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Re:ゼロから始める異世界生活のネタバレ【小説・アニメ・漫画】

「リゼロ」ラム Arc4解説|ロズワールへの愛と怒り・聖域でのガーフィール対立・鬼族の誇り

「Re:ゼロから始める異世界生活(リゼロ)」第四章「永遠の契約」、いわゆる聖域編は、エミリア陣営にとっての一大転換点であると同時に、ラム・エルフェリカ(Ram)というキャラクターにとっても最大級のドラマが描かれた章だ。屋敷の上級メイドとして辛辣な態度を貫いてきた半鬼族の少女が、ここでは「ロズワールへの愛」と「ロズワールが背負った業への怒り」、そして「妹レムを失った姉としての痛み」のすべてを一気に表に出すことになる。

聖域へ向かう道中の冷静な参謀ぶり、聖域の番人ガーフィール・ティンゼルとの幾度もの衝突、ロズワール邸襲撃時の絶望、そしてArc4の終盤——主であるロズワールに向かって剣を引き、「愛しているからこそ、あなたを止めるためにここに来た」と告げて叡智の書を燃やすクライマックス。本記事ではArc4の時系列に沿って、ラムが何を背負い、誰と戦い、どんな結論にたどり着いたのかを、原作小説および現在公開されているWeb版の情報をもとに徹底的に整理する。

Arc6以降のラムの戦いについてはラムのArc6活躍まとめを、ラムというキャラクターの全体像についてはラム総合解説を、聖域編の対戦相手についてはガーフィールArc4解説を、Arc4のもう一人の主役についてはロズワール完全解説エキドナArc4解説を併読していただくと、Arc4の全体像がより立体的に把握できる。


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1. Arc4「永遠の契約」におけるラムの立場

Arc4は、スバルが王選候補・エミリアと共にロズワールから「聖域へ赴き、結界を解放せよ」という任を受け、ロズワール領の奥地に存在する半人半獣の隠れ里——聖域クレマルディに足を踏み入れる物語である。同時にロズワール邸では、留守を預かるベアトリス・フレデリカ・ペトラ・レム、そしてエルザ・グランヒルテによる襲撃という二正面の戦いが進行する。

ラムはこの「聖域チーム」の一員として、ロズワールおよびエミリア・スバル・オットーらとともに聖域へ同行する。彼女に与えられた任務は表向き「主であるロズワールの補佐」だが、実際にはそれ以上の意味を持っていた。第一に、半鬼族として研ぎ澄まされた感知能力と陰魔法を生かした戦闘・偵察要員。第二に、ロズワールが「叡智の書」によって動かされていることを薄々悟っていた彼女にとって、聖域への同行は主の真意を見極める最大の機会でもあった。

表面上はいつもの辛辣な口調でスバルを「バルス」と呼びながらも、ラムの内側では「主は何を企んでいるのか」「妹レムを眠らせたままにしていいのか」「自分は誰の味方であるべきなのか」という問いがずっと渦巻いていた。Arc4のラムを読むとき、この「表の冷静」と「裏の動揺」の二層構造を意識すると、後半のクライマックスがより深く刺さる。

2. ラムのプロフィール|半鬼族・神童・角を失った代償

Arc4でのラムの戦いを語るうえで、まず彼女のスペックを整理しておこう。「上級メイド」という肩書きの下に隠れているのは、鬼族の純血を受け継ぐ元・神童という強烈な経歴だ。

項目 内容
名前 ラム(Ram)
種族 鬼族(角を折られた半鬼族状態)
所属 ロズワール邸の上級メイド/エミリア陣営
双子の妹 レム(Arc4時点では昏睡中)
得意魔法 風魔法(フーラ・エル=フーラ)/陰魔法/共感覚を用いた索敵
異称 「鬼族の神童」「鬼神の再来」
恋愛対象 ロズワール・L・メイザース
角の状態 幼少期に魔女教徒の襲撃で破壊。再生していない
CV(アニメ) 村川梨衣

鬼族にとって角は体外のマナを取り込むためのゲートであり、生命線そのものだ。両親が異常な天才性を見て「鬼神の再来」と呼んだほどの神童ラムは、本来であれば鬼化形態において単独で一個師団を相手にできるほどの戦闘能力を持つはずだった。しかし幼少期、鬼族の里が魔女教徒に襲撃された際、ラムは一族の中で最後まで戦い続けた末に角を折られ、その圧倒的な戦闘能力の大半を失ってしまう。

そして角を失ったラムは、本来なら数日と生きられない致命的な状態に陥った。それを救ったのがロズワール・L・メイザースである。ロズワールは毎晩ラムに直接マナを供給することで彼女の生命を維持しており、Arc4時点でもラムはこの「夜の供給」がなければ生きられない。Arc4のラムの戦闘描写は、すべてこの「魔力残量が常に枯渇寸前」という制約のもとに行われていることを忘れてはならない。

ラムの戦闘能力の詳細についてはラム総合解説で詳しく触れているが、Arc4ではこの「神童の名残」と「角を失ったハンデ」が同時に表に出る、彼女のキャリアでも極めて重要な章になっている。

3. ラムとロズワールの関係|「愛」と「怒り」の二重構造

3-1. ロズワールがラムを救った日

ラムにとってロズワールは、単なる雇用主ではない。鬼族の里が魔女教徒の襲撃で壊滅した夜、瀕死のラムとレムを保護し、二人を屋敷に連れ帰り、生きながらえさせてくれたのは紛れもなくロズワールその人だった。とりわけ角を失ったラムにとって、ロズワールから供給される無色マナは生命線そのもの。妹レムが「スバルに救われた」のと同じ意味で、ラムは「ロズワールに救われた」のである。

幼いラムは、その恩義を「忠誠」ではなく「」として受け止めた。屋敷で辛辣にメイド業務をこなし、エミリア・スバル・レムを冷ややかに見つめながらも、ラムの行動原理の最深部には常にロズワールへの愛がある。Arc4で「主のためなら命を捨てる」と言い切る場面は、彼女の口調こそ冷静だが、その意味するところは恋愛感情と忠誠が完全に融合した極めて重いものだ。

3-2. ロズワールが鬼族の里襲撃に関与した疑惑

しかしArc3〜Arc4にかけて、ラムは徐々にひとつの恐ろしい疑惑にたどり着いていく。それは、鬼族の里の襲撃そのものが、ロズワールの叡智の書の導きによって誘発された可能性がある、ということだ。原作で語られる範囲では、ロズワールは「叡智の書」が示す未来予定図に従って行動しており、その予定図の中には「特定の双子姉妹を屋敷に連れてくる」という記述があったとされる。

もしこれが真実であれば、ロズワールはラムとレムを手に入れるために魔女教を里へ差し向け、結果として一族を皆殺しにし、ラムの角を奪った張本人だということになる。賢いラムはそれをかなり早い段階で察していた。にもかかわらず、彼女はロズワールから離れることを選ばなかった。理由は単純で、ロズワールが提示した「契約」を呑む以外に妹レムと自分が生き延びる道はなかったからだ。

つまりArc4を迎える時点でラムの胸の内には、「愛している」と「許せない」が同時に存在するという、極めて引き裂かれた構造があった。Arc4のラムの行動は、このねじれた感情を出口に導くための旅でもある。

3-3. ロズワールはラムを「道具」として扱っているのか

表面的に見れば、ロズワールはラムを「マナ供給と引き換えに働かせている道具」として扱っているように見える。屋敷では他のメイドと同じ作業を命じ、聖域では戦闘要員として動かし、必要があれば叡智の書のために切り捨てる覚悟さえ持っているように描かれる。実際、ロズワール本人も「叡智の書のためならラムでさえ殺す覚悟がある」という旨を後に語る。

しかしArc4の終盤で明かされるのは、ロズワール自身もまたラムへの感情を持て余している、ということだ。彼にとって「愛されること」は予定外の出来事であり、自分自身の400年の計画の中にラムの愛を組み込む余地がなかった。Arc4のロズワールは、ラムの愛を「復讐心の偽装」として誤読しようとし続ける。これがクライマックスでラムが「あなたは私を理解していなかった」と告げる伏線になっている。

4. ガーフィール・ティンゼルとの対立

4-1. 聖域の番人ガーフィールとの邂逅

聖域に足を踏み入れたエミリア一行を最初に迎えるのが、聖域の番人を自称する半人半獣の青年ガーフィール・ティンゼルである。地虎人族の血を引くクォーター獣人で、八重歯と金髪が特徴の粗野な少年——というのが表向きの姿だが、彼の内側には「外の世界」への深い恐怖と、母リーシアに対する未解決の感情が渦巻いていた。

ガーフィールは聖域から外部への移動を一切認めないという強硬姿勢を取り、エミリアたちに対しても露骨に敵対する。とくに「ロズワール一派の連中はオレらを利用しに来ただけだ」という疑念を強く抱いており、その敵意の刃は当然、ロズワール邸の上級メイドであるラムにも向く。Arc4におけるラムとガーフィールの関係は、最初から最後までこの「互いに譲れない一線」をぶつけ合う形で進行する。

4-2. ラムにとってのガーフィール——同族意識と反発の両立

興味深いのは、ラムがガーフィールに対して単純な敵意だけを向けていない点だ。同じく「過去のトラウマで未来を見失っている若者」として、ガーフィールはラム自身の幼少期と重なる存在でもある。鬼族の里を失ったラムと、聖域から出る勇気を持てないガーフィール。守るべき家族(フレデリカ/レム)を持ちながら、その家族との関係に深い傷を負っているところも共通する。

そのためラムは、ガーフィールに対して時に氷のような侮蔑(「子虎ちゃん」呼ばわりはその典型)を見せながらも、決して彼を完全に切り捨てない。むしろ彼の中の「もう一人の自分」を見抜いたうえで、必要な局面では真正面から殴り合うことすら辞さない。Arc4の中盤に何度か描かれるラム対ガーフィールの局地戦は、互いを「同じ傷を背負った者同士」として認め合うための儀式に近い。

4-3. 聖域でのガーフィール戦──風魔法と機転で巨虎を翻弄する

聖域編の中盤、スバルが何度も死に戻りを繰り返す周回のひとつで、ロズワール邸に襲撃をかけるエルザを止めるために、ガーフィールが屋敷へ向かおうとする展開がある。一方、聖域の側ではロズワールが「叡智の書の予定通り」事態を進めるために、ガーフィールを聖域に縛り付けておく必要があった。この調整役を担うのもまたラムである。

戦闘描写としてのラム対ガーフィールは、力比べでは到底ガーフィール(神虎化=獣化を持つ)に分がある。ガーフィールが本気で獣化すれば、角を失ったラムの戦闘力では正面突破は不可能だ。そのためラムは風魔法フーラ・エル=フーラによる足止め、視界遮断、そして「主からの命令である」という権限を巧みに使って、ガーフィールの行動を縛る戦法を取る。

とりわけスバルが「ガーフィールに勝つ周回」を確定させる局面では、ラムが裏でオットー・スーウェンと連携し、聖域の地形と魔獣(大兎の出現タイミング)を読み切ったうえで、ガーフィールの突破口を塞ぐ役割を果たしている。Arc4のラムは「派手な必殺技で勝つ戦士」ではなく、常に魔力残量の制約の中で最適解を出す参謀型戦士として描かれていることが、Arc6以降の鬼化ラムの描写と並べて読むと際立つ。ガーフィールという対戦相手についてはガーフィールArc4解説で多面的に取り上げている。

5. ロズワール邸襲撃と「もう一人の妹」の不在

5-1. レムを失った姉の戦い

Arc4のラムを語るうえで、絶対に外せないのが妹レムの不在だ。Arc3「白鯨と魔女教」の終盤で、レムは暴食の大罪司教ライ・バテンカイトスの権能「蝕」によって名前と記憶を喰われ、世界中の人々の記憶から消滅した。レムを覚えているのは、死に戻りの経験を持つスバルと、双子の姉ラム、そしてごく一部の特殊な存在のみ。

ラムにとってこれは、「もう一人の自分」を失ったに等しい喪失である。鬼族の双子は通常、互いの魂が深く結びついており、ラムとレムは特にその結合が強かった。レムが眠りに落ち、世界から名前を消されたあと、ラムは表面的には何事もなかったかのように振る舞うが、内側では空虚さと自責が常に共存している。Arc4の戦いはすべて、「レムなら今ここでどう動くか」という問いを自分に投げかけながら行われていると言ってよい。

5-2. 屋敷襲撃の知らせと、聖域に縛られる無念

Arc4のいくつかの周回では、ロズワール邸が腸狩りエルザ・グランヒルテと暗殺者メィリィ・ポートルートに襲撃され、ベアトリス・フレデリカ・ペトラ・レム(昏睡中)が一斉に命を落とす最悪のルートが描かれる。聖域に同行しているラムにとって、屋敷の襲撃情報は「眠ったままの妹がもう一度殺される」という現実を意味する。

しかしラムは聖域から動けない。彼女にはロズワールから与えられた役割があり、聖域の儀式の進行に関わる以上、勝手に屋敷へ戻ることはできない。この「妹を救いに行きたいのに行けない」という構造は、Arc2でレムが鬼化暴走の末にラムに刃を向けた構造の鏡像でもある。Arc2で「姉を守るために狂った妹」だったレムに対し、Arc4のラムは「妹を救いに行けない姉」として、ほぼ同じ重さの罪悪感を背負うことになる。

このエルザ襲撃の周回でロズワールが「ベアトリスを死なせるための襲撃を意図的に呼び込んだ」という事実が後に判明することで、ラムの内側でロズワールへの怒りはいよいよ臨界点に近づいていく。ベアトリス側の動きについてはエキドナArc4解説と併せて読むと、Arc4の屋敷側ドラマと聖域側ドラマがどう連動しているかが見えてくる。

6. ラムと「山の知恵」|鬼族の知識と聖域の儀式

Arc4のラムが見せるもうひとつの顔が、鬼族の伝承知識を駆使した儀式・結界読み解きだ。鬼族はかつて「山」と呼ばれる隔絶された里に住み、外界とは異なる暦・呪術・薬草知識を受け継いできた一族である。ラムは神童と呼ばれた幼少期にこの一族の知識のほとんどを叩き込まれており、その知識量はエミリア陣営の中でも屈指。

聖域編における結界の構造解析、リューズ・メイエルの複製体(リューズ・ビルマ/シーマ/アルマ)たちが背負っている事情の読み解き、エキドナ墓所の試練の前提条件——これらの場面で、ラムはたびたび鬼族の伝承から類似の事例を引き出し、エミリア陣営に冷静なアドバイスを提供する。スバルやガーフィールが感情で動いている横で、ラムだけが「儀式の本質は何か」「結界はどう組まれているか」という工学的な視点から事象を切り分けていく場面は、Arc4の地味だが重要なシーンだ。

特に「聖域がエキドナの不老不死実験場として作られたもの」「リューズの複製体は本来であれば順次入れ替えられる消耗品である」という構造を、ラムは表立っては口にしないものの、ロズワールの言動と聖域の儀式運用から早い段階で看破している。彼女の沈黙は無関心ではなく、主の計画を見届けてから動くための沈黙であった。

7. クライマックス|叡智の書を燃やし、主に剣を引く

7-1. スバル対ロズワールの賭け

Arc4の終盤、長い死に戻りの末にスバルがたどり着いた結論は、ロズワール本人と直接対峙し、賭けを成立させることだった。スバルはロズワールに対し、「自分がこの周回で聖域とロズワール邸の両方を救えたら、ロズワールは叡智の書を捨て、自分の意志で生きること」を約束させる。負ければ、スバルはロズワールに従う——というのが賭けの条件だ。

ロズワール自身は、叡智の書の予定通りに事が進むと信じて余裕の姿勢を見せる。だが彼が見落としていたのが、ラムの動きである。ラムはオットー・スーウェンに誘われる形で、表向きスバル陣営に合流。彼女はこの時点で、ロズワールへの愛と、ロズワールが抱える業を断ち切る覚悟を完全に固めていた。

7-2. 「愛しているから、あなたを止める」

Arc4のクライマックスで、ラムは精霊パックと協力する形でロズワールと対峙する。風魔法と陰魔法を組み合わせ、角がない状態でできる限りのことを尽くした攻撃を繰り出すラム。一方のロズワールも本気を出さざるを得ず、二人の戦闘は屋敷を半壊させるほどの規模に発展する。

戦いの最中、ラムはついにロズワールに向かって愛を告白する。「ロズワール様を愛しているから、ここに来た」「あなたを叡智の書から解放するためにここにいる」——この言葉は、それまで彼女が屋敷で見せてきた辛辣な態度とは正反対の、剥き出しの本心だった。ロズワールはこの告白を「復讐心の偽装」だと最後まで誤読しようとするが、ラムの行動はその誤読を打ち砕いていく。

そしてラムは、ロズワールが400年もの間囚われてきた叡智の書を焼き払う。一度燃え落ちた叡智の書は、後にArc5でオットーがプリステラの修復師にかろうじて再生させるが、Arc4時点のロズワールにとっては自分の人生を縛ってきた最大の枷を初めて失った瞬間でもあった。スバル対ロズワールの賭けがスバルの勝利で終わったとき、その勝利の半分はラムの愛と決断によって支えられていたと言ってよい。

7-3. ロズワールの敗北と、ラムの「次の役割」

叡智の書を失い、賭けに敗れたロズワールは、Arc4以降「スバルに従う者」として、エミリア陣営の重要な戦力に位置を変える。同時にラムは、ロズワールの監視役・補佐役として、それまで以上に主の側にとどまり続けることを選ぶ。ロズワールがもう一度間違った道に踏み出さないよう、最も近くで見張る役割を、誰よりも彼を愛するラム自身が引き受けるのである。

このArc4ラスト時点のロズワールとラムの関係は、もはや単純な雇用主と部下でも、主従でもない。「互いに弱みを握り合った共犯者」とでも言うべき、極めて複雑な共同体に再構成された。ロズワール本人の変化についてはロズワール完全解説に詳しいが、その変化のもっとも近くで触媒となったのがラムであったことを忘れてはならない。

8. Arc4ラム名場面ハイライト

Arc4のラムの見どころを、シーン別に整理しておこう。アニメ第2期および原作小説13〜15巻あたりを読み返す際の手引きとして活用してほしい。

シーン 見どころ
聖域到着・ガーフィール初対面 「子虎ちゃん」呼ばわりで挑発しつつ、内心では同じ傷を持つ若者として観察する複雑な視線
リューズ・メイエルの真実の示唆 聖域の儀式構造を鬼族の伝承知識から読み解く参謀ぶり
屋敷襲撃の知らせを受けた場面 表情ひとつ変えないまま、内側ではレム(昏睡中)への自責を抱える静かな絶望
オットーからの誘い 主に背く決断を、感情ではなく「叡智の書から主を解放するための合理判断」として下す
パックとの共闘 四大精霊と対等に連携する元・神童の片鱗。角がない状態でこれを成立させる戦術眼
ロズワールへの愛の告白 「愛しているから、あなたを止める」——シリーズ屈指の名告白
叡智の書を焼く瞬間 400年の枷を断ち切る決断。半鬼族のメイドの手によって、ひとつの時代が終わる

これらのシーンは、いずれもラムが「主のために尽くす」のではなく「主を救うために自分の意志で動く」立場に立った瞬間として連続している。Arc4のラムは、主への服従ではなく、主への愛と怒りを同居させたうえで、自分自身の判断で行動する一人の女性として完成していくのである。

9. 角がない状態でラムが「強い」と言える理由

Arc4を読んでいると、「角がないなら、なぜラムはまだ戦えるのか」という疑問が浮かぶ読者は多いはずだ。ここで、Arc4時点のラムの強さの正体を整理しておきたい。

9-1. 風魔法の精度と運用

ラムが扱う風魔法フーラ・エル=フーラは、本来であれば中堅レベルの汎用魔法だ。しかしラムが扱うそれは、神童時代の精緻な制御感覚を残しており、少量のマナで最大効果を引き出す運用に特化している。空気の流れを読み、相手の足を払うだけで体勢を崩す。視界を遮るだけで連携を断つ。ガーフィールのような大火力相手でも、ラムは「正面突破せずに勝つ」道を常に模索できる。

9-2. 共感覚による索敵

鬼族の血を引くラムは、双子の妹レムや一族の生き残りと魂レベルで繋がる共感覚を生まれつき持っている。これは戦場の感覚的な索敵に転用可能で、味方と敵の位置関係、魔力の流れ、危険の予兆を、視覚や聴覚に頼らず把握できる。Arc4の聖域や屋敷といった複雑な地形でラムが常に状況把握の中心にいるのは、この感覚能力が大きい。

9-3. 圧倒的な知識量

そして何より、ラムの強さの本体は知識である。鬼族の里で叩き込まれた伝承、屋敷でロズワールから学んだ高等魔法理論、王選候補各陣営の政治状況——ラムの脳内にある情報量は、エミリア陣営の中ではロズワールに次ぐ規模だ。Arc4で彼女が「ロズワールの計画を見抜き、叡智の書を焼く」という究極の決断を下せたのも、この知識量があったからにほかならない。

言い換えれば、Arc4のラムは「力ではなく知性で勝つ戦士」として描かれている。Arc6以降で「共感覚」を進化させて鬼化を再現するラムへの伏線も、すでにArc4のこの知性主導の戦闘スタイルに埋め込まれているのである。

10. Arc4ラムとArc6ラムの違い

Arc4のラムと、Arc6プレアデス監視塔編のラムを比較すると、その成長の幅がよく見える。

項目 Arc4のラム Arc6のラム
ロズワールへの感情 愛と怒りが拮抗。主を「止めるため」に動く 主の正気を取り戻した後の「相棒」としての位置取り
レムとの関係 レム不在の自責。常に「妹なら」と問い続ける 「共感覚」によりレムとの魂の回廊を活用
戦闘スタイル 角なし。風魔法と知性で勝つ参謀型 「共感覚」発動で鬼化を再現。全盛期の約5割の戦闘力
役割 主の暴走を止める者 暴食の大罪司教ライ・バテンカイトスを撃破する戦士
象徴的セリフ 「愛しているから、あなたを止めるためにここに来た」 レムの分まで戦うことを決意した独白

Arc4のラムが「主の魂を救う者」であったのに対し、Arc6のラムは「妹の代わりに戦場で勝つ者」へと変貌している。この二段階の成長を通じて、ラムというキャラクターは「角を失った半鬼族の少女」から「自分の意志で世界に立ち向かう戦士」へと完成していく。Arc6以降の戦いについてはラムのArc6活躍まとめに詳しく、ぜひArc4と続けて読んでほしい。

11. アニメで見るArc4のラム

Arc4はアニメ第2期(2020年)として全25話で映像化されており、ラムのクライマックス——叡智の書を焼くシーン、ロズワールへの愛の告白、パックとの共闘——は第46話前後で重厚に描かれている。声優・村川梨衣の演技は、屋敷での冷ややかなラムと、ロズワールに本心を晒した瞬間のラムの差を、声色だけで完全に弾き分けており、シリーズ屈指の名演技と言ってよい。

ちなみに双子の妹レムの声優は水瀬いのり。Arc4のレムは昏睡中で出番が極端に少ない一方、ラムは姉として全話に登場するため、Arc4は「村川梨衣の独壇場」と呼ばれることも多い。アニメ第2期で改めてラムの真価を味わいたい方は、ぜひDMM TVでの一気見をおすすめする。


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12. まとめ|Arc4はラムが「主のための女」から「自分の女」になる章

Arc4「永遠の契約」は、しばしばスバル対ロズワールの賭けや、エキドナの誘惑、ガーフィールの聖域防衛といった派手なドラマが語られる章だ。しかしその裏で、ひとりの半鬼族の少女が400年の業を背負った主に向かって剣を引き、自分の愛をぶつけ、叡智の書を焼くという、シリーズ屈指のキャラクタードラマが進行していたことを忘れてはならない。

角を失った神童ラムは、Arc4を通じて「主に救われた者」から「主を救う者」へと立場を変えた。愛と怒りの両方を抱えたまま、復讐ではなく救済として叡智の書を焼いたラムの判断は、リゼロという物語全体のなかでも極めて成熟した倫理性を示している。Arc6以降、ラムが「共感覚」を発動して鬼化を再現し、暴食の大罪司教を撃破するに至る成長は、すべてこのArc4の決断から始まったと言ってよい。

Arc4のラムを語ることは、リゼロという物語が「救う者と救われる者の関係はいつでも反転しうる」というテーマを真ん中に置いていることを再確認する作業でもある。ぜひ本記事と併せて、原作小説Arc4およびアニメ第2期を読み返し、ラムの「愛しているから、あなたを止める」というセリフの重みを、もう一度味わってほしい。

関連記事として、ラム総合解説ラムのArc6活躍まとめガーフィールArc4解説エキドナArc4解説ロズワール完全解説を併せてどうぞ。原作小説で続きを読みたい方は、Amazonでも電子書籍版が手に入る。

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