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Re:ゼロから始める異世界生活のネタバレ【小説・アニメ・漫画】

【リゼロArc4】ベアトリスの変貌|400年の孤独・エキドナの遺書・スバルとの「そう思う人と」

「リゼロ」第4章「聖域と強欲の魔女」は、ベアトリスというキャラクターの本質が露わになる章です。エキドナが残した「叡智の書」の白紙、400年間「来るべき人」を待ち続けた孤独、そして燃え盛る禁書庫でのスバルとの誓い。これらすべてが交差するArc4は、ベアトリスを「禁書庫の守護者」から「ナツキ・スバルの精霊」へと変貌させる転換点でした。

本記事では、Arc4に焦点を絞り、ベアトリスの内面に刻まれた400年の重さ、エキドナから遺された書物の謎、そしてスバルとの「そう思う人と」という誓いが持つ意味を、原作小説の描写を軸に丁寧に掘り下げます。

目次

Arc4前のベアトリス:禁書庫での400年

Arc4の衝撃を理解するには、まずベアトリスがどのような時間を経てきたかを押さえる必要があります。ベアトリスは強欲の魔女エキドナによって生み出された人造精霊であり、エキドナが世界から姿を消した直後から、ロズワール邸の禁書庫に籠もり続けてきました。その期間は400年。人間の一生を5〜6回重ねてなお余る、途方もない時間です。

エキドナが創った精霊——「本(ほん)」との関係

ベアトリスは、エキドナが生涯に生み出した三番目の人造精霊です。一番目は後に「襟ドナ」と呼ばれることになる存在、二番目はパック、そしてベアトリスが三番目。彼女はエキドナの手によって形を与えられ、魔法の基礎を叩き込まれ、禁書庫という空間ごと「守護者」としての役割を与えられました。

禁書庫は単なる書庫ではありません。エキドナが生前に蒐集した魔法・歴史・神秘の知識が詰まった亜空間であり、その管理はベアトリスにしかできない繊細な仕事でした。書架に並ぶ膨大な書物を読み、整理し、保存し続けることは、ベアトリスにとって「生きている証明」でもありました。

ベアトリスのプロフィールや陰魔法の全体像については、ベアトリス基本プロフィール解説をご覧ください。

「I suppose(そう思う)」の口癖の意味——強がりと孤独の裏返し

ベアトリスの口癖として知られる「〜かしら、I suppose」「〜なのよ、I suppose」という言い回しは、彼女の性格を象徴する重要なキーワードです。

「I suppose」は英語で「〜だと思う」という意味ですが、ニュアンスとしては「確信はないけれど、そうじゃないかしら」という含みを持ちます。断定を避け、自分の感情や意見に予防線を張るような言い方です。

なぜベアトリスはこの言い回しを多用するのか。原作を読み込むと、その答えが見えてきます。400年間、禁書庫で「あの人」を待ち続けたベアトリスは、いつしか自分の感情に確信を持てなくなっていました。「この人が来るべき人かもしれない」という希望を何度も持ち、何度も裏切られてきた歴史が、彼女に「断言すること」の痛みを刻み込んだのです。

「I suppose」という言葉は、強がりであり、孤独の裏返しであり、傷つくことへの防衛反応でした。Arc4でこの口癖の意味が逆転するシーンが、ベアトリスの物語における最大の転換点となります。

「来るべき人」を待ち続ける使命と、それが空虚になりつつある精神状態

エキドナはベアトリスに「来るべき人が現れるまで禁書庫を守れ」という使命を与えました。しかし「来るべき人」の条件は具体的に示されていませんでした。ベアトリスは何人もの候補者を禁書庫に迎え入れ、「あの方」かどうかを見極めようとしては失望を繰り返してきました。

最初の数十年は、いつか現れるという確信がありました。百年が経っても、その確信は完全には消えていませんでした。しかし200年、300年と時間が積み重なるにつれ、ベアトリスの内側に静かな変化が生まれてきます。「本当に来るのだろうか」「そもそも存在するのだろうか」という疑念が、彼女の心の底を侵食し始めたのです。

Arc4が始まる時点では、ベアトリスは表面上こそ「来るべき人を待つ精霊」の仮面を保っていますが、その内実はすでに空洞に近いものになっていました。彼女を支えていたのは、「使命を果たさなければ」という義務感と、それを手放した後に何が残るのかという恐怖だけだったのかもしれません。

禁書庫の構造と機能の詳細は、ロズワールとロズワール邸の解説でも触れています。

エキドナから遺された「叡智の書」の謎

ベアトリスの400年の孤独を語る上で、エキドナが遺した「書」の問題を避けて通ることはできません。この書をめぐる謎こそが、Arc4のベアトリスの絶望を決定づける核心です。

「叡智の書」——白紙だった運命の書

エキドナはベアトリスに別れの際、「叡智の書に最も近い本」を一冊手渡しました。「叡智の書」とは、エキドナがあらゆる時代と分岐の知識を集約した最高位の魔導書です。エキドナが手渡したのはその完全版ではなく、「最も近い本」——つまり、来るべき人への指示や手がかりが記されているはずの、福音書に似た導きの書でした。

しかし、ベアトリスがその書を開いたとき、そこには何も書かれていませんでした。

真っ白なページ。何度開いても、何百年が経っても、文字は現れない。「来るべき人」がいつ来るのか、どんな人なのか、何をすべきなのか——何一つ教えてくれない白紙の書。これがベアトリスの400年の孤独を象徴する最も残酷な事実でした。

なお、この書は「スピカの書」と呼ばれることがありますが、これは誤称に近い俗称です。原作における正式な位置づけとしては「エキドナが遺した叡智の書(に最も近い本)」であり、以下では「叡智の書」として表記します。

書が白紙だという事実が意味するもの

叡智の書が白紙だったという事実は、単純に「まだ記されていない」のではなく、より深い意味を持っている可能性があります。

もし「来るべき人」が予め決まっていたなら、その人への指示は最初から書かれているはずです。しかし書は白紙だった。これが意味することは何か。いくつかの解釈が可能です。

一つ目の解釈は、「来るべき人」は予め決まっておらず、ベアトリス自身が選ぶべき存在だったというものです。エキドナは「この人が来るべき人だ」と決めていたのではなく、「ベアトリスが心から選べる誰か」を待つよう促していた——だとすれば、書に記すべき指示など、最初から存在しなかったことになります。

二つ目の解釈は、エキドナが敢えて白紙にしたというものです。もし全てが書かれていたなら、ベアトリスはその指示に従うだけの存在になってしまう。エキドナは精霊であるベアトリスに、自分の意志で「選ぶ」という経験をさせたかったのではないか——こちらの解釈はより深く、エキドナというキャラクターの複雑さを体現しています。

エキドナの人物像や彼女がベアトリスに与えた影響については、エキドナ完全解説で詳しく解説しています。

「来るべき人」への疑念が育つ400年

白紙の書を抱えたまま時間が流れる中で、ベアトリスの内側では「来るべき人」という概念への疑念が深まり続けました。「そもそも、あの方は本当に存在するのか」「エキドナは私に嘘をついていたのではないか」——こうした思いは、ベアトリスにとって口にすることも許されない禁断の問いでした。なぜなら、その問いに答えが出てしまえば、400年という時間が完全に無意味になってしまうからです。

だからベアトリスは、疑念を疑念のまま心の底に沈め、「それでも待ち続ける」という選択をとり続けました。これは強さではなく、真実に向き合う勇気を持てないでいた姿でもありました。Arc4では、その真実と正面から向き合う時が来ます。

聖域(エリオール大森林)Arc4での出来事

Arc4の舞台となる「聖域」は、エリオール大森林の奥に位置する、半獣人たちが暮らす隠れ里です。ロズワールの計画と、エミリアに課された魔女の試練と、ガーフィールの迷いと——複数の問題が絡み合うこの章で、ベアトリスは禁書庫から一歩も出ることなく、それでも物語の核心に深く関わっていきます。

半獣人の解放問題・ガーフィールの試練・ロズワールの謀略

聖域ではエミリアが魔女の試練を受けることになり、スバルはエミリアを支えながら聖域の封印を解こうとします。一方、聖域の守護者ガーフィールは「聖域を外に開放してはならない」という信念のもと、スバルたちの前に立ちはだかります。

ガーフィールと聖域の関係については、ガーフィールと母親の真実で詳しく解説しています。

そしてロズワール・L・メイザースは、この混乱を利用して自分の目的——エキドナの復活——を画策していました。ロズワールの思惑と行動の裏にある狂気については、ロズワールキャラクター解説をご覧ください。

ベアトリスが聖域外に出ずロズワール邸禁書庫に籠もっている理由

Arc4が始まった段階でも、ベアトリスは禁書庫の外に出ていません。ロズワール邸と聖域は距離的に離れており、ベアトリスは聖域での出来事に直接関与しないまま、書庫で独り時間を過ごしていました。

外に出ない理由は単純です。「来るべき人を待つ」という使命が、ベアトリスを禁書庫という空間に縛り付けていたからです。使命を捨てて外に出ることは、400年の意味を自分で否定することに等しい。それゆえベアトリスは、自分の足で聖域に向かうことも、スバルたちの戦いに加わることも選べなかったのです。

ペテルギウスの残影(怠惰因子)がスバルに憑依する場面でのベアトリスの対処

Arc4の途中、かつて怠惰の大罪司教として知られたペテルギウス・ロマネコンティの「残影」がスバルに干渉する場面があります。ペテルギウスの魔女因子(怠惰因子)は、かつてスバルの体に一時的に宿ったことがありました。その影響がArc4でも顔を出し、スバルの精神を内側から乱す形で現れます。

この状況でベアトリスはスバルの近くにいながら、精霊としての感知能力で「スバルの内側に何かがいる」ことを察知します。陰魔法の使い手であるベアトリスは、マナの流れと霊的な乱れを読む能力に長けており、ペテルギウスの因子が引き起こす異常をいち早く感じ取りました。

この場面は、ベアトリスがまだスバルと正式な契約を結んでいない段階で、「来るべき人かどうかも判断していない存在」に対して、それでも本能的に守りたいという衝動を覚えた瞬間でもありました。

「滅びの欲求」と孤独の深淵

Arc4でのベアトリスを理解するには、彼女の心に宿った「終わりへの志向」について正直に向き合う必要があります。400年という時間は、ベアトリスを「待ち続ける者」にしたと同時に、「終わりを望む者」にもしていました。

スバルたちが死に戻りを繰り返す中でのベアトリスの孤独感

スバルがArc4で何度も「死に戻り」を繰り返すことは、ベアトリスには直接は見えていません。彼女は各周回でのスバルの苦闘を知らないまま、禁書庫で独り時間を過ごします。

しかし、ロズワール邸を訪れるスバルの様子が、周回を経るごとに変わっていくことは感じ取れていました。疲弊した目、絞り出すような言葉、時折見せる絶望の色——それらを感知しながら、ベアトリスはスバルの内側で何かが起きていることを理解します。

そして、そのスバルが向かってくる場所が、他でもない禁書庫でした。誰にも信じてもらえない秘密を抱えたスバルが、逃げ込む場所として選んだのがベアトリスのいる空間だったのです。これはベアトリスにとって、400年ぶりに「誰かに必要とされている」という感覚でした。

「もう終わりにしたい」という感情——消滅・終わりへの志向

原作の第4章終盤、ベアトリスはスバルに直接「殺してくれ」と告げます。これは比喩でも冗談でもなく、ベアトリスの本心でした。「あの方」は来ない。書は白紙のまま。禁書庫も炎に包まれつつある。400年間守り続けてきたものが全て失われようとしているこの瞬間、ベアトリスには「続ける理由」が何もなくなっていました。

「お前がその人でなくても構わない。ベティを終わらせる相手、契約の終わりをもたらし、この生命を奪うのは、お前で我慢してやるかしら」

この言葉の重さを正しく受け取るためには、前提として400年分の疲弊と失望を想像しなければなりません。ベアトリスは決して弱い精霊ではありません。陰魔法の大精霊として、圧倒的な力を持つ存在です。それでも、精神は疲弊する。一人で抱えられる孤独には限界がある。ベアトリスはその限界に、Arc4でついに達していました。

エキドナへの複雑な感情——愛情と怨恨の混在

ベアトリスがエキドナに向ける感情は、単純な「慕い」や「怨み」では表現できないほど複雑です。

エキドナはベアトリスを生み出した創造主であり、魔法の師であり、最初に愛した存在でした。「魔女の館」で過ごした幸福な時間は、ベアトリスの記憶の中で輝き続けています。しかしエキドナは、「あの方を待て」という使命を与えた後、世界から消えました。その使命の意味も、叡智の書の白紙の理由も、何も告げずに。

「どうして白紙だったの。どうして何も教えてくれなかったの」——この問いを、ベアトリスはエキドナに向けることが永遠にできませんでした。Arc4で「夢の城」を通じてエキドナと再会した際も、ベアトリスは直接この問いを投げることを躊躇い続けます。愛情と怨恨が混在しているからこそ、エキドナというキャラクターはベアトリスにとって唯一無二の、越えられない存在であり続けるのです。

スバルとの「そう思う人と」の誓い

リゼロ第4章の最大の山場は、燃え盛る禁書庫でのスバルとベアトリスの対峙です。このシーンは、作品全体を通じても屈指の名場面として多くの読者の心に刻まれています。

スバルがベアトリスを選ぶシーン——「俺と一緒に来い」

炎に包まれる禁書庫で、ベアトリスはスバルに「自分を殺してほしい」と告げます。その言葉を受けたスバルは、しかし刃を向けませんでした。代わりに、彼は言います。

「お前が誰の何を待ってきたのか、俺にはわからねえ。──でも、お前がいなくちゃ、俺は寂しくて生きていけねぇんだよ!俺を選べ、ベアトリス!」

「来るべき人」かどうかを基準に選ぶのではなく、「俺がお前を選ぶ」という宣言。スバルの言葉は、400年間ベアトリスが信じてきた「選ばれる」という受動的な構図を根底から覆しました。

さらにスバルはこう続けます。「俺と一緒に来い。死ぬことは許さない。ベアトリスが望む限り、俺はずっとそこにいる」——この言葉が、400年の孤独の末に建てた壁を、最後の一枚まで崩しました。

「来るべき人」はスバルだったという解釈・ベアトリスの選択

ここで重要なのは、スバルが「来るべき人の条件を満たしていた」という話ではないという点です。確かにスバルは異世界からの渡来者であり、「死に戻り」という特殊な権能を持つ特別な存在です。エキドナがスバルを意識していた可能性も否定できません。

しかし、ベアトリスの選択の本質はそこにありませんでした。

「来るべき人」が誰であれ、条件が何であれ、今目の前にいるのはスバルです。400年待ち続けてきた「誰か」ではなく、「この人」を選ぶ。エキドナの作った筋書きに従うのではなく、自分の意志で、自分が望む人と一緒にいる——そういう選択を、ベアトリスは初めてしました。

この選択こそが、「来るべき人を待つ使命」から「スバルのパートナーとして生きる意志」への転換であり、ベアトリスというキャラクターの真の自由の始まりでした。

「そう思う人と」(I suppose)という口癖が持つ新しい意味

契約成立の瞬間、ベアトリスは言います。

「あなたを選ぶかしら、I suppose——ベアトリスは、そう思う人とともにあるのよ」

「I suppose(そう思う)」という言葉は、かつてベアトリスの強がりと孤独の象徴でした。断言を避け、感情に予防線を張るための言葉。しかしこの瞬間、「I suppose」は全く異なる意味を持ちます。

「自分がそう思う人と一緒にいる」——これは、「来るべき人が現れるまで待つ」という受動的な生き方を捨て、「自分が選んだ人とともに生きる」という能動的な宣言です。「I suppose」という言葉が、予防線ではなく誓いの言葉に変わった瞬間でした。

400年間ベアトリスの口から繰り返されてきた言葉が、この場面で全く新しい輝きを持つ。これが、リゼロという作品の言葉の使い方の精緻さを示す名場面の一つです。

禁書庫を出て初めて笑ったベアトリスの描写

契約を結び、スバルとともに禁書庫を出たベアトリスは、燃え落ちる書庫と炎の空を背景に、初めて心から笑います。400年間見せることのなかった、純粋な笑顔。

その描写は、原作においても数少ない「ベアトリスが完全に無防備になった瞬間」として描かれています。強がりも、「I suppose」の予防線も、守護者としての仮面もない、ただの少女の笑顔。スバルもこの笑顔に言葉を失い、その後のやりとりでは珍しく平常心を乱します。

Arc4はベアトリスの物語において「笑う前」と「笑った後」を分ける節目であり、以降の全ての章でベアトリスはこの笑顔を取り戻した精霊として描かれていきます。

スバル契約後のベアトリスの変化

Arc4でスバルと契約を結んだ後、ベアトリスは劇的な変化を遂げます。400年間閉じていた心が開かれた先に待っていたのは、戦場という現実でした。

Arc5以降での積極的な戦闘参加——魔法・呪術の活用

Arc5「水門都市プリステラ編」では、ベアトリスは本格的な戦闘参加者として前線に立ちます。強欲の大罪司教レグルス・コルニアスとの戦いでは防御と援護を担い、暴食の大罪司教ライ・バテンカイトス戦では決定打の一つとなりました。

Arc6「プレアデス監視塔編」では、スバルとの間にオリジナルの共闘魔法「E・M・M(絶対防御)」「E・M・T(絶対無効化)」を開発し、精霊術師としての新たな可能性を開きます。

禁書庫に籠もっていた頃のベアトリスは、その力を「守護」のためだけに使っていました。しかし契約後は、「スバルのために、仲間のために、自分の意志で戦う」という目的を持った使い手として、陰魔法を駆使するようになっていきます。この変化は単なる戦闘力の変化ではなく、「何のために力を使うか」という動機の変化です。

スバルへの感情——「主人」ではなく「パートナー」という関係性

ベアトリスとスバルの関係は、「精霊と精霊使い」という主従関係に収まらないものです。原作では、ベアトリスがスバルを「お前」と呼ぶことをやめ、名前で「スバル」と呼ぶようになった変化が、二人の関係の変質を象徴しています。

マナ供給のため毎晩スバルの部屋に訪れるベアトリスは、スバルの傍に寄り添いながらも、従属しているわけではありません。時に口うるさく、時に意見し、時にスバルの行動を制止するその姿は、対等なパートナーのそれです。

また、スバルが危機に陥った際のベアトリスの反応は、契約者を守るという義務感ではなく、「この人を失いたくない」という純粋な感情から来ていることが、Arc5以降の描写で明確になっていきます。

エミリア・レムたちとの関係変化——閉じていた心が開いていく過程

Arc4以前のベアトリスは、エミリア陣営の人々に対してほぼ心を閉ざしていました。特にエミリア本人とは、「パックの契約相手」という立場上の複雑さもあり、距離を保ち続けていました。

しかしスバルとの契約後、ベアトリスは少しずつ周囲の人々と関わり始めます。エミリアとは互いに信頼できる仲間として接するようになり、レムが「眠り姫」となった状況でもレムを仲間として気にかけます。ペトラとは時にスバルの傍の席を取り合うほどの関係になっていきます。

この変化は、「誰かを信じること」の恐れを手放したことの結果です。一人誰かと本気でつながったことで、他の誰かともつながれる余白が生まれた——ベアトリスの心の変化は、スバルとの契約という一点から広がる同心円のように、周囲へと波及していきました。

エミリアとスバルの関係については、Arc1解説から丁寧に追うことができます。

「精霊術士スバル」の可能性

ベアトリスとの契約は、スバル自身の可能性も広げました。「精霊術士」としてのスバルという側面は、Arc4以降の重要なテーマの一つです。

ベアトリスとの契約によりスバルが使える力

精霊との契約を結んだ精霊使いは、通常、その精霊のマナ供給を受けながら強化された魔法を使えるようになります。しかしスバルとベアトリスの契約は、単なる「精霊使いと精霊」の関係に留まりません。

E・M・MやE・M・Tといったオリジナル魔法は、スバルとベアトリスが二人で開発した「共同創造の術式」です。ベアトリスのマナとスバルのゲート(魔力の流れる経路)が特殊な形で接続することで初めて可能になるこれらの魔法は、スバルが「精霊術士」としての固有の役割を持っていることを示しています。

スバルの精霊魔法適性——ゲートが壊れている問題との関係

スバルのゲートは、Arc2で魔女教徒に意図的に壊された経緯があります。ゲートが壊れているため、スバルは通常の魔法を使うことができません。

しかしベアトリスとの契約は、この問題に対して新しい解答を提示します。スバル自身がマナを生成・放出するのではなく、ベアトリスが供給するマナの「通路」としてスバルのゲートを使う——このアプローチにより、壊れたゲートを持つスバルでも、特定の条件下で精霊魔法に参加できるようになりました。

「ゲートが壊れている=魔法が使えない」という常識を、ベアトリスとの共同作業が逆転させた。これはスバルというキャラクターの成長において重要な一歩であり、Arc6以降でさらに発展していく要素です。

スバルの権能「死に戻り」と精霊魔法の関係については、リゼロ総合解説でも取り上げています。

ベアトリスの名言——Arc4が生んだ言葉たち

Arc4はベアトリスの言葉が最も輝く章でもあります。以下、特に印象深い名言を取り上げます。

「お前で我慢してやるかしら」

スバルとの契約に踏み切る際のベアトリスの言葉。「あの方」ではなく、スバルという「あの方ではない誰か」を選ぶ苦しさと、それでも選びたいという本心が入り交じった、ベアトリスらしい逆説的な表現です。「お前で我慢する」と言いながら、その実「お前がいい」というメッセージが滲み出ているこのセリフは、ファンの間でもArc4の象徴として語り継がれています。

「ベティーを1番にして1番に考えて1番に選んで……」

禁書庫でスバルに「俺を選べ」と言われた瞬間のベアトリスの独白。400年間「来るべき人を選ぶ」立場に置かれていたベアトリスが、「1番に選んでほしい」という子供のような願いを初めて口にした瞬間です。強さと傲慢さで覆い隠してきた、最も柔らかい部分が露わになる名場面です。

「あなたを選ぶかしら、I suppose」

契約の言葉として発せられた、ベアトリスのArc4最大の名セリフ。「I suppose(そう思う)」が予防線から誓いの言葉に変わった瞬間を凝縮しています。かつての強がりの言葉が、この場面では純粋な意志の宣言として機能する——リゼロの言葉の設計の精巧さが光る台詞です。

「スバルの守る世界で、ベティーは生きていくのよ」

Arc5以降のベアトリスが折々に示す姿勢を象徴する言葉。「守られる」ではなく「共に守る世界で生きる」というニュアンスが、Arc4の契約を経たベアトリスの自立した意志を表しています。孤独の中で時間をただ過ごしてきた精霊が、「生きる」という能動的な意志を持つに至った変化が凝縮されています。

Arc4が後の物語に与えた影響

ベアトリスのArc4での変貌は、リゼロの物語全体に大きな影響を与えました。

Arc5では、ベアトリスとスバルの連携がプリステラの戦いを支える柱となりました。Arc6では、エキドナの遺産が集まるプレアデス監視塔でベアトリスが「創造主の遺産の継承者」としての側面を見せます。Arc7・8では、スバルとの離別を経験することで「待つこと」と「信じること」の新しい意味を獲得します。

これらすべての展開の起点にあるのが、Arc4での「自分で選ぶ」という決断です。400年間「選ばれるを待つ」だったベアトリスが「自分で選ぶ」に転換した。この変化は、Arc5以降のベアトリスのあらゆる選択・行動の根底に流れ続けています。

Arc4の舞台となった聖域の詳細については、リゼロ初期アーク解説ロズワール解説で補足情報を確認できます。

まとめ——400年の孤独が「I suppose」を誓いに変えた

Arc4はベアトリスにとって、始まりと終わりが同時に訪れる章でした。400年間守り続けた禁書庫が炎に包まれる中で、「来るべき人を待つ使命」という生きる意味が燃え尽きました。しかしその灰の中から、「自分が選んだ人と生きる意志」という新しい炎が生まれました。

エキドナが遺した叡智の書は白紙でした。しかしその白紙は、「何も書かれていない」のではなく、「ベアトリス自身が書くべき余白」だったのかもしれません。スバルという選択を、自分の意志で選んだ瞬間、ベアトリスはその白紙に初めて文字を書いたのです。

「I suppose(そう思う)」という口癖は、孤独が生んだ予防線でした。しかしスバルに向かって放たれた「あなたを選ぶかしら、I suppose」は、そう思うから選ぶという、400年分の感情を込めた誓いの言葉です。この瞬間にベアトリスは変わり、Arc5以降の戦場で、Arc6の塔の闇の中で、Arc7の離別の苦しみの中で、その誓いを守り続けていくことになります。

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