「Re:ゼロから始める異世界生活」Arc5「水門都市プリステラ」の死闘の果てに、ユリウス・ユークリウスは取り返しのつかない代償を払いました。暴食の大罪司教ライ・バテンカイトスの権能「蝕」によって、彼の「名前」と「記憶」は世界そのものから喰い消されてしまったのです。家族も、友も、自身が仕えた王国も、ユリウスという男のことを誰一人として覚えていない――そんな絶望的な状況からArc6「プレアデス監視塔編」は幕を開けます。
ところがユリウスは折れません。誰にも認識されない「名無しの騎士」となった彼は、それでも剣を握り、スバルに同行してプレアデス監視塔へと旅立ちます。本記事ではArc6におけるユリウスの動向、准精霊6体との関係、シャウラとの戦闘、レイド・アストレアの試験、そしてArc8「虹色の精霊騎士」覚醒への伏線までを徹底的に解説します。
- ユリウス・ユークリウスのプロフィール
- Arc5の悲劇――ライ・バテンカイトスに名前を喰われる
- Arc6開幕――「名前のない騎士」として監視塔へ
- 准精霊6体「イア・クア・イク・アロ・イン・ネス」との絆
- プレアデス監視塔の試練――シャウラとの邂逅
- 第二層の試験――「剣聖」レイド・アストレアとの一騎打ち
- Arc6を経たユリウスの変化と意義
- Arc6後――名前回復の見通しとArc8「虹色の精霊騎士」覚醒
- アニメで観るユリウスのArc6
- まとめ――名前を失っても、剣は折れない
- Arc5の決戦――ペテルギウス討伐における「ネクト」の功績
- Arc6におけるユリウスの「孤独」の深層
- シャウラ戦の戦術分析――ユリウスはどう戦ったか
- レイド・アストレア戦の意義――「初代剣聖」との対峙
- Arc6を経たユリウスとスバルの絆
- 原作小説とアニメで追うユリウスのArc6
ユリウス・ユークリウスのプロフィール
本題に入る前に、ユリウスというキャラクターの基本情報を整理しておきましょう。Arc6以前の彼を理解しなければ、Arc6での「失ったもの」の大きさは伝わりません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | ユリウス・ユークリウス |
| 異名 | 「最優の騎士」「精霊騎士」「虹色の精霊騎士」(Arc8覚醒後) |
| 所属 | ルグニカ王国近衛騎士団/アナスタシア・ホーシン陣営の筆頭騎士 |
| 年齢 | 20代前半(Arc5・Arc6時点) |
| 髪・瞳 | 淡い紫の髪/琥珀の瞳 |
| 武器 | 騎士剣(細身の長剣)/准精霊との連携による精霊魔法 |
| 契約精霊 | 准精霊6体(イア・クア・イク・アロ・イン・ネス) |
| 家系 | ユークリウス家(武門の名門)/ヨシュア・ユークリウスは弟 |
| 声優 | 石川界人 |
| 初登場 | 原作Arc3/アニメ第二期では本格活躍 |
ユリウスは王選候補アナスタシア陣営の主軸であり、王国最高峰の剣技と、6体の准精霊を従える独自の精霊魔法を併せ持つ稀代の騎士です。「最優の騎士」の称号は伊達ではなく、若手騎士の中では飛び抜けた実力者として知られていました。詳しいプロフィールは「リゼロ」ユリウスはルグニカ王国の最優の騎士|虹色の精霊騎士となった実力でも紹介しています。
Arc5の悲劇――ライ・バテンカイトスに名前を喰われる
Arc6を語るうえで避けて通れないのが、Arc5「水門都市プリステラ」での悲劇です。プリステラには大罪司教が集結しており、その中の暴食「指食い」ライ・バテンカイトスとユリウスは死闘を繰り広げました。
戦いの中でユリウスは准精霊6体との連携を駆使し、ライを追い詰めるところまで至ります。しかし暴食の権能「蝕」――対象の「名前」と「記憶」を喰らい、世界中の他者からその存在を忘却させる能力――を発動されてしまうのです。
結果、ユリウスは生きてはいるものの、「世界中の誰からも忘れられた存在」になってしまいました。アナスタシアもフェリスもクルシュも、長年の同僚もユリウスを認識できません。唯一の例外は「死に戻り」の権能を持ち、世界の改変を肉体記憶として保持できるスバルだけ。スバルだけがユリウスを「ユリウス・ユークリウス」と呼べる存在になってしまったのです。
同じくフェリスとの関係性はArc4・Arc5を通じて深く描かれており、フェリスのキャラ解説やクルシュ・カルステンの記事と合わせて読むと、ユリウスを取り巻く陣営の絆と喪失の重さがより鮮明になります。
Arc6開幕――「名前のない騎士」として監視塔へ
Arc6の幕開けは、スバル一行がプレアデス監視塔を目指す旅から始まります。目的は、暴食の権能で記憶や名前を奪われたレム、クルシュ、そしてユリウスら被害者を救うための「叡智」を、塔に住むという賢者シャウラから得ることでした。
誰にも認識されない孤独な道程
監視塔へ向かう道中、ユリウスは絶えず孤独と戦っていました。一緒に旅をしているメンバー(スバル、エミリア、ベアトリス、メィリィ、ラム)の中で、彼を「ユリウス」と認識できるのはスバルだけ。エミリアもベアトリスも、ユリウスを「見知らぬ騎士」「青い髪の人」としか認識できません。
挨拶をしても名乗っても、相手の記憶には残らない。一晩眠って起きれば、また「初対面」からやり直し。この延々と続く忘却の連鎖は、人格を維持するだけでも常人なら耐えられない苦痛です。それでもユリウスは騎士としての矜持を捨てず、剣を磨き、准精霊たちとの絆を信じて旅を続けました。
スバルとの関係――最大の理解者として
Arc5まで、ユリウスとスバルの関係は決して良好ではありませんでした。王選の場でユリウスは騎士の在り方を巡ってスバルを叱責し、両者は決闘にまで至った因縁の相手です。しかしArc5の死闘とその後の喪失を経て、二人の関係は劇的に変化します。
Arc6において、スバルは「世界で唯一ユリウスを認識できる人間」であり、ユリウスにとっては自分の存在を保証してくれる最後の他者となりました。スバルもまた、Arc5でユリウスがアナスタシア陣営を捨て身で守った姿を間近で見ており、彼への評価を180度改めています。Arc6を通じて二人は「ライバルかつ最大の理解者」という稀有な関係性を築いていくことになります。
准精霊6体「イア・クア・イク・アロ・イン・ネス」との絆
ユリウス最大の特異性は、6体もの准精霊と同時に契約していることです。Arc6でもこの6体は変わらず彼に付き従い、苦境を支え続けました。
6体の准精霊と属性
| 名前 | 属性 | 役割の例 |
|---|---|---|
| イア | 地 | 防御・地形操作 |
| クア | 水 | 治癒補助・流体制御 |
| イク | 火 | 攻撃・破壊 |
| アロ | 風 | 機動補助・斬撃強化 |
| イン | 陰 | 視界遮断・幻惑 |
| ネス | 陽 | 光属性・浄化 |
地・水・火・風という基本四属性に加え、陰陽の二属性を併せ持つ准精霊6体は、それぞれが小さな光球のような姿でユリウスの周囲を漂っています。彼の精霊魔法は、これら6体を組み合わせて六色の輝きを放つことから「虹色の片鱗」とも呼ばれていました。
「名前を失った主」と運命を共にする精霊たち
ユリウスが世界から忘れられた時、6体の准精霊たちも例外ではありませんでした。彼らもまた、ユリウスとの契約や絆の記憶を一度は失いかけたのです。しかし准精霊たちはユリウスを完全には忘れず、「誰かを守る」「強くなる」という意志だけが残った状態でユリウスのそばに在り続けました。
Arc6を通じて、彼らはユリウスとの「無言の同行者」として戦い続けます。名前を呼んでも応えないこともあり、契約の絆は弱体化していました。それでもユリウスは決して准精霊たちを見捨てず、彼らに語りかけ続けたのです。この姿勢が、後のプレアデス監視塔での「再契約」と「進化」につながっていきます。
プレアデス監視塔の試練――シャウラとの邂逅
長い旅路の末、一行はついにアウグリア砂海の中心にそびえる「プレアデス監視塔」へと到達します。塔の詳細な構造や試練のルールはプレアデス監視塔の完全解説を参照してください。
塔の管理者・シャウラとの出会い
塔の頂上に住むのは、400年前から塔を守り続けてきた人工精霊「シャウラ」――かつての英雄「賢者フリューゲル」の弟子です。彼女は最初こそ陽気にスバルを出迎えましたが、塔のルールが破られたと判断するや「紅蠍」の本性を露わにし、塔内の挑戦者を皆殺しにしようとする殺戮マシーンへと豹変します。
このシャウラ戦は、Arc6でも屈指の死闘として描かれています。圧倒的な火力と射程を誇るシャウラの一撃は、塔の壁を貫通し、距離を取った者すら容赦なく殲滅していきます。スバル一行は何度も「死に戻り」を強いられ、攻略の糸口を探りました。
ユリウスの役割――名無しの剣で塔を守る
シャウラとの戦闘において、ユリウスは前衛として准精霊たちと共に立ち回りました。記憶を失った彼は自分の名を呼んでもらえず、感謝の言葉さえ届かない――それでも仲間の盾となり、剣を振るい続けます。「名前など、誰にも認識されなくても、私は私の役割を全うする」という騎士道精神が、最も苛烈な形で試された場面と言えるでしょう。
この戦いを通じて、ユリウスは「名前」や「他者からの認知」がなくとも、行動と意志こそが自分自身を定義するという境地に至っていきます。
第二層の試験――「剣聖」レイド・アストレアとの一騎打ち
プレアデス監視塔の試験のうち、第二層には400年前の初代剣聖「レイド・アストレア」の魂が封印されており、彼との一騎打ちが課されます。ここで挑戦の名乗りを上げたのが、誰あろうユリウス・ユークリウスでした。
「最優の騎士」vs「初代剣聖」
レイドは作中世界における伝説の存在であり、現代の剣聖ラインハルトの祖先にあたる人物です。圧倒的な剣技と豪放な性格を兼ね備え、生前は神話級の戦いを繰り広げました。その魂と相対するのは、現代最強格の剣士でなければ不可能です。
ユリウスはまさにその挑戦者として、誰にも名を覚えてもらえぬまま剣を構えます。准精霊たちとの連携も完璧ではない――それでも彼は退きませんでした。「名を失っても、剣の腕は失っていない」と証明するための、騎士としての矜持を懸けた一戦です。
「名乗り」を取り戻すための戦い
レイド戦は、ユリウスにとって単なる試験突破ではなく、自分自身を再定義する儀式でもありました。誰にも届かない剣であっても、目の前の伝説に向かって全力をぶつける。その姿は、シャウラ戦同様、Arc6のテーマである「忘れられた者が抗う物語」を象徴する場面のひとつとして読者の胸を打ちます。
そしてこの過酷な戦いの中で、ユリウスと6体の准精霊たちの絆は、再び確かなものへと結び直されていきました。後にArc6終盤、准精霊たちは「准」を脱し、より明確な自我を持つ「精霊」へと進化していきます。これがArc8における「虹色の精霊騎士」覚醒の土台となるのです。
Arc6を経たユリウスの変化と意義
Arc6を通じてユリウスが経験したのは、騎士としての「肩書き」を全て剥がされた状態での戦いでした。家名・近衛騎士の地位・主君からの信頼――それらは全て、彼を彼たらしめる「他者からの承認」によって成立していたものです。
「内なる騎士道」への深化
Arc6以前のユリウスは、外側から見える「規範」「礼節」「責務」によって支えられた騎士でした。しかし誰にも認識されなくなったArc6以降、彼は「他人がどう見ようと、自分は何者であるか」という内面の問いと向き合わざるを得なくなります。
そしてユリウスは、誰に讃えられなくとも、誰に名を呼ばれなくとも、自分の剣に込めた信念だけは揺るがないと結論付けます。これは「最優の騎士」という外的称号から、「真の騎士道」という内的本質への進化であり、Arc8で更なる飛躍を遂げるための精神的土台となりました。
スバル陣営との絆深化
Arc6を通じて、スバルとユリウスは互いの背中を預けられる戦友となります。Arc5以前は反目していた二人が、ここに来て深い信頼で結ばれることになるのは、リゼロ全体の物語においても重要な転換点です。エミリア陣営とアナスタシア陣営の協力体制も、ユリウスを介して強固なものになっていきました。
Arc6後――名前回復の見通しとArc8「虹色の精霊騎士」覚醒
Arc6終了時点で、ユリウスの名前は依然として世界から失われたままです。暴食の権能を完全に解除する手段は、原作Web版でも長らく不明のままでした。
Arc7・Arc8における立ち位置
Arc7「ヴォラキア帝国編」ではユリウスはルグニカ側に残り、Arc8でようやく本格的な再登場を果たします。そしてArc8において、ユリウスは6体の准精霊と再契約し、彼らを完全な「精霊」へと進化させ、自身も「虹色の精霊騎士」として覚醒します。これはArc6での「忘れられた状態での研鑽」がなければ到達できなかった境地です。
名前回復の課題
Arc8後半に至っても、ユリウスの「名前」と「世界からの記憶」は完全には戻っていません。暴食の権能を巡る決着、そして名前を取り戻す方法は、リゼロ物語全体の核心的な伏線として残されています。ユリウス個人の解放だけでなく、レムやクルシュら他の被害者の救済とも関わる重大な謎です。
原作小説でこの伏線がどう回収されていくのか、続きが気になる方はAmazonでMF文庫J版の最新刊をチェックしてみてください。Web版小説家になろうでも追えますが、書籍版の挿絵・修正・加筆と合わせて読むと理解が深まります。
アニメで観るユリウスのArc6
ユリウスのArc6での活躍は、原作小説で完全に描かれていますが、アニメ化も着々と進んでいます。Arc4「聖域編」を描いた第二期に続き、Arc5「水門都市プリステラ」のアニメ化や、Arc6「プレアデス監視塔」編の映像化が今後の目玉となるでしょう。
第一期から第二期までを総復習したい方や、Arc4・Arc5・Arc6を一気見したい方はDMM TVでの配信がおすすめです。ユリウスとスバルの関係性の変化や、准精霊6体の戦闘描写は、アニメで観るとさらに迫力が増します。
まとめ――名前を失っても、剣は折れない
「リゼロ」Arc6におけるユリウス・ユークリウスは、シリーズ全体でも屈指の悲劇と尊厳を体現するキャラクターです。名前を失い、家族・友人・主君の記憶からも消えた孤独の中で、それでも騎士として剣を握り続けた彼の姿は、多くの読者に「真の強さとは何か」を問いかけます。
准精霊6体(イア・クア・イク・アロ・イン・ネス)との不器用な絆、シャウラとの死闘、レイド・アストレアとの一騎打ち、そしてスバルとの戦友関係――Arc6のユリウスは、Arc8「虹色の精霊騎士」覚醒に至る土台を全て築き上げました。名前という外的な称号を奪われてなお、自身の信念と剣で「ユリウス・ユークリウス」を証明し続けた彼の物語は、リゼロ全体のテーマ「絶望からの再起」を最も純粋に体現していると言えるでしょう。
ユリウスの基本プロフィール・Arc3〜Arc5の活躍については「リゼロ」ユリウスはルグニカ王国の最優の騎士|虹色の精霊騎士となった実力を、プレアデス監視塔の全試練についてはプレアデス監視塔の解説記事を併せてご覧ください。Arc6を彩る仲間たち、フェリスやクルシュの記事も、ユリウスを取り巻く人間関係を理解する助けになるはずです。
Arc5の決戦――ペテルギウス討伐における「ネクト」の功績
Arc6を理解するためには、Arc5でのもうひとつの大きな功績にも触れておく必要があります。Arc5の終盤、ユリウスは准精霊「ネクト(視覚共有)」の能力を駆使し、スバル陣営にとって極めて重要な役割を果たしました。
視覚共有という戦略的支援
ネクトはユリウス独自の精霊術のひとつで、複数人の視覚情報を共有・統合する能力を持ちます。Arc5におけるペテルギウス・ロマネコンティ討伐戦――エミリア陣営とアナスタシア陣営の合同作戦――では、このネクトの能力が戦況を一変させました。
魔女教大罪司教「怠惰」のペテルギウスは、自身の意識を他者の肉体に憑依させて戦う厄介な能力者でした。憑依先の判別はほぼ不可能とされ、対処に多大な犠牲を払う必要がありましたが、ユリウスのネクトによって複数の騎士たちが同時に同じ視野を共有できるようになり、ペテルギウスの憑依先を瞬時に特定することが可能になったのです。
陣営の垣根を越えた連携
この功績は、王選で対立する各陣営が一時的にでも協力し合う「リゼロ的な希望」を象徴する場面でもありました。Arc5を経てユリウスは、単なる「アナスタシア陣営の騎士」を超え、「ルグニカ王国全体を守る最優の騎士」としての地位を確立していきます。それだけに、その直後のライ・バテンカイトス戦で名前と記憶を奪われる悲劇は、読者にとっても極めて重いものでした。
Arc6におけるユリウスの「孤独」の深層
Arc6のユリウスを語るうえで、最も重要な感情的なテーマは「孤独」です。しかしこの孤独は、単に「友達がいない」「家族と離れている」といった次元のものではありません。「自分という存在そのものが、世界の認識から消えている」という、極限の実存的孤独です。
「忘れられる」ことの恐怖
人間は他者との関係性の中で「自分」を確立する生き物です。家族からの愛、友人との思い出、主君からの信頼――これらの「他者からの認識」が積み重なって、人は「私はここに存在している」と実感できます。しかし暴食の権能「蝕」は、その全てを根こそぎ奪い去ります。
ユリウスがどれほど誠実に振る舞っても、相手は彼を「ただの見知らぬ青年」としか認識しない。一晩寝て起きれば、また「初対面」のやり直し。この終わりなき孤独のループは、通常であれば心が壊れてもおかしくありません。
それでも折れなかった理由
ではなぜユリウスは折れなかったのか。原作小説の描写を読み解くと、その答えは「騎士道」と「准精霊たちとの絆」、そして「スバルという最後の理解者」の3つに集約されます。
第一に、ユリウスは生来の騎士道精神を心の支柱としていました。誰に見られていなくとも、誰に讃えられなくとも、自分の振る舞いの規範は自分の内側にある――この信念が、彼を孤独の中でも踏み留まらせた最大の要因です。
第二に、6体の准精霊たちは、契約の絆が薄れていてもなおユリウスのそばにいてくれました。彼らの存在は「無言の同行者」として、ユリウスの心を支え続けたのです。
第三に、スバルだけがユリウスを「ユリウス・ユークリウス」と呼んでくれる存在でした。たった一人でも「自分の名を呼んでくれる人」がいることが、人間が己を保つためにいかに重要かを、Arc6は静かに語っています。
シャウラ戦の戦術分析――ユリウスはどう戦ったか
プレアデス監視塔の管理者シャウラとの戦闘は、Arc6でも最大級の難所のひとつです。シャウラの戦闘能力は、塔の機能を解放した状態では事実上「対人類最強クラス」と言って差し支えありません。
シャウラの能力――「光の針」と圧倒的射程
シャウラの代表的な攻撃は「光の針」と呼ばれる超高速・超長距離の貫通光線です。アウグリア砂海全域を射程に収め、塔の壁すら容易く貫通します。一撃で人体は跡形もなく消滅し、防御を試みた騎士剣も瞬時に蒸発するという、化け物じみた火力を誇ります。
これに加え、本体の身体能力も人智を超えており、近接戦闘でも一切隙がありません。「紅蠍」と呼ばれる本性を発揮した状態では、塔の壁面を縦横無尽に走り、複数の敵を同時に殲滅する戦闘マシーンと化します。
ユリウスの貢献――防御と陽動
このシャウラ戦において、ユリウスは前衛として准精霊たちと連携し、仲間を守る盾と陽動の役割を担いました。火力では到底シャウラに及ばないものの、6属性の准精霊を駆使して攻撃の軌道を逸らし、仲間が逃げる時間を稼ぐ立ち回りが光ります。
特に准精霊イア(地)による防壁、アロ(風)による機動補助、イン(陰)による視界遮断は、塔の狭い通路でシャウラの猛攻を凌ぐうえで欠かせない要素でした。Arc6のシャウラ戦は、ユリウスの「火力ではない、立ち回りで仲間を生かす」騎士としての真骨頂が発揮された場面です。
レイド・アストレア戦の意義――「初代剣聖」との対峙
プレアデス監視塔の第二層には、初代剣聖レイド・アストレアの魂が封印されています。挑戦者は彼との一騎打ちを乗り越えなければ、次の階層へは進めません。
レイドという存在
レイド・アストレアは現代剣聖ラインハルトの先祖にあたる伝説の人物で、400年前の「賢者フリューゲル」「魔女サテラ封印作戦」に関わった英雄の一人です。生前は破天荒な性格で知られ、剣の腕は神話級――龍を切り伏せた逸話すら残るほどの怪物です。
その魂と相対するというのは、現代の剣士にとって最上級の試練であり、生半可な腕では一瞬で蹴散らされます。事実、最初の試験挑戦では、スバルもユリウスも為すすべなく敗北を喫していました。
ユリウスの覚悟――「名を失ってなお剣を取る」
ユリウスがレイド戦に名乗りを上げたのは、単に「最強の剣士」だからではありません。むしろ「名前を失った、誰にも認識されない自分」が、伝説の剣聖に挑むことに意味があると考えたからです。
もしこの戦いに勝てば――いや、たとえ負けたとしても全力を尽くせば――それは「ユリウス・ユークリウス」という存在を、自分自身に証明する儀式となる。そして6体の准精霊たちにも、「我らの主はこの男だ」という確信を与えられる。Arc6のレイド戦は、ユリウスの再生の物語の中核となる戦いなのです。
准精霊たちの「進化」への布石
Arc6終盤、レイド戦やシャウラ戦を経た6体の准精霊たちは、ユリウスとの絆を再確認し、それぞれが「准」を脱して「精霊」へと進化する道筋を見出します。これは単なるパワーアップではなく、契約者ユリウスとの「共に苦難を乗り越えた」記憶の積み重ねがあってこそ可能になった成長でした。
この進化こそが、後のArc8における「虹色の精霊騎士」覚醒の決定的な礎となります。Arc6でユリウスが流した汗と血の一滴一滴が、後の覚醒を可能にしたと言って過言ではありません。
Arc6を経たユリウスとスバルの絆
Arc5まで、ユリウスとスバルは王選の場で剣を交えた因縁の相手でした。スバルはユリウスを「気取った嫌な奴」と見ていましたし、ユリウスもスバルを「騎士の名を騙る無作法者」と評していました。
「最大の理解者」への変化
しかしArc5「水門都市プリステラ」と続くArc6「プレアデス監視塔」を共に戦い抜いた結果、二人の関係は劇的に変化します。スバルにとってユリウスは「自分が認識し続けねばならない、世界唯一の証人」となり、ユリウスにとってスバルは「自分を呼んでくれる、世界で最後の名乗り相手」となりました。
これは単なる友情を超えた、ある種の運命共同体的な絆です。ユリウスがArc6を生き延びられたのは、ほぼ間違いなくスバルの存在があったから。逆にスバルもまた、ユリウスの不屈の姿勢から多くを学び、自身の戦い方を見つめ直していきます。
ライバル関係の再定義
Arc6以降の二人は、「対立するライバル」から「互いを高め合う戦友」へと完全に関係性を変えました。Arc8でユリウスが「虹色の精霊騎士」として覚醒する場面でも、スバルとの絆がひとつの推進力となっています。リゼロ全編を通じて、最も劇的に関係性が変化した二人組と言って差し支えありません。
原作小説とアニメで追うユリウスのArc6
ユリウスのArc6での詳細な活躍は、MF文庫J版の原作小説で完全に描かれています。Web版(小説家になろう)でも読めますが、書籍版は加筆・修正・大塚真一郎氏による挿絵が加わり、より没入感のある読書体験を楽しめます。
Arc6に該当する書籍は概ね第17巻〜第22巻あたりで、シャウラ戦・レイド戦・暴食大罪司教ライ&ロイ戦などが集中する濃密な区間です。Amazonで該当巻をまとめ買いし、一気読みするのがおすすめです。
アニメ版でArc6が映像化される日も遠くないでしょう。Arc1〜Arc4までを総復習して心の準備をしたい方は、DMM TVで第一期・第二期の配信をチェックしてみてください。Arc6に至るまでのユリウスの成長過程、フェリスやクルシュとの関係性が、改めてグッと胸に響いてくるはずです。
下記のリゼロのアニメ・OVAの映像作品は動画配信サービスを利用することで視聴できます。
- リゼロアニメ 1st season
- リゼロアニメ 2nd season
- リゼロOVA「Memory Snow」
- リゼロ劇場版「氷結の絆」
動画配信サービスには初回登録時に無料で利用できるトライアル期間があり、無料期間を活用することで、リゼロの映像作品を無料で楽しむことができます。
リゼロ作品の取り扱いがあり、かつ無料トライアルの提供がある動画配信サービスを調査しましたので参考にしてください。
