バルロイ・テメグリフ——「魔弾の射手」と恐れられた九神将「玖」の名は、リゼロ原作小説EX4巻から第八章に至るまで、読者の心に深く刻まれている。彼が命名した竜人マデリン・エシャルトを「良人」と慕わせ、Arc6相当のEX4で命を落とし、Arc8でゾンビとして蘇り、最後は魔核を抱いてカリヨンとともに帝都上空で爆散する——その生涯は、愛と犠牲の物語だ。本記事では、バルロイとマデリンの絆、Arc6(EX4)での死、Arc7でのマデリンによる遺志継承、Arc8の復活と最期まで、縦断的に解説する。
バルロイ・テメグリフとは?魔弾の射手の基本プロフィール
バルロイ・テメグリフは、神聖ヴォラキア帝国の九神将第「玖」(九番目)を務めた人物だ。その二つ名「魔弾の射手」が示す通り、飛龍カリヨンとの連携による超長距離狙撃を得意とし、帝国内でも随一の飛龍使いとして知られていた。容姿は浅黒い肌に鮮やかな赤い瞳を持つ、精悍な青年として描かれる。その印象はいつも飄々としており、軽口を叩きながらも要所では冷静に判断する——そんなバルロイの人間的な魅力が、多くの読者を惹きつけてやまない。
長月達平はバルロイをヴォラキア帝国キャストの中でお気に入りのキャラクターとして挙げており、その「颯爽とした男の美学(gallant and lady’s man)」を高く評価している。短い登場時間の中で強烈な印象を残すバルロイは、リゼロキャラクターの中でも特殊な立ち位置にある。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本名 | バルロイ・テメグリフ |
| 所属 | 神聖ヴォラキア帝国 九神将「玖」(元) |
| 二つ名 | 魔弾の射手 |
| 飛龍 | カリヨン(共通のオドを持つ相棒) |
| 主な登場 | EX4巻・Arc7・Arc8 |
| 関係者 | マイルズ(義兄・恩人)・マデリン・エシャルト(命名した竜人)・フロップ・オコネル(カリヨン命名の仲間) |
九神将「玖」・飛龍カリヨン・魔弾
バルロイはヴォラキア帝国に伝わる秘伝「飛龍操り」を会得した、帝国内でも約100名しかいない飛龍使いの中で最高峰の一人だ。相棒の飛龍カリヨンは幼い頃から育て上げた存在で、二者は「共通のオド(魔力の気配)」を持つまでに至った。バルロイとカリヨンが一体となって繰り出す「魔弾」は、対象の位置を精確に捉えて撃ち抜く、帝国屈指の遠距離攻撃手段である。カリヨンという名前は、バルロイとフロップ・オコネルらが孵化したカリヨンを見て考えついた名前であり、バルロイにとってカリヨンは単なる移動手段ではなく、人生を共にした相棒だ。
「飛龍操り」の秘伝を学ぶには飛龍の卵を孵化させ、その幼龍と同じ生活環境で過ごしてオドを共有化する必要がある。バルロイはカリヨンを幼龍の段階から育て、カリヨンの感覚をほとんど自分のものとして把握できるほどの絆を築いた。そのため空中での狙撃は、地上の射手とは次元の異なる精度と速度を誇る。Arc8第53話でゾンビとして蘇ったバルロイが、帝都上空の脅威を連続で撃ち落とした能力は、まさにこの長年培ってきた技術の極致だった。
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恩人マイルズとの絆
バルロイは孤児だった。強さを尊ぶヴォラキア帝国の文化の中で誰にも拾われず、餓死寸前の状態にまで追い込まれていた彼に手を差し伸べたのが義兄マイルズだった。マイルズはバルロイに食事と住む場所を与えただけでなく、秘伝「飛龍操り」を伝授し、生き方そのものを教えた。バルロイにとってマイルズは義兄であり、命の恩人であり、人生の師でもある。
マイルズはルグニカ王国への単独任務(EX4の外交密使行)の帰路、ヴォラキア帝国国境付近でラインハルト・ヴァン・アストレアと遭遇した。フェリスやクルシュ、ユリウス・ユークリウスの監視を欺くことには成功したが、生身で空中に浮かぶラインハルトの前では為す術がなかった。「不死王の秘蹟」の写し本を持ち帰ることができないまま、マイルズはルグニカの空に散った。
この死がバルロイの復讐心に火をつけた。マイルズへの思慕と、ラインハルトという圧倒的な強者への憎悪——その二つが混じり合って、EX4のバルロイを突き動かす原動力となる。カリヨンに最期の言葉を告げる際に「マイルズに先に待っていてくれ」と言えたのは、バルロイがマイルズへの想いを最後まで抱き続けていた証明だ。
Arc6(EX4)での参戦と死亡
厳密に言えばバルロイが本格的に行動するのはリゼロEX4巻(「最優紀行 流血の帝国外交」)の時点だ。このEX4の出来事はアニメの時系列では「Arc6」相当の位置に置かれており、本記事では便宜上「Arc6(EX4)」と表記する。バルロイにとってこの作戦は、復讐の機会であり、同時に最後の戦いとなった。
マイルズがラインハルトに撃墜された経緯
マイルズはヴォラキア帝国の外交密使として、ルグニカ王国に潜入し「不死王の秘蹟」の魔書写本を入手した。帰還の途中、フェリスやクルシュ、ユリウス・ユークリウスの目を欺くことには成功したが、ラインハルト・ヴァン・アストレアに発見された。ヴォラキア帝国の国境付近、飛龍に乗ったマイルズはラインハルトの圧倒的な力の前に成す術なく撃墜された。この瞬間こそが、バルロイとラインハルトの間に横たわる因縁の起点となった。
ラインハルトはマイルズを討ったことで意図せずバルロイという強烈な敵を作った。九神将「玖」としての実力を持つバルロイが復讐を誓った相手が、リゼロ世界最強の騎士と呼ばれるラインハルト・ヴァン・アストレアであるという事実は、バルロイの悲劇性をより際立たせる。「強さを尊ぶヴォラキア帝国の九神将が、最強の騎士に挑んだ」という構図は、EX4の核心にある。
復讐目的でのArc6参戦
義兄マイルズを失ったバルロイは、ラインハルトへの復讐を胸に秘めてEX4の戦場に立った。九神将「玖」としての実力と、カリヨンを駆った魔弾の射手という二つ名は伊達ではない。しかし復讐という感情は、しばしば人の判断を歪める。バルロイはラインハルトを討つという目標のために、帝国の密謀の渦中を動いた。その選択がやがて自身の死へと繋がることを、この時のバルロイは知る由もなかった。
バルロイの復讐心は、決してただの憎悪ではない。マイルズへの深い感謝と愛情が根底にあるからこそ、その怒りは純粋で揺るぎない。それがEX4のバルロイを単純な悪役には仕立てず、読者に共感を呼び起こすキャラクターとして機能させている理由だ。
ユリウスとの戦い・敗北・死亡
しかしバルロイの前に立ちはだかったのはユリウス・ユークリウスだった。ユリウスとバルロイは激しい戦闘を繰り広げ、バルロイは「魔弾の射手」の二つ名に恥じない戦いぶりを見せた。ユリウス自身も劣勢を認めるほどの激闘だったが、そこへヴィンセントの言伝を携えたフェリスが現れ、その介入で生まれたわずかな隙をユリウスが突いた。
ユリウスは「アル・クラウゼリア(全属性精霊術の極意)」を用いてカリヨンに致命傷を与え、バルロイを地に落とした。カリヨンは致命傷を受けながら、バルロイに最期の時間を与えるように力尽きた。バルロイはカリヨンの鼻を静かに撫でながら「マイルズに先に待っていてくれと伝えてほしい」と告げた。胸の左側を刺されたバルロイは、カリヨンとともに息絶えた。
ラインハルトへの復讐を果たせぬまま、バルロイはその生涯を閉じた——少なくとも、この時は。彼の死は原作EX4における最大のカタルシスの一つであり、また次のArc7・Arc8に向けての伏線でもある。「魔弾の射手」の物語は、ここで終わらない。
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マデリン・エシャルトとの絆
バルロイを語るうえでマデリン・エシャルトの存在は欠かせない。バルロイがマデリンに与えたものは「名前」だけではない——彼女の人生そのものだった。そしてマデリンにとってバルロイは、生涯を通じて心に刻み続ける唯一の「良人」である。この二者の絆は、EX4から始まりArc7・Arc8を通じて、リゼロ作中で最も純粋な「愛の物語」の一つとして語られる。
バルロイが命名した竜人マデリン
マデリンはヴォラキア帝国にある「パルゾア山」の山頂、雲海に隔てられた孤独な場所で生まれ育った竜人だ。空色の髪と金色の瞳、そして両側に生えた黒い角を持つ彼女は、龍の単為生殖に近い形で産まれた存在だ。マデリンは人の言葉も習慣も知らず、獣じみた本能で生きていた。外の世界を知らず、誰にも名前を与えられることなく、ただ山頂で孤独に時を過ごしていた。
そこへバルロイがカリヨンとともにパルゾア山の頂に飛来したのだ。初対面のマデリンは警戒こそしたが、バルロイは繰り返し山頂を訪れ、服を持参し、言葉を教え、彼女に「マデリン」という名前を与えた。「エシャルト」という苗字は後にベルステツが没落貴族の家名から授けるものだが、「マデリン」という名前こそがバルロイからの贈り物だ。名前は、その人の存在を世界に刻む行為だ。バルロイはマデリンにとって、初めて「人」として扱ってくれた存在となった。
バルロイがマデリンに名前を与えた行為は、単なる優しさではない。バルロイ自身が孤児として誰にも拾われなかった経験を持つからこそ、「名前を持つこと」「誰かに認められること」の価値を深く知っていた。マデリンへの命名には、バルロイ自身の過去への向き合いが反映されている。
「良人」と慕うマデリンの感情
マデリンはバルロイを「良人(よいひと)」と慕い続けた。その言葉には単純な好意以上のものが込められている——人として正しく生きることを教えてくれた人、自分の存在を肯定してくれた人、という深い敬愛だ。マデリンの感情は竜人としての純粋さがあり、人間的な複雑さを持たない分、その一途さは際立っている。
竜人としての寿命は人間よりはるかに長い。その長い時間のすべてを通じて、マデリンはバルロイを心に刻み続けると誓っている。「竜人としての名命(めいめい)を通じて良人を心に刻む」——これはマデリンの信仰に近い誓いであり、バルロイが死んだとしてもその誓いは消えない。
バルロイの死を知ったマデリンは、ベルステツから事実を伝えられた。なぜ彼が殺されたのか、誰がそれをやったのか——怒りと悲しみと、復讐への渇望が混じり合った感情がマデリンを突き動かした。その感情の純粋さが、マデリン・エシャルトというキャラクターの魅力の核心にある。
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バルロイの九神将「玖」をマデリンが継承した理由
バルロイの死後、九神将「玖」の座は空席となった。その席にベルステツが据えたのがマデリンだ。「エシャルト」という名前は、バルロイがかつて親しんだ没落貴族の家名をベルステツがマデリンに与えたものである。
マデリンが「玖」の継承を受け入れたのは、帝国への忠誠心からではない。バルロイが属していた場所に自分が立つことへの、彼への敬意と誓いだ。マデリンにとって九神将「玖」という立場は、バルロイの遺志を継ぐための器なのである。能力面では、バルロイが一頭のカリヨンと一体化して戦ったのに対し、マデリンは竜人としての本能を活かして大量の飛竜を操る。スケールは異なるが、「空の支配」という戦術的思想はバルロイから受け継がれたものだ。
Arc7でのマデリン(バルロイの遺志を継ぐ)
Arc7「山岳の大土蜘蛛」において、マデリンは九神将「玖」として帝国の動乱に深く関与した。その行動の根底にあるのは、常にバルロイへの想いだ。
バルロイの遺志とマデリンの行動
Arc7ではヴィンセント・ヴォラキアを巡る権力闘争が帝国全土を揺るがした。マデリンはその中で九神将としての立場を持ちながら、複雑な謀略の渦中に置かれた。彼女の行動は一見すると衝動的にも見えるが、その根幹にはバルロイが守ろうとしていたもの——大切な者のために戦う姿勢——が継承されている。
マデリンは大量の飛竜を操る能力を持ち、Arc7では空の制圧という局面で大きな力を発揮した。バルロイが飛龍カリヨン一頭と一体化して戦ったように、マデリンは竜人としての本能で多数の飛竜を束ね、空域を支配する。この能力の規模はバルロイを遥かに凌ぐが、「空を制する者が戦場を制する」という思想はバルロイから引き継がれたものだとも言える。
帝都の動乱の中でのマデリンの立場
Arc7のマデリンは、帝国内の権力争いという複雑な文脈の中で行動した。ヴォラキア帝国の皇位継承問題に絡み、九神将たちはそれぞれの判断と忠誠心に従って動いた。マデリンにとって「玖」としての行動は、バルロイが命をかけた帝国という舞台に自分が立ち続けることを意味する。
Arc7ではスバル・ナツキ、フロップ・オコネル、レム(記憶喪失)らが帝国の動乱に巻き込まれる。フロップはバルロイの飛龍カリヨンの命名にも関わった人物であり、EX4との繋がりを持つ。マデリンがバルロイへの誓いを胸に抱きながら、この時代の帝国でどう立ち回るか——Arc7のマデリンの行動は、バルロイという存在があってこそ深く理解できる。
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Arc8でのゾンビ復活
死したバルロイがArc8で再び立つ——そのシーンは、リゼロを読んできた読者に強烈な衝撃を与えた。EX4で散った「魔弾の射手」が、死してなお帝都の空を飛ぶ。それはバルロイという人物の持つ、圧倒的な存在感の証明でもある。そしてその蘇生を可能にしたのは、スフィンクスが持つ「死者復活の技術」だった。
スフィンクスのコアバグ復活
Arc8「帝都攻防戦」において、スフィンクスは独自の復活術を用いてバルロイを蘇らせた。スフィンクスが用いたのは「コアバグ」と呼ばれる小さな赤い芋虫状の虫で、この中にバルロイの魂が宿った。大地の土を素材として身体を形成する方式であり、ゾンビとして再構成されたバルロイは生前の記憶と技術の断片を保持していた。
スフィンクスはリューズ・メイエルと同型のクローン体であり、Arc8では独自の「死者を蘇らせる技術」を駆使して帝都の防衛に活用した。バルロイ以外にも複数の死者を蘇生させており、帝都水晶宮はゾンビ戦士たちによる異形の防衛線が張られていた。バルロイはその中でも特に重要な戦力として機能させられた。コアバグという方法で蘇らせるために、スフィンクスは生前のバルロイの記録——技術・記憶・戦い方——を何らかの形で収集していたとも示唆されている。
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ゾンビバルロイの姿と能力
ゾンビとして蘇ったバルロイの外見は変わり果てていた。蒼白い肌に全身のひび割れ、白濁した強膜(白目の部分)、そして金色の瞳——生ける死者の姿そのものだ。しかし、その内に秘めた技術は健在だった。飛龍カリヨンもまた、バルロイとともに蘇生されており、二者は死してなお一体として動いた。
ゾンビバルロイはスフィンクスの意志に従い、帝都水晶宮の守護を担った。驚くべきことに、その能力は死後も衰えるどころか、生前に届かなかった限界を超えた魔弾を放つことさえ可能になっていた。肉体的な苦痛や疲労を感じない死者の身体が、技術の解放を可能にしたのか——ゾンビバルロイの「魔弾」は、生前を凌駕する精度と速度を誇った。これはリゼロ作中でも屈指の皮肉であり、バルロイが最高の射手として覚醒する瞬間が「死後」だったという事実が、物語に深い陰影を与えている。
Arc8第53話「魔弾の射手」での活躍
Arc8第53話「魔弾の射手(The Magical Sharpshooter)」は、ゾンビバルロイの真骨頂が描かれる章だ。帝都水晶宮へと向かう敵が放つ空からの炎球や氷塊——そのすべてを、バルロイはカリヨンの背から放つ魔弾で撃ち落とした。一発、また一発と、帝都上空を飛び交う脅威を次々と迎撃する様は、「魔弾の射手」の名が伊達でないことを証明する。
この章では、バルロイが生前に決して到達できなかった撃墜速度と精度を、ゾンビの身でありながら発揮したことが描かれている。スフィンクスを守るという使命のために、バルロイは死してもなお最高の射手として機能し続けた。その姿は悲壮であり、同時に壮烈でもある——EX4で命を落とした「魔弾の射手」が、Arc8で再び空を翔ける。リゼロ読者にとって忘れがたいシーンの一つだ。
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Arc8第69話「許す(I Forgive You)」
Arc8第69話は「I Forgive You」というタイトルが示す通り、「許し」をめぐる物語だ。そしてそれは、バルロイとカリヨンにとって最後の章となった。「許し」という言葉が、ゾンビとして意識の断片しか持たないバルロイに何をもたらすのか——原作読者なら鳥肌立つシーンだ。
モグロとの対話
水晶宮の核心部でモグロ・ハガネの魔核が暴走し始めた。かつて九神将「壱」として帝国最強の地位に君臨したモグロもまた、Arc8でゾンビとして存在していた。その場にいたバルロイは、ゾンビとして意識の断片を保持していた。
モグロがバルロイに問いかける——「なぜ裏切ったのか(なぜそのような道を選んだのか)」と。バルロイはかすれた声で答えた。「大切な者のためだ」と。その言葉の重さが、モグロに届いた。かつて「強さだけが価値」と信じたモグロが、同じ「大切な者のため」という言葉を口にした時——二者の間に、帝国の論理を超えた共鳴が生まれた。
モグロは沈黙した後、言った。「わかった。我々は同じだ——大切な者のために。許す」と。この一言が、ゾンビとして意識を失いかけていたバルロイに奇跡をもたらした。ゾンビでありながらバルロイの瞳に生の輝きが戻った。蒼白だった頬に、かすかな血の色が差した。そしてミディアムの一撃でモグロの魔核がバルロイの手元に転がり落ちた——それがバルロイに最後の意志を実行する機会を与えた。
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魔核を抱えた最後の飛翔
バルロイは魔核を両手に抱えた。暴走すれば帝都を壊滅させかねないその核を、帝都の民から遠ざけるために——彼はカリヨンの背に飛び乗った。ゾンビでありながら、その動作に生前の「魔弾の射手」としての誇りと覚悟が宿っていた。
モグロの「許す」という言葉が、バルロイに最後の人間としての決断を与えた。もはや生きることはできない、しかし最後にできることがある——それは帝都を守ることだ。大切な者のために自分の命(死者の命でさえ)を捧げるという選択は、バルロイという人物の本質そのものだった。マデリンへの想いも、マイルズへの誓いも、カリヨンとの絆も——すべてがこの最後の飛翔に集約された。
カリヨンと共に帝都上空で爆死
バルロイとカリヨンは帝都上空へと飛翔し、そこで魔核は爆発した。帝都の頭上で白光が広がり、二つの命——ゾンビとしての命でさえ——は消えた。その爆発はモグロの魂も道連れにしたが、帝都は守られた。
カリヨンと共に死んだバルロイ。EX4での戦場でカリヨンの鼻を撫でながら「マイルズに先に待っていてくれ」と告げたあの瞬間から、二者の絆は死を超えて続いていた。Arc8の爆死は、バルロイとカリヨンが再び「一緒に」逝った瞬間であり、ある意味で最も相応しい最期だった。帝都上空の爆発は、バルロイ・テメグリフという人物の「生き様」の最後の一撃であり、「魔弾の射手」としての最後の一発でもあった。
大切な者のためだ——バルロイの最後の言葉は、マデリンへの想いも、マイルズへの誓いも、カリヨンとの絆も、すべて内包していた。
Arc8第69話以降、バルロイの記憶はモグロとともに消えた。しかしその遺志は、九神将「玖」を継いだマデリン・エシャルトの中で生き続けている。バルロイが命名した竜人が、バルロイの名を胸に、帝国の空を翔け続ける——それがバルロイ・テメグリフという人物が残したものだ。
まとめ:バルロイとマデリン、魔弾の射手が残したもの
バルロイ・テメグリフの物語は、単純な強さや忠誠心の話ではない。彼が残したのは「大切な者のために戦う」という生き方であり、その遺産はマデリン・エシャルトという形で、リゼロ世界に引き継がれた。
- EX4(Arc6相当):恩人マイルズを失い、復讐のために立つも、ユリウスとフェリスの介入に敗れ、カリヨンとともに散った。カリヨンに「マイルズに先に待っていてくれ」と告げながら息絶えた最期は、原作屈指の名シーンだ
- マデリンとの絆:命名した竜人が「良人」と慕い、「竜人としての全寿命を通じて心に刻み続ける」と誓った——バルロイが残した最大の遺産。バルロイはマデリンに名前と言葉と服と、人として生きることを与えた
- Arc7:マデリンがバルロイの九神将「玖」を継承し、バルロイの遺志——大切な者のために戦うこと——を体現した。帝国の動乱の中でも、マデリンの行動の根底にはバルロイへの想いがある
- Arc8第53話:ゾンビとして復活したバルロイが、帝都上空の脅威を全て撃ち落とした。生前を凌駕する魔弾の精度で「魔弾の射手」の真価を死後に証明した
- Arc8第69話「許す」:モグロの言葉に魂を解放され、魔核を抱いてカリヨンとともに帝都上空で爆死。「大切な者のためだ」という最後の言葉が、バルロイの全てを語る
バルロイは生きた時も、死した時も、大切な者のために動き続けた。その意志はマデリンに受け継がれ、帝都の命を守る最後の一撃として結実した。「魔弾の射手」という二つ名は、彼の技術だけでなく、その生き様そのものを言い表している。リゼロ原作を読むなら、EX4からArc8の流れでバルロイの全軌跡を追ってほしい——それだけの価値がある人物だ。
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