小説家になろう発の大人気作品「Re:ゼロから始める異世界生活」の小説第5巻のネタバレ解説です。
ネタバレを見たくない方は、ページを閉じて頂きますようお願い致します。
第4巻では、王選がいよいよ始まり、3年間の後に王を一人選ぶことが判明しました。
5人の個性的な王と騎士の間での戦いがいよいよ始まると気持ちが高まりましたが、エミリアとスバルは決別して分かれます。
スバルは、エミリアからの信頼を取り戻して、自称騎士から本物のエミリアの騎士になることができるのでしょうか?
4巻のネタバレ解説を見たい方は、「リゼロ小説4巻ネタバレ」をチェックしてください。
第一章「腐敗する精神」ネタバレ

スバルは、クルシュ・カルステイン公爵の庭園で、ヴィルヘルムに剣の指南を受けている。
召喚される前までは、剣道をかじっていたスバルだったが、ヴィルヘルムの前では赤子同然であり、何度も叩きのめされて指導を仰いでいた。
そのうち、クルシュも執務の休憩がてらその様子を見て、よくやるものだと感心した。
そして、ヴィルヘルムに日課の自分の剣の指南を頼むといい、準備をしに戻った。
ヴィルヘルムの主人はクルシュであり、そのクルシュの剣の指導は仕事の半分ほどを占めている。
スバルに割く時間が終わりを告げ、最後の1回の立会いになった。もちろん、スバルは打ちのめされて終わった
レムとスバル
スバルは、ヴィルヘルムからの剣の指導が終わると、見守ってくれているレムの膝枕に飛び込んだ。
レムは優しい声と仕草でそれを受け止め、スバルをねぎらう。
エミリアとの決別から既に3日が経過しているが、スバルは未だに何が悪かったのかと問答を繰り返すだけだった。
レムがそろそろ、と起き上がろうとしても、もう少しと引き止めて、柔らかい膝枕に沈んでいった。
ラインハルトとスバル
前日、エミリアと決別してから二日目の夜、ラインハルトがクルシュ邸に訪れた。
先日のスバルとユリウスの決闘を止められなかったことを、謝りにきたと言う。
ラインハルトは純粋だ。スバルとユリウスは、どちらも友人であり、友人同士の決闘を止められなかったことは、自分の不徳の致すことろであると言った。
そして、あの決闘には何の意味もなかったのに、ときっぱり告げたのだ。
スバルにとっては、あの決闘には大きな意味を持っていた。そこに、純粋無垢なラインハルトに無意味と断言されては、いたたまれない。
せっかくのお見舞いを切り上げ、強くドアを閉めて、その日の会合を強制的に終わらせた。
ラインハルトは、暫く王都から離れ、自分の故郷でフェルトの教育に当たるのだと言う。今回の来訪は、暫しの別れの挨拶も含まれていた。
王選が町中に告知される
スバルはレムとリンガを買いに、カドモンに来ていた。
カドモンは通常営業だが、大通りには普段見られないほどの賑わいがあった。
スバルは、カドモンに何があったのかと聞くと、王選の告知があったのだと話す。
候補者一人一人の紹介も大きな看板で告知されており、中でも公爵家のクルシュ・カルステンとアナスタシア・ホーシンは有名人で、この二人が本命だろうと言った。
エミリアの説明を見たカドモンが、ハーフエルフを王候補に据えるなんて、上も何を考えているんだと憤った。半魔なんぞ、と蔑みもした。
スバルは、その言葉に逡巡しつつも、エミリアという子はすごく良い子かもしれないだろ、と強く突っかかった。
カドモンは、あまりのスバルの剣幕に自分の言葉が過ぎたことを謝罪したが、それでも、世間一般には銀髪のハーフエルフは恐怖の対象であり、それは変わらない事実だと伝える。
気不味い雰囲気を抱えたまま、スバルとカドモンは店に戻った。
店に戻ると、レムがリンガを完売していた。カドモンの1日の売上以上の金額を、この短時間で稼いでいたのだ。
レムは、スバルの恩人だと聞いて頑張ったのだと説明し、褒めてもらうことを要求した。
スバルは、レムはやっぱり凄えなと褒めた。レムは、姉様はもっと凄いですよと自慢げに言った。
フェリスの治療
フェリスが、エミリアと約束したスバルのゲートの治療を施している。
治療中、ヴィルヘルムに剣の指南を受けるのは、ユリウスと再戦するためかと聞いたが、スバルはそうではないと答えた。
スバルも、ユリウスが情けをかけてくれたことは理解している。もう一度戦おうと思えるほど、憎んではいない。
フェリスが、そんなに頑張らなくても良いんじゃにゃい、とスバルに聞く。
同時に、治療のためのマナ干渉の力を強めた。
そこに、レムが入ってきてスバルを奪い取るようにフェリスからスバルの体を外し、抱き込んだ。
レムは、今後は自分も治療の時には同席すると宣言し、フェリスを睨む。
フェリスは今日の治療はここまでと退室しようとするが、レムに、スバルのためを思っていることは嘘じゃないと告げた。
レムも、フェリスに敵意がないことは理解している。しかし、全身のマナへの干渉は、相手を受け入れることと同義であり、その状態では相手を洗脳しやすくなってしまうのだ。
そのことを話すと、スバルは自分が変になっていないか焦ったが、その心配はなかった。
クルシュとスバル
クルシュからお呼びがかかり、スバルが晩酌のお相手をすることになった。
普段であればフェリスが務める役割ではあるのだが、今日は治療の仕事が忙しく、間に合わないそうだった。
スバルは、街中で聞いたクルシュの初陣の話をする。前党首の父が怪我をしたのち、領内にでた魔獣を撃退した話だ。
街中で評判となるほどの話で、クルシュが党首になった契機の出来事でもある。
しかし、クルシュはその過程における自分の行動を恥と感じており、スバルに辱められたと冗談交じりに言った。
クルシュは、仕返しとばかりに、縁談の誘いが増えたことを話し、それはエミリアも同じだろうと言った。
スバルは、ドギマギして固まる。その姿を見て、クルシュは笑って「許せ」と言った。
王選の期間は、諍いを避けるために候補者の婚姻は禁止されている。約束をすることはできるが。
フェリスが帰還
クルシュとスバルが楽しげに晩酌をしていると、フェリスが帰ってきた。
普段、見せないような真剣な目つきで、本来自分がいるはずのポジションにいるスバルに睨みをきかす。
クルシュは落ち着いて、待っていたよとフェリスを労う。
二人は信頼関係で結ばれており、向かう方向に迷いがない。
それに比べて、自分とエミリアの在りようは、この理想とはかけ離れており、スバルは大いに悩んでいた。
クルシュは、自分達も10年も前に同じ悩みにぶつかり、それを超えてきたことを話す。そして、できることをやるしかないのだと、アドバイスを送った。
スバルは、その言葉で目を覚ました。自分がエミリアのためにできることが、一つだけある。それを徹底してやろうと、心に決めた。
https://twitter.com/Rezero_official/status/1232662851900203009
第二章「動き出す事態とレムの意思」ネタバレ

クルシュとの晩酌の翌朝、スバルはヴィルヘルムとの稽古をつけていた。
自分の強みが死に戻りであるならば、死地こそが、戦いこそが、自分にしかできないことがある場所なのだと踏ん切りをつけた。
翌日よりも軽やかに、ヴィルヘルムに対して向かっていく。
ヴィルヘルムは、スバルに対して剣の才能はないという。自分と同じく。だから、半生を剣に捧げれば、自分のようになれるだろうと話した。
そして、今のスバルに対して、剣の心構えを説いた。戦うと決めたのであれば、敗北への一切を捨てて、力ある限り戦い抜くのだと。
スバルは、負けることを前提として戦おうとする今の気概を、ヴィルヘルムに見透かされていた。
レムとラムの共感覚
スバルとヴィルヘルムが稽古をしている場所に、焦ったレムが訪れる。話があると、スバルの心が、俄かに輝きを得た。
クルシュの執務室で、クルシュ陣営の諜報結果と、レムの共感感覚から、現在の状況の推測が行われた。
クルシュ陣営では、エミリアの領地で不穏な動きがあり、既にロズワールの命令で一部では厳戒態勢が敷かれているとのことだった。
レムは、ラムからの焦りと怒りの感情が漏れだした共感覚が伝わってきた、とのことだった。
その後、ラムからSOSの連絡がレムに入らないことを見ると、エミリアがこの自体にスバルを関与させたくない気持ちが見え隠れした。
フェリスは、今戻っても君にできることは一つもない、という。
クルシュも、スバルがこの屋敷をでた瞬間から、エミリアと敵対することを明言した。
スバルは、それでもエミリアのピンチに自分がそこに居ないことは考えられないと、二人の引き止めを振り切って、ロズワール領に戻ることを決める。
意外にも、クルシュはスバルの決断を支持し、中距離用の竜車を貸し出そうと言ってくれた。
フルールの街
屋敷から出ると、ヴィルヘルムが貸し出し可能な竜車の中で、最も足の速いものを引き連れてくれた。
スバルは、感謝を示し、クルシュ邸を後にする。
来るときは半日でこれた道だが、今は「白鯨」が発する霧が立ち込めており、通ることができない。
最短でも2日程度かかる見込みの迂回路を通らなければならない。
まずは中間の街を目指し、そこで竜車を乗り換えて、ロズワール邸に向かう。
夜中に予定していた一個手間の街、フルールに到着する。
後数時間でもう一つ先の街に辿り着くこともできるが、夜中の移動は危険が多いことや、夜中に到着しても竜車の変更や宿の手配が難しいことから、フルールで一泊し、明日の早朝にロズワール邸に出るという話になる。
早ければ、明日の夜にはロズワール邸に到着する計算だ。
宿屋での癒し
焦る気持ちが募り、スバルはなかなか寝付くことができない。
その部屋にレムが訪れ、自分も寝付けないのだという。
失礼しますと、後ろからスバルに抱きつくレム。
スバルはドギマギするが、フェリスがしていたのと同じ治療です、と説明する。
レムの治療はスバルにとって非常に心地よく、すぐに眠りについてしまった。
翌朝目覚めると、スバルは既に日が高く昇っていることに気が付いて驚愕する。急いでレムを起こそうと部屋を開けるが、既にもぬけの殻だった。
宿屋の主人に問いただすと、レムは、昨晩遅くに竜車で出ていったことが分かった。
置き手紙が残っており、今のスバル君がロズワール邸に戻るのは、あまりに危険が高すぎる。大金を宿屋に預け、スバルは何泊でも泊まれるようになっているので、レムの帰りを待っていて欲しい。という内容だった。
スバルは、レムでさえ自分の思いに理解を示してくれないことに一抹の悲しさを覚え、絶叫した。
みなさまもう、『Re:ゼロから始める異世界生活』第5巻は購入されましたでしょうか。死に戻りがスタートし、そして明確な「敵」の存在が明らかに。作品の全貌が少しずつ明らかになってきた最新刊でした。 pic.twitter.com/icQ7W8A6i9
— 『Re:ゼロから始める異世界生活』公式 (@Rezero_official) November 12, 2014
第三章「絶望という病」ネタバレ

スバルは、フルールの街でロズワール邸まで連れていってくれる竜車を探す。
しかし、レムはこのフルールの街に、竜車を貸し出す店がないこと、街を行き来する定期便も止まっていることを理解した上で、ここに宿泊することを決めていた。
スバルは、行商人ならいるはずだと、宿屋の主人にお願いをして紹介してもらう。
しかし、6人目の相手にも断られてしまった。
今は、王都が王選で盛り上がっており、行商人は王都での儲け話に乗ろうとしているのだ。
六人目の相手に、「あいつなら」と言われ、酒場に連れていかれた。そこに居たのは、朝だというのに泥酔している一人の行商人だった。
名前はオットー。スバルを交渉相手だと認識すると、だらしなかった姿をキリリと変えて、こちらを見据えた。
ロズワール邸に向かってもいいと話すオットーに、喜びを隠さないスバル。その条件として、有り金全部をふっかけて要求するが、スバルが快諾し、逆にオットーが驚くことになった。
ロズワール領へ向かう
オットーの竜車を引く地竜は、長距離型タイプのもので3日走り続けても潰れない。
オットー自身も、寝ずに走らせることを約束した。
オットーは、油を大量に仕入れて寒冷地で売りさばく予定だったものが、王選の影響か、霧の影響か、交通が遮断されてしまい、破産してしまう寸前だった。
今回の損失も、スバルからのお金で有り余る利益に変わったと喜んでいる。
スバルは、平原を渡って近道をすることはできないかと聞くが、オットーは霧がかかっていてそれは無理だという。
白鯨は、10年以上も前に大征伐団が編成されたが、壊滅の憂き目に遭ったのだ。つまり、避けるという選択肢しか、行商人には用意されていない。
スバルが仮眠をとっていると、オットーがロズワール邸が近づいてきたことを知らせるために、起こしてくれた。
スバルはようやくか、と、考えないようにしていたエミリアとの再会と、どう対峙するかにも頭を巡らせ始めた。
そのとき、地竜が急停止をした。オットーが、青ざめた表情をしている。
地竜は危険な場所の分かる動物であり、その地竜がこの先は進むことができないと怯えている。
同時に、オットー自身もこの場所の異変さ、異常な静かさに気がついていた。
金額の半分を返すから、僕はここまでにしてくださいと嘆願するオットー。事態を飲み込んだスバルは、金額は全額もらっておけと言い、ここからは走っていくと竜車を飛び出した。
アーラム村の惨劇
息も絶え絶えになるほど体力の限界になるまで走り、ようやく森を抜け、アーラム村の姿を確認する。
賑やかな声を期待していたスバルだったが、迎え入れたのは静寂だった。
村の広場には、大人たちが惨殺された死体が転がっている。
村から出ていた一本の煙は、老人を焼いていた場所から出ていたものだった。
ふと、躓いた場所に目を落とすと、見知った一人の少女、ペトラの死体が転がっていた。
スバルは、あまりの事態に叫ぶしかなかった。
先にレムが帰ったのなら、この事態を放っておくはずがない。そして、この事態を引き起こした相手が、ロズワール邸を見逃すはずがない。
悪い予感を胸に留めながら、スバルはロズワール邸に向かった。
ロズワール邸の事態
ロズワール邸の庭に入ると、レムが死んでいた。
周りには、黒い法衣をまとった怪しい人物たちの死骸も転がっている。レムは、戦って殺害されたことを知る。
レムの姿は、荷物の倉庫を守っているような姿勢をとっていた。
スバルは、恐る恐るその倉庫を開けた。その中には村の子供達がいた。
村の大人達は、子供達を逃がすために村に留まって戦い、レムは子供達を守るために、庭園に出て迎撃したのだ。
子供達は、ひとり残らず死んでいた。
スバルは、ロズワール邸の中に入り、生存者を探す。
いつもならすぐに見つかるはずのベアトリスの禁書庫が、いくら扉を開けても出てこない。
ラムが亡くなっているのを見つけた。
綺麗な顔が、生気を完全に失っていた。
ロズワールの執務室に入ると、そこにロズワールの姿なかった。ロズワールの死に触れずに済んだことに安堵感を覚えると同時に、書棚の裏に隠し通路があることを発見した。
エミリアが、ここに逃げ込んだ可能性があると考え、通路を降りていくスバル。
地下の広間のような場所に出ると、少しひんやりとした空気が流れた。
壁伝いに手を這わせながら歩くスバル。右手の指が無くなった。
驚いて何が起きたのかと振り返ろうとすると、右足首が砕けた。
地に這いつくばったスバルは、すぐに呼吸ができなくなる。
よく見ると、壁は壁ではなく、人が凍らされた氷柱だった。
「遅すぎたんだよ」という声が聞こえた次の瞬間、スバルは凍って砕け散った。
裏側もパシャり。第5巻の影の主役はレムですよ、と言わんばかりの最新刊のレムの活躍でしたが、こちらのブックカバーはまさにその大活躍のレムを大特集したデザインとなっています。#rezero pic.twitter.com/2zpQgFD8wY
— 『Re:ゼロから始める異世界生活』公式 (@Rezero_official) November 12, 2014
第4章「狂気の外側」ネタバレ

スバルは、リンガ屋のカドモンの前に立っていた。
王選の掲示を見終わって、レムがリンガを爆売りし、カドモンが土産にリンガを持たせるために数を聞いたところだった。
スバルは、崩れ去るように倒れる。それを見て、レムがカウンターを飛んで抱きしめにいった。
スバルはレムを強く強く抱きしめる。悲しさと、喜びが渦巻きながら。
そして、ふへへへへと、不気味に笑った。
クルシュ邸でも回復の見込みが立たず
王国一の回復魔法の使い手であるフェリスに見てもらっても、スバルの容体の変化の原因は分からなかった。
体の内外の状態に関しては、今朝と何も変わらないというのだ。
これは、心が壊れてしまったのだろうと、そう結論を言い渡された。
クルシュも、フェリスがお手上げであるならば、当家でできることはもうないと言い放つ。
レムは、スバルをロズワール邸に連れ戻す決心をする。もしこの状態を回復させられるとしたら、それはエミリアだろうと考えたからだ。
レムはスバルが倒れた時、魔女の残り香が色濃くなったことに気付いていた。フェリスで原因が分からないのであれば、原因は恐らくそこにあるだろうと踏んでいた。
クルシュは、ロズワール家の求めに応えられないことに苦々しさを感じながら、長距離用の竜車を提供してくれた。
半日もあれば、ロズワール邸に戻れるようだ。
ロズワール邸に向けて出発
ヴィルヘルムにも丁重にお礼をして、レムはクルシュ家を出発する。
スバルの治療も叶わず、ロズワールからの密命も果たすことができなかった。
このまま戻れば、自分は叱責されるだろう。
また、スバルも立場をなくし、苦しい現実を突きつけられることも分かっていた。
それでも、自分だけは、レムだけは、スバルの味方でいることを心に決め、ロズワール邸を目指していく。
レムは、クルシュ家に滞在している間、スバルを独占できたことに幸せを感じていた。
今もこうして正気を失いながらも、赤子のようにレムに頼るスバルに、愛おしさを感じている。
自分の嫌な面がどんどん見えてくると、スバルと出会ってから世界が色付いたことを自覚する。
エミリアに対して、かつて自分の故郷を襲った魔女教を連想させる姿から、あくまで使用人としての立場を崩してこなかったが、今は快く思って応援している節もある。だが、スバルの目に映っているのがエミリアであることを自覚させられる度に、嫉妬も覚える、自分の複雑な胸中に思いを馳せていた。
野営
クルシュ家を出発したのが真昼頃であり、速ければ半日ほどで到着する道のりであるため、夜に到着しようというのが本来の予定であった。
しかし、長距離の休みなしでの移動は負担がかかり、スバルの体への負担も考慮すると、それほどのスピードを出すことはできなかった。
このまま行くと、到着は夜中になってしまい、ラムに共感覚で帰還を知らせることもできない。
一度野営をして、明日の明け方に出発し、午前中にロズワール邸に到着する予定に切り替えた。
スバルを竜車の中で毛布に包み、自身は外で警戒しながら、地竜と一緒に眠る。
地竜は危険に対して鼻が利き、動物としての格も高いため、地竜がいればそうそう危険に巻き込まれることがないのだ。
スバルは睡眠と覚醒の間に意識を惑わす半覚醒の状態で、周囲を警戒しながら体を休め、朝を迎えた。
体を起こして伸びをしてストレッチをしていると、自分の横にいつの間にかスバルが寄り添っていてくれたことに気付き、ビックリするレム。
顔を赤めて、これではスバルに襲われても何も抵抗できないと、乙女としての恥じらいを感じていた。
また、今まで何も反応を示せなかったスバルが、竜車から降りてレムに寄り添うという自発的な行動をとったことに、快方の傾向を見た。
異常な静けさ
レムは、午前中の到着を予定してロズワール邸に向けて竜車を走り出した。
しかし、途中から異常な静けさに警戒をする。
大きな街道から外れているとはいえ、普段なら人を見かけるはずの道に、誰一人として姿を確認できない。
また、動物や虫さえも声を潜め、音が全くしないのだ。
これは、異変が起きる前の出来事と酷似していた。
警戒しながら進むレムに、ラムからの共感覚が届く。強い怒りと不安、焦りが、普段制御している範囲を超えて、一瞬レムに届いたのだ。
王都にいれば間に合わないが、この距離ならば姉の危機に駆けつけることができると、周囲への警戒を一瞬緩めて、竜車のスピードをあげようとした。
その瞬間、地竜の首が飛んだ。
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— 『Re:ゼロから始める異世界生活』公式 (@Rezero_official) June 4, 2014
第五章「怠惰」ネタバレ

竜車は見るも無残に砕かれ、スバルは茂みに投げ出された。
黒い法衣に身をまとった12人が、スバルと竜車を囲うように位置取っている。
地竜が完全に生き絶えていることを確認すると、影とでも呼ぶべきその人物達は、注意を完全にスバルに向けた。
一人が、何かを呟く、続けて、他の人間も同じ言葉を続ける。次第に、木霊するかのように、呪文のような言葉が鳴り響いた。
スバルは、内側から何かが突き出してきそうな激しい痛みに晒され、悶えていた。
その状況を影が確認すると、スバルに対して手を伸ばした。
次の瞬間、その影は粉砕されていた。
レムは、地竜が殺された瞬間にスバルをかばい、空中でスバルが深い茂みに着地できるように投げ出した。
代わりに、自分は吹っ飛んできた竜車に直撃し、ダメージを負っていた。
レムVS影
レムは、12人いた影を確認すると、スバルには触らせないと臨戦体制に入る。
浅くはない負傷を負いながらも、半分の6人にまで影を減らすことに成功していた。
多少の負傷はあるが、これならいけると考えた矢先、影の中でも強力な力を持つ一体が急襲した。
レムは深手を受け、何とか相手を撃退したものの、左半身がほぼ感覚がない状態まで追い込まれた。
しかし、追撃がなかったことからも、残り5人に強者はいないはずだと考えた。
右手がなくなれば右足で、右足がなくなれば歯で、最後の一体まで葬り、スバルを守る。これから死にに行く理由を確認するため、スバルの方に目を向けた。が、そこに姿がない。
気付けば、目の前の相手は4人のみとなっていた。一体は、既にスバルをさらって森の奥の方へ向かって走っている。
レムは、貴様ら魔女教は、ラムの角を奪うばかりか、今死にゆく理由でさえ奪うのかと憤った。
次の瞬間、大きな爆発が起こり、レムのエプロンが燃え、消えていった。
ペテルギウス・ロマネコンティ登場
スバルを抱えた一体は、10分程度走った先に見える岩肌に呪文を唱えた。
すると、その一角が綺麗に消失し、奥深く続く洞窟が出現した。一体の影は、スバルを連れてその奥へ進んでいった。
洞窟の奥には、一人の痩せ細った男に対して、同様の姿で膝まづく影の姿があった。
スバルを連れてきた一体は、痩せ細った男にスバルを差し出した。
痩せ細った男は、スバルを見て、これほど寵愛を受けているとは、あなたは何者かと友好的に接する。
正気を失って笑っているスバルを見て、挨拶ができていなかったと自制し、自分は魔女教、大罪司教「怠惰」担当のペテルギウス・ロマネコンティであると自己紹介をした。
そして、スバルの色濃く残る魔女の気配から、今代の「強欲」担当なのではないかと質問した。
スバルは正気を失っているため、何も答えられない。
そこに影が報告に来た。間も無く一人の少女がこちらに向かってくると。
レムVSペテルギウス
レムは、動かなくなった左半身と、さらにボロボロになった血まみれの体を引きずりながら、洞窟の奥に姿を現した。
スバルの姿を見て、やっと見つけた、と呟いた。
ペテルギウスは、スバルへの愛による行動を称賛し、手放しでレムのことを褒める。
レムは、貴様らの軽薄な言葉で私の気持ちを語るなと表現し、周囲にいる魔女教徒を一層し始めた。
負傷しても圧倒的な攻撃力を前に、ペテルギウスも追い込まれているように見えたが、当の本人は余裕である。
レムの鉄球がペテルギウスを粉砕する直前、その動きが止まり、代わりにレムが持ち上げられ、粉々に砕かれた。
その時にレムが漏らした声にならない声が、ようやくスバルの心に届き、正気を取り戻した。
レムと叫ぶスバルに、スバル君と応えるレム。だが、その姿は既に致命傷だった。レムは力なく落ち、地面に叩きつけられた。
魔女教徒の動き
ペテルギウスは、レムが死んだのはスバルの行動の結果だと言う。怠惰だと言い放った。
スバルは鬼の形相で立ち向かうが、あっさりと拘束されてしまう。
ペテルギウスは部下の影達に、指の残数に関わらず、試練は予定通りの日時で実行する、と指示した。
スバルの寵愛の証が何なのか判断できないため、スバルはここに拘束して残し、脱出できるならば信徒であり、できないのならば記憶に留める価値のない存在だと言った。
そして、真っ暗闇の洞窟に拘束したスバルを残し、ペテルギウスをはじめ魔女教徒は洞窟を出ていった。
レムの死
スバルの頭の中は、ペテルギウスへの殺意で充満していた。
隔絶された暗闇と孤独は、簡単に人を狂わせる。その狂気に支配されないために、怒りの感情を絶やさなかったとも言える。
数時間が経過する頃、スバルの数メートル先に急に気配が現れた。あまりの突然の存在に恐怖するスバルだったが、冷静に状況を考えると、それがレムだろうと考え至った。
レムは這うように本当に少しずつスバルに近づき、氷の魔法でスバルの手の拘束を解いた。
今まさに絶命しようとするレムを抱きしめ、スバルはレムの名前を呼ぶ。
レムは、「生きて、だいすき」と零し、息を引き取った。
ロズワール邸と化け物
スバルは、レムを抱えながら、ロズワール邸を目指す。
どちらの方角がそうであるかなど知らなかったが、スバルはロズワール邸の最寄りの村、アーラム村にたどり着いた。
前回の周回と同じように、村は既に惨劇の場所となっていた。
前回と違うのは、子供達もこの場所で惨殺されていたことだった。
スバルは、レムを抱えたまま、ロズワール邸へと足を向ける。
庭園が見えて来た頃、突然の寒気に襲われた。
そして、自分の息も凍ったことに気付き、危険を察したが、既に遅かった。
いずれ凍って前に倒れてしまうことを予測し、レムだけは傷つけないように横にそっと置いた。
次第に体が動かなくなるが、何が起きたのかを確かめるため、最後の力で目だけを屋敷に向ける。
屋敷は倒壊し、その上には屋敷と見間違えるほど大きな猫型の動物がいた。
「愛娘と共に眠れ」その言葉を最後に、スバルは消え去った。
裏腹の気持ち
スバルが目を覚ますと、カドモンの前で横になって倒れていた。
急に足がなくなったかのように倒れたスバルを見て、カドモンが心配して声をかける。レムも心配そうに顔を出した。
平気だと応えるスバルだったが、レムの顔を見た瞬間、手を引いて強く抱きしめた。
恥ずかしがるレムをよそに、何度も、強く、抱きしめたのだ。
いきなりのことにレムは戸惑いつつも受け入れ、そしてやはり心配をした。
スバルは、そんなに心配なら手を繋いでおこうと言って、手を繋いだ。
穏やかな光景とは裏腹に、スバルの心のうちは、ペテルギウスへの憎悪で燃え盛っていた。必ずお前は俺が殺す、と。
続きの6巻のネタバレ解説はこちら
原作公式サイトでも、10巻より第4章が始まり、キャラクター紹介が更新! 3章からペテルギウスのイラストと紹介も追加! ぜひペテ公の勇姿?のご確認を。 #rezerohttps://t.co/bUCcaDVy98 pic.twitter.com/k7ssDsqZlo
— 『Re:ゼロから始める異世界生活』公式 (@Rezero_official) November 10, 2016
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