「Re:ゼロから始める異世界生活」第1章「王都の一日編」は、シリーズの幕開けにして、主人公ナツキ・スバルの能力「死に戻り」が読者・視聴者に明かされる、リゼロという物語の根幹を提示する重要な章です。原作小説1〜2巻、TVアニメ第1話〜第3話に該当し、たった一日の出来事の中で、スバルは異世界召喚から3度の死を経験し、最終的にエミリアの徽章を取り戻す英雄譚へと至ります。
本記事では、第1章「王都の一日編」のあらすじ・ループ詳細・主要キャラクター・伏線・名シーンを完全網羅で解説します。アニメ4期を控え、改めて第1章を振り返りたい方や、これから原作を読もうと考えている方に向けた決定版まとめです。
[注意] 第1章の核心ネタバレを含みます
本記事はリゼロ原作小説1〜2巻、アニメ第1話〜第3話「ゼロから始まる異世界生活」までの内容を全て公開しています。死に戻りの発動条件・エルザ撃退の経緯・フェルトの正体に関わる伏線まで踏み込んでいます。未読・未視聴の方はご注意ください。
第1章「王都の一日編」基本情報
第1章の基本情報を整理します。リゼロは「アーク(章)」を単位として物語が進行する作品で、第1章はその出発点に位置します。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 章タイトル | 第1章「王都の一日編」(別名:怒涛の一日目) |
| 原作小説 | 1巻〜2巻(MF文庫J) |
| 初出 | 小説家になろう(2012年4月20日連載開始) |
| 書籍刊行 | 2014年1月(1巻)/2014年3月(2巻) |
| コミカライズ | 「第一章 王都の一日編」全2巻(マツセダイチ作画) |
| TVアニメ | 1期 第1話〜第3話(2016年放送) |
| 主要舞台 | ルグニカ王国王都ルグニカ(市場・スラム街・盗品蔵) |
| 時間軸 | 異世界召喚直後〜同日深夜(約12時間) |
| ループ数 | 3回(死亡4回相当/撃退含む) |
| セーブポイント | 果物屋カドモンの店先 |
リゼロの章構成は、後の章で長大化していきますが、第1章はわずか「一日」という短い時間枠に凝縮されています。にもかかわらず、スバルの能力提示・主要ヒロインの登場・物語のメインキャストの大半が顔を揃える、極めて密度の高い章です。
第1章の章テーマ ─ 「無力な少年が手にした唯一の能力」
第1章のテーマは、現代日本から異世界へ放り込まれた少年が、無力さに直面しながらも「死に戻り」という唯一の力を頼りに状況を打開する姿を描くことにあります。
リゼロの根幹をなすこの能力は、剣も魔法も使えない普通の高校生が、「自分の死」を代償に時間を巻き戻すという極めて重い性質を持ちます。第1章は、スバルがこの能力を「便利なチート」として享受するのではなく、「誰かを救うために、自分が何度も死ぬ覚悟を必要とする呪い」として受け入れていく過程を描いた、シリーズ全体の縮図とも言える章です。
また、第1章は「銀髪の少女・エミリアとの出会い」を中心軸とし、スバルが「彼女の力になりたい」という動機を獲得するまでを描きます。後の王選編に向けた感情的な土台が、この一日の中で築かれているのです。
主要登場人物紹介
第1章で登場する主要キャラクターを整理します。シリーズの主役級が、この章で続々と初登場します。
ナツキ・スバル
本作の主人公。17歳・引きこもり気味の高校生。コンビニ帰りに突然異世界に召喚される。ジャージ姿でケータイ片手に放り出され、剣も魔法も使えない異世界基準で完全な無力な存在。しかし、第1章で死に戻り能力を獲得し、「誰かのために何度でも死ねる」という覚悟を芽生えさせていきます。
エミリア(偽名・サテラ)
ハーフエルフの銀髪美少女。スバルを路地裏で救った恩人。最愛の精霊・パックを連れている。本名を隠して「サテラ」と名乗ったことが、後の章で大きな波紋を呼ぶ伏線となる(嫉妬の魔女と同名のため)。徽章を盗まれており、その奪還に奔走する。
パック
エミリアと契約する微精霊。猫のような可愛らしい姿だが、実は「終焉の獣」の異名を持つ強大な火の上級精霊。エミリアを溺愛する「お父さん」的存在で、彼女に害をなす者には容赦がない。
フェルト
スラム街の孤児・盗人少女。15歳。エルザに依頼され、エミリアの徽章を盗む。金髪赤目という特徴的な見た目で、後にラインハルトによって王家の血を引く王選候補者として迎えられる。第1章時点では、ロム爺と二人で生きる小汚い盗人として登場。
ロム爺
スラム街の盗品蔵を営む老人。身長220cmを超える巨体の鬼人族。フェルトの保護者にして「爺ちゃん」と呼ばれる優しい大男。第1章では、エルザに襲われ重傷を負う(小説版では死亡しないループもあり)。
エルザ・グランヒルテ
本章のラスボスにして、シリーズ屈指の人気を誇る殺人鬼。異名は「腸狩り」。獲物の腸を抜き取ることに歪んだ快楽を見出すサディストで、徽章奪還の依頼を受けてフェルトを訪ねる。スバルにとって最初の「絶望」を体現する存在。
ラインハルト・ヴァン・アストレア
剣聖の家系・アストレア家の現当主にして「剣聖」の称号を持つ最強の戦士。王国近衛騎士団に所属し、王都に潜伏していたエルザを追ってフェルトの盗品蔵へ駆けつける。第1章ラストでエルザを撃退する救世主。
ループ1:異世界召喚〜エルザ襲撃で全滅
第1章の出発点。スバルが「死に戻り」を持つことを本人すら知らない状態で進む、純粋な絶望のループです。
異世界召喚と路地裏での出会い
コンビニから帰宅途中だったスバルは、突如として異世界の市場のど真ん中に放り出されます。「真田家の主人公みたいなチート」を期待してケータイをかざすも、当然圏外。為す術もなく市場をさまよい、果物屋のカドモンに恫喝されたり、リンガの実をくすねた疑いをかけられたりと散々な目に遭います。
その後、不良三人組(トンチンカン・ラチンス・カーチェ)に絡まれ、人気のない路地裏で絶体絶命のピンチに。そこを助けたのが銀髪のハーフエルフ少女・エミリアでした。彼女は精霊パックと共に魔法でスバルを救い、自分は「サテラ」と名乗ります。
徽章奪還の協力
エミリアは盗まれた徽章(エミリアにとって極めて重要な所持品)を探していました。スバルは恩返しのため、彼女と共にスラム街へ。情報屋から「金髪の小娘がロム爺の盗品蔵に出入りしている」という手がかりを得て、夜の盗品蔵へ向かいます。
盗品蔵の惨劇とエルザの登場
盗品蔵に到着したスバルとエミリアが目にしたのは、血の海に沈むロム爺と、まだ温かいフェルトの遺体。その奥から現れたのが、黒髪の妖艶な美女・エルザでした。エルザはスバルに微笑みかけ、ナイフを構えると、無造作にスバルとエミリアの腹を切り裂きます。
スバルは「サテラ」の名を呟きながら、自身の引きずり出された臓物を見つめながら絶命します。これがリゼロ第1章、最初の死。
ループ1の死亡シーン考察
このループの恐ろしさは、スバルが「死に戻り」の存在を知らないまま死んだ点にあります。読者・視聴者からすれば、ここで主人公が死んだら物語が終わってしまうという緊張感の中で、次の場面で目が覚めたスバルが事態を理解できないまま、第2のループへと突入する構図が見事です。
また、原作小説1巻のこの場面の地の文では、スバルが「自分の腸が床に零れ落ちる感触」を冷静に観察する筆致が用いられており、長月達平の文体の特徴である「痛覚を含めた身体感覚の徹底描写」が初めて発揮されたシーンとも言えます。リゼロの「死」が単なる物語的処理ではなく、精神的にも肉体的にもスバルを摩耗させていく実感を伴うものであることが、この第1のループで読者に提示されました。
そして、エルザがスバルを殺害する直前にかける「あなたの内臓、とても綺麗な色をしているのね」という台詞は、彼女が「腸狩り」と呼ばれる所以を象徴する台詞であると同時に、スバルが「自分の死は他者にとって価値のあるもの」として消費される最初の経験でもあります。これ以降、リゼロにおける死は「無駄死に」だけでなく、「他者の欲求を満たす道具としての死」という、より重い意味を持つようになっていきます。
ループ2:徽章奪還を試みるも全滅
2周目のスバルは、果物屋カドモンの前で目覚めます。手にあったポテチが消え、市場の音が初日と完全に同じ。記憶だけが残っている──スバルは少しずつ「時間が巻き戻った」ことを察します。
単独行動での盗品蔵突入
スバルは「エミリアと出会わなければ、彼女を巻き込まずに済む」と考え、単独で盗品蔵へ向かうことを決意します。ロム爺・フェルト・エルザという構図を知っているため、先回りして徽章を回収しようとしたのです。
しかし、夜の盗品蔵に着いたスバルが見たのは、やはり血の海に倒れたロム爺と、エルザの待ち伏せ。フェルトの姿はなく、徽章はすでにエルザの手中に。
エルザによる二度目の殺害
エルザはスバルを見て「あら、また会えたわね」と微笑みます。スバルは恐怖で動けず、エルザの「腸狩り」によって再び絶命。1周目と全く同じ場所、同じ手段、同じ表情で死を迎えます。
ループ2の意義
このループは、スバルに「死に戻りは便利な力ではない」「単独行動では何も変えられない」という痛烈な学習を与えます。同時に、エルザの異常な強さと、彼女の依頼主の存在(誰がエルザを送り込んだのか?)という大きな謎が浮上します。
原作小説では、ループ2の段階でスバルが「自分は時間を巻き戻している」という確信を得る心理過程が丁寧に描かれます。市場のおじさん・カドモンの「いらっしゃい!」という第一声が、ループ1と一字一句完全に同じであること。手にしていたはずのコンビニのレジ袋が消えていること。市場の鮮魚店の店員が同じ動作で魚を捌いていること──これらの「世界の繰り返し」を、スバルは身体感覚で学習していきます。
そして、ループ2でスバルが単独行動を選んだという選択は、後の章で繰り返し問われる「仲間を信頼するか/自分一人で抱え込むか」という大きなテーマの萌芽でもあります。第4章「聖域編」で、スバルが仲間に頼ることの重要性を学ぶ伏線が、第1章のここで既に提示されているのです。
また、この時のエルザの台詞「あら、また会えたわね」は、彼女が記憶を持ち越しているわけではなく、単にスバルの恐怖心を煽るための言葉ですが、初見の読者には「エルザもループしているのか?」という戦慄を与える絶妙な演出として機能しています。
ループ3:パニックと再起、そしてエルザ撃退
3周目、スバルは精神的に追い詰められた状態でセーブポイントに戻ります。前回と前々回の死の感覚がまだ生々しく残り、彼は一度錯乱状態に陥ります。
サテラの名と路地裏での死
3周目(一部の再構成では別ループ扱い)の派生として、エミリアの名を「サテラ」と公衆の面前で口にしてしまう場面が描かれます。これが原因でスバルはトンチンカン一味に襲われ、ラチンスのナイフで腰と背中を刺されて死亡します。「サテラ」という名が王国でいかにタブーかを、スバルは身をもって学びます。
正攻法での突破とエルザとの再会
最終ループ。スバルは過去2〜3度の死で得た情報を全て活用し、エミリアと共にロム爺の盗品蔵へ正面から向かいます。フェルトはまだ生きており、徽章の取引が成立する直前。そこへエルザが乱入し、戦闘へと突入します。
スバルはエルザに対して応急処置の知識・声を上げる勇気などで時間を稼ぎ、エミリアの魔法でロム爺とフェルトを庇います。それでも力の差は歴然で、スバルは再び腹を切り裂かれかけたその瞬間──。
剣聖ラインハルトの登場と撃退
「そこまでだ」
盗品蔵の壁を破って現れたのは、紅蓮の髪を持つ青年・ラインハルト・ヴァン・アストレア。剣聖の称号を持つ彼は、エルザを文字通り瞬殺寸前まで追い詰めます。エルザは撤退を選び、傷を負いながらも姿を消します。
ラインハルトの強さは、後の章で「龍剣レイドの加護を受け継ぐ」「神々の加護を持つ」と説明されますが、第1章時点では「圧倒的な何か」として描写されるのみです。彼が放つ剣戟の一閃は、エルザの「腸狩り」を一切寄せ付けず、彼女を即座に「逃走」モードへと切り替えさせます。エルザのような戦闘狂が即逃げを選ぶ事実だけで、ラインハルトの実力差を物語っているのです。
結果として、エミリアは徽章を取り戻し、フェルトはラインハルトに「王選候補者の資格」を見出され王城へ連れていかれます。フェルトの徽章への反応は、彼女がルグニカ王家の血を引く可能性を示唆しており、ラインハルトはその場で彼女を保護下に置く決断を下します。スバルは深手を負いながらも、エミリアと共にロズワール邸への招待を受け、第1章は終幕を迎えます。
この終幕は、リゼロの中でも数少ない「ハッピーエンド寄りの章末」として知られています。第2章以降は屋敷襲撃事件・白鯨戦・大兎の襲撃など、章末が常に「次の絶望への入り口」として機能していくため、第1章のようにキャラ全員が生存して次章へ続く構造は、シリーズの中で貴重なものです。
名シーン・名セリフ厳選5
第1章には、リゼロという作品の魅力を凝縮した名シーンが多数存在します。中でも特に印象深い5つを厳選しました。
1. 「俺はナツキ・スバル! お前の名前は?」
路地裏で助けられた直後のスバルが、名乗りもしないエミリアに大声で問いかけるシーン。エミリアが「サテラ」と偽名を答えたことで、第1章のみならずシリーズ全体の運命が動き出します。
2. 「俺はお前を、必ず助ける」
3周目、エミリアと共に盗品蔵へ向かう前、スバルが彼女に対して放つ決意の言葉。何度も死を経験したスバルが、初めて「自分のためではなく、誰かのために死に戻る」という覚悟を見せた瞬間です。
3. エルザ「あら、いいお腹ね。きっと美しい腸が入っているわ」
エルザの異常性を一発で印象づける名(迷)台詞。彼女の「腸狩り」という異名と倒錯的な美意識を、たった一言で表現する長月達平節。
4. パック「君が娘に手を出すなら、世界が滅んでも消し去る」
第1章ラストでパックが見せる、エミリアへの溺愛と「終焉の獣」としての側面。可愛らしい猫精霊の姿の奥にある圧倒的な力と狂気を、読者に予感させる重要な布石です。
5. ラインハルト「すまない、遅くなった」
絶望の只中に現れた剣聖の第一声。シリーズ最強格の登場を告げる象徴的なセリフであり、これ以降ラインハルトは「いつも遅刻する剣聖」というネタを背負い続けます(笑)。
第1章で張られた伏線
第1章は短い章ながら、シリーズ全体に渡る伏線が大量に仕込まれています。代表的なものを整理しましょう。
嫉妬の魔女・サテラ
エミリアが偽名として使った「サテラ」は、400年前に世界を半壊させた嫉妬の魔女と同名。エミリアがハーフエルフであることと相まって、彼女自身が「嫉妬の魔女の半身」ではないかという疑惑を生む最大の伏線です。第3章以降で核心に触れていきます。
エルザの依頼主
エルザに徽章奪取を依頼した「黒幕」の正体は第1章では明かされません。後に第3章でロズワール邸襲撃時の情報を統合すると、王選を巡る大きな勢力争いが背景にあったことが示唆されます。
フェルトの正体
金髪赤目という特徴と、徽章が反応した事実から、ラインハルトはフェルトを王家の血を引く王選候補者として迎えます。第1章ラストの数行で示されるこの伏線は、第3章以降の王選編で本格的に展開します。
パックの「終焉の獣」
第1章ラストでチラリと言及される、パックの真の力。後に第4章「聖域編」で、エミリアの死をトリガーとして世界を凍結させる規模の力として明かされます。
「魔女の残り香」と黒い影
スバルが死に戻りの直後に見る黒い影と心臓を握り潰される感覚。これが「嫉妬の魔女」がスバルに憑いている証であり、第1章の段階では正体不明の演出として描かれます。
死に戻りの仕組み解明
第1章は、リゼロの世界観の中核である「死に戻り」を、読者と共に主人公自身が学んでいく章でもあります。
発動条件
「死に戻り」は、スバルが死亡した瞬間に発動し、特定の「セーブポイント」へ時間を巻き戻します。第1章のセーブポイントは果物屋カドモンの店先で、異世界召喚直後の地点です。スバルは記憶のみを保持し、肉体的な傷や疲労はリセットされます。
制約と禁忌
第1章の段階ではまだ明示されていませんが、「死に戻りを他者に話すと、最愛の存在の心臓が握り潰される」という強烈な制約が存在します。これは第2章でレム・ラムに対して話そうとした時に発覚し、シリーズを通してスバルを苦しめる呪いとなります。
セーブポイントの仕様
セーブポイントは固定ではなく、章の進行に伴って自動的に進む仕様です。第1章は「異世界召喚直後」、第2章は「ロズワール邸到着時」というように、ストーリーの節目で更新されます。これにより、スバルは過去のループ全てをやり直す必要なく、最新の地点から再挑戦できます。
魔女の干渉
死に戻りの力は、嫉妬の魔女サテラからスバルに与えられた「愛情の証」とされます。スバルが死ぬたびに魔女の瘴気が増し、それを感知できる存在(パック・ベアトリス・レム等)からは異臭・恐怖の対象として扱われます。第1章ではこの瘴気が直接的に描写される機会は少ないものの、エミリアやパックがスバルに対して微かな違和感を覚える描写が随所に挿入されており、伏線として機能しています。
第1章の段階では、スバル自身も「死に戻り」が魔女由来の力であるとは知りません。彼にとってこの能力は「原因不明の異能」であり、便利な道具のように扱おうとしては痛い目を見る、という構図が繰り返されます。後の第3章で「魔女教」という存在が登場し、第4章でスバル自身が魔女との対話に至ることで、ようやく死に戻りの本質が明かされていきます。
アニメ版1〜3話との比較
TVアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」第1期の第1〜3話は、原作小説1〜2巻の第1章を完全映像化しています。原作と比較した上での特徴を整理します。
第1話「始まりの終わりと終わりの始まり」(50分拡大版)
通常の倍尺で放送された特別話。異世界召喚〜ループ1のエルザによる死亡までを一気に描きます。原作の冒頭部分を忠実に再現しつつ、「サテラ」名乗りの伏線を効果的に演出。エルザの登場と腸狩りシーンの恐怖描写は、アニメスタッフの怪演とも言える出来栄えです。
第2話「再会の魔女」
ループ2を中心に描写。スバルが「時間が巻き戻った」ことを徐々に理解していく心理描写が秀逸。原作小説では地の文で語られる内省を、アニメは表情・カット割り・音楽で巧みに表現しました。
第3話「ゼロから始まる異世界生活」
第1章のクライマックス。3周目のスバルがエルザを撃退するまで(ラインハルトの登場)を描写。「俺はナツキ・スバル!」のシーンと、エルザvsラインハルトの戦闘演出は、アニメ第1期屈指の名場面です。
原作との差異
アニメ版は基本的に原作に忠実ですが、いくつかの差異があります。
- ループ回数の調整:原作小説では3〜4回のループに対し、アニメでは尺の都合で3回に整理されています
- 路地裏での死亡シーン:原作にあるトンチンカン一味による死亡描写が、アニメでは回想や暗示に留められ、直接的な死亡描写は省略
- エルザ撤退の演出:原作ではより淡々と描写されるエルザの撤退が、アニメではラインハルトの剣戟との対比で劇的に演出されています
- パックの登場シーン:アニメ版はパックのキュートさを強調する作画が多く、原作よりもマスコット感が強い
原作1〜2巻と外伝・短編の差異
第1章の物語は、原作小説1〜2巻に加えて、後年に書かれた短編・外伝でも補完されています。
原作小説1巻「第一章 一度目の世界の終わり」
異世界召喚〜ループ1のエルザによる死亡まで。スバルの内省と日本での生活回想がやや多めに描写されており、引きこもり気味の17歳という設定が印象付けられます。
原作小説2巻「第一章 二度目の世界からの再起」
ループ2〜3を中心に描写。エルザ撃退・ロズワール邸への招待までを収録。スバルの心理描写がより深く、「死を繰り返すことで擦り減っていく精神」が痛切に描かれます。
外伝・短編での補完
長月達平が後年に書いた短編集(Ex・短編集シリーズ)では、第1章に関連する以下の補完描写があります。
- エルザ視点:彼女が依頼を受けた経緯と、ラインハルトへの恐怖
- フェルト視点:盗品蔵での日常と、ロム爺との関係
- ラインハルト視点:エルザを追って王都を捜索していた経緯
- エミリア視点:徽章を盗まれた経緯と、サテラ名乗りに至る心理
原作・外伝・コミカライズ・アニメで微妙に異なる描写があるため、多角的に楽しめる章でもあります。
第1章の評価 ─ シリーズの「設計図」
第1章「王都の一日編」は、リゼロというシリーズ全体の「設計図」と評される章です。短い時間枠の中に、シリーズの根幹要素が全て詰め込まれています。
評価ポイント
- 掴みの強さ:第1話の50分拡大版は、アニメ史に残る名エピソード。「異世界転生=楽園」という当時のテンプレを真っ向から覆す衝撃
- キャラ造形:スバル・エミリア・パック・エルザ・ラインハルト・フェルト・ロム爺と、シリーズの主役級が短期間に登場し、それぞれの個性が強烈に印象付けられる
- 能力提示の巧みさ:「死に戻り」の説明をしないまま3度のループを経験させ、視聴者と主人公が同時に能力を理解する構造
- 伏線の密度:サテラの名・パックの正体・フェルトの血筋・エルザの依頼主など、後の章で回収される伏線が大量
批判的視点
一方で、第1章には以下のような批判もあります。
- スバルのキャラクター造形が当時のラノベ主人公として典型的すぎる(後の章で大きく変化)
- エルザのキャラクター描写がやや過激で、初見の視聴者に拒否反応を起こさせる
- ラインハルトの登場が「ご都合主義」に見える(後にラインハルトの能力「神々の加護」が明かされ説得力が出る)
シリーズにおける位置付け
第1章は、シリーズで最も短く、かつ最も「リゼロらしさ」が凝縮された章です。ファンの中には「第1章こそリゼロの本質」と評する声も多く、後続の長大な章を読む上での基盤となる重要パートです。
第2章への繋ぎ
第1章ラスト、エルザを撃退したスバルとエミリアは、ロズワール辺境伯からの招待状を受け取ります。徽章を取り戻したエミリアは王選候補者として王都に向かう必要があり、スバルもまた、彼女を支える形でロズワール邸へ同行することになります。
第2章「屋敷の一週間編」では、舞台がルグニカ王都からロズワール邸に移り、双子のメイド・レムとラム、そして禁書庫の管理者・ベアトリスが登場。第1章の「一日」から「一週間」へと時間軸が拡張され、より長期的な死に戻りループが描かれていきます。
第1章で死に戻りの基本仕様を学んだスバルが、第2章では「呪殺事件の犯人捜し」という、より複雑な謎解きに挑むことになります。第1章を踏まえた上で第2章を読むと、スバルの精神的成長と「死に戻り」を巡る厳しい制約が、よりはっきりと見えてくるはずです。
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まとめ
「Re:ゼロから始める異世界生活」第1章「王都の一日編」は、シリーズの幕開けにして全ての要素が詰め込まれた、リゼロを語る上で外せない名章です。
- 原作1〜2巻/アニメ1〜3話に対応し、舞台はルグニカ王都の一日
- セーブポイントは果物屋カドモンの店先、ループは計3回
- 主要キャラ(スバル・エミリア・パック・フェルト・ロム爺・エルザ・ラインハルト)の初登場が集中する濃密な章
- 「死に戻り」の能力提示と、サテラ名・嫉妬の魔女などシリーズ全体の伏線が大量に張られる
- ラインハルトのエルザ撃退で幕を閉じ、ロズワール邸での第2章へと繋がる
たった一日の出来事ながら、スバルは3度の死を経験し、「誰かのために何度でも死ぬ覚悟」を初めて手にします。リゼロという作品の本質である「無力な少年が、唯一の能力で運命に抗う」というテーマが、この第1章の中に既に完成された形で提示されているのです。
原作小説1〜2巻、コミカライズ第一章編、アニメ第1〜3話、それぞれの媒体で微妙に異なる味わいがあります。すでに本編を追った方も、改めて第1章から読み返すことで、シリーズ全体への理解が一段と深まるはずです。アニメで味わいたい方は、ぜひDMM TVで第1話の50分拡大版をご堪能ください。
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- リゼロアニメ 1st season
- リゼロアニメ 2nd season
- リゼロOVA「Memory Snow」
- リゼロ劇場版「氷結の絆」
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