第四章「王の候補者と、その騎士たち」ネタバレ
フェルトは、王の間に入るや否や、ラインハルトに対してこれは何だと突っかかる。王選について、何も聞いていないらしい。
エミリアが、フェルトだと気付き、ラインハルトがかつて盗品蔵での一件の後で、驚いた理由を理解した。
フェルトがスバルに気付き、再会を嬉しそうにしながらも腹に一発強烈なパンチを見舞った。
マーコスが、そろそろこちらへと、フェルトを誘導する。
近衛騎士団全員が礼儀正しく腰を下り、王候補全員が揃ったことを報告した。
王候補
賢人会の歴々は、全員が竜の巫女としての資格があることを認めつつも、その人品に多少難があるのではと指摘した。
各王候補の騎士は、忠誠は変わらないと悠然と構えている。
マイクロトフが、一人一人の経歴を簡単に知るところから始めようと提案し、歴々が賛同する。
まずは、ラインハルトがフェルトに対して説明を始める。
ラインハルトは、1ヶ月前に、貧民街の盗品蔵で保護した人物がフェルトだと話す。
歴々は、ラインハルトを糾弾した。王を何だと思っているのかと。
竜の巫女であることに拘り、本来考えるべき王の資質が欠けている人材が揃ってしまったのだと再度主張をする。
マイクロトフが、ラインハルトに静かに尋ねる。この点に関してどうかと。
ラインハルトは、一言、「運命だ」と答えた。
マイクロトフは、その一言で理解し、静かに目を閉じた。
他の歴々がまだ騒ぐ中、マイクロトフは、フェルトをよく見るようにと諭す。
「金色の髪に紅の双眸」フェルトがこの姿と一致していることを認識した歴々は、ここでようやく黙った。
これは、王家の血筋の容姿の特徴だったのだ。
14年前に先代の王の弟のご息女が誘拐され、それ以来行方不明となっていた。それがフェルトなのではと、ラインハルトは言うのだ。
だが、当の本人のフェルトは、王様などやる気はないと言う。
そのフェルトの態度に、プリシラが突っかかっていった。始まれば妾が選ばれ、お前は自然に淘汰されるのだから、もう黙っていろと。
フェルトがさらに挑発した瞬間、プリシラの纏う空気が変わった。次の瞬間、プリシラとフェルトの間に、ラインハルトが一瞬にして移動して制止していた。
エミリアがフェルトを抱きしめ、プリシラの方を睨みつける。
プリシラは、フェルトへの謝罪を求めるエミリアに対し、ハーフエルフの魔女なのだから、貴様が生まれてきてごめんなさいと言え、と返した。
エミリアの体から力が抜けていく。プリシラも毒気を抜かれて、ようやく事態が収まった。
クルシュ
マイクロトフが賢人会の開催を宣言する。
議題は「誰が王になるか」というものだ。しかし、竜歴石には5人の巫女を集めることは書かれていても、選出方法は書かれていなかった。
選出方法を検討するにあたっても、まずは王候補一人一人の覚悟と主張を聞くことになった。マーカスが進行する。
一人目は、クルシュ・カルステン。一の騎士、フェリックス・アーガイル、通称フェリスも一緒に登壇する。
スバルは、フェリスの本名を聞いて、男らしいと零したが、ラインハルトが男だからね、と言った。スバルに衝撃が走った。
クルシュの演説が始まる。
クルシュは、ルグニカ王国を長く支えてきた名家、カルステン公爵家の現当主だ。言葉に威厳があり、安心感がある。
しかし、皆が感じる安心感を裏切るように、クルシュは自分の所信表明を始める。
自分が王になった暁には、竜との盟約を取りやめる
竜歴石の予言により、ルグニカは栄華を長年誇ってきたが、予言外の脅威に対して、無力だった。
本当の繁栄を求めるならば、我々自身が竜になる必要があるのだ、という。
ルグニカは竜のものではなく、我らのものではなく、故に、王となった場合は現在の体制を是正すると主張した。
マイクロトフがフェリスに補足があればと言を求める。
フェリスは、補足することは何もない。クルシュが正しいことは、歴史と、付き従う我々が証明していく、と宣言した。
プリシラ・バーリエル
次にプリシラとアルが壇上に上がろうとすると、侮蔑交じりに「血色の花嫁」との罵声を浴びせられた。
プリシラの家名であるバーリエルは、元の当主がライプと言い、プリシラとは年を離れているが、夫の関係であった。
手も触れたことがない本当に名ばかりの関係だったが、ライプは半年前から廃人となり、先日逝ったため、バーリエル家の財産は全てプリシラのものとなったのだ。
プリシラは、ライプの生を無価値だったとなじる。
アルについて聞かれると、アルは自ら、自分は近衛騎士団には所属しておらず、元ヴォラキア帝国所属の流れ人だと説明する。
兜の下の傷跡だらけの顔を一部見せて、こういうことだから兜を脱ぐのは勘弁して欲しいと告げた。
マーコスが、アルを「剣奴」の出身者では?と確認し、アルがそれを肯定した。
つまり、衆目の中で戦いを見世物として披露してきた人間である、ということである、十数年の経験があり、腕がないことも、顔の傷跡も、そこに原因があった。
マイクロトフやその周囲は、プリシラがアルを騎士に選んだことに戸惑いがあった。
プリシラは、妾が王になることは天意であるから、従者は誰でも良い。だから自分の好む相手を選んだ、と言い放った。貴様らも、ただ付いて来ればいいのだと。
すかさず、アルは、付いていくとどんな良いことがある?と会話を盛り上げる。
プリシラは、付いてくるということは勝者の側につくということである。欲するものを欲しいだけ得ればよい。許す。と言い放ったのだ。
アナスタシア・ホーシン
次に、アナスタシア・ホーシンと、ユリウス・ユークリウスが登壇する。
アナスタシアは関西弁で柔らかく話だし、その口調を聞いて、マイクロトフは、アナスタシアが自由交易年群のカララギ出身であることを確認した。
元々は最下層の平民出身だが、現在はホーシン商会の会長を務め、カララギを代表する一大勢力にまで育て上げている。
ルグニカ王国への進出も検討していた折、ユリウスと出会ったのだという。
ユリウスは、近衛兵騎士団の中で、団長のマーコスに次ぐ2番目の序列に位置し、「最優の騎士」と呼ばれる。そのユリウスが、アナスタシアを美辞麗句で絶賛する。
マイクロトフが王選参加の意図を聞くと、アナスタシアは自分が欲深であることを告白する。
一大勢力を誇る商会を築き上げても、まだ生の充足感を得られない。もっともっとと、欲が出る。そして、「ウチはウチの国が欲しい」と宣言した。
手に入れたものは自分の情熱の一部であり、大切にする。だから、安心して自分のものになればいいと、そう主張した。
ユリウスは、補足として、アナスタシアは欲と表現するが、それは向上心と情の深さである。そして、それこそが王に求められる資質であり、故にアナスタシア様が王として最も相応しいと考える、と話した。
エミリア
次の順番はエミリアだが、手と足が一緒に出るほど、緊張していることが如実に伝わってくる。
「半魔」と侮蔑する声も、ちらほらと聞こえてくる。
エミリアの介添人には、これまでの騎士勢からではなく、支援者であるロズワールが登壇した。
話は、エミリアの出自から始まる。が、その見た目に賢人会のボルドーが、半魔を王候補の一人としてこの場に立たせるなど、ロズワールは何を考えているのかと強く叱責した。
ロズワールは、ボルドーの言っていることは正しい。つまり、エミリアの存在は竜珠に選ばれたことのみが重要なのであり、実際に王に選ばれることはない。当て馬として考え、実質4人の王選とすれば良い、とエミリアを切り捨てたのだ。
ここでスバルが激昂する。ロズワールにふざけるなと言い放ち、謝罪をしろと要求した。
ロズワールは、ここまで場が見えていないとは思わなかった、命がいらないとはね、と言い、筆頭宮廷魔術師たる所以の強力な魔力を空間に充満させていく。
火の最上級魔法が、スバルに向かって放たれた。次の瞬間、その炎は消失した。
エミリアとパックが立ち並び、そこまでだと場を制した。パックは、ニンゲン風情が僕の愛娘に好き放題言ってくれたものだ、と怒りを表した。
マイクロトフは、パックの姿を見て、「永久凍土の終焉の獣」とつぶやく。
パックは四大精霊の一種であり、そのパックを使役するエミリアにも相応以上の力があることを、ロズワールは示したかったのだ。ここにいる全員が無事なのも、エミリアの慈悲によるものだと。
エミリアが話をしだす。エミリアは、エリオール大森林の永久凍土の世界で長年過ごし、氷結の魔女と恐れられてきた。そこで火を司る大精霊パックと出会い、現在は契約を結んでいる。
そして、私は公平さを要求すると宣告した。力を盾に、王座を奪うことは決してしない。だが、容姿を理由として、扱いに欠く対応をされることは断固として拒否すると、そう宣言した。
ボルドーは、これだけの強大な力をもってしてなお、「公平性」を重んじるエミリアに感服し、先ほどの自分の言葉について深い謝罪の意を示した。
スバル
エミリアの話がひと段落した後、マイクロトフはスバルの方に水を向けた。
エミリアが困惑するが、スバルは心を決めたという。そして、自分はエミリアの一の騎士なのだと堂々と宣言した。場の空気が凍る。
ロズワールがすかさずフォローに入り、彼は無知だからと事を収めようとするが、ユリウスが聞き捨てならないと言わんばかりに責め立てた。
いわく、騎士という名誉に、スバルは全く値しないと言った。
スバルは反論を続けるが、最後にはエミリアに止められた。
エミリアは、スバルの代わりに、賢人会の歴々に、不要な時間を取らせてしまい申し訳ない、と謝罪した。
そして、スバルは、私の従者なんかではない、とも付け加えた。
フェルト
スバルは団長のマーコスに促されて、退室して自分の情けなさに愕然としていた。
そこに、衛兵が一人の巨大な老人を連れて王座に向かう状況と遭遇する。ロム爺だった。
スバルは思わずロム爺と言いかけたが、ロム爺が貧民街の老いぼれがそんなに珍しいか、貴族の若造は良い身分だな、と吐き捨てるようなセリフでフォローした。
王座に連行されたロム爺の姿を見て、フェルトはすぐに離すように命令する。
しかし、マーコスを始め衛兵は、フェルトが王選に参加しないと表明した以上、命令を受けることはできないと突き放した。
ロム爺は、フェルトに懇願した。今のフェルトなら儂を助けることなど造作もないだろう、と。極めて情けない姿で、ただ縋るように助けを求めた。
フェルトは、誇りをなくしたら生きている価値はないと、ロム爺を助けない、と宣言した。
その時、ふとロム爺が目的を果たしたかのように笑ったが、フェルトもそれを分かっていた。
次の瞬間、王選に参加する事を宣言し、改めてロム爺を解放するように命令する。ロム爺は、フェルトがこの場に居たくないように感じている事を悟り、その後押しをするために芝居を打ったのだ。
フェルトは、ロム爺の芝居をすぐに見破り、あえてそれに乗った。そんなロム爺の愛情を確認し、彼は家族だから離せと明確にマーコスに命令し、マーコスはその命を受けた。
これで、王選の参加者5人が確定した。
期限は三年後の竜との盟約が更新される一月前、国民の総意と竜の導きを以って王を選ぶと宣言され、議会は閉幕した。
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