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Re:ゼロから始める異世界生活のネタバレ【小説・アニメ・漫画】

【リゼロ】ティフォン(傲慢の魔女)とは?プロフィール・権能・プリシラとの関係を解説

『Re:ゼロから始める異世界生活』に登場する七大罪魔女のなかで、もっとも「外見と権能のギャップ」が際立つ存在——それが傲慢の魔女ティフォンです。

10歳前後の幼い少女の姿で、無邪気に笑いながら近づいてくる。しかしその小さな手が触れた瞬間、相手は自身の罪悪感の重さに応じてガラスのように砕かれる。Arc4「聖域編」のお茶会シーンでスバルが右腕と両膝を粉砕されたあの衝撃の場面は、リゼロファンの記憶に深く刻まれているでしょう。

本記事では、ティフォンのプロフィール・権能「罪の裁定」の仕組み・過去・エキドナのお茶会での役割・プリシラ(傲慢の権能)との違い・魔女サテラとの関係を、原作小説の情報をもとに徹底解説します。


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目次

ティフォンとは?キャラクタープロフィール

ティフォンは約400年前の世界に存在した七大罪魔女のひとりで、「傲慢」の大罪を司ります。現在の時代では肉体を持たず、エキドナの魔水晶に魂を転写された状態で存在し、Arc4の「魔女のお茶会」や、Arc6の幻影世界でスバルの前に姿を現します。

項目 内容
名前 ティフォン(Typhon)
異名 傲慢の魔女
司る大罪 傲慢(Pride)
外見年齢 10歳前後の幼い少女
髪色・髪型 濃い緑のボブカット
瞳の色
服装 白いワンピース
権能 罪の裁定(罪悪感の大きさに応じて相手を砕く2層構造の断罪能力)
関係する魔女 エキドナ(強欲)、セクメト(怠惰)、ミネルヴァ(憤怒)、ダフネ(暴食)、カーミラ(色欲)
大罪司教 ストライド・ヴォラキア(「傲れし十戒」権能・スピンオフ登場・本編では消滅済)
初登場 原作小説Arc4「聖域編」魔女のお茶会

「傲慢」なのに傲慢に見えない逆説

ティフォンを初めて見た読者の多くが感じる違和感——それは「傲慢」という大罪名と、彼女の無垢な振る舞いがまったく合わないという点です。高慢・尊大・自己中心的、という一般的な「傲慢」のイメージとは対極にある、澄んだ目をした子供。

しかしティフォンが「傲慢」を冠する理由は、その振る舞いではなく権能の本質にあります。「自分の判断を一切疑わず、他者の罪を一方的に裁く」——これこそが、神にも等しい「傲慢」の極点だという解釈です。裁く側は自分の誤りを認めない。それがどれほど純粋な動機からであっても、断罪は断罪。傲慢そのものです。

傲慢の権能「罪の裁定」完全解説

ティフォンの権能は原作内で段階的に描写されており、大きく2層構造になっていることが知られています。

第1層:悪人か否かの判定と痛みの付与

ティフォンが相手に触れると、まず「その人間が悪人かどうか」の判定が行われます。判定基準は客観的な善悪ではなく、相手自身の罪悪感の有無と強度。「自分は何か悪いことをした」という意識を持っている者には、その強度に応じた痛みが与えられます。

重要なのは、世間的な善人かどうかは一切関係ないという点です。多くの人を救ってきた英雄でも、過去のひとつの選択に後悔を抱いていれば痛みを受ける。逆に、客観的に見て残酷な行為を重ねてきた者でも、本人に罪の自覚がなければ権能は発動しません。

第2層:罪の自覚による身体の崩壊

さらに深いレベルでは、「自分は罪を犯した」という強い自覚を持つ者の身体が、ガラスのように砕け散るという作用があります。罪悪感の軽い者は指が砕ける程度、深い者は腕・膝と大きな部位が壊れていく。最も強い罪の意識を抱える者は全身が崩れ落ちます。

Arc4のお茶会でスバルが右腕と両膝を砕かれたのは、この第2層の作用によるもの。スバルが死に戻りを繰り返す中で積み重ねた「自分のせいで誰かが死んだ」「自分は本当はもっとうまくやれたはず」という罪悪感の総量が、そのまま物理的な破壊として現れたのです。

権能の不可避性——防御手段が存在しない理由

この権能の最も恐ろしい点は、防ぐ手段がほぼ存在しないことです。物理的な防御は意味を持たない。魔法の障壁も無効。なぜなら、権能が砕くのは身体そのものではなく、罪悪感という内なる感情を物質化した何かだからです。

唯一「砕かれない」条件は、完全な無自覚——自分の行いを一切「罪」と認識しない状態です。真のサイコパス、自己の行動を完全に正当化できる独善者、動物(行動を罪と認識しない)は権能の対象外となります。しかしそれは、ある意味でティフォンの権能が「善良な人間ほど傷つく」という残酷な逆説を内包していることでもあります。

砕かれてもティフォンの「審判」は善意から来る

重要なのは、ティフォン本人がこれを「悪いこと」とまったく認識していないという事実です。彼女にとって権能の発動は、父から教わった「悪いことをした人は罰を受けるのが当然」という価値観の純粋な延長線上にあります。

Arc4のお茶会でスバルを砕いた後、ティフォンはこう続けます。「君みたいな人は悪い人じゃなくて優しい人なんだよ」——砕かれた者を責めるのではなく、砕かれたという事実をもって「あなたは罪を持ちながらも苦しんでいる善人だ」と解釈する。この視点の独自さがティフォンというキャラクターの核心です。

ティフォンの過去——処刑人の娘として育った少女

ティフォンが傲慢の権能を手にする前の幼少期は、原作Arc4で断片的に語られています。

処刑人の父が植えつけた「善悪の二元論」

ティフォンの父は、彼女が育った町で処刑人を生業にしていました。父は幼い娘に「悪いことをした人間は罰を受ける」という価値観を教えるため、まだ物心もつかぬうちから処刑の現場に同行させていました。父の意図は「人間としての善悪を教える教育」でした。

しかしティフォンにはまだ、その複雑さを処理する成熟がありませんでした。繰り返し見せられた「悪い人は壊れる」という光景は、彼女の中で単純な等式として定着します。「罪があれば壊される。それが正しい世界の姿だ」と。

父のグラスを割った記憶——権能の原型

あるとき、ティフォンは父の大切なワイングラスを誤って割ってしまいます。怖くなった彼女は父に素直に告白し、謝罪しました。父は彼女の誠実さを笑って褒め、許しました。

この小さな出来事がティフォンの権能の原理を形作りました。「悪いことをしたと自分で分かっていて正直に言える人間は、許される価値がある」「逆に、悪いことをしたと分かっていながら認めない人間は、罰を受けるべきだ」——この単純な論理が、のちの権能の判定基準として結晶化したのです。

故郷の村人を全員砕いた夜

やがてティフォンは「傲慢の魔女因子」を取り込み、権能を発現させます。自分の能力を試したかった少女は、故郷の人々ひとりひとりに「あなたには罪がありますか?」と問いかけ、罪悪感を持つ者を次々と砕いていきました。

結果は悲劇的でした。村人のほぼ全員が砕け落ちたのです。罪悪感を持たない人間など、現実にはほとんどいなかったからです。そして処刑人として多くの命を奪ってきた父もまた、積み重ねてきた罪への意識を抱えており、最愛の娘の手によって砕かれました。

ティフォンはその意味を理解せず、ただ「悪い人たちがいなくなった」と感じました。彼女に罪悪感はなかった。だから彼女自身は砕かれなかった。

放浪と最期の伝承

故郷を失ったティフォンは各地を旅しながら権能を行使し続けました。出会う人すべてに「罪があるか」を問い、答えた者を砕いていく。最終的には水門都市プリステラの大水によって溺死したと魔女教の伝承では語られています。

生涯を通じてティフォン自身に罪悪感が生まれることはなく、彼女は自らの権能で砕かれることなく、その生を終えました。

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エキドナのお茶会でのティフォン——Arc4・Arc6での役割

現在のティフォンは肉体を持たず、エキドナが作り出した特殊な空間「魔女のお茶会」にのみ姿を現します。原作Arc4とArc6でスバルはこの空間に召喚され、ティフォンと対話する機会を得ます。

Arc4:初対面で握手してスバルを砕く

Arc4「聖域編」のお茶会は計3回行われました。第1回目の後半から他の魔女たちが乱入し、ティフォンもその場に現れます。彼女はスバルに駆け寄り、無邪気に「君は悪い人?それとも良い人?」と尋ねながら右腕を掴む——その瞬間、スバルの右腕が中ほどから砕け、両膝も同時に粉砕されました。

この場面でのティフォンの発言は印象的です。「砕かれて苦しんでいる君は、悪い人じゃなくて優しい人だよ」と。砕くことと慰めることが彼女の中では矛盾しない——これがティフォンという存在の本質を端的に示しています。

スバルの罪悪感の重さが証明したこと

スバルが大きなダメージを受けたのは、Arc4時点までの彼が抱える罪悪感の総量が尋常ではなかったためです。何度も死に戻りを繰り返し、その度にレムやエミリア、ロズワール邸の人々を死なせてきた記憶——それは「自分のせいで誰かが死んだ」という自責の念として蓄積されていました。

ティフォンの権能はその積み重なった自責を可視化・物質化します。スバルが「右腕と両膝」という重要部位を失ったという事実は、逆説的にスバルの「優しさ」と「責任感の強さ」の証明でもあります。

Arc6:幻影世界でのティフォン

Arc6「タイゲタの塔」では、スバルが記憶喪失状態でプレアデス監視塔に挑む過程で、エキドナが構築した幻影世界に引き込まれます。この空間でもティフォンは姿を現し、スバルとの対話が描かれます。

Arc6のティフォンは、Arc4よりも幾分穏やかな形で描かれます。スバル——当時は記憶を失い自分が誰か分からない状態——との対話の中で、ティフォンは相手の「罪の有無」ではなく、その存在そのものへの純粋な関心を示します。

魔女のお茶会とエキドナとの関係性

ティフォンを含む魔女たちがお茶会に参加できるのは、エキドナが魂を魔水晶に封じたうえで夢幻空間に投影しているためです。ティフォンは死後もこの形で意識を保ち、スバルという稀有な訪問者との交流を通じて、自分の判断基準が世界に対してどのような影響を与えたかを、初めて第三者的に問い直す機会を得ています。

スバルとの対話が持つ意味——善意の残酷さ

リゼロのファンコミュニティでは、ティフォンについての考察が活発に行われています。特に注目されるのは「ティフォンの善意はなぜ残酷なのか」というテーマです。

罪悪感を持つ者ほど傷つく世界

ティフォンの権能が実現する世界では、自分の行動を省みる能力を持つ者ほど苦しむという逆説が生まれます。「あのとき違う選択をすれば良かった」「自分のせいで誰かが傷ついた」と深く感じる人間ほど、権能で大きなダメージを受ける。

逆に、他者への影響を一切顧みない者は傷一つ負わない。これは一般的な道徳観とは完全に逆転した構造です。ティフォンは「良い世界を作ろうとしている」のに、その手段が「良い人間をより傷つける」世界を作り出すという深い皮肉があります。

「判断を疑わない確信」が傲慢を生む

ティフォンが「傲慢」を冠する理由として、ファンの間で最も支持される解釈は「自分の判断を一切疑わない確信そのものが傲慢だ」というものです。彼女は「私の判断は正しい」「悪い人は砕かれるべきだ」を、一度も疑いません。

これは幼さゆえの単純化でもあり、処刑人の父から植えつけられた価値観の歪みでもあります。しかし同時に、それこそが「傲慢の魔女」たる所以——神ならぬ存在が神の如く裁く、その行為の絶対性そのものが「傲慢」なのです。

ティフォンの価値観がリゼロの世界に問いかけること

リゼロという作品全体を通じて、「正しいことをしているつもりの存在が引き起こす悲劇」というテーマが繰り返し描かれています。ペテルギウスの「愛の行為」、ベルステツの「強い帝国への信念」、そしてミネルヴァの「暴力による治療」——いずれも本人の信念は本物でありながら、結果として膨大な被害をもたらした事例です。

ティフォンはそのもっとも純粋な形です。悪意が皆無。欲望も皆無。ただ「悪い人は罰を受けるべき」という単純で清らかな確信だけがある。それが権能と結びついたとき、何の躊躇もなく全村人が砕かれた。

スバルが繰り返す「死に戻り」を通じて積み上げた罪悪感を、ティフォンが可視化・物質化するという構造は、リゼロというシリーズの核心テーマのひとつ——「誰かを守ろうとすることと、誰かを傷つけることは切り離せない」——と深く共鳴しています。傲慢の魔女との出会いは、スバルが自身の「罪」と向き合う一つの節目だったとも言えるでしょう。

スバルへの評価——被告にして被害者

お茶会でスバルを砕いた後、ティフォンはスバルを「砕かれたことで優しさが証明された人」として扱います。これはスバルにとって複雑な体験です。砕かれた痛みは本物でありながら、加害者から「あなたは良い人だ」と言われる。

後のスバルとティフォンの関係性は、この歪な審判体験を経た上でのものです。スバルは「怖い」と感じながらもティフォンの純粋さを認め、ティフォンはスバルを「砕かれるほど苦しんでいる優しい人」として一種の敬意を持って接します。これは七大罪魔女の中でも特異な人間関係の形です。

ティフォンとプリシラ——「傲慢」の2つの形

ティフォンを語るうえで欠かせない比較対象がプリシラ・バリエル(旧名プリスカ・ベネディクト)です。ファンの中には「ティフォンとプリシラは同一人物では?」という考察も見られますが、これは誤りです。まったくの別人です。

プリシラ・バリエルとはどんな人物か

プリシラはルグニカ王国の王選候補者のひとりで、Arc8「情愛の帝都ルプガナ決戦編」で死亡したキャラクターです。本名はプリスカ・ベネディクト、現皇帝ヴィンセント・ヴォラキアの異母妹。陽剣ヴォラキア(十大魔剣)の使い手であり、「太陽の加護」を持ちます。

プリシラの「傲慢さ」は振る舞いとして表れます。「世界は私を中心に廻っている」という確信を言動に示し、誰に対しても対等以上に振る舞う。しかしこれは400年前のティフォンが持つ権能としての「傲慢」とは本質的に異なります。

傲慢の大罪司教「ストライド・ヴォラキア」との関連

「傲慢」の魔女因子を受け継ぐ大罪司教はストライド・ヴォラキア(スピンオフ作品登場)でしたが、本編では既に消滅した存在として扱われています。「傲れし十戒」という権能を持っていたとされます。

ヴォラキア皇帝家が代々持つ「傲慢の権能」(ヴィンセントら皇族の権能)はティフォンの魔女因子と関連する血脈の力とも考察されていますが、原作では明確には語られていません。

2人が「別人」であることを理解する重要性

項目 ティフォン(傲慢の魔女) プリシラ・バリエル
時代 400年前(現在は死亡) 現代(本編主要キャラ)
外見 10歳前後の幼い少女 成熟した美女
「傲慢」の性質 権能による断罪能力 振る舞い・気質・加護
武器・能力 罪の裁定権能(触れるだけ) 陽剣ヴォラキア+太陽の加護
Arc8 関係なし(死亡済) 死亡(王選初の脱落者)
声優 アニメ未登場(原作のみ) 女性声優(アニメ出演)

混同が生じる理由のひとつは「傲慢」というキーワードが両者に共通しているためです。しかしティフォンは「傲慢の大罪魔女」として400年前に存在した歴史上の人物、プリシラは「傲慢な性格を持つ現代の王選候補者」であり、本質的な関係はありません。

サテラ(嫉妬の魔女)の暴走とティフォンの関係

リゼロの世界史において、400年前にサテラ(嫉妬の魔女)が暴走し、世界の半分を飲み込んだという出来事が語られています。このとき、残る六大魔女はサテラと対峙しました。

六魔女がサテラと戦った理由

サテラは「嫉妬」の魔女因子を持ち、その暴走によって甚大な被害をもたらしました。七大罪魔女(サテラ含む)のうち嫉妬以外の六人——エキドナ、ティフォン、ミネルヴァ、セクメト、ダフネ、カーミラ——がこれに対抗しています。

ティフォンがどのような形でサテラ暴走に関わったかは原作で詳細に語られていませんが、「罪の裁定」を持つ彼女の権能がサテラに通じたかどうかは、読者の間で考察が続いています。サテラ自身が巨大な「罪悪感」を抱えているとすれば——その罪悪感を別の形で表現したのが「嫉妬」であるとすれば——ティフォンの権能はサテラに対して特異な効果をもたらした可能性があります。

セクメトとの「母娘」関係(示唆あり)

作中ではティフォンとセクメト(怠惰の魔女)の間に「母娘のような関係」が示唆されています。セクメトは怠惰の魔女でありながら、実際の振る舞いは穏やかで哲学的。170cmの長身にマゼンタの長髪という成熟した外見を持ちます。

幼いティフォンとセクメトの関係性——力強い「怠惰」の大女と無垢な「傲慢」の少女という組み合わせ——は、七大罪魔女の中でも特に印象的な二人の在り方です。なぜセクメトがティフォンを庇護するような立場を取るのか、その背景は原作では明示されていない部分も多く、考察の余地があります。

七大罪魔女の中でのティフォンの位置づけ

ティフォンが属する七大罪魔女について整理しておきます。リゼロの大罪魔女は以下の7人(9人説もありますが主要なのは7人)です。

大罪 名前 特徴
嫉妬 サテラ 七魔女の頂点。400年前に世界の半分を飲み込んだ
強欲 エキドナ 知識欲の魔女。魔水晶でお茶会を主催する
傲慢 ティフォン 断罪の少女。罪悪感で相手を砕く権能
色欲 カーミラ 「無貌の花嫁」権能。幻惑の魔女
怠惰 セクメト ノーモーション衝撃波。穏やかな巨女
暴食 ダフネ 「飢餓の魔眼」。魔獣の生みの親
憤怒 ミネルヴァ 「憤怒の魔女」。善意で動くが最多間接被害

七大罪魔女の中でティフォンは、権能の「条件付き性質」という点で際立っています。エキドナ・セクメト・ダフネらの権能は発動条件が比較的シンプルですが、ティフォンの権能は「相手の心理状態」という不確定な要素に完全に依存しています。

この特殊性ゆえに、ティフォンの権能はある種の人間には絶対的脅威となり、別の人間には完全に無効となる。七大罪魔女の中で最も「使う相手を選ぶ」能力と言えるかもしれません。

「魔女因子」取り込みと七大罪魔女——ティフォンが魔女になった経緯

ティフォンが「傲慢の魔女」となったのは、「傲慢の魔女因子」を取り込んだためです。リゼロの世界では七大罪に対応した魔女因子が存在し、それを取り込んだ存在が「魔女」として顕現します。

魔女因子とは何か

魔女因子は特定の「大罪」を象徴する強大な魔力の塊のような存在です。これを取り込んだ者は、その大罪に対応した権能を手に入れる一方で、その大罪の性質に引き寄せられた存在へと変容します。ティフォンの場合は「傲慢」——自分の判断を絶対視し、他者を裁こうとする衝動がより強化された形で現れました。

ただし、ティフォン自身は「傲慢の魔女因子を取り込む前から」すでに処刑人の父の教育によって「悪人は砕かれるべき」という価値観が形成されていました。魔女因子の取り込みは、その既存の価値観を権能として物質化したに過ぎないとも解釈できます。

エキドナとの最初の接触

七大罪魔女たちは互いにエキドナ(強欲の魔女)との関係性が深く、お茶会という形で意識を共有しています。ティフォンがいつ、どのような経緯でエキドナの「魔水晶」に魂を収められることになったのかは、原作では詳細に語られていません。

しかしお茶会でのティフォンの振る舞いを見ると、エキドナとの関係は対立ではなく共存に近いものです。エキドナがティフォンの権能の危険性を理解したうえで、お茶会への参加を許しているという事実は、強欲の魔女なりの「計算」があったと考えるのが自然です。スバルを招いたお茶会でティフォンが「試験管」として機能した——スバルの罪悪感の深さを測る役割——という読み方もできます。

ティフォンが「傲慢」でなく「審判者」として機能した歴史

伝承によれば、ティフォンは死亡するまでの間、各地で権能を行使し続けました。彼女が通った後には「罪を持つ者は砕かれ、持たない者は生き延びた」という状況が生まれました。これは一種の「審判の巡礼」です。

現実の宗教的概念では「最後の審判」が神の専権とされますが、ティフォンは幼い少女の姿でその審判を生きた人間に対して執行し続けた。これが「傲慢」の核心——神の役割を人間が担うという、存在論的な傲慢——だという解釈は非常に示唆的です。

ティフォン関連の考察まとめ

「ティフォン」という名前の由来

「ティフォン(Typhon)」という名前は、ギリシャ神話の怪物神「テュポーン(Typhoeus / Typhon)」から来ていると考察されます。ギリシャ神話のテュポーンは天を揺るがす嵐の巨人で、ゼウスに最後に戦いを挑んだ最強の怪物として描かれます。

しかしリゼロのティフォンは、そのような「荒々しい怪物」とはまったく異なる姿で描かれています。この名前の逆説性——嵐のような破壊力を持ちながら、外見は可愛らしい幼女——は、リゼロの作者・長月達平が意図的に設計したギャップである可能性があります。

また「Typhon」は英語で「台風(Typhoon)」の語源とも関わりがあります。台風がその進路上のすべてを薙ぎ倒すように、ティフォンも出会う人すべてに権能を行使して「罪ある者」を砕いていった——この比喩も名前に込められているかもしれません。

「なぜティフォンは幼い外見なのか」考察

七大罪魔女の中で最も幼い外見を持つティフォン。この「少女としての見た目」はさまざまな意味を持つと考察されています。

第一に、無垢さの象徴として。処刑人の娘として「罪ある者は砕かれる」という概念を幼少期に刷り込まれた彼女が、その判断を全く疑わないのは「子供の純粋さ」と表裏一体です。大人になれば生まれる「価値観の揺らぎ」がティフォンには存在しない——それがあの幼い姿に表れているとも解釈できます。

第二に、権能の残酷さとの対比として。小さな少女が軽く触れただけで相手がガラスになる——このビジュアルのギャップがティフォンの権能の恐ろしさをより際立たせます。強大な怪物が破壊するより、無邪気な子供が何も感じず砕くほうが、ある意味でより深い恐怖を生む。

ストライド・ヴォラキアとの因子連鎖

傲慢の大罪司教ストライド・ヴォラキアは「傲れし十戒」という権能を持ち、ヴォラキア皇帝家の「傲慢の権能」とも関連するとされます。ティフォンの魔女因子がどのような経路でストライドに渡ったのか、そしてヴォラキア皇族の権能との関係性は、原作では明確に語られていない部分が多く、今後の展開での補完が期待されます。

Arc9以降でのティフォンの可能性

Arc4・Arc6でスバルと接触したティフォンが、Arc9以降の展開でどのような形で関わってくるかは、多くの読者が注目しているポイントです。エキドナ(強欲の魔女)がArc9でも様々な形で影響力を持ち続けることが描かれており、他の魔女たちの魂が転写された魔水晶もまた、何らかの役割を果たす可能性があります。

特に「罪の裁定」という権能は、Arc9以降の世界規模の決戦——罪悪感を持たない存在、あるいは逆に巨大な罪を抱えた存在との対峙——において、独自の機能を発揮する余地があります。

まとめ

ティフォン(傲慢の魔女)は、リゼロの七大罪魔女の中でも特に「外見と能力のギャップ」が強烈なキャラクターです。

  • 外見は10歳前後の幼い少女だが、触れた相手の罪悪感を物質化して砕く断罪能力を持つ
  • 権能「罪の裁定」は2層構造:悪人判定と痛みの付与(第1層)→罪の自覚による身体崩壊(第2層)
  • 処刑人の父の下で育ち、「悪いことをした人は砕かれる」という価値観を純粋に内面化した
  • Arc4のお茶会でスバルを右腕・両膝砕いたのは、スバルの積み重なった罪悪感の総量ゆえ
  • プリシラ・バリエル(現代キャラ)とは完全に別人——「傲慢」という言葉の共通以外に直接の関係はない
  • セクメト(怠惰の魔女)との「母娘」的関係が作中で示唆されている
  • 傲慢の大罪司教ストライド・ヴォラキアとの因子連鎖は、今後の原作展開での補完が期待される

「善意から行動しているのに誰よりも多くの被害をもたらす」という、リゼロの魔女たちに共通したテーマをもっとも鮮やかに体現しているのがティフォンです。原作を読むうえで、彼女の権能の仕組みとその背景にある価値観を理解することは、七大罪魔女という存在全体への理解を深めることにも繋がります。

リゼロ原作小説でティフォンが登場するArc4の全容は、以下の関連記事でも解説しています。


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