだけで、まったく別の存在です。
Q. アナスタシアと襟ドナの「入れ替わり」はいつ起きますか?
A. Arc5「水門都市プリステラ編」のカペラとの死闘で、アナスタシアが襟ドナに体を委ねたのが発端です。戦闘後も本人の意識が戻らず、Arc6「プレアデス監視塔編」を通じて「中身が襟ドナ」の状態が続きます。
Q. アナスタシアは死亡したのですか?解放はいつ?
A. 一時的に意識を失い「事実上の死」と表現される状態になりましたが、生存しています。第六章の最終盤、剣聖レイドとの戦いの中で、ユリウスへの想いを引き金に自らの意思で意識を取り戻します(Web版第六章85話前後)。
Q. なぜアナスタシアは襟ドナに体を明け渡し続けたのですか?
A. 暴食の権能の影響でユリウスの記憶を失うことを恐れたからです。表に出れば記憶が削られる危険があったため、ユリウスを忘れたくない一心で奥に留まっていた――愛ゆえの自己防衛でした。
Q. アナスタシアの寿命が短いのは襟ドナのせい?
A. 半分は正しいです。アナスタシアは生まれつきゲートに欠陥がありマナを取り込めません。そのため襟ドナが魔法を使う際はアナスタシアの「オド(生命力=寿命)」を消費します。プリステラから監視塔までの20日以上に及ぶ意識保持で、寿命は相当に削られたとされます。
まとめ──「強欲」を背負う、もう一人のエキドナ
アナスタシア・ホーシンが首に巻く白い狐の襟巻きの正体は、四百年前の強欲の魔女エキドナが生み出した人工精霊「エキドナ(襟ドナ)」である。11歳の頃に死を覚悟していた襟ドナを救い、「家族」として迎え入れたアナスタシアにとって、襟ドナは「ナーちゃん」と呼ぶかけがえのない相棒だ。
そして忘れてはならないのが、襟ドナと「オメガ(リューズ・オメガ)」は別個体という事実。オメガは魔女エキドナ本人の復活体、襟ドナはあくまで人工精霊――同じ名を持つだけの、まったく異なる存在である。この区別こそ、聖域編・監視塔編を正しく理解する鍵だ。
Arc5プリステラに端を発する「魂の侵食(入れ替わり)」と、Arc6監視塔の終盤・レイド戦での「解放」のドラマは、ユリウスへの愛という真相とともに、リゼロ屈指の名展開として語り継がれている。アニメ4期で映像化されるこの物語を、ぜひ自分の目で確かめてほしい。
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