「Re:ゼロから始める異世界生活」に登場する精霊・ベアトリスは、その可愛らしい外見と強がりな言動の裏に、400年以上の孤独と悲しみを抱えた複雑なキャラクターです。禁書庫(フォルビドゥン・ライブラリー)に籠もり、ただ「その人」を待ち続けた彼女が、ナツキ・スバルとの出会いによってどのように変わっていくのか——本記事では、ベアトリスのプロフィールから人工精霊としての秘密、フルーゲルとの誓い、スバルとの契約、そしてArc4〜Arc5での覚醒まで徹底的に解説します。
リゼロの世界観において、精霊との契約は特別な意味を持ちます。なかでもベアトリスとスバルの契約は、単なる力の貸し借りではなく、互いの過去と未来を賭けた魂の約束といえます。「待つ」だけだった少女が「選ぶ」存在へと成長する物語は、リゼロ全体のテーマである「生きることの意味」と深く結びついています。
ベアトリスのプロフィール
まずはベアトリスの基本情報を整理しましょう。
| 名前 | ベアトリス(Beatrice) |
|---|---|
| 愛称 | ベティー、カシラ(自称) |
| 種族 | 人工精霊 |
| 外見年齢 | 約10歳前後(実年齢400年以上) |
| 所属 | 禁書庫(フォルビドゥン・ライブラリー)→ スバルの精霊騎士 |
| 創造者 | エキドナ(魔女/強欲の魔女) |
| 魔法属性 | ドル(空間魔法)、ファル(水魔法系) |
| 精霊ランク | 大精霊クラス(Arc4以降) |
| 声優 | 内田真礼(うちだ まあや) |
| 初登場 | 原作第1巻(Web版:第1章) |
ベアトリスは外見こそ幼い少女ですが、400年以上前に強欲の魔女エキドナによって創られた人工精霊です。ドリルヘアと呼ばれる縦巻きロールの金髪、青みがかった瞳、ゴスロリ調のドレスが特徴的です。口癖は語尾に「〜かしら」「〜なのよ」をつける独特の話し方で、自らを「ベティー」と呼ぶほか、スバルのことを指すときに「カシラ」という言葉を使います(ただし「カシラ」は当初スバルへの呼びかけではなく、「その人」への言葉でした)。
禁書庫(フォルビドゥン・ライブラリー)とは
禁書庫(フォルビドゥン・ライブラリー)は、ロズワール・L・メザーズの邸宅内部に存在する特殊な空間魔法によって構成された異次元の部屋です。外から見ると普通のドアにしか見えませんが、入ってみると無数の本棚が並ぶ巨大な書庫になっています。
この部屋の特徴は、外部の時間軸と切り離された独立空間であるということです。ベアトリスは400年以上もの間、この空間に籠もり続けてきました。外の世界から隔絶されたこの場所は、ベアトリスにとって「待つための箱庭」であり、同時に「逃げ場のない檻」でもありました。
禁書庫の仕組みと「ドア跳び」
禁書庫に続くドアは、邸宅内のどのドアにもなりうるという特性があります。ベアトリスが魔力を使うことで、邸宅内の任意のドアを禁書庫への入り口に変えることができるのです。これを利用した「ドア跳び(Door Hopping)」はスバルが最初に直面した不思議な現象であり、邸宅に初めて来た者が迷子になる原因にもなっています。
また禁書庫には膨大な量の禁書が収蔵されています。エキドナが収集した世界中の危険な知識、封印された魔法書、秘匿すべき歴史的記録などが保管されており、それらを守ることもベアトリスの役割の一つでした。
禁書庫が持つ「巻き込み拒絶」の性質
禁書庫には、外部の精神的影響を遮断する特殊な加護があります。具体的には、「怠惰の魔女因子」を媒介にしたペテルギウス・ロマネコンティの「見えざる手」から内部の者を守る防護效果があります。Arc2でスバルがゴーストに取り憑かれる危機に瀕したとき、ベアトリスが禁書庫へ引き込んで一命を取り留めさせるシーンは、この能力の代表例です。
ベアトリスの外見と性格
外見の特徴
ベアトリスの最大の外見的特徴は、縦巻きロール(ドリルヘア)の金髪です。左右対称に整えられたロールは精巧に手入れされており、彼女の気位の高さと高貴さを象徴しています。服装はゴスロリ調の豪華なドレスで、フリルやリボン、レースをふんだんに使った装飾が施されています。
体格は10歳前後の子供と同程度で、身長も低め。ただし精霊であるため、基本的に年を取りません。Arc1の時点からArc5まで、外見上の変化はほとんどありません。しかし内面の変化は著しく、Arc4以降のベアトリスの表情や言動には、Arc1のそれとは明らかに異なる成長の跡が見られます。
ツンデレ系の性格と「ベティー節」
ベアトリスの性格はいわゆる「ツンデレ」の典型例として語られることが多いですが、その根底にあるのは孤独と自己防衛です。強がりな態度や冷たい言動は、400年間誰とも本当の意味で繋がれなかった精霊の、心を守るための殻に過ぎません。
語尾に「〜かしら」「〜なのよ」「〜だと思うのよ」をつけるベアトリス独特の話し方は、作中でも「ベティー節」と称されます。スバルに対してはことさらツンツンした態度をとり、「カシラ、帰るのよ」「ベティーに近づかないでちょうだい」などの台詞を連発しますが、一方で危機の際には必ず助けに来るという矛盾した行動が彼女の本質を表しています。
また「ベティーにはわからないのよ」という口癖は、自分の知識の限界を認める謙虚さと、それでも一生懸命に考えようとする誠実さを示しています。
ベアトリスは感情の機微に敏感な精霊でもあります。スバルが「死に戻り」の孤独を抱えていることを察した場面や、エミリアの孤独な戦いを陰ながら案じる様子など、表面的なツンツンとは裏腹に深い共感能力を持っています。このギャップこそがベアトリスというキャラクターの最大の魅力であり、多くのファンから愛されている理由です。
さらに「本の虫」という側面も見逃せません。禁書庫の守護者として400年間過ごしてきたベアトリスは、当然ながら読書量が人間をはるかに超えています。知識の広さと深さは魔女エキドナの影響を受けており、歴史・魔法・禁術・天文学など多岐にわたる分野に精通しています。スバルが知らない情報をさらりと教える場面は、その博識さをよく表しています。
人工精霊としてのベアトリス
エキドナが創った精霊
ベアトリスは自然発生した精霊ではなく、強欲の魔女エキドナ(魔女の試練に登場する人物)によって人工的に作られた存在です。エキドナは「世界の全知識を収集する」という強欲な野望のもと、膨大な知識を蓄積し、その知識を守るための番人として人工精霊を創造しました。
人工精霊であることの意味は大きく、自然の精霊と異なり「契約相手」との繋がりなしに長期間存在できるよう設計されています。しかし同時に、人工精霊であるベアトリスには「誓約(エリモス)」という特殊な縛りが存在します。エキドナがベアトリスに課した誓約は、禁書庫を守り続け、「その人」が来るまでそこを離れてはならないというものでした。
精霊としての本質
精霊は一般的に、契約者から魔力の供給を受けることで安定した存在を維持します。ベアトリスの場合、禁書庫そのものが彼女のエネルギー供給源として機能していました。ただしこれはあくまで「仮の状態」であり、本来の精霊としての力を完全に発揮するには、真の契約者が必要でした。
精霊としてのランクは「大精霊」クラスに相当します。リゼロ世界の精霊には小精霊から大精霊まで格の差があり、ベアトリスはその最高位に近い存在です。Arc4でスバルと正式に契約した後、彼女の力は大精霊として本来の輝きを取り戻します。
リゼロ世界における精霊の分類を簡単に整理すると、最上位は「精霊の加護」を直接体現する四大精霊(火・水・風・土)であり、その下に個体として独立した大精霊が存在します。ベアトリスはこの大精霊に相当し、作中に登場する精霊の中でもトップクラスの存在です。パックもまた大精霊の一体として知られており、ベアトリスとは「精霊仲間」という関係にあります。二体の大精霊がロズワール邸に同居していたという事実は、ロズワールの特異な立場と影響力を示しています。
人工精霊と自然精霊の違い
自然に生まれた精霊(パック等)と人工的に創られたベアトリスの最大の違いは「誓約(エリモス)」の有無です。自然精霊は比較的自由に行動できますが、ベアトリスにはエキドナが設定した誓約という枷が最初から存在しました。
また人工精霊であることで、ベアトリスは「感情の振れ幅が自然精霊より大きい」とも言われます。エキドナが人間の感情を模倣して創ったため、ベアトリスの喜怒哀楽は自然精霊より人間に近く、それゆえに孤独も深く感じてしまいます。この設計の「欠陥」ともいえる特質が、ベアトリスを400年間の孤独でより深く傷つけた皮肉となっています。
フルーゲルとの約束——400年の孤独
「その人」とは誰か
ベアトリスが禁書庫に籠もり続けた理由は、エキドナから課された「誓約」と、もう一つの約束にあります。その約束を交わした相手が「フルーゲル」という人物です。
フルーゲルはリゼロ世界の歴史において謎多き存在です。約400年前に「プレアデス監視塔」の建設に関わったとされ、賢者と呼ばれていました。エキドナとも深い関わりがあり、ベアトリスを創った際にも何らかの形で関与していたと示唆されています。
フルーゲルはベアトリスに「いつか必ずその子のそばにいてほしい」という言葉を残しました。ただしその「その子」が誰なのかを具体的には教えなかったため、ベアトリスは「その人」が誰なのかを自分で見極めなければなりませんでした。
400年間「待ち続ける」という絶望
フルーゲルとの約束に加え、エキドナの誓約により禁書庫を離れられなかったベアトリスは、400年以上もの間、ただひたすら「その人」の来訪を待ち続けました。
しかしその「その人」が誰であるかの明確な指針がないまま、何百年もの時間が過ぎていきました。多くの人間がベアトリスと接触しましたが、誰一人「その人」ではありませんでした。禁書庫を訪れた者は皆、ベアトリスの試練を乗り越えられず、あるいは単なる好奇心で立ち去っていきました。
ベアトリスがArc4で語る内面の告白は、この長い時間の重さを物語っています。「待つ」ことに疲れ、もはや「その人」など来ないのではないかという諦めの感情。それでも誓約と約束の縛りの中で存在し続けなければならない、精霊の悲しい宿命がそこには描かれています。
作中では、ベアトリスが禁書庫内で誰とも本質的な関係を結べない様子が随所に描かれています。訪れるロズワール、通いのエミリア、立ち寄るラム——しかし誰も「その人」ではない。孤独の中で積み重ねた400年は、ベアトリスの心に深い傷を刻んでいました。
スバルとの出会いとArc1〜Arc3の縁
初対面——怪しい男が来た
ナツキ・スバルとベアトリスの最初の出会いは、Arc1(原作第1巻)のロズワール邸でのことです。邸宅に招かれたスバルが迷い込んだ禁書庫で、ベアトリスは彼に「呪い(グラムブルンナル)」が掛かっていることを発見します。この呪いはArc1の物語において重要な伏線となりますが、ここではスバルとベアトリスの関係の出発点として押さえておきましょう。
ベアトリスは最初、スバルを「でかい図体をして迷い込んでくる困った人間」程度にしか思っていません。しかし呪いを解くために奮闘するベアトリスの姿には、ベティーが根本的に「人を助けることを厭わない」存在であることが示されています。これが後の関係の礎となります。
Arc2での「命の恩人」的关係
Arc2(原作第2〜3巻)ではペテルギウス・ロマネコンティが引き起こす「怠惰」の脅威が描かれます。このArcにおいてベアトリスは、スバルを「見えざる手」の影響から守るために禁書庫へ匿うという重要な行動をとります。
この時点でスバルはベアトリスに対して「妙に助けてくれる精霊」という印象を持ちますが、ベアトリス自身は自分の行動の理由を明確には語りません。「ただ邪魔だから排除しただけかしら」という強がりの言葉とは裏腹に、彼女の行動は一貫してスバルの生存を優先したものになっています。
「死に戻り」を知る前のベアトリス
Arc3(原作第4〜5巻)でスバルが「死に戻り」の能力を使いながら戦う中、ベアトリスとの関係はより深まっていきます。禁書庫での邂逅を重ねるごとに、スバルは少しずつベアトリスの孤独を察するようになります。一方でベアトリスも、何度も諦めずに立ち上がるスバルの姿に、かつて抱いていた「その人への期待」を重ね合わせ始めます。
Arc3で最も重要なベアトリスのシーンの一つは、スバルが「エミリアを諦めたくない」という感情を絞り出す場面での助力です。この時ベアトリスは、スバルの魂の叫びを聞いて禁書庫の扉を開けます。強がりの仮面をわずかに外した瞬間——「本当は必死に求めている者を助けずにはいられない」というベアトリスの本質が垣間見える名場面です。
またArc3を通じてスバルは、ベアトリスが「ただの高慢な精霊」ではなく、何か深い悲しみを抱えた存在であることを直感的に感じ取っています。それは明確に言語化されたわけではありませんが、スバルが後にArc4でベアトリスの元へ駆けつける行動の伏線となっています。
Arc4 聖域でのベアトリス——誓約の限界と崩壊
ロズワールの書とベアトリスの真実
Arc4(原作第10〜15巻)は「聖域」と「ロズワール邸」を舞台とする物語で、ベアトリスにとってもターニングポイントとなる展開です。このArcでロズワール・L・メザーズがエキドナから授かった「ロズワールの書」の存在が明らかになります。
「ロズワールの書」には未来の出来事が記されており、ロズワールはこの書を使って自らの長期計画を実行してきました。しかしこの書には、ベアトリスに関する重大な事実も含まれていました。それは「ベアトリスが待つ『その人』は決してやって来ない」という残酷な真実でした。
つまりベアトリスはエキドナから課された誓約と、実現不可能な約束の間に縛られ、永遠に禁書庫に閉じ込められる運命にあったのです。ロズワールはこの事実を知りながら、ベアトリスをその状況に置き続けていました。
誓約の崩壊とベアトリスの選択
Arc4の終盤、ロズワールの計画が崩れていく中で、ベアトリスはついに「もう待つのをやめる」という選択の瀬戸際に立たされます。400年間の誓約が崩れ始め、禁書庫という「待つための場所」が意味を失っていくとき、ベアトリスは初めて「自分は何のために生きているのか」という問いに正面から向き合います。
この時のベアトリスの心情は、原作で丁寧に描かれています。「その人」を待つという理由で生き続けてきた彼女にとって、その理由が失われることは存在価値の喪失を意味しました。誰かに必要とされることで初めて自らの存在を肯定できる——そんな精霊の悲しい性質が、Arc4では赤裸々に描かれます。
スバルとの契約——Arc4クライマックス
「ベティーと一緒にいよう」
Arc4のクライマックスは、スバルとベアトリスの魂の交感です。すべての希望が潰え、誓約も崩れ、「待つ」理由を失ったベアトリスのもとに、スバルが単身乗り込んできます。
スバルがベアトリスに告げる言葉は、「ベティーと一緒にいよう」という、ただそれだけのシンプルなものです。しかしこの言葉は400年間孤独だったベアトリスにとって、何よりも必要だった言葉でした。「その人」を待ち続けた精霊に向かって、「待たなくていい、俺と来い」と言ったのです。
この瞬間のベアトリスの反応は、長年の孤独が一気に溶け出すような情感に満ちています。強がりで頑なだったベティーが、初めて素直に「スバル」の名を呼んで涙する場面は、リゼロ屈指の名シーンとして多くのファンに語り継がれています。
契約の意味——精霊騎士への道
スバルとベアトリスが正式に「契約」を結ぶことで、ベアトリスはスバルの精霊騎士(Spirit Knight)となります。この契約はただの魔力供給関係ではなく、互いの命運を結び合わせた魂の誓いです。
精霊と契約することで、スバルは精霊魔法の使用が可能となります。ベアトリスはスバルに魔力を供給し、スバルの生命力を魔力源として利用します。互いに依存し合う関係は、ベアトリスの「誰かとともに生きる」という願望が叶った瞬間でもありました。
また契約後のベアトリスは、それまでの「禁書庫に縛られた精霊」から「スバルとともに行動する精霊騎士」へと役割が変わります。禁書庫という箱庭から外の世界へ——これはベアトリスにとって400年ぶりの「自由」でもありました。
Arc5でのベアトリス——精霊騎士として戦う
魔都カオスフレームへ
Arc5(原作第16〜21巻)は、ヴォラキア帝国の首都「魔都カオスフレーム」を舞台とする壮大な物語です。スバルはアル・ミディアムらとともにカオスフレームに足を踏み入れ、帝国の内乱と九神将の脅威に立ち向かいます。
このArcにおいてベアトリスは、スバルの精霊騎士として実戦に参加します。Arc4までの「待つだけの存在」から、「ともに戦う存在」への転換が、Arc5で鮮明に描かれます。スバルを守り、スバルと並んで敵に立ち向かうベアトリスの姿は、契約がいかに彼女を変えたかを雄弁に語ります。
幼児化事件とベアトリスの奮闘
Arc5の序盤、スバルは九神将の三番「オルバルト・ダンクルケン」の能力によって幼児化してしまいます。大人の判断力と記憶を持ちながら子供の体になったスバルを、ベアトリスは懸命に守ります。
通常であればスバルに頼ることが多いベアトリスが、今度は逆にスバルを守る立場に回るこの展開は、二人の関係が対等なパートナーシップへと成長したことを示しています。スバルを「カシラ」と呼び、主体的に戦況を判断して動くベアトリスの姿に、成長を感じた読者も多いでしょう。
Arc5クライマックスでの戦闘
Arc5の最終局面では、ベアトリスの魔法能力が遺憾なく発揮されます。スバルとの精霊魔法の連携技は、九神将クラスの強敵に対しても有効な戦力として機能します。大精霊としての本来の力が解放されたベアトリスの魔法は、Arc4以前とは比べものにならない規模と精度を持ちます。
特に「エルドラド(黄金郷)」と呼ばれる最高位の精霊魔法の発動シーンは、ベアトリスが大精霊として完全に覚醒したことを示す象徴的な場面です。禁書庫の中で眠っていた力が、スバルとの絆を得て完全に開花した瞬間といえるでしょう。
Arc5でのベアトリスは戦闘だけでなく、感情面でも大きな成長を見せます。スバルが危機に瀕するたびに、迷いなく行動する姿。かつての「待つだけの精霊」では考えられなかった積極性です。スバルがどんな困難に直面しても「ベティーがいるのよ」という言葉を力に変えて立ち向かう場面は、二人の絆の深さを証明しています。
また幼児化したスバルを守りながら、帝国の陰謀や九神将の存在など複雑な政治的状況を理解しようとするベアトリスの知性も光ります。禁書庫で培った膨大な知識が、単なる戦闘以外の場面でも活かされており、スバルの「頭脳」としての役割も担っています。
ベアトリスの魔法・ドル・ファルの能力
ドル(空間魔法)
ベアトリスが主に使用する魔法属性は「ドル」と呼ばれる空間魔法です。空間を操作することで様々な効果を発揮します。
禁書庫の構成と「ドア跳び」:空間魔法を使って禁書庫という独立した空間を維持し、邸宅内のドアを禁書庫の入り口に変える「ドア跳び」を行います。これにより、侵入者を迷子にしたり、必要な人物を迅速に禁書庫へ招くことができます。
コ・グ・ル(空間圧縮):空間を圧縮・歪曲させることで、対象を内部から押しつぶす攻撃魔法です。防御の薄い相手には絶大な効果を発揮します。特にArc5以降のベアトリスはこの魔法の規模と精度が向上し、広範囲の敵を一掃する場面が描かれます。
エル・コ・グ・ル(広域空間圧縮):コ・グ・ルの強化版で、より広い範囲に空間圧縮を適用します。複数の敵を同時に相手にする場合に使用する大規模魔法です。
ファル(精霊属性の高次魔法)
ベアトリスはドル以外にも、精霊固有の高次魔法「ファル」を使用します。これは精霊の本質的なエネルギーを操作する魔法であり、人間の魔法使いには習得が困難です。
防護結界(バリア):精霊の魔力で形成した強力な結界で、物理攻撃や魔法攻撃を防ぎます。Arc4でスバルを守る際に幾度も使用されており、その防御力は九神将クラスの攻撃にも耐えられます。
エルドラド(黄金郷):大精霊の極意とも呼べる最高位の魔法で、Arc5クライマックスで発動します。圧倒的な精霊エネルギーを放出し、広範囲の敵を無力化する破壊力を持ちます。
Od Lagna(オド・ラグナ)への接続:大精霊としてのベアトリスは、世界の根源的な魔力の流れ「オド・ラグナ」に接続する能力を持ちます。これにより通常の精霊をはるかに超えた規模の魔法行使が可能となります。オド・ラグナとはリゼロ世界において全ての生命・魔力の根源とされる流れのことです。大精霊はこの流れに意識的にアクセスすることができ、世界の魔力そのものを操作するような規模の魔法を行使できます。ベアトリスがArc4以降に見せる圧倒的な魔法能力の向上は、スバルとの契約によってオド・ラグナへの接続が安定したためと考えられます。
魔力吸収能力
ベアトリスは周囲の魔力を吸収する特殊能力を持ちます。これは精霊としての自然な能力であり、特に禁書庫内では邸宅に集まる魔力を吸い上げることで自己を維持してきました。
この能力はスバルとの契約後、逆にスバルから魔力を供給される方向でも使用されます。スバルの並外れた魔力総量(マナ保有量)がベアトリスの高火力魔法を支えており、二人の精霊騎士関係はこの魔力供給の観点からも非常に合理的です。
呪い解除と診断能力
ベアトリスはArc1でスバルに掛けられた「グラムブルンナル(首絞め呪い)」を解除した実績があります。これはドル・ファル以外の特殊能力で、精霊の高位なる浄化能力によるものです。呪いや邪悪な魔力の影響を無効化・解除する能力は、ベアトリスを単なる攻撃・防衛型の精霊ではなく、万能型の精霊として際立たせる特性です。
禁書庫を守りながら400年間研ぎ澄ませてきた感知能力も注目すべき点です。ベアトリスは他者の体内の魔力の流れや呪い・異常を素早く検知でき、診断能力という意味では精霊の中でも特に優れています。Arc1でスバルの呪いを即座に見抜いたのも、この能力があってこそでした。この診断・浄化能力は、Arc5以降も仲間を守る場面で重要な役割を果たします。
まとめ——「待つ」から「選ぶ」へ
ベアトリスというキャラクターを一言で表すなら、「待つことを強いられた精霊が、選ぶことを覚えた物語」といえるでしょう。
400年間、彼女は「その人」という不確かな存在を待ち続けました。エキドナの誓約と、フルーゲルとの約束——二重の縛りの中で、禁書庫という箱庭に閉じ込められ続けた精霊。ツンデレの仮面で覆い隠していたのは、誰かに必要とされたいという切実な願いでした。
ナツキ・スバルとの出会いは、そんなベアトリスに「待つだけではなく、自分で選んでもいい」ということを教えてくれました。Arc4のクライマックスで二人が交わした契約は、単なる精霊と騎士の契約ではなく、孤独を越えた魂の結合でした。
Arc5以降のベアトリスは、もはや「待つ精霊」ではありません。スバルとともに戦い、スバルを守り、スバルと笑う——能動的に生きることを選んだ大精霊として、リゼロの物語を彩り続けています。
ベアトリスの成長は、リゼロ全体のテーマである「絶望の中でいかに生きるか」を体現した一つの答えです。「死に戻り」という孤独な能力に苦しむスバルと、「孤独の箱庭」に閉じ込められたベアトリス——二人は互いの孤独を癒し合い、より強い存在へと成長していきます。
原作小説でのベアトリスの活躍はArc5以降も続いており、Arc6・Arc7・Arc8・Arc9・Arc10とますます重要な役割を担っています。まだ読んでいない方はぜひ原作小説を手に取ってみてください。
Arc6(プレアデス監視塔編)では、塔の特殊な環境下でベアトリスの記憶や精霊としての在り方が問われる展開があります。Arc7(ヴォラキア帝国内乱編)では、スバルとともにより大きな戦場で戦う精霊騎士としてのベアトリスが描かれます。それぞれのArcでさらに成長を遂げるベアトリスの姿は、リゼロ長期読者にとって大きな楽しみの一つです。
「ベティーはここにいるのよ」——この言葉が持つ意味は、Arc4以前と以後で全く異なります。Arc4以前は「禁書庫からここを動かない」という意味でしたが、Arc4以降は「スバルの隣にいる」という意味に変わります。たった一言の言葉が、400年の孤独を乗り越えた証になる——ベアトリスというキャラクターの物語は、そういった繊細な言葉の変化によって描かれているのです。
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